イノベーションの真髄はPPAP!?既存の二つを組み合わせることで生まれる化学反応が社会を変える!

ポイント
  1. イノベーションってなに?定義や型はあるの?
  2. 課題思考的な人間になるために必要な共感力
  3. 多面的に物事を捉えることで見えてくる社会課題
  4. イノベーターを育てるために必要なリスク管理
  5. 5.これからイノベーションを起こす全ての人に伝えたいこと

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イノベーターを育てるために必要なリスク管理

伊藤)本当にそうだなって思います!たまに全てのことにバイアスがかかっている人がいると思うんですけど、このバイアスをどうすれば消せるのかっていうことに興味があるんです。最終的にソクラテスの「無知の知」という言葉に行き着きまして。どれだけ自分ができないかいうことに気づくことが大事なんだと思ったんですけど、先生はどう思います?

中川)その通りだと思います。「人生、常に学び」という言葉が全てだと思います。どんな物事でも真摯に取り入れて聞いて、新しいことを理解しようという態度というのは本当に重要です。学びを得るということは理解できないものを知ろうとするということで、それはまさしくソクラテスの「無知の知」なんじゃないですかね。「受け入れ難きを受け入れる」という努力を怠ってはいけないというところですね!

伊藤)去年のヒット商品でお客さんに一番よく伝えているが「うんこ漢字ドリル」なんですけど、これって先ほど先生がおっしゃったイノベーションの定義に当てはまると思うんですよ。もちろん担当者もあそこまで売れるなんて想定してなかったと思うんですけど、あれは日本の漢字ドリル史を変えた漢字ドリルなんですよね。普通に考えたらバイアスがかかってしまって、絶対に売れないと思ってしまう組み合わせだと思うんですね。

商売だからあてに行かないといけないみたいなプレッシャーの中で「うんこ漢字ドリル」を売り出すと判断した担当者ってすごいと思うんですよね!

中川)そうですね!リスクがあることは大前提なので、リスク管理をしながらいろいろ試せるっていう状況を、社内や、自分自身の仕事流儀の中に作っていくことがとても大事だと思っています。失敗したことによって、日本でも貴重なイノベーションに挑戦できる存在が潰れてしまうのは大きな損失ですから。

大学で教えていることの中にリスク管理があるんですが、私たちは「アフォータブルロス」という言い方をしています。つまり、受け入れ可能なロス。

私が経営者の皆さんにお話したいのは、リスクマネジメントをしっかりやるべきだということです。失敗をした人を再起可能な状態にすることが大切なんです。プロジェクトに関して言えば、小さい規模で試しながら大きくしていくという手段を教えます。

今のプロジェクトがコケたとしても、何かの部分が残ったりとか人脈が繋がったりとか、あるいはそこでプロジェクトとしては失敗だったけど「あいつはできるやつだ!」という信頼を獲得することとか。そういった形で次につながるようにしていくということをやっていく必要があるんだと感じています。

これからイノベーションを起こす全ての人に伝えたいこと

伊藤)1分の1で当てられる人なんてほとんどいないですもんね。それを極めて再現性高く打率を上げていこうと思うと、何回バット振るかの話になるんじゃないかと思うんですよ。そうなると先生が言うように死なずして何度もトライできる環境を作ることがまさにリスクコントロールになるのかなと思いまいした。

中川)まさにその通りですね!ユニクロの創設者である柳井正さん著作のタイトルであり、彼の座右の名でもあるのが「1勝99敗」なわけです。これは本当に真実だと思います。彼は会社が成功してからもたくさん失敗しているわけですよね。人によっては、そうした失敗をとらえて、柳井さんというのは大した経営者ではない、という。でも、彼の凄みはむしろたくさん失敗していることにこそある。たくさん失敗しても致命傷を負わず、その経験を次に繋げることができている。多くの人は失敗を怖がるから、成功もつかめない。上手に失敗しないから、1回の失敗でだめになる。何度も失敗できるひと、これが出来る人は、そうそういない。

本当に0・1%でも成功の確率を高めていくというものがあれば、何でも捕まえていくべきです。なので、誰かがチャレンジをした時に、それをリスクにしないための手段というのはとても大切なんじゃないかと思います。

伊藤)商売をやっている経営者がイノベーションを起こしたいという時に足元何からやっていけばいいんですかね?

中川)イノベーションに目覚めちゃっている人には、私はリスク管理をしながらどう動いていくかを伝えます。そういう人は、ほっといてもチャレンジを続けますから、そのチャレンジで致命傷を負わない手段を教えます。

今、目を覚ましたところで、これから何かをやろうと思っている人に関していうと、まずは社会課題を見つける目を養うことです。「今どこにどんな悩みを抱えている人がいるかな」と、自分のクライアントさんでもいいと思うので、共感力をもって課題発見することです。

もう一つはとにかくいろんな場に行ってヒントをもらってくることです。いろんな人がいろんな言葉であなたのビジネスの次のステップへのヒントを放り投げてくれるので、そこの感度の高さというのはこれからの時代勝負になってくるんじゃないですかね!

伊藤)最後に未来のイノベーターたちへメッセージをお願いします。

中川)格好よく社会貢献だとか課題解決だなんて言わなくていい。儲けるため、モテるため、自分の野心に素直でいいんだと思います。

商売で、儲けるためには、お客様の困っていることをどれくらい上手に解決したか、お客様に対して効率よくアプローチしたが重要になりますよね?それを繰り返していって、ふと振り返った時に「あれ、自分のやって来たことは、結局社会貢献だったんじゃないか?!」というところにたどり着くんだと思います。やっている本人はその時にそこまで壮大なことを考えずに、どうすればもっと儲かるかな?くらいでいいんだと思います。

私だって、そもそもインディ・ジョーンズに憧れて、この仕事を始めました(笑)。理由は、インディ・ジョーンズになれば、お宝を追いかけながら、女性のお尻を追っかけていれると思ったからです!考古学ではなく経営学になり、女性だけでなく伊藤さんみたいな男性とも一緒に進んでいくことになりましたが、ともかくも世界に2つとない宝探しは続けていられています。だから、いまの仕事はとてもハッピーです。始める理由は、そんなものでいいんじゃないかなって思います!

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。

中川功一 

中川功一 

大阪大学大学院経済学研究科 准教授 1982年生まれ 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了 経済学博士(2009年) 専門はイノベーション・マネジメント、経営戦略論、国際経営論。 ■主な業績 1)Balancing formal and social influences toward organizational cultural crossvergence.EAMSA Best Paper Award 2016. 2)Should Japanese Multinationals Change their Original Business Style in Emerging Markets? AJBS Best Paper Award 2016. ■著作 テキストブック『はじめての国際経営』有斐閣,2015.好評発売中 ■教育活動:イノベーション、変革の種を撒くことをライフワークとする。大阪大学、立命館大学、BOND-BBT MBA、日本生産性本部、各種企業研修等でイノベーション、経営戦略改革の実践的手法の教育・指導にあたる。