新任マネージャー向けマネジメント講座  8.仕事の生産性を考える

前回の記事でも説明をしましたが、小さな会社のマネージャーは管理職と中間管理職の役割を兼務している状況です。

今日は、管理職の要素が強い仕事の生産性についてのお話をします。
仕事の生産性と書くと、モノづくり企業をイメージされるかもしれません。

しかし、仕事の生産性は、全ての仕事に当てはまります。

仕事の生産性を測るには、QCDという3つの要素があります。

・Quality:品質
・Cost:コスト
・Delivery:納期

これは、物づくりやサービス提供を行う上で、重視すべき3つ要素です。
仕事をする際は、この3要素のバランスを意識して取り組みます。
例えば
品質が良くて、価格が安くても納期が掛かりすぎると、商品は売れない。
価格が安くて作業が早くても品質が悪いと仕事が来ない。
時間が早く品質が良くても価格が高ければ商品は売れない。

このように、仕事をするには、QCDの3つのバランスがとても重要なのです。マネージャーはこの3つのバランスを考えながら後輩や部下の仕事を管理します。

特に士業や鍼灸師のような技術サービスは、作業時間=人件費=コストになるケースがあります。この作業時間の適正時間を見極めることが、仕事の生産性に繋がります。

入社間もない方は、仕事の段取りも良くありませんし、仕事の手順も覚えきれていないので、1時間で1個の仕事しかできないかも知れません。

しかし、貴社の業務効率を考えれば10分で1個の仕事を行い、ベテラン社員なら1時間で6個の仕事が処理できるのが当社の基準。
という、時間と作業量のバランスを把握しておきます。

それによって、時間を短縮するにはどのような仕事を覚えたらいいのか?
品質を高めるには、どのような仕事を覚えさせたらいいのか?
などの、教育することや指導することが見えてきます。

この様な事を、考えないで後輩や部下に仕事を任せておくと、会社としての売上も高まりませんし、社員のスキルも高まりません。
マネージャーとして後輩や部下の仕事の生産性を高めるには、アクションプランなどを作成し、その資料を基に、教育や指導を行うと関わりやすくなります。
アクションプランには社員が1ヵ月後や2か月後に、身に付けたい技術や知識について書いてもらいます。そのことを達成するのに、現在不足していることも書いてもらいます。

この、未来に得たいことと現状の課題を埋めるのに、どのように仕事に取り組んでいくか、一人一人にアクションプランを書いてもらうとマネージャーは管理がしやすいですね。

更に、先ほどのQCDも行動目標に記入してもらい、
作業時間を、〇分短縮するとか
完成度を、〇〇のように仕上げる
のように、時間や完成度や品質の向上になるもの。
コスト削減になる要素を含めると仕事の生産性が高まります。

この様な要素を使いながら、後輩や部下を指導していきましょう。

 

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著者プロフィール

権堂 千栄実

権堂 千栄実

中小企業サポートネットワーク(略称スモールサン)キャリア構築プロデューサー

1964年4月 宮城県石巻市生まれ 高校を卒業後、事務職から数回の転職後

1989年7月 日本ソフトバンク(現ソフトバンク株式会社)入社 営業事務で勤務

1993年10月 日本ソフトバンク退社後 OAインストラクターとして活動

1998年10月 結婚を機に福岡へ転居 翌年 長女 出産

2000年1月 派遣スタッフとしてOAインストラクターの仕事復帰

2003年3月 J-PHONE⇒Vodafone⇒SoftBankMobileのブランド移行時の研修プロジェクトに参加。本部研修開発チームのメンバーとして、研修カリキュラムの開発、資格試験の構築、評価試験の運営を5年間担当。

2008年2月 株式会社Campanula 設立
人材開発コンサルタントとして活動開始

社会人でも仕事の中で「初めて」なことがあります。
その「初めて」のことを「自分で出来る」ように、経験の積み重ねるには設計が必要です。

人の「初めて」を出来るように設計することは、事業計画と並列で考え取り組んで行くことです。その人の育成と活用を経営戦略としてご提案します。