三河主門

副業&フリーランスの経済規模「10%」が日本人に問うもの(あすへのヒント)

ポイント(この記事は2分で読み終わります)
  1. 副業という働き方

日本経済新聞の朝刊で売りもの記事の1つである、ビジネス・経済ルポルタージュ「迫真」。4月10日付から始まったシリーズは「副業という働き方」だ。10日付の連載第1回は、見出しには「『1企業頼み』の終わり」とあった。これまでの日本は、新卒入社から1つの企業に、もしくは転職しても企業の中に長くいることが「当たり前」と考えられていた。その大きな転換点を捉えた企画ルポだ。

「(副業なども含めた講義の)フリーランスの推定報酬額は、2018年に初めて20兆円に達した」――。クラウドソーシング大手のランサーズ(東京・渋谷、秋好陽介社長)が4月4日に発表した「フリーランス実態調査2018」。過去12カ月に仕事の対価として報酬を得た全国の20~69歳の男女、約3000人(有効回答数)を18年2月中旬の3日間、オンラインで調査(マクロミルが実施)した結果だ。

推定報酬額は、調査では「推定経済規模」としているが、つまりフリーランスで得た総収入が前年調査に比べて9%増となり、約20兆1000億円になったという。フリーランスで働く人の数は1119万人と前年比ほぼ横ばいだが、全人口に占める割合は17%に達し、個人の平均報酬はどう12%増の186万円と大きく伸びている。

この推定経済規模が20兆1000億円という数字は、ランサーズによると「日本の総給与支払額の10%を占める」規模だという。さらに、約1119万人のフリーランスのうち、本業・副業を区別しない労働者を含む副業フリーランスは744万人にのぼり、推定経済規模も7兆8280億円に達したとし、ランサーズはこれをもって2018年を「副業元年」と名付けている。


(ランサーズ、「フリーランス実態調査2018年版」より)

2018年調査を詳しくみると、フリーランスは大きく4つに分類されるという。「副業系すきまワーカー」「複業系パラレルワーカー」「自由業系フリーワーカー」「自営業系オーナー」という4つのタイプだ。このうち、「17年と比較すると特に複業系パラレルワーカーの人口が急増(昨年比5%増)しているのが目立つ」(2018年調査のリポート)としている。

タイプ別では、「自由業系フリーワーカー」の平均年収は17年比で28%増の約157万円、副業系すきまワーカーが同23%増の123万円と、それぞれ大きく伸びているのが分かる。

日本でもこの動きがさらに広がるだろうと予想されるのが、ランサーズの調査が比較として参考にしている米国での2017年の調査だ。調査会社のエデルマン・バーランドが17年夏にオンラインで約6000人(有効回答数)を調べた結果、フリーランスの人口は5730万人と労働人口の約35%を占め、その推定経済規模も1兆4000億ドル(約150兆円、1ドル=107円で換算)に達しているとした。1人あたりの平均年収は260万円前後と日本を74万円ほど上回っている。

移民国家で人口が3億人を超えてもまだ増え続ける米国と、労働人口が減少に転じて2060年には大きく減少する日本。内閣府の調べでは、これからも女性や高齢者の労働参加が全く進まない「最も悲観的なシナリオ」の場合では、労働力人口は60年に3795万人となり、今より42%も減少する見込みだ。

ランサーズの指摘した「副業元年」というのは、日経のルポ記事「迫真」の見出しがいみじくも暗示したように、「1社では1人の人間の人生を支えきれない時代が来た」ことを告げている。これから自分の生きていく道をどう見つけるのか、どう効率よく働いていくのか、そしてどこで何をして収入を得ていくのかを、日本で生まれ住む個人個人に問い詰めていく時代になった、ということなのだろう。

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著者プロフィール

三河主門

2017年5月に日本経済新聞社を退社して独立。各種新聞・雑誌・ウェブメディアに記事を執筆しながら、フリーランスの編集者、メディア・リレーションのコンサルティングとしても活動している。17年11月に「Mikawa&Co.合同会社」を設立、中小企業・スタートアップベンチャーのためのPR(広報)コンサルティング、セミナーなどを手掛けるほか、教育関連コンテンツの製作も開始した。 日経記者時代は主に企業取材を担当。産業部(現・企業報道部)記者として長い経験がある。2007~10年にバンコク支局長として駐在した経験と人脈を生かし、タイのビジネス・社会・文化を研究・紹介する活動に長く携わる。