モノを売るってこういうこと!経営者の視点と2つの価値 中篇

ポイント
  1. 今あることをただ当たり前だと思ってしまってそれを受け入れた瞬間に終わり
  2. 100%稼働していない部分から、他のサービスを生み出せる

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「モノを売るってこういうこと!経営者の視点と2つの価値 前篇」のまとめ

「モノを売るってこういうこと!経営者の視点と2つの価値 前篇」では、モノを売るために必要な二つの価値(「絶対的な価値」と「相対的な価値」)を創造していく上で重要なことを、美容室を例にお話ししました。その中で、ビジネスについてのベネフィットを考えることで、ビジネスモデルの転換にまで発想を広げることができる、という内容でした。
 
今回はその続きとなります。

経営のチャンスを広げる!原価回収のビジネス

美容室でいうと、まず設備投資に費用がかかります。座席やシャンプー台などの椅子代金などです。それとは別に家賃が必ずかかります。このような費用を固定費と言います。
 
固定費とそれとは対の言葉があります。これが変動費
それでは、美容室でいうと何が変動費になるでしょうか?
 
シャンプーとかリンスっていうのはお客さんの数に応じて出ていくものなので変動します。これが変動費です。これを絶対知っておいてほしいんですけど、固定費をかけているものっていうのは、毎日何もしなくてもお金が出ていってしまってるので、稼働させないと必ず損をしている、ということです。
 
例えば、飛行機って搭乗率100%であることってなかなか見かけないですよね。どのくらい席が埋まってようが、埋まってなかろうが、1回飛行機を飛ばすことにかかる経費はほぼ同じです。
 
僕もよく半分くらい空席の飛行機に良く乗りますが、同じコストですごくもったいないですよね。システムにしても燃費(重さで多少変わるでしょうが)にしても、いろんな固定費が共通なのに空いている。これを1席2000円でもいいから100席埋めたら20万の利益が増えるんですよ。
 
これと同じで、多くのビジネスで100%稼働していることって少ないということです。カラオケ、ボーリング場、病院、マッサージ、飲食店、映画館など、場所や席が空いていることがすごくもったいなく感じてしまいます。
 
20席あるお店で、稼働がよくて7-8席くらいしか稼働していないなら、半分の10席をカットして、ショップインショップにしてみるという発想もできます。ショップの中にショップ作って、例えば、美容室の中にマッサージ店を招致するほうがまだ良いのではないかと思います。
 

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稼働率アップ!空いてる席の使い方

まず必ずかかる固定費っていうのがあって、これの稼働率に着目をして、稼働してない部分を切り売りして誰か特定のセグメント(特に今はお客さんにしてなかった人たち)に開放するということなんです。
 
例えば前述の「チョイ切り」=10分以内で終わるカットであれば、いつ来てもらっても構いません。これをもう2000円追加してもらえれば、「チョイ切り」を切り放題にしますというアイデアもありますね。
 
そうすると僕たちが考えていた、従来の「髪を切る」というモデルが変わってきます。それでも大幅に髪の毛のイメージを変えたいっていったら伸ばさないといけないんでチョイ切りしなくていいんですけど、自分はある程度この髪型でいい、という状態になったときに、一回一ヵ月伸びてから行くって話じゃなくて、十日に一回5分ぐらい行くっていう文化が起きるかもしれないということです。
 
お客様からすれば、常にいい状態でキープできる、いうことになります。そして美容室サイドからしても5分の稼働で普段のお客様用の席が100%稼働してしまう事態にはならないということです。
 
分かりやすく言うと、「チョイ切り」で普段の稼働していない部分を埋められるということです。それで固定費がペイするっていうことです。だから、固定費がちゃんとペイしていれば皆さんが赤字になることはまずなくなるということですね。
 
あとはどんどんメリットを付けていけばいいですよね。例えば、こういうケースを想定する。自分の美容室一店舗に継続して行くのが面倒になったとき、僕は何をするかということを考えてみます。
 
僕が美容室の店長とかオーナーだったら、地域の美容室と、例えばちょっと違うエリアとかの美容室で提携店を作っていきます。そして、「チョイ切り」会員さんが提携店のどこに行っても、「チョイ切り」に対応します、という店を都内全域に増やしていきます。そうすると、お客様にとってすごく良いメリットが生まれます。 

お客様がすぐに髪切りたいなというときも、どの地点でも対応できる、となれば、お客様がそのサービスから抜ける選択肢が生まれないでしょう。一店舗に対して月額だと面倒になったときに解約されてしまう可能性がありますが、都内の全域で「チョイ切り」でき、「チョイ切り」だけにとどまらず、例えば月額6000円払ってたら好きなお店に行けるとなったらこれはいいですよね。
 
前から気になっていたあそこの美容室ってどんな感じなんだろう、とか、外観お洒落だからちょっと入ってみようとか、そういう欲求が満たされる。
 
そうすると、絶対今まで行かなかったようなお客さんも入ってくることになります。例えば初めて行ってみて、凄く可愛い子、や凄く腕の良い美容師さんがいたら、またその店舗に行きたくなります。そういうことがきっかけでお金が落ちてったりとか、新しい行動が起きるということです。ここで、他の美容室を巻き込むためにはどういう提案をしたらよいでしょうか?
 
結果、こういう提案になると思います。
まずは原価回収しましょう、という提案ですね。稼働していないところを稼働させましょう、ということです。
 
その時間、一回行ったら500円お金払うので、よかったら入ってください、少ないけれど、0よりは500円のほうが嬉しいですよね。5分、10分でそれが実現できるなら、時給換算したら3000円になりますよ、という誘い文句ですね。
 
それで加盟してくださいとお願いして、その代り原価回収できますよっていうことと、そこで本当にバリューを出せば、その人が今度常連になって来てくれるかもしれないというメリットを2点は提示できます。
 
このように皆さんに必要なのは今あることをただ当たり前だと思ってしまってそれを受け入れた瞬間に終わりなんです。思考停止をしたら進歩はないんです。ですから一つ一つ、当たり前だと思ってたことを検証していくことも必要になってくると思います。
 

続き「モノを売るってこういうこと!経営者の視点と2つの価値 後篇」を読む

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