会社の成長に欠かせない経営管理とは?

ポイント
  1. 起業家として経営管理ができている人は、話の中身に数字が出てくる
  2. 経営管理とは経営計画書を作るところがスタート
  3. 損益計算書、複数のパターンを想定した行動計画書を作るべし

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私は前職で主に売上拡大のお手伝いをさせてもらっていました。

上場企業、外資系企業、中小企業、新興企業と様々な企業に訪問しました。

訪問した際には、特に中小・新興企業の場合なんですけど、公開されている情報が少ないので、クライアントのことをよく知るように努めました。

だから、初めて訪問したときは、過去・現在・未来についていろいろ質問をさせていただくことになります。 そうすると、質問をしていくうちにわかってくるんです。経営者には2つのタイプがあるってことに。

  • 大雑把タイプ
  • きっちりタイプ

何故わかるかというと、話の中に具体的な数字が出てくるかどうかなんです。

「いい人なんだけど、経営者としてはどうなのかな~」なんて言葉、たまに聞きませんか?

この人は、果たしてどっちのタイプ??

言うまでもありませんよね。ところで、話の中に具体的な数字が出るということは、どういうことなんでしょうか??それは、数字で経営管理ができている証拠なんです。

数字は、それだけで全てを表現します。起業家にとって厳しい現実を突きつけられることもあるでしょう。でも数字との付き合いは避けて通れないんです。

「行き当たりばったり」、「ドンブリ勘定」だと、来年の今頃は・・・

経営管理とは?具体的に何をするの!?

経営管理と言っても具体的には、何をどうするんでしょうか??

経営者のみなさんは、経営計画書ってご存じですよね。これが全てのスタートになります。私もたくさんの経営計画書を見てきました。作っていない企業もある中、作っているだけでもスゴイと思います。

ただ、意外に多いのが、スローガンやビジョンだけに終始しているものです。経営者の熱い熱い想いはめちゃくちゃ伝わってくるんですけど、心の中では「ところで、どうやんの??」って突っ込んでいます。

経営管理の基本は次の3つに集約できると思うんです。この3つがサイクルしている状態です。

  • 1年間の具体的な数値計画、行動計画が記載された経営計画書が作成されている。
  • 最低でも月次での予算実績管理ができている。
  • 予算実績管理からわかるズレの原因が把握されている。

1年間の具体的な数値計画、行動計画が記載された経営計画書の作成

数値計画と言うと、イメージするのは営業マンの「ノルマ」と「達成率」の関係だと思います。またノルマを達成させるために「どの顧客」に「何を」、「どうやって」、「いつまでに」販売するかをいわゆる行動計画としてイメージする方が多いのではないでしょうか。

起業間もない会社だと、まだ営業マンも少ないので、一人一人の数値計画+行動計画の積み上げが、結果として会社としての計画になっているというケースもあると思います。

ただ、少なくとも経営管理レベルでの数値計画に関して言うと、そのまま決算数字にあてはめることができる内容であるべきなんです。ですから、損益計算書の各項目レベルまで落とし込んだものにする必要があります。

今から1年後の”目標”損益計算書を作っておくってことですね。

一方、経営管理としての行動計画では、計画通りに進捗しなかった場合の想定が重要となってきます。これは予算実績管理とも連動するんですが、このままでは目標が達成できないといった場合、目標達成に向けた行動計画の修正がその一つです。

つまり、目標達成に向けた複数のシナリオ(行動計画)を作成しておくことなんです。

もう一つは、実はこれが最も重要なんですが、仮に数値計画とのズレが避けられないと判断した場合、予定していたお金が入ってこないわけですから、資金繰りに影響が出ることを想定すべきなんです。

このような場合の行動計画もあらかじめ考えておかなければならないんです。万策尽き果て、資金ショート間近で銀行に駆け込むことがないように、行動計画を整備しておくべきです。

最低でも月次での予算実績管理ができている。

予算実績管理で重要なのはタイミングなんです。

最低でも前月のズレが翌月中旬には把握できるようにすべきです。起業間もない会社であれば、規模もまだ小さいので、週次での管理をお勧めします。

また、予算実績管理では「木を見て森を見ず」にならないように注意してください。例えば、水道代などは2ヶ月に一度の請求になるケースもありますが、結果として実績数字が2ヶ月後にしか出てこないなんてのは馬鹿げていますよね。

少しオーバーな例えかもしれませんが、予算実績管理で大切なのは、致命的な判断ミスにならない程度の誤差には目をつぶり、スピード重視であるということなんです。

予算実績管理からわかるズレの原因が把握されている。

これが一番難しいですよね。簡単に分かれば苦労しないってやつです。ただ確実に言えることは、この行動は素早く行うことなんです。先程の予算実績管理でスピード重視って言いましたけど、全てはズレの原因把握につながってくるんです。ここで時間が掛かってしまったら意味がありません。

経営管理サイクルの肝になるところです。

起業したての頃は、まず計画通りになんていきません。起業家にとって最大の仕事かもしれません。

誰かに言われてやっている経営管理はホンモノではありませんよね!実のある経営管理で、将来に備えましょう!!
 

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。