「今までにないような、就労支援施設のモデル事業を作りたい」 一般社団法人アプローズ 光枝茉莉子さんインタビュー:後半

更新日:2017.02.23

起業をするまでのこと、してからのこと、そしてこれからのこと。
起業にまつわるお話を根堀り葉掘り聞いていく『助っ人for Woman』の女性起業家インタビュー。
前回に引き続き、一般社団法人アプローズの光枝茉莉子さんに伺いました。

忙しい毎日から少しの休憩時間を経て、改めて起業への決意を固めた光枝さん。まず初めにしたこととは?

「就労継続支援事業には、最低賃金以上での雇用契約が結ばれるA型と、生産活動を目指し工賃をもらいながら利用するB型とがあり、アプローズはB型にあたります。B型の現在の平均月収は14,190円。時給にすると176円。実は都庁時代からずっとB型の工賃アップのための取り組みを行ってはいたんですが、実際はなかなか難しくて。
行政の立場からいくら工賃を上げろ上げろと言っても、何か内発的な動機がないと何も変わらないんじゃないかと思い始めて。勿論素晴らしい取り組みをされている施設もありますが、まだまだ少ないのもあり、だったらモデル事業となるようなB型施設を自分で作ろう!というのだけは以前から決めていました。
そこからまずは人集め。B型を始めるにあたり職員が5人必要でしたので、都庁の同僚を個人的に口説いたり、ハローワークで募集をかけたりしてスタッフを集めました。
物件も早めにおさえなきゃいけなかったので、すぐに見に行って。この辺り、青山のエリアがいいなと決めていたんですが、やっぱり家賃が高くて・・相当何件も見て回り、今のところに決めました。」

障がい者の方々の就労継続支援施設というと、内職や清掃などどうしても暗いイメージを持たれがちなものが多いなか、光枝さんが選んだのは本格的なフラワーアレンジメントショップ。

「BISTARAI BISTARAI」というブランド名で、オーダーメイドの花束やフラワーアレンジメントを提供している。

BISTARAI(ビスターレ)とは、“ゆっくり、ゆっくり”という意味のネパール語。B型施設でお花屋さんというのは全国でも初めてだそう。

「3月末に都庁を退職、4月1日にここを始めた時、全く収入がないのに従業員を5人抱えているという、割ととんでもない状態でした(笑)
それから2ヶ月間くらい収入ゼロ。都庁時代の貯蓄がある程度あったので、半年くらいは大丈夫だったんですが、すごい勢いで残高が減っていって。さすがに心配になり、底が尽きる前に融資をお願いして。お金の面はリアルに大変でしたね。でもそれよりも大変だったのは職員さんとの関係性だったり。これは今でもなんですが、伝えたい経営の理念や自分の想いを、上手く表現できずに悩むことも多くありますね。
利用者さんのケアがもちろん一番最優先ではありますが、現場スタッフの色々な声も無視する訳にはいかない。当然ですが経営は初めてなので、本当に日々勉強です。」

オープンから1年半、利用者さんの数も徐々に増え、今では定員20名に対し、50名以上の方が登録されています。

「出来たばかりの半年間は知名度も信用も無いので、行政側から何か手を貸していただけるわけではなかったのですが…4、5月に入った利用者さん達が割と定着し、元気に働いているのを見てくださり、いい評判が広まってくれたみたいで。
保健師さんの方から、アプローズはどう?行ってみない?ってご紹介頂ける機会が増えて。
それと、やはりメディアの力も大きいですね。テレビを見ました、記事を読みました、というお声も多く頂いています。季節によって利用者さんの数にも変動があるので、安定した経営を続けていくのはなかなか大変な部分もありますが、8月からビルの上のフロアも借りオフィスを拡大したので、今後はより多くの利用者さんを受け入れられる環境を整えていきたいですね。」

車購入の資金集めの為のクラウドファンディングも大成功。最近では自ら首相夫人へとアプローチをし、首相公邸への定期的なお花の生けこみの仕事を行うなど行動力抜群の光枝さんですが、学生時代のお話では意外な一面も。

「学生時代の友人に起業したと言うと、すごく驚かれますね。あんなにやる気の無かった茉莉ちゃんがどうしたの!?という感じで。バイト先でも居眠りばっかりしていたので(笑)
今は仕事が楽しくて、いくらでもやれてしまうかわりに、上手く息抜きをするのが難しいくらい。24時間仕事の事を考えていて、でもやっぱりそれはあんまり良くないのかなと思い、先日2年ぶりの夏休みをとって主人とベトナム旅行に行ってきました。そこで少し緊張が解れて、その後体調を崩したりもしてしまったのですが…他の経営者の方々はもっと上手く管理してらっしゃると思うので、見習わないといけない部分ですね。」

最後に、これから起業を考えている女性達へメッセージを頂きました。

「起業、是非してください!!(笑)
本当に、迷っているんだったら行動したほうがいいなっていうのは、実体験から。公務員として働いていたら、確かに一生安定した生活は手に入りますが…大きな組織なので、そのぶん出来ないことも沢山あり、モヤモヤとしたジレンマも沢山抱えていて。
今は自分の意思で行動して、全て自分の責任のもとで仕事が出来るのが本当に楽しい。
自分も起業しなかったら、あの時起業したかったな、していたらどんな人生だったんだろうって後悔しながら生きていくのは嫌だなって。
最近も本で読んだのですが、こうしたいって思っているのに実際は行動しない人が9割で、自分の考えた方向に行動した1割の人が道を開いて成功していると。
もし失敗したとしても、挑戦があっての失敗なら、必ず自分の為になる。
起業したいって思う方って、絶対に何か自分の中に種というか、芽みたいなものがあると思うので。
その、自ら気付いた部分を大切に、自分を信じて頂けたらと思います。」

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