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最終章:コワーキングの価値とその可能性を知って、大いにみんな飛躍してほしい。そして自分も、まだまだ途上にいる〜メンターからの手紙 伊藤富雄氏〜

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伊藤富雄氏 プロフィールはこちら

カフーツをスタートして

カフーツは、2010年5月に、日本で初めて「コワーキングスペース」と名乗った施設として、神戸に生まれました。しかし、最初は当然だれも意味がわからないから来ない。ネマ研のメンバーが来ると思うでしょう?ところが、僕アホやったのは、彼らみんな自分のオフィス持ってたんですよ!そら、来ないですよね(笑)。

始めたものの、なんのアイデアもなくて困って、毎月小遣い程度の売上が続きました。そこで、イベントをしてみたら、人が来るようになったんです。

いろんな属性のいろんな人が一ヶ所に集まってるのを、お菓子のジェリービーンズになぞらえて「ジェリー」って言うんですけど、その言葉を拝借してイベントを企画したんです。みんなでブログを書く「ブログジェリー」とか、起業を目指す人たち同士で交流する「起業ジェリー」とかね。

オープンして半年くらい経っていろいろわかってくると、うまくいくことといかないことが見えてきたんです。そして、アメリカのやり方をそのまま真似してもうまくいかないってことや、コミュニティとしての役割もわかってきたんですね。

最初は気負ってたからホスト役みたいな意識もあったんです。でも、そもそもやっていたネマ研は、僕が講釈垂れるんじゃなくて、みんなで勉強会を楽しくする、っていうものでしょ。それと一緒で、カフーツもみんなが好きなように使ってる場所ってことでいいやと思った。

そして、自分もコミュニティの一員、コワーカーの一人としてやっていけるなと思ったんです。こういう場所があるから人が来てくれるわけだし、自分の仕事に役に立つ環境として使えてるんです。

個人事業主の人やフリーランスにとって、ハブとして人と人がつながる、ビジネスのリレーションシップをつなぐ場所として、コワーキングスペースは絶対ありですよ。それに、今や大企業も社員のリモートワークの場としてコワーキングを使いだしてますしね。

コワーキングの価値

今でこそ、コワーキングスペースはあちらこちらにありますが、本当にすべてのコワーキングスペースがコワーキングの価値や理念をわかってやっているのかということを考えると、疑問もあります。ただ場所があって、受付があって、Wi-Fiが飛んでればいいというものではない。
本来、コワーキングが提供できる価値って5つあるんです。

  1. Accessibility:人につながりやすいということも含めた「つながりやすさ」。
  2. Openness:オープンであること。教えたり教えられたり、お互い教え合う、提供しあうこと。
  3. Collaboration:コラボレーション。仲良くなるとコラボが生まれる。
  4. Community :コラボが大きくなるとコミュニティが生まれる。コミュニケーションがうまれ、情報共有もできるようになる。
  5. Sustainability:継続性があること。電気代や地代なども含め、個々でオフィスを持つよりも経済的で継続性があること。そして地域にとっても、コワーキングスペースがあることでビジネスが生まれればローカル経済を活性化させ地域が持続していく。

コワーキングスペースの価値は、コミュニティになるかならないかで違いますし、その意志があるかないかで決まります。ビジネスでも学業でも、コトを起こす人たちのためのコミュニティになってくると、物事がうまく動き出します。本来、コワーキングスペースはそういう人たちが集まってくるハブなんです。

僕はコワーキングスペースは、ローカルビジネスを駆動するエンジンやと思ってるんです。

別に地方創生にこだわってるわけじゃないですけど、地方も人口減に悩んでるだけじゃなく、そういう「コトを起こす人」が外から入ってきやすい環境を作ればいいんじゃないかと考えてます。ローカルで仕事やビジネスが動き出すと、お金や人が活性化するから、地域も活性化するでしょ。

僕は日本中のコワーキングスペースを巡るツアーをしたりして、そこでどんな人がどんな取り組みをしているのかを実際に見に行くんですけど、そこで考えているのは、地方のコワーキングスペースをつないで、コワーカー同士がそこを行き来できたらおもしろいなということ。

テクノロジーのおかげで、どこでも仕事が出来る人が増えてくるわけで、寒いときにはあったかいとこへ、暑いときは涼しいとこへ行きたいというのは動物の本能でしょ。今までは決まった会社の決まった場所に毎日行くのが当たり前だったけど、今それが当たり前でなくなってきてるから、自分が好きな土地へ移動して仕事して暮らすこともできる。機嫌よく過ごせる場所で機嫌よく仕事したほうが、絶対生産性もパフォーマンスも高いはずですから。機嫌悪いままで仕事したって絶対いいものできないですよね。

リレーションシップをつなぐためにコワーキングがある

僕は、自分のアイデアや見聞きしたこと、知ったことを会う人会う人喋りまくってるんです。なぜかって、それができそうな人がいるからですよ。システム作ってくれる人や実際の会社や場所を持ってる人、そういう人とつながってるからです。それはコワーキングしてるからできたことで、ネットの記事読んでただけじゃできない。コワーキングしてなかったら絶対こんなつながりできてないですよ。

コワーキングツアーやったのも、よそのコワーキングスペースにおじゃまして、つないでいきたいなと思ったから。
リレーションシップをつなぐためにコワーキングってあるので、そういうことをみんながわかった上でコワーキングスペース使わないと、もったいないと思いますね。

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そして、機嫌よく、友達つくりながら好きな場所で仕事できたらよくないか?とも言いたい。
僕はみんなが機嫌よく仕事できる、あるいは起業して経営できる、仕事し続けられる環境づくりに加担したいんです。僕は偶然コワーキングをやるようになったわけですが、今では意味も価値もわかって楽しいと思っている。だから、このコワーキングのスキームを使いながら機嫌よく仕事する人をたくさん作れたら、日本はもっとハッピーになるんちゃうかなと思うんです。

いままでもこれからも、やることは「ネタフリ」

僕はコワーキングスペースとかコワーキングっていうものを「道具」に使うことはできます。起業・創業をサポートするためのプログラムを実行する物理的な場であり、誰かと誰かのリレーションシップをつなぐスキームとして。

今は「コワーキング」という枠を超えた新しい流れが来てるように思います。つまり、コワーキングは道具だから、これを使って次の段階に進みたいと思っています。
僕は人と違うことをしたいんですよ。それはT社にいたゆえの、メーカー気質なんでしょうね。あるものを組み合わせて自分で好きなラベルつけて名前つけて値段つけて、オリジナルとして売るってことが好きなんです。自分では意識してなかったけど、T社の時代から今までやってきたことを考えてみると、同じ方法論を繰り返してるだけなんですよ。

これからの関心事は、誰かがコトを起こすのに加担したいということですね。ある意味、ネタフリです。

自分ひとりではできないから、塩崎さんに頼んで、Allmanのオリジナルモデルのギターを作ってもらったように、ネタを振って、食いついてきた人と話して何かが起きるっていうのがおもしろい。もちろん毎回うまくはいかないけど、でも振らないと何も起きないですから。

でも、今ふと思いましたけど、僕ががなにかコトを起こして進める手法は、結局、全部、バンド活動ですね。各自役割分担があって、合体した時に全体として機能するという。世の中のことすべて、うまくやる方法はバンドじゃないかと思います。

コトを起こしてきた人ってきっとみんなそうで、0から作った人なんかいないです。あらゆるものがもう出尽くしてるけど、でもすでにあるものを組み合わせてモディファイすることで新しい価値がそこに生まれると、ほんまに思います。
起業っていうと大層に聞こえるやないですか。でも、だいたいみんなやってること一緒ですよ。それで活路は開けるんです。

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なんて言ってる僕も途上にある人です。だから、興味の対象はこれからも変わる可能性があります。自分の感覚が変わっていくということですね。でもコミュニティって生き物でしょ、変容していくでしょ。僕だって変わっていくから、もしかしたら1年後には「会社に勤めましょう!」って言うかもしれない。
でも逆に、自分の考えにがんじがらめになることはすごく怖いなとも思うんです。
途上にある人の方が面白いとも思ってるんですよ。

(了)

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著者プロフィール

ikekayo(池田佳世子)

ikekayo(池田佳世子)

関西を拠点に活動するライター。 その人のもつ無形の価値に輪郭を描く仕事をしています。