社長が商品で社長だけしか売れないという個人戦をやめる方法

ポイント
  1. 社長依存、ワンマン状態から組織化、仕組み化する方法
  2. 社長しか売れない状態がなぜできるのか
  3. 社長が商品、サービスという状態がなぜできるのか

目次 [非表示]

社長依存、ワンマン状態から組織化、仕組み化する1歩目は「反省」から

業種を問わず小さな会社を経営している社長の悩みは間違いなく共通しているのではないでしょうか。僕自身、起業をして11年。最初の頃は順調に会社を成長させることができました。ただ、5,6年目くらいから会社の成長が鈍化してきました。当時は成長が鈍化しているという感じはありませんでしたが、そこから1年が過ぎ、また1年が過ぎ、毎年、社長にとっての成績表である決算書を見ると、明らかに成長が止まっていることを数年単位でみると気付かされたわけです。

もちろん当の本人は、日々忙しく仕事をしており、その当時の自分の目線において、
問題だと思うことに対して解決しようと一生懸命やっているわけです。
そのため日々が充実していないわけではありませんし、会社は利益も出しています。
このことが実は問題を深めてしまっていたわけです。

社長依存、ワンマン状態の症状

さて、当時の状態をざっと振り返るとこんな感じでした。

  • 社長である自分が頑張らないと売上が維持できない
  • 社長である自分でないと契約が取れない
  • 社長である自分が業務に1番精通してしまっている
  • 社長しか知らないことが山のようにある
  • 楽になるために人を成長したのに逆に負担が増えた
  • 採用などは人が不足しているので面接などほぼ適当
  • 社内の共通言語、組織図などは一切ない
  • 社員の仕事はマルチタスクが基本
  • 社員の仕事がコロコロ変わる

皆さんには、このようなことありませんか?

今振り返ると、完全に「社長依存」「ワンマン状態」だったわけです。

心の底から成長したい、もっと成長したいと1番思っている自分自身が、
実は会社の成長を最も妨げているということに気づいていませんでした。

本当に残酷な世界だなと振り返って思います。
一生懸命やっていることが、実は間違えており、その頑張りによって、問題が深くなっているということなわけです。

社長依存、ワンマン状態から抜け出したいと誓う

僕の場合、5,6期目まで順調に成長をして、その後、振り返ると明らかに3-4年間の成長の踊り場がありました。

なぜ、今このように振り返りをして、(まだまだ抜け出す途中ですが)社長依存、ワンマン状態から抜け出そうと誓うことができたのか、これがとても大切だと思います。
なぜなら、多くの小さな会社の社長は社長依存、ワンマン状態から抜け出せずに苦しみ続けるわけです。
この苦しみが本当に辛いことは皆さんが1番知っていると思います。

絶対に社長依存、ワンマン状態から抜け出すんだと社長が誓うこと、これが問題解決のために必要になります。
何となくできたらいいなでは、この難敵である社長依存、ワンマン状態は解決できないのです。

残りの時間を考えると自然と反省ができた

僕の場合は、「タイミング」と「時間」を意識したことがきっかけで
社長依存、ワンマン状態から抜け出すことを誓うことができたわけです。

2010年に起業をして丸10年が終わり新しい10年を迎えるときに10年を振り返りました。
この10年が1つのタイミングでした。

確かに全く何もないところから起業をして10年間やれたこと自体、起業時から考えるとスゴイことだなと思いつつも、もっと、もっとの気持ちが強いので、10年間でこの会社の仕上がりかと残念な気持ちの方が圧倒的に強かったわけです。仕上がりというのは、売上、利益です。それらを生み出す商品、サービスの強さということもそうです。

仕上がりの悪さに対して、色々と自分の中で言いたいこともあるわけですが、
そのような「言い訳」をしても、自分の会社であるわけなので意味が全くありません。

事実である仕上がりの悪さを受け止めることをまずしたわけです。
この事実をつくりだしたのは間違いなく社長である自分が張本人だと。

最も大切な「時間」を意識した際に、次の10年も同じような結果で終わることの恐怖を感じました。このままでは絶対にいけない、自分の中で絶対に間違えていた、悪かった部分があると考えるようになりました。

もちろん、これまでも自分の間違い、悪かったことなどは少なくとも意識をしていたと思うのですが、それらは本質的に「社長としての仕事」に対してではなく、僕個人が仕事をできるようになるとか、人との付き合いという感情面においての改善にすぎなかったわけです。
「社長としての仕事」について詳しくはこちら

組織化、仕組み化ができない最大の原因

10年間を振り返った際に2つのことが社長依存、ワンマン状態の原因であり、それらによって、組織化、仕組み化ができていないということを思いました。

①社長が頑張らないと売上が伸びない=営業が社長しかできない
②社長しかできないことが実質的な商品となっている=商品が社長

この2つです。

この2つの状態があったことが完全に10年間の中で成長を止めた最大の原因だったわけです。考えてみれば当たり前の話なのですが、当時はわかっているようで全然わかっていなかったわけです。

社長でないと売れない、社長しか営業ができない

社長が頑張らないと売上が伸びない=営業が社長しかできないということも多くの小さな会社で共通のも問題としてあります。
社長でないと売れない、社長しか営業ができないという状態です。
これは起業以来、売上を大切にして、何が何でも売上を上げようとやっている社長であればあるほど起きることです。売上を上げるために社長は圧倒的な努力、PDCAを回します。結果として社長がスーパー営業マン、社内でナンバー1の稼ぎ頭となるわけです。このこと自体が悪いわけではなく、むしろ正常な状態だと思います。

重要なことは、どこかのタイミングから、

「社長である自分でなくとも売れる人をつくりだす」
「誰でも売れる商品、サービスをつくること」
「誰でも売れる仕組みをつくること」

このような問題を設定することができたか、社長自身が目標を変えることができたかということです。

ある意味、社長が売れるというのは当たり前のことです。
会社というのは社長の個人戦ではありません。会社の成長が止まってしまっている会社というのは確実に社長の個人戦になってしまっていると思います。

起業直後は、会社の成長ドライバーとしてまず社長がとにかく個人で頑張るでもでいいわけですが、社長1人だけが成長を牽引し続けるということは物理的にできないということです。

商品が社長という状態

社長しかできないことが実質的な商品となっている=商品が社長という状態もまた多くの小さな会社で共通の問題としてあります。
こちらも、起業当初、とにかく売上を上げるために、お客さんの期待に応えるために、できないこともできるということを繰り返してきた結果として起きてしまうことでもあります。

「社長でないとわからない」
「お客さん毎に個別対応をしてしまう」
「お客さんの満足を取るために社長が担当し続ける」

これらが常態化してしまうわけです。お客さん満足を高めるために個別対応をするなどこれ自体が悪いわけではもちろんありませんが、ただ、仮に全てのお客さんに対して個別対応をするという場合、これは共通の商品、サービスがあるわけでなく、オーダーメイドの商品、サービスということになり、会社としてとても手間がかかったり、お客さんのニーズを汲み取り、提案したり、満足が取れるようにアレンジするということでとても難易度が上がるわけです。結果として、社長しかできない、社長が実質的な商品、サービスという状態が続き、強化されてしまうわけです。

このときに大切なのが、商品をつくるということになります。

商品というのは、誰でも売れるもので、商品のもたらす価値、どう価値を実現できるのかという方法、価格などが明確になっている状態のことです。

社長でないと売れないという状態と同じで、起業直後はある程度仕方ないこともありますが、途中から「商品をつくる」ということに目標を変えていけるかがとても大切になります。

ワンマン状態で会社成長が止まっている社長がまず理解するべきことも合わせてお読みください。

小さな会社の組織化、仕組み化のためにはまず学習

会社というのは確実に生き物です。人間の成長と同じで時間とともに成長をしていきます。
というよりも成長をさせていかなければいけません。会社を成長させることが社長の仕事です。

人間の成長ということであれば、良いか悪いかはおいておいて、社会において一定の仕組みができています。それは幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、就職、、、、などというサイクルです。それぞれの状況において大体の求められていることが決まっていて(それがあっているかどうかはおいておきます)、各個人ができるように努力をしていくという流れになっています。

会社においても同じような理解が最低限必要だと思っています。
それは、まず会社というのを起業してから、成長していくにあたってどういうことが起きるのかという全体像を捉えるということです。

ここでも書いてきていますが、起業直後は社長の個人の力が成長のドライバーとなってもよかったわけですが、その力に頼り過ぎたり、頼り続けると社長依存、ワンマン状態になってしまって、成長を止めてしまうというジレンマに陥るという話をしました。

このことを知っているかどうかだけで意識するべきことが決定的に変わり、やるべきことが変わります。

もちろん、そもそもは会社をどこまで成長させたいのか?ということによって、現在の状態が良いか悪いかは決まるわけです。そのため、会社を成長させたいと思っている社長に対してお話をしています。

会社を成長させたいと思っている社長は、まず絶対に学習をするべきです。
学習というのは、分かりやすく言えば、会社を成長させ続けている社長の話を聞くことです。必ずその話の中に、貴方がぶつかるであろう出来事が出てきます。

話を聞いただけで解決できるほど簡単なことではないのですが、
起きることがわかっていると良い準備ができます。このことがとても大切です。

学習の方法としては、直接人から話を聞く、本を読む、このようなブログを読む、youtubeを見るなど様々な方法があると思います。

学習するということと、その学習テーマを今見えている課題に対してもそうですが、少し先に進んだときに何が訪れるのかという観点でチェックできると今をより前進させることができるかもしれません。

組織化、仕組化を実現する社長は必ず学習を大切にしているも合わせてお読みください。

弊社の01組織クラウドは社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくるための学習にとても重きをおいたクラウドサービスになっています。

ワンマン、属人状態にある中小企業が、何を、どこから、どのようにしていけばよいのか体系的な解決方法を持っています。

まずは、社長がいなくても回る強い組織、仕組みの作り方について無料の動画をご用意していますので、是非合わせてご覧ください。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。