銀行との交渉をうまく進めるには?金融機関と上手く付き合うための心構え

更新日:2018.04.01

銀行との交渉を上手く進める方法

押さえておくべき心構え

これまで金融機関の持つ企業特性や、そこで働く職員の気質などについてお話ししてきました。まとめると以下の通りです。
 
・金融機関には、初めて利用したいと考える人にとって入りづらい雰囲気“バリア”が存在する。こうした精神的バリアフリーに取り組んでいる金融機関を選択すべき。
・主語が「お客様」と感じられる行動がが行員や職員にどれだけ見られるか、感じられるかで、バリアフリーの程度がわかる。
・金融機関に出向いて、この差を体感しよう。その上で、肌感覚、身の丈に合った金融機関を選択しよう。
・初めて金融機関と取引するなら、地域に密着した地方銀行や中小企業金融がお薦め。
・今、金融機関はお客様企業の特性を十分踏まえて、事業の改善や成長に幅広く支援していくことが求められている。
・金融機関の体質は「保守的」で「色を好まない」性格をもっている。
・金融機関は、外部からの働きかけに対する受容度が低く、自分のモノサシを相手に求める傾向が強い。
・金融機関と取引するには、あなたの言葉をを理解してもらおうと努力する必要がある。
・金融機関へ取引のために出向くときは、しっかりと“目的”を明確に持ち、相手にいつでも

最高なプレゼンテーションが出来るよう、必要なツールは携えておく。
・金融機関に対するあなたのニーズや聞きたいことは整理してメモしておく。
・金融機関との交渉では専門用語が飛び交うものと心得る。予めの予備知識の習得は必要だが、結局は慣れること。
・金融機関のことを理解し受け止める受容力を養うことが、良い取引関係を構築するためには必要である。以上は金融機関と取引する前に、事前に知っておきたいポイント
 と言えるでしょう。相手のことを理解しておけば、いざ交渉をする場面であなたの気持ちの持ち方が随分違ってくるはずです。有利不利というのではなく、内容を良く理解
 して交渉を進められるということですね。
  
それでは次に、いろいろな場面での交渉を上手く進めるポイントについてお話しします。

こちらもあわせてお読みください。
優良な金融機関を「自らの肌感覚」で見極める方法


新規取引時のポイント

金融機関と初めて取引をする、すなわち金融機関に初めて融資を申し込むとき、ということになります。

1.自分のことを知ってもらう
これまでの“事前に知っておくべきポイント”の中でお話ししてきたことですが、重要なことは“相手(=金融機関)に自分のことを知ってもらう”ということに尽きるでしょう。
金融機関にとってあなたに「お金」をご融資する、ということは、あなたを「信用します!」という意思表示なのです。これは金融機関が、単に“貸したお金が間違いなく返済し
てもらえるか”といった経済的視点だけではなく、“社会的に意義がある企業と取引出来ているか”という前向きな考えもあれば、もし融資を取組んだ企業がすぐに倒産してしまったときにどこを見て融資をしているんだ!”という批判、揶揄を強く意識する組織ですので、あなたが金融機関からこの「信用」を得られることは大きな意味があるのです。

従って、金融機関があなたを「信用」するためには、注意深くあなたのことを、あなたの事業のことを調査します。ここであなたは、金融機関にあなたのことをしっかりプレゼンテーションしなければなりません。しかし残念ながら、あなたの知ってほしいことと金融機関が知りたいと考えていることは往々にして差があります。

例えば、あなたは事業の意義や価値を知ってほしいと願うでしょう。一方金融機関は、あなたの事業からどれだけの売上や利益がいつ生まれるのか?その根拠は?に注目します。あなたが事業の新規性を訴えても、その事業の既存市場の規模や動向といったすでにあるモノサシであなたの事業を理解しようとすること等が挙げられます。
繰り返しますが、あなたは金融機関にあなたのことを知ってもらわねばなりません。ここでボタンを掛け違えると、お互いの理解は永遠に深まりません。

2.相手のニーズを知る
あなたがまず心掛けるべきことは、金融機関のニーズを知ることです。金融機関が融資の相談を受け入れるということは、あなたのことを理解しようとしています。そこであなたは、金融機関が理解してもらうための最適な情報を金融機関に示す必要があります。それは何か?この答えは金融機関の質問にあるのです。求められる書類もその一つです。できれば、金融機関からの質問(求められる書類)について、担当者の方にそれぞれどういうことが知りたいのか、を聞いてみるのがいいでしょう。その確認をするだけでも相互理解は深まるはずです。
 
3.金融機関はあなたの良きステークホルダー

これからあなたが事業を継続して成長させようと考えるならば、金融機関との取引は不可欠です。事業に必要な資金の調達先として、資金決済や売掛金の受皿口座、貿易などの金融サービス利用など、あらゆる面で金融機関と関わっていきます。金融機関との向き合い方、付き合い方について考えておくべきことは、金融機関があなた
の事業をサポートしてくれる大切な取引先なんだ、という意識を持つことです。でも何もしなければ金融機関は1取引先に終わってしまいます。金融機関との取引を有意義なものにするかしないかは、あなたの金融機関に対する向き合い方次第です。

金融機関との付き合い方、すなわち金融機関が持っているさまざまなサービスから何を期待するのか、を明確にして金融機関と付き合えば、きっと良好な関係を築くことが出来るでしょう。また、あなたにとって最適な金融機関を選択することが出来るでしょう。
お互いのことをよく理解することが、こうした良好な関係構築の第一歩であり、良きステークホルダーとして敬意をもって向き合うことが関係性を長続きさせる秘訣です。

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プロフィール

西田 隆行

西田 隆行

中小企業診断士。1980年大学卒業後信用金庫に勤務。中小企業や小規模事業者へ資金繰りや財務のコンサルティングを行っている。また地域の中核企業、老舗企業の再生に深く関与。「事業を継続するための財務戦略」をメインテーマに活動している。2017年12月から、日本最大の起業・開業・独立者向けポータルサイト「助っ人」(www.suke10.com)の編集チームで、主に「銀行とのつきあい方、資金調達、事業承継」をテーマとしたコラムを担当している。


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