最終章:今死んでも、笑っていられると言い切れる〜メンターからの手紙 河合義徳氏〜

更新日:2018.06.14

河合義徳氏 プロフィールはこちら

これからの経済

これからの経済に関する僕の見通しですが、人口が減ることによる今後の急速なマーケット縮小は誰も経験していないことであり、そこで成り立つ経済も誰も経験してないことなんですね。だから今後は、大手ほど厳しくなるんじゃないか、とみています。

むしろ、零細・中小企業こそ、チャンスがあると思う。意思決定も早くできて、失敗の回転率も上げやすい小さな組織は、新しい価値を生み出す可能性が高いですから。それも、小さな組織の経営者なんかが、大手にできないことをいかに実現させるかに挑み続ける姿勢があればこそです。


ラジオにも出演しちゃいます

もう一つ、実生活での気づきから「え、それを価値にしちゃうんだ!」っていうことが今後もっと出てくると思います。僕のやっているビジネスは「エンドユーザーを喜ばせるために価値創造する」という当たり前のことですが、今ってその「当たり前」が価値になる時代なんですよね。

僕が先進的なことやっているわけじゃなくて、みんな「当たり前」がけっこうできてない。それと同じように、これまでに大手企業の資本力と見えない力によってつくられた「常識」がこれから覆っていくことも予想されます。

資本主義経済によって生み出された「豊かさ」ではなくって、「本来の当たり前の豊かさ」に気づく人がいっぱい出てくるから。

今までマーケティング的に「他者にできないオンリーワン戦略」がもてはやされていたけど、僕はそれ、ちょっと違うと思っているんです。

人口はこれから急激に減りますが、ひとりひとりの生活のなかに「オンリーワン」はあるわけですよ。その各人の生活のなかの「オンリーワン」を出現させてあげられる事業者がこれから残ると思っているので、僕がそのビジネスに共感できるかを判断する点は「この事業体はひとりひとりの暮らしにあるオンリーワンをきちんとサポートする価値を作ろうとしているか」ということです。

なおかつ、その業態は「顔が見える関係」じゃないとできないことだとも思うんです。

これから「◯◯さんが言うから興味ある」「◯◯さんが作ったものだから買いたくなる」という具合に、「ブランド」はひとりひとりに求められるようになります。だから、ちゃんと作り手と使い手の顔が見える循環型経済を、しかも草の根でやろうという思いから、共感して集まった仲間とマルシェも開催しています。


みんなで手作りの「こもれびとマルシェ」の様子。ハンドメイド雑貨やワークショップ開催で賑わう


出店ブースは少ないながらも、お客様1人あたりの滞在時間が長く、満足度がとても高い

つながりの力と、細く長くお客さんに愛されるマインドがあれば、そこにはお客さんを裏切らない価値創造力が求められます。そこには「ブーム」っていう概念はない。それよりも「ムーブメント」をちゃんと作ったほうがいい。だって、ブームで伸びてずっと残っていく会社って少ないですもんね。

そのためにもやっぱり挑み続ける必要があります。それを伝えたくても僕は、政治家でも思想家でもないから、論文を書いたって声高らかに話したって見向きもされない。だから「挑む姿を、背中で見せるしかない」と思ってやってきました。

そうしていると、「楽しそうですね!」と本気で仲間に入れてほしいっていう人が出てくるんですよ。必ず、見ている人がいるんですよね、社会って!

自分より優秀な人と組め

とはいえ、この先のことを人口減にばかりフィーチャーして考える人ばっかりじゃなくてもいいと思っています。何度も言うように、答えはなくて、挑み続けるしかないということは間違いない。

そして、自分よりも優秀な人と組むことも大事ですよね。僕にとってのそれは、独立前にいっしょに会社を起こした友達。すごい財産ですね。僕は感性だけで生きているタイプだけど、ほんとに2人とも頭が切れて優秀だった。

でも、それぞれの特性が違うし、互いにリスペクトもあるから、それぞれがライバルだけれども、かぶるところもありませんでした。

チームリーダーになる人は特に、リーダーになればなるほど自分より優秀な人とチーム組むっていうことが大事だと思いますね。

今までだったら「カリスマ」がいて、その人がみんなを引っ張っていくような時代もあったでしょうけど、これからは既成概念も固定観念も通用しない。だから、価値は競い合うのではなくて、「創り合う」=共創するものになっていきます。そのためにも、自分より優秀な人と組む。

これね、けっこうしんどいんですよ。だって相手からも組みたいって思ってもらわなきゃいけないってことは、自分を磨いていないといけないし、その人にはないものが自分にないといけないでしょう。そう思うと、「グズグズ迷っとる場合じゃねえ!」って感じだよね(笑)。

優秀な人と組んだ後は、本気でお客さんに向き合っていれば絶対いいチームになります。チーム全体で失敗を恐れないようになっていくから。自分より優秀な人と組めば、世界は広がっていくんですよね。

笑って棺桶に横たわっている未来がもう決まっている

僕は21歳のころ、ちょっと危ない目に合って、思いがけず死にかけたことがあるんです。幸い死ななかったけど。でもその危険な目に遭った時、すごく悔しい思いしたの。だって21歳でしょう? いっぱいやりたいことあったのに、そのときは棺桶ですごい悔しい顔して横たわってる自分しか思い描けなかった。

だから、助かった後で決めたんです。「とにかく僕は死ぬときは笑顔で棺桶に横たわってやるぞ」と。もう、その日から死ぬときは絶対に笑ってよう……いつ死んでも悔いの残らない楽しい生き方をしようと、決めたの。

そりゃ、突然死んだら気になる事はたくさんありますよ。娘のこの先のことも気になるし。

でも極論をいえば、もし今死んでも絶対に僕は笑っている自信がある。そう思えるようになったのは、大きな転機でしたね。

ときに、何かをレクチャーする立場でみなさんにお話することもあります。そうすると講師と呼ばれますが、本人は講師だなんて思ってない。なぜなら僕も挑み続けているから。みなさんと一緒の同志です。
そして、どんなときもラクをしちゃいけない。

むしろ、本気で楽しいことをしていたら、何一つラクなことなんてないという方が正しいかな?

でも気づいたら、今は本気で楽しいことしかしていないですね。だから、今死んでも絶対に笑っている自信がある、っていえるんです。

(了)

おすすめの関連記事

ーメンターからの手紙ー
河合義徳氏 第4章:クライアントの先にいる顧客のためにクライアントと歩む

ー起業家特集ー
起業は、自分の問題意識に取り組むための手段のひとつ【第1回】バスケットボールに夢中だった学生時代

プロフィール

Ikekayo(池田佳世子)

Ikekayo(池田佳世子)

Ikekayo(池田佳世子)
関西を拠点に活動するライター。
その人のもつ無形の価値に輪郭を描く仕事をしています。


記事が役に立ったらシェアしてもらえると嬉しいです!

関連記事

メニューを閉じる