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民泊新法がスタート、スタートアップは新市場をどこまで掘り起こせるか(あすへのヒント)

ポイント
  1. 高まる民泊の需要に新たなビジネスチャンスが!

目次 [非表示]

旅行者が一般の住宅に有料で宿泊できるようにする、いわゆる「民泊」を改心する住宅宿泊事業法(民泊新法)が15日、施行された。民泊を合法化する法律の施行だが、今年6月上旬には民泊仲介最大手の米エアビーアンドビー(エアビー)が日本国内で、民泊新法に違反するとみられる許認可のない約4万件の宿泊施設について掲載をやめ、宿泊キャンセルが発生するなどの混乱も起きた。

だが、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催が約2年と迫るなか、民泊の需要は高まることが期待される。民泊に関するルールが国内でも定まったことで、新たな商機を掘り起こそうとする動きも活発になってきた。15日の民泊新法スタートを迎えて、新ビジネスチャンスをうかがう各社の狙いを探ってみた。

スマートフォン向けアプリを使った効率的なアパート経営を支援するサービス「TATERU Apartment(タテルアパートメント)」を展開する東証1部上場のTATERUが、民泊に関連するサービスを矢継ぎ早に打ち出している。


子会社のTATERU bnb(東京・渋谷)を通じて、6月5日に民泊の宿泊施設内に置く家電製品の長期保証サービス「bnb CARE」を始めると発表。施設で使う掃除機や洗濯機、冷蔵庫などほか、スマートロックやセキュリティーカメラなどのIoT家電も含めて、メーカー保証の2年を超えてさらに3年間、計5年間の保証を実現した。

(同社ニュースリリースより)

さらに6月7日にはTATERU bnbを通じて、宿泊するゲストが信頼できるかどうかを「信用スコア」として民泊経営者に提供する「bnb SCORE」を開発すると発表。信用度の高いでゲストを見極められるようにして、不正やトラブルを回避できるよう経営者を後押しするという。

TATERU bnbはこのほか、6月12日に、AI(人工知能)を活用して宿泊料金などの設定を自動化する宿泊管理システム「bnb BOOK」を、また14日には民泊施設の清掃業務を請け負う「bnb CLEANING」といったサービスを開発して提供することを明らかにした。

いずれも民泊施設の経営者が必要とするサービスをワンストップ的に提供することで、民泊に関連して膨らむと期待される需要を取り込もうと狙っているようだ。新法によって業界のルールが定まると、こうした適法の民泊施設に新しいサービスを提供できるのは、上場企業としても信頼につながるとTATERUは捉えているに違いない。


楽天LIFULL STAYが新規開設した民泊予約サイト「Vacation STAY」の画面

一方、楽天は民泊新法の施行された15日から、グループの民泊事業会社である楽天LIFULL STAY(東京・千代田)を通じて、民泊施設の宿泊予約サイト「Vacation STAY」を開設し、予約受付を始めた。個人や法人の民泊施設経営者(ホスト)が登録した施設を、まるで賃貸物件を探すように選んで予約することができる。

新設したサイト「Vacation STAY」に掲載されるのは、民泊新法にのっとって届出された施設、大田区などの特区が認定した民泊施設、また旅館業法に基づいて「簡易宿所」の許可を受けたものだけだという。同サイトにメールアドレスやパスワードで会員登録するほか、「楽天ID」でも利用できるようにした。まだまだ一般には馴染みがない民泊について、楽天IDを活用してもらうことで潜在的なゲストを掘り起こす狙いもありそうだ。

大手企業も民泊市場を狙って参入を急いでいる。セキュリティー最大手のセコムは15日、民泊施設で宿泊者が火災を起こしたりトラブルに遭ったりした際に緊急通報できるようにする民泊向けの新サービス「セコム・ホームシェアサポートサービス」を始めたと発表した。

民泊施設内に火災センサーや非常通報ボタンを設置し、セコムが 24 時間 365 日体制で監視する。異常が発生した場合には、通常のセコムホームサービスなどと同様に、全国に約2800カ所あるセコムの発進拠点から緊急対処員が駆けつけ、必要な場合には警察や消防へも通報するという。

東武鉄道グループの東武不動産(東京・墨田)も15日、民泊事業に参入すると発表した。同社が墨田区内に所有する2階建ての建物で、1階にはラーメン店、カラオケ店、居酒屋といった「日本のナイトライフ」が楽しめる店を置き、2階には民泊施設を設ける。また、電動シェアサイクルなども用意し、近くにある東京スカイツリー観光や墨田区の街歩きなどを楽しめるようにするという。

民泊新法というルールができてようやく大手が動き出すのも日本らしい風景なのかもしれないが、東京五輪まで増加が見込まれるインバウンド客の宿泊先として民泊市場にはまだまだ取り込むべき大きな「のりしろ」があるだろう。民泊施設を経営するホストと、それを利用したいゲストの両方が抱える「悩み」「課題」を解消するサービスや商品は、まだまだ掘り起こす余地がありそうだ。

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著者プロフィール

三河主門

三河主門

2017年5月に日本経済新聞社を退社して独立。各種新聞・雑誌・ウェブメディアに記事を執筆しながら、フリーランスの編集者、メディア・リレーションのコンサルティングとしても活動している。17年11月に「Mikawa&Co.合同会社」を設立、中小企業・スタートアップベンチャーのためのPR(広報)コンサルティング、セミナーなどを手掛けるほか、教育関連コンテンツの製作も開始した。 日経記者時代は主に企業取材を担当。産業部(現・企業報道部)記者として長い経験がある。2007~10年にバンコク支局長として駐在した経験と人脈を生かし、タイのビジネス・社会・文化を研究・紹介する活動に長く携わる。