日本政策金融公庫の創業融資と保証協会の制度融資まとめ

更新日:2017.12.22

創業者が受けられる融資制度は2つだけ!

会社設立した人や、事業を立ち上げた人が融資を考えた場合には、2つの融資制度があります。ここは押さえておいてください。

皆さんはいわゆる、三菱や三井、みずほなどの銀行のことは知っていると思いますが、民間の銀行が創業者に融資を直接することはまずありません。創業事業に対して、民間の銀行が融資をすることは、返せなくなるリスクが高く、究極的に言えば、銀行も商売なので、融資をわざわざする必要がないということなのです。そこで基本は国がサポートをしているという構図です。


1、日本政策金融公庫という国の銀行があります。日本政策金融公庫が創業者向けにやっている「創業融資」という制度があります。
日本政策金融公庫の使命は、創業者に融資をすることです。そのため、融資を考えたほとんどの創業者は公庫にいくことになります。

2、保証協会付の融資となります。保証協会も国の機関です。保証協会が絡む融資のことを「制度融資」と呼んでいます。
全国の銀行が窓口となって、銀行が融資をするのですが、融資の元金などを起業家が返せなくなった場合、実際は保証協会が銀行に補てんするという内容になっています。

日本政策金融公庫の創業融資や保証協会の融資を成功させる2つのポイント

創業融資や制度融資を成功させるためには、特徴をしっかりと認識する必要があります。創業融資や制度融資の最大の特徴といえば、これから事業をはじめる事業者であっても融資の可能性があるということでしょう。すなわち、融資申請時に売上がゼロでも問題ないわけです。これはすごいことなんです。

売上がゼロでも、融資の可能性があるというのは、金融機関や保証協会としては未来を何とか予想して融資をするか否かを決めているのです。では、金融機関は、どのようなことから未来を予想しているんでしょうか?未来を予想=事業が長い間、続くか否かということです。金融機関が融資する際に重要視していることは、元金と金利を返済し続けてくれるかです。事業が長く続けば、元金、金利を返済できますよね。

そのため、ゼロからはじめた事業が、長く続くことを証明することが、創業融資や制度融資では求められます。

もう一つあります。金融機関は、信用を非常に大切にしています。そのため、融資先が信用できるかということも不可欠な要素になります。いくら事業は上手くいく可能性が高いと判断しても、事業を実際に経営する人がうさん臭かったり、経営者としてふさわしくなかった場合には、金融機関としては融資しません。

そのため創業融資や制度融資では、

①事業の将来性や事業の成功の確率の高さ=元金、金利の返済が確実にされるか
②代表者はどういう人か=信用

この2つが重要になります。

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創業したての会社、個人は本来融資は受けられない?

創業融資や制度融資とは何かということを先に簡単に説明しましたが、もう少し詳しく説明をします。融資というのは銀行の商品です。そのため、儲からない場合は商品を販売しません。つまり、銀行でいえば融資はしないということです。

融資で儲かるとは、元金と利子を決められた分、借りた側が、払ってくれるかということです。大抵、銀行は、資金を5年~10年の間で貸し付けます。つまり、どんなに短くとも5年間は、資金を融資した会社が上手く行かないと、銀行としては損をする可能性があります。長いと10年以上です。

ここでよく言われる話ですが(中小企業庁のデータにもあります)、今、事業をはじめた会社、個人が100組いた場合、10年後に事業を継続できている会社、個人はどれくらいだと思いますか?なんと、たったの10%程度。90%は廃業などしているんです。

つまり、事業をはじめてもほとんどの起業家が上手く行かないで終わってしまうのです。これを銀行目線で見るとどうなりますか?創業仕立ての会社や個人への融資ってとてもしにくくありませんか?この10年後の生存率なんて銀行員は皆さん知っています。また、この数字以外にも融資を難しくする話があります。創業前、創業したての会社や個人は、通常、売上など0です。当たり前ですが、決算書などもありません。そのため、銀行としては融資の判断が非常に難しいですよね?

言葉を恐れずに言えば、運任せのような部分もあります。既に何年も事業を行っていて、決算書をみて安定している黒字の企業であれば、何となく融資しても大丈夫そうですよね。では、創業仕立ての会社や個人は、90%が上手くいかないし、実績もないから資金を借りられないのでしょうか?

上記の理屈だけ徹底すると、正直、借りられないという結論になります。

しかし、それでは、創業する会社や個人はなかなか出てきませんよね?新しい技術やサービスが生まませんし、経済も停滞してしまいます。そこで登場するのが、「国」です。国は、創業したての会社、個人にも資金がいくような制度をつくりました。それが、通称、創業融資や制度融資といわれる融資制度なのです。

日本政策金融公庫の創業融資のメリット

日本政策金融公庫(公庫)は100%政府が出資する政府系の金融機関です。この公庫が創業者向けに行うのが「新創業融資」です。民間の金融機関と比べて、公庫の融資には、次のようなメリットがあります。

①中小企業や個人事業主にも積極的に融資をしてくれる日本政策金融公庫は「小企業金融の担い手」といわれております。
そのため、小規模事業者、つまり創業者の強い味方であるといえます。

②創業前後であっても積極的に融資をしてくれる民間の金融機関は創業前後の事業者に対して、実績を重んじるため融資することはほとんどございません。
これに対して、日本政策金融公庫は「新創業融資」など創業者向けの枠があり、創業前後の事業者をサポートしてくれます。

③借入の条件が長期であり、金利も低く、有利な条件
民間の金融機関に比べて、借入の条件面で非常に有利です。

④「無担保」「無保証」で融資を受けられる場合がある
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、無担保・無保証で利用することができます。

ただ、公庫もできるだけリスクを冒さずに融資したいと考えているので、申請ができても後から保証人や担保を求められる場合があります。

保証協会の制度融資のメリット

制度融資とは、「都道府県や各市区町村などの自治体」、「銀行などの金融機関」、「各地の信用保証協会」の3つの機関が協力して行う、創業間もない企業や中小企業をサポートするための融資制度です。基本的には、銀行などの金融機関が窓口となり、融資を行います。制度融資と一言で言っても、各自治体に応じて様々なものがあります。内容や条件も異なりますので、管轄の自治体が行っている制度融資を調べてみてください。プロパー融資と呼ばれる金融機関のみからの融資と比べて、制度融資には、以下のメリットがあります。

①低金利かつ連帯保証人なく融資が可能制度融資は、信用保証協会が融資の保証に付いてくれるため、原則として、連帯保証人を付けることなく融資の申請が出来ます。また、金利も1%台からと大変安くなっております。更に、金利の一部を負担する制度を設けている自治体もあります。行政が創業をバックアップしているということですね。

②制度融資は創業者の強い見方よく勘違いなさる方もいらっしゃいますが、制度融資は、信用保証協会が融資をするわけではありません。銀行などが窓口となり、融資を行います。この融資に、信用保証協会が保証(創業者が金融機関へ返済できなくなった場合に、保証協会がその返済を肩代わりします)をつけてくれるため、銀行はそれほど大きなリスクがありません。そのため、創業者にとても優しい金利で、連帯保証人なく融資をしてもらうことが可能になるんですね。


信用保証協会とは、国の機関です。信用保証協会の役割は、創業・中小企業と金融機関の架け橋になってくれます。わかりやすくご説明しますと、通常、銀行は創業・中小企業に実績など(=信用力)の点から、融資をしてくれないことが多いです。逆にいえば、信用力があれば融資される可能性があるわけです。保証協会は、信用力があまりない創業して間もない事業者に信用を与えてくれる機関なのです。

具体的には、融資された事業者が、借りたお金を金融機関に返済できなくなった場合に、保証協会が代わりに金融機関に対して返済してくれるのです。保証協会が、借り手の事業者が金融機関に返済できなくなっても、代わりに返済してくれるとなれば、金融機関は融資をしやすくなりますよね!

ここで是非、覚えておいていただきたいことがあります。

①保証協会はどうやったら、信用を与えてくれるのか?
保証協会の信用を得るためには、事業内容などについて事業計画書を作成し、それに基づいて信用に値する事業か否かということが判断されます。もちろん代表者の人柄なども審査の対象です。

②保証協会がお金を直接貸すわけではありません。
お金を直接貸すのはあくまで民間金融機関です。保証協会は融資の返済ができなくなった場合に、返済を代わりにしてくれるだけです。そのため、架け橋と言いました。

③保証協会が代わりに返済した場合、借りていた事業者は、お金を返す必要がなくなるわけではありません。
金融機関ではなく、保証協会に借りているお金を返済しなくてはなりません。

④保証協会が保証してくれる場合には、借り手の事業者は、保証協会に対して信用保証料という、金融機関の金利とは別のものも支払う必要があります。

⑤保証協会・自治体・金融機関それぞれの役割自治体の役割を説明していませんでしたが、自治体は、創業する事業者を応援する立場にあります。
そのため、自治体は各自治体ごとに、金利や信用保証料を補助したりしてくれます。保証協会が融資しやすくするために金融機関に保証をし、金融機関が直接資金を貸し出します。そして、借り手のために、自治体が金利などを補助するというのがそれぞれの役割となります。

融資全体の流れと創業融資と制度融資の比較

創業融資の場合

①事業開始をされる場所の最寄の公庫に相談をしていただきます。
②公庫の支店または公庫のホームページ上で、借入申込書、創業計画書を取得しまして、記入して提出します。
③公庫より、用意すべき書類、ご面談の日程の案内がきますのでご準備ください。
④面談日に、指定の場所にいきまして公庫の担当者と面談となります。面談は創業計画書の内容に沿っての質問や、代表者についての質問などをされます。
⑤面談後、公庫より融資の可否についての連絡があります。
⑥融資が実行される場合は、指定の銀行口座に融資実行金額がお振込みされます。融資が実行されない場合には、半年~一年間は再度の公庫への融資の申請が難しくなります。

公庫の創業融資の審査機関が短いのは、公庫の場合は、公庫が審査をし、直接の資金の貸し手だからということがあります。東京都の制度融資ですと、保証協会の審査、銀行の審査、行政によっては行政の審査も入ってきます。そのため、時間はもちろん融資申請までの手続きという点でも、公庫の方が楽だと思います。

東京都の制度融資の場合

申込方法から融資実行までは、2通りございます。
①信用保証協会に先に申し込むか OR ②金融機関に申し込むかとなります。

※信用保証協会経由についてお話します。
東京ではいくつかの信用保証協会の支店がありますので、こちらに事前に連絡した上で指定書類を揃えて持ち込みます。そこで審査が始まります。審査の結果、審査が通った場合、次に、金融機関へ行っていただき、金融機関による審査を経まして融資実行となります。

保証協会の保証を得られている場合には、金融機関での審査でダメということはあまりありません。仮に、1つの金融機関がダメだったとしても、保証協会の保証が取り消されるわけではありませんので、別の金融機関に再度申請すれば良いです。

一方、金融機関経由の場合には、金融機関に連絡しまして、申込を行い、面接などの審査を行っていただきます。申込に際しての金融機関は、ほとんどの銀行で取り扱い可能です。審査を通過しますと、銀行から保証協会へ申込が行われます。銀行からの保証協会への申し込み後、保証協会で事業計画書、面談なの審査が行われまして、審査を通過すれば、金融機関を通じて融資が実行されます。

※審査機関とは、融資の申し込みから、融資が実行(口座に入金されるまで)されるまでの期間のことです。
この期間は、公庫の創業融資が1か月程度、東京都の制度融資ですと2~3ヶ月程度と、公庫の創業融資の方が有利といえます。

融資希望金額

こちらは、自己資金との問題もありますが、公庫は1500万円まで創業融資として申請できます。制度融資の場合は、各行政によって異なりますが、大体1000万円~1500万円となっています。どちらが有利とはあまりありません。

信用保証料

信用保証料とは、制度融資にのみかかる費用です。これは金融機関でいうところの利子に相当するものです。制度融資の場合には、金融機関+保証協会の2つの機関が連携をとって融資をします。そのため、金融機関の金利+保証協会の信用保証料の2つがかかります。しかし、この2つを合わせましても、行政が利子などを補給しており公庫の金利の方が高いことがほとんどです。

保証人、担保

保証人や担保の提供につきましては、基本的には公庫も保証協会も不要となっております。しかし、公庫につきましては、保証人や担保を入れれますかと聞かれることはあります。保証人や担保が入ることで、融資実行確率がアップしたり、金利などが低くなったります。

お申込みできる条件

①これから創業しようとする会社、個人②創業して間もない会社、個人であればどちらの公庫の創業融資も、東京都の制度融資も対象となっております。しかし、公庫の創業融資で一番気をつけないといけないポイントがあります。それは、「事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の3分の1以上の自己資金が必要」というルールがあります。

まず、事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合とは、事業をこれから始める方(事業開始届を税務署に出していないなど)や、事業を開始したものの、まだ初年度を終えていない方のことを言います。このような方については、自己資金が必要とあります。自己資金とは、あなたのお金のことです。それも、しっかりと貯めてきたことがわかるお金である必要があります。

借りたお金や、どこから出てきたかわからないお金に関しては、自己資金として認められにくくなります。また、創業資金総額とは、事業計画書をつくった際に、事業をはじめるためにかかる資金の総額となります。つまり、1200万円かかる事業を開始する場合で、あなた自身で資金が足りない場合で、公庫に資金を融資してもらうためには、400万円はご自身の自己資金でないと、残りの800万円の融資希望申請をすることができません。もちろん、600万円の自己資金があり、600万円の融資希望申請をすることはできますよね。

自己資金が0円の場合では、基本的には公庫の融資は難しくなります。これには、それなりの理由があります。事業を真剣にやろうと考えてきた人は、資金が必要なことを知っています。そのため、資金を貯めますよね。小さい子供でも、ほしいものがあったらお金を貯めて買いますよね。資金が0円で、事業をやりたいと言われても本当にやりたいんでしょうか?と尋ねたくなりませんか?

この点、東京都の制度融資の場合には、自己資金の要件がありません。そのため、資金がほとんどない方は、公庫の創業融資ではなく、保証協会の制度融資で融資申請することとなります。※制度融資でも行政によっては自己資金のルールがあるところもあります。また、自己資金のルールがなくとも、資金が多いほうが、事業への熱意などは感じますよね。そのため自己資金は多いに越したことはありません。

金利面

金利面の比較をしてみますと、公庫の創業融資は大体3.7%~4%、東京都の制度融資の場合は、2.1%~2.7%と、東京都の制度融資の方が安いので有利といえます。制度融資の中でも、東京都の制度融資の金利は高いです。例えば渋谷区の制度融資ですと、利用者の金利負担は0.4%と非常に軽いものになっております。

・日本政策金融公庫「新創業融資」:約3.8%〜3.9%
・制度融資(実質負担率):1%台〜3%台(地域によって異なります。)

金利は借入する上でとても気になることだと思いますが、公庫と制度融資では皆様が思っている以上に金利が違うんです。申請時の状況によっても多少前後しますが、公庫は4%弱だと考えて下さい。それに対して制度融資は地域により異なりますが、低い所だと1%以下のところもあります。これは、行政が地域内の中小企業の経営の安定化と経済活動の円滑化を図るため、必要な事業資金を低利で利用できるよう利子の一部を助成(利子補給)したり信用保証料を補填してくれるためです。※信用保証料:信用保証協会の信用保証をご利用いただく際にお支払いいただく保証協会利用の対価です。

公庫と制度融資のダブル申請

日本政策金融公庫と制度融資の両方に申請ができる場合は、同時に両機関に融資申請することもできます。日本政策金融公庫と制度融資の審査基準は全く別ですので、申請先が2つに増えればその分可能性も広がるはずです。どちらの機関も創業者にとってはメリットがありますので、創業資金が足りない場合には、ダブル申請もご検討ください。

どちらの機関も、大体、創業時の融資の上限額は1000万円~1500万円なので合わせて、2000万円近い借入が出来る可能性があります。ただし、両機関に同時に申請した場合の注意点としては、両方から借りるつもりがなく申請してしまった場合に問題となりえます。一方の融資が通ってしまったら、もう一方の融資を断る必要がでてくるということです。金融機関としても「せっかく審査を進めていたのに断られた」なんてことになったら、心象は悪いですよね。

もしかしたらですが、後に融資が必要になり改めて融資を申請した時に「あの時、断られたからな〜」と審査に不利になってしまう可能性もゼロではないです。ですので、ものすごく急ぎで融資が必要という場合を除いては、一方に申し込んで、もし落ちてしまったらもう一方に申し込むという形で、順番に申し込む方がベターでしょう。

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自己資金の大切さ

つまずく自己資金

創業時の融資申請で多くの方がつまずく自己資金についてです。ここでしっかりと勉強して、自己資金で融資を落とさないようにしっかりと準備して下さい。そもそも「自己資金って何?」という方が多いですよね。文字からなんとなくイメージはできると思いますが、これがなかなかのクセものなんです。自己資金とは、返済義務の無いお金のことをいいまして、これから創業される方が創業融資を利用する場合には、借りる金額に応じた「自己資金」が必要となります。

つまり、融資を申請する際には、ある程度自己資金をもっておく必要があるということですね。例えば公庫の場合だと、創業資金の3分の1はこの自己資金でまかなわなくてはならないという条件があります。つまり、自己資金の倍の額までしか融資の申請ができないんですね。自己資金が200万円の場合は400万円まで、自己資金が400万円の場合は800万円までが融資申請の限度額ということになります。

さて、先ほど自己資金とは返済義務の無いお金のこと、と言いましたが、返済義務の無いお金とはいったいどんなお金でしょうか。返済義務の無いお金とは、主にこれまで皆様がお仕事をして貯蓄してきたお金のことです。ここで注意が必要なのが、きちんと口座に貯金をして、通帳に記録が残っているということです。

例えば通帳に毎月10万円ずつ貯金している記録が残っていれば、金融機関が見ても「あ、ちゃんとご自身で貯めてきたお金なんだな」と思ってもらえるはずです。逆に、もし実際に皆様がちゃんとお金をためていても、通帳に記録のない、いわゆる「タンス預金」だと自己資金としてみなしてもらえないケースがほとんどです。金融機関はやはり、書類ベースですべて判断するため、証拠がないものは信じてもらえないんです。

自己資金が無くても申請できるケース

自己資金がなくても

融資希望額に見合った自己資金をすぐに用意できない方も多いですよね。そんな方は、公庫であれば、保証人や担保を入れることで、自己資金の倍額までしか申請できないという条件がなくなります。保証人や担保の価値にもよりますが、例えば200万円の自己資金でも2倍以上の600万円の申請ができるということです。

もちろん自己資金が全く無い状態でも保証人を入れれば1千万円の申請をすることができますが、融資が通るかどうかは少し難しいかと思います。というのも、金融機関は自己資金の有無を通じて、「経営者のやる気」を見ている部分があるので『自己資金が少ない=事業のやる気が少ない』と判断されてしまう可能性があるんですね。本当にやる気や情熱があれば創業資金の3分の1くらいの資金は貯めることができる、と考えているのでしょう。


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自己資金の確認方法

基本的には、通帳の中にお金があるか否かで自己資金は判断されます。そのため、金融機関へは通帳を提出することになります。通帳の中で見えてくるものがあります。それはしっかりと貯金(自己資金)をしてきたのかということと、消費者金融などから多額の引き落としはないかという点です。金融機関は、貸したお金が事業以外で使用されることをものすごく嫌いますので身の綺麗な人へしか融資をしません。

無申告の場合の申請

決算申告をはじめ、税金の未納などの場合は融資はかなり難しくなります。公庫、保証協会ともに国の機関ですのである意味当たり前です。そのような当たり前のことをしていませんと、信用できない会社、人ということになってしまいます。無申告の方は、多くお客様でもいらっしゃいます。このような場合で、融資を申請される場合には、まずは申告などを済ませることが先決です。遅れてでも申告などをすることで、状況は大分変ります。

別会社を立てての融資申請

こちらも良くある質問です。既に事業をやっていて創業融資の条件に入らないとか、今の会社は納税などしていないので新しい会社を設立してその新しい会社で融資を申請するというケースです。確かに新しく会社を設立すれば、創業融資の形式的な条件は満たすことができると思います。

しかし、既に事業をやっている場合や、特に、別に会社をやっている方などは、新しく設立した会社と、もともとある会社の関係性などがしっかり説明できませんと、融資を受けるために設立した会社としてみなされてしまい融資は難しい結果になってしまうことも多々あります。

運転資金と設備資金

借りたお金の運用の仕方

借りたお金を返せるか、ということも重要ですが、実は資金の使い道、すなわち、借りた資金を何に使うかということも非常に重要です。「売上は間違いなく出るし、使い道はなんでも大丈夫だろう」と考えて、この部分をしっかりと組み立てずに申請する人が多くいます。しかし、借りたお金を何に使うのか、もっといえば、そこに使うと大きなメリットがあるということまで示す必要があります。

公庫の「新創業融資」も制度融資も資金の使い道「資金使途」を厳しい目で見ていることを知っておいて下さい。さて、資金使途についてですが、大きくは「設備資金」「運転資金」の2つに分けることができます。設備資金とは、例えば「工事費」や「物件取得費」、「什器購入費」などのことを指します。設備資金として融資を申し込む場合は必ず、その設備の見積書が求められます。また、運転資金とは、事業の資金繰りに必要な資金のことを言います。家賃や水道光熱費、人件費などが当てはまります。運転資金の場合は、特に、見積書が求められることはありません。

資金使途によって融資の確率が変わる!?

「設備資金と運転資金どっちが融資を受けやすいの?」といった質問を良く受けます。僕は経験上は、どっちがいいということはあまり感じておりませんが、一般的には使い道が明確な設備資金の方が借りやすいと言われております。また、設備資金での借入の方が、運転資金での借入に比べて良い条件で融資を受けることができます。良い条件というのは、

金利
返済期間
据え置き期間です。

設備資金の方が通りやすいと言われているせいか、設備資金を資金使途にした借入の状況をつくろうと、無理矢理どこかの業者で見積りをとったり、水増しして申請する方もいらっしゃいます。しかし、そのようなことをしてもバレてしまいます。制度融資の中には、設備資金は、見積もりをとった会社に直接払われるケースもあります。
「本当に必要な資金」であれば設備資金か運転資金かはそれほど関係無いということです。

一度断られた場合の再申請

断られた理由が重要

何故断られたのかという理由が大切になってきます。例えばすぐにでも解決や改善できる問題が理由で融資が断られた場合には、その問題が解決や改善できますと融資もおりることでしょう。

しかし、そのようにすぐに解決や改善できる問題の場合は、その場で指摘をいただくなどの対応で基本的には融資はおりると思います。やはり断られたということは何か大きな理由があることが大きいです。金融機関は、金融に関する個人情報なども調べます。また、何故、融資がダメだったのかという本当の理由をなかなか教えてくれることもありません。

僕の経験上では、

自己資金が自己資金として認定されない
事業経験が乏しい
事業計画書の甘さ
過去の金融上の信用情報の問題


このような理由で融資がおりなかった場合には、改善や解決するために6か月~1年間は時間がかかってしまいます。このようにたとえ創業融資がダメだったとしても、そこで終わるわけではありません。会社はずっと続きますので、ダメだった理由をしっかりと分析し、そこを改善し、次回は必ず融資を獲得します。


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融資申請のタイミングと許認可取得の関係

許認可が必要となります事業を創業事業とされる場合には、許認可の取得と融資申請のタイミングが問題となることがあります。ほとんど場合、許認可が必要となります事業に関しましては、許認可の取得を前提にしまして融資が実行されます。つまり許認可の取得した後でないと融資が実行されません。

融資の申請自体は、許認可の取得が見通せる段階や許認可の取得申請中であれば出せるここともありますが、融資審査が仮に通ったとしましても、許認可取得後でないと融資が実行されないということです。

融資申請のタイミングと不動産賃貸借の関係

こちらも良くいただく質問となります。創業事業を開始する前に、事業所として不動産の賃貸借契約をしておく必要があるのかということです。原則、賃貸借契約の本契約は不要ですが、借りる物件などは明確にしておかねばいけません。そのことを証明するために、仮契約書や、手付金などを納めておくことで、不動産を借りる意思があるということや、他の人に不動産が借りられてしまわない状態であることを明確にしておかねばなりません。

ちなみに、何故、このようなご質問が多いのかと申し上げますと、創業はするものの、融資がおりないと事業を展開できない人もいます。そのような人は、融資の前に不動産の本契約などをしてしまいますと、いざ、融資がおりなかった場合には事業はできませんが、不動産契約で数百万円払ってしまったなどいう不確定な要素を消すためという意味合いがあります。

個人事業主と法人形態では融資に影響あるのか

個人事業主とは、法人の形態ではなく個人として事業を開始される場合です。法人とは株式会社や合同会社のような会社の形態のことです。どちらも事業を展開することができますが、融資の可否は、この形態によって影響があるのかというご質問です。この点は、個人でも法人でも違いはないというのが回答になります。

確かに、一般的には個人よりも法人の方が信用力があると思います。しかし、会社法が改正されたこともありまして、資本金なども1円から設立できるようになりました。そのため以前と比べて会社だから信用があるとも一概には言えなくなりました。融資時の申請形態はさほど気にしないで大丈夫かと思います。

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