会社の権利を守るための商標について理解しよう

更新日:2018.04.29

世間ではいろいろな商標が商品に利用されています。皆さんに知られている大きな企業は、ほとんどが商標を使用しています。ホントに使用しているのかな?と思われるのであれば、普段使用している商品をじっくりと一度見てみてください。その企業や商品独自の商標が使用されていることが間違いなく理解できるはずです。ここでは商標の基礎的な知識を頭にいれるための情報を理解していきましょう。

1 商標制度とは一体どのようなものなのか?

商標は国で定められた制度がありますので、まずは確認していくことにしましょう。商標制度について定めている商標法の第1条には「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をするものの業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を反故することを目的とする」とされています。

商標が定められているのは、私達のような消費者は当然のことながら、サービスを提供している企業が事業活動を行っていく場合に、市場に並んでいる商品やサービスを確認したときに、その商品やサービスをどの企業が製造したり提供しているのかであったり、商品やサービスの質として、お客様がどのようなものを期待しているのかが判断できるシステムが必要であるという考えがあります。

そのため商標制度では、商品やサービスに付けられた目印、いわゆる商標を保護することを定めて、商標に対してその目印がつけられた商品やサービスが誰のものであるかを消費者を含めて外部に知らしめることのできる機能や広告機能を持たせることにより、商標を使用して事業を行うものの業務上の信用の維持を図ることを目的として、産業の発達を推進しつつ、商標を利用するものの利益を保護しようと考えられているのです。

商標法の保護対象を理解しよう

商標法ではどのようなものが法律の保護対象になるかを記載しています。法律の保護対象にならなければ、どのようなものでも保護されることはありませんので、保護対象となるかどうかは十分に理解しておくことが必要になるでしょう。商標法の2条の条文では、保護の対象として以下のように記載がされています。「人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状もしくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」

上記の条文にあるように、事業として商品を生産し、証明しもしくは譲渡をするものが、その商品について使用するもの、または事業として役務を提供してもしくは証明するものがその役務について使用するものを保護対象としています。この商標法ですが平成26年5月14日の公布で商標の定義が見直されており、改正されるまでは商標として保護される対象となっていなかった「動き」「ホログラム」「音」「位置」「色彩」も法律で保護される商標として認められるようになり、より権利としての保護が強くなったと言えるのではないでしょうか。

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2 商標を登録するための費用を確認しよう

商標を登録するには費用が必要となりますので、ここではどの程度必要なのかを理解していただくために商標に関連する様々な必要費用を紹介していきます。似たようなもので、特許・実用新案・意匠とありますが、今回は商標についてのみを挙げさせていただきますので割愛させていただきます。特許も含めた手数料の確認を行いたい場合には、特許庁のホームページの産業財産権関係料金一覧をご覧ください。

参考リンク➡「産業財産権関係料金一覧」

2-1 出願料

・商標登録出願
3,400円+(区分数×8,600円)

・防護標章登録出願又は防護標章登録に基づく権利の存続期間更新登録出願
6,800円+(区分数×17,200円)

・重複登録商標に係る商標権の存続期間の更新登録出願
12,000円

2-2 審査関係手数料

・審判(再審)請求
15,000円+(区分数×40,000円)

・商標(防護標章)登録異議申立
3,000円+(区分数×8,000円)

・判定請求
40,000円

・審判又は再審への当事者の参加申請
55,000円

・審判又は再審への補助参加申請
16,500円

・商標(防護標章)登録異議申立の審理への参加申請
3,300円

2-3 商標登録料

・商標登録料
区分数×28,200円

・分納額(前期・後期支払分)注1※
区分数×16,400円

※商標法第41条の2第1項により納付する分割納付における前期分の設定登録料が旧料金(施行日前など)であった場合の、商標法第41条の2第1項により納付する分割納付における後期分の設定登録料は、改正法附則第2条第7項及び第3条第5項により、施行日以降の納付であっても旧料金(区分数×21,900円)が適用されることになります。

・更新登録申請
区分数×38,800円

・分納額(前期・後期支払分)注2※
区分数×22,600円

※商標法第41条第7項により納付する分割納付における前期分の更新登録料が旧料金(施行日前など)であった場合の、商標法第41条第7項により納付する分割納付における後期分の更新登録料は改正法附則第2条第7項及び第3条第5項により、施行日以降の納付であっても旧料金(区分数×28,300円)が適用されることになります。

・商標権の分割申請
30,000円

・防護標章登録料
区分数×28,200円

・防護標章更新登録料
区分数×33,400円

3 商標として保護されるために満たすべきことを理解しよう

上記の商標の保護対象でも述べていますが、商標は保護されるものでなければ意味はありません。また法律で保護される分野の商標であっても満たすべき条件を満たしていなければ商標として登録できませんので、これも意味がなくなってしまいます。ここでは保護される分野の商標が満たしておくべき条件について見ていきましょう。

3-1 商標が事業に使用されるものであるかどうか?

マークにしてもロゴにしてもですが、商標として認められるためには、マークやロゴなどを事業で使用しているかどうかが必要となってきますので十分に注意をしてください。理由は最初の商標制度のところでも説明をしているので理解をしている方もおられると思いますが、商標制度というものが導入されている目的が事業者の商品やサービスをライバルとなる事業者の商品やサービスと区別することで消費者の間違いを防いで、企業の健全な経済活動を保護するための制度だからということになります。

ですから、あなたが個人の趣味として使用しているマークやロゴを知り合いで共有していたり、SNS(Facebook・LINE・Skype・Twitterなど)のメッセージなどで使用しているだけでは、そのマークやロゴは事業で使用しているわけではありませんので、当然ですが商標登録をすることはできません。逆に言えばですが、プライベートな場所や場面で商標登録されている企業の商標を利用して会話などをしても、商標を侵害したことにはなりませんので、商標法の違反を問われることはありません。

しかし、個人的な利用であるといっても、ヤフオクのようなオークションサイトやメルカリやラクマに代表されるフリマアプリに100回以上など数多く繰り返してしようしており、周囲から見ればすでに事業と同じだろうと思われてしまうような状態では異なることになります。すでに事業として外形的にみられるような状態であるのであれば、他の会社の商標が目立つであったり、カッコいいということで利用してしまえば、商標を侵害したことになり、商標権違反となる可能性もありますので、あなたが個人的に利用している場合には、どのレベルに当てはまるかをよく理解しておかなければいけないと言えるでしょう。

3-2 特定の商品や役務に使用されることが必要となります

ロゴなどを商標であると外部に主張するためには、事業者が登録しようと考える商標を商品やサービスについて使用しているということも重要な部分になります。商標は具体的なサービスや商品に対しての権利ですから、商標権を獲得するためには、登録した商標を利用するサービスや商品を事前に決めておくようにしましょう。具体的にはクルマやバイクの車名や、テレビやパソコンなどの家電製品の名称、塾などの名称などと言ったところでしょうか。注意をしなければいけないのは、商標登録を終えた内容と全くかけ離れた商品やサービスで使用する場合には、登録した商標でも保護の対象からは外れてしまうということでしょうか。

商標は登録した以上は継続的にしようすることが求められています。権利を先に取得して使用したいと思う他の事業者に使用料を請求したいといった考え方から商標だけ取得しても、登録後にまったく商標を使用しないのであれば、商標登録を取り消されてしまう可能性があることも理解しておきましょう。昨今では商標をなんでも登録してしまって、あとで問題になっているケースがニュースなどで報道されていることがあることは、あなたもご存知ではないでしょうか。

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4 商標を登録すると様々なメリットが!!

せっかく手間やお金をかけて商標を登録するわけですから、メリットがあるほうがいいですよね。ここでは商標を登録することで、あなたが受けることができるメリットを紹介していきます。

4-1 登録すれば独占的な利用が可能になる

商標を登録すれば、登録した商標はあなたの会社で独占することが可能になります。他の会社は、登録された商標に一致する商標だけでなく、似たような商標を表示することも不可能となります。登録後にあなた以外の人が商標を使用していたことを発見した場合には、商標を不当に侵害したとして、使用の差し止め請求や、使用したことによって利益を損失したことによる損害賠償請求を起こすことも可能になっています。

4-2 会社の信用度が高くなる

商標は独占することが可能になることだけがメリットではありません。世間にあなたの会社が商標を獲得していることを示すことができる®マークなどにより、商標を獲得していることを大々的にアピールすることが可能になります。商標を獲得していることが世間に広まれば、あなたの会社のサービスや商品の認知度は高まり信頼度は高くなり、結果としてライバル会社をけん制する効果があり市場競争にも有利に働くことになると言えるのではないでしょうか。

4-3 会社に財産をもたらすことになる

商標は会社を貴重な財産になります。自社だけで利用して独占的な立場を占めることもいいことですが、商標をライセンスすることで、使用料を請求するといった利用方法も十分に価値があると言えるでしょう。商標の知名度を高めるのであれば独占するのではなく、フランチャイズ展開などをするとより潜在的な顧客に対してのアピールになると言えるかもしれません。例としては多くのガソリンスタンドが行っているクルマのコーティングのブランドなどが挙げられるでしょう。

4-4 一度取得すれば継続的な利用が可能になる

商標は10年ごとの更新制になっていますが、登録後に何年か経過すれば、誰でも使用することができるといった規定はありませんので、必要であれば会社が存続するかぎり継続的に使用することが可能です。ですから商標を作ったのであれば、登録しておくことを忘れないようにしてください。

5 まとめ

商標はあなたの会社の知名度を高めたり、信頼度を高めたりするだけでなく、市場での競争を勝ち抜くための有利な材料になることもあります。使用することのない商標をなんでもかんでも取得することは問題でしょうが、会社で必要な商標を作成した場合に登録しておくことは、会社の成長のためにも有利であるということを理解しておくといいのではないでしょうか。

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