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【山梨県で起業!】空き家率全国1位での県で、住み継がれ、使い継がれる建物づくりを

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地域で活躍する多様な起業家を特集するこの企画。

空家率全国一位といわれる山梨県。その韮崎市で、空家に新たな価値を創造しているのが、イロハクラフト代表・千葉健司さんです今、日本全国で問題とされている空家問題、少子高齢化の先進県で活躍できる理由についてお聞きしました。

―本日はよろしくお願いします。千葉さんは、現在事務所を構えている韮崎市の出身なんでしょうか?

千葉)地元は隣町の甲斐市なんですが、僕が高校生の時は学区内制度というものがありました。なので、この付近の子はみんな、韮崎高校に進学するんです。僕も当時、韮崎高校に電車で通っていたんですが、現在入居しているこのビルのことは毎日見ていました。なにしろすごく目立っていたので。

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―なるほど。そうした原体験がリノベーションにもつながったんでしょうか?起業してから、現在のビルに移るまでについて教えてください。

私が起業したのは2010年です。その時はまだ個人事業として、設計事務所をしていました。その後2012年に株式会社にしてすぐに、韮崎市役所の前に移りました。

地元だと土地感もありますし、やりやすい部分があります。あとはやっぱり地元を盛り上げたいという意識がありました。

なので、法人化するタイミングで、高校時代を過ごした韮崎という場所を選んだんです。

その時から、15年間廃ビルになっていた、このアメリカヤのことは気にしていて、複合施設として復活させたいという思いがありました。そんな話をいろんな人にしていたら、つながりにつながって、亡くなったオーナーの息子さん(現オーナー)とお話する機会を得られました。

その時にリノベーションの構想についてお話をして、共感をいただき、去年リノベーションしてオープンすることが出来ました。

現在はイロハクラフトでビルを丸々借りており、1階から3階に貸しテナントが入り、4階がうちの事務所、5階には自由に使える共有スペースがあります。

―丸々借り切ったからリノベーションもできたんでしょうか?

そうだと思います。部分的だったら、なかなかこういう面白いことはできなかったでしょうね。

空いていた15年間で、何人か「1階貸してください」とか「1、2階貸してください」というお話は来ていたみたいなんです。ですが、以前は漏水もしていたし、モルタルが剥がれ落ちたりもしていたので、もう貸せる状態ではないと断っていたようです。

ですが、うちは設計事務所ですし、まるごと貸してほしいという話だったので、「じゃあ管理も含めて」ということでお借りできました。

―ところどころ、昔の面影を残している風にも思える設計ですね。

そうですね。出来るだけ、残せるところは残しました。窓やドアもそうなんですが、やっぱりまだまだ使えますし、雰囲気もすごくいいです。使えるものは使って、傷んでてどうにもならないところだけ直しました。

また、新しく作った部分も、出来るだけ古い部分とギャップが出ないように、古材も利用しています。新旧の境目をなくすような設計を頑張りました。

やっぱり資金という面もありますが、お金で買えない時間や歴史は大事に残したいと思っています。

起業した理由にもなるんですが、私の考える理想の建築のかたちは「住み継がれ、使い継がれる建物づくり」です。

2010年に起業した時から、もともとリノベーションに力を入れていました。新築ももちろん設計するんですが、やっぱり古くてまだまだ使えるものは使っていきたいと思っていたからです。

起業した時にはもう山梨の空家率は高く、これからどんどん、少子高齢化で空家率が上がっていくことは目に見えていました。なので、これからは作る建築士でなく、直す建築士だろうと思い、リノベーションに力を入れていました。

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―2010年といえば、まだまだリノベーションという言葉自体が普及していなかったと思うのですが、いち早くリノベーションを取り入れたきっかけはあるんでしょうか?

日本の住宅は28年サイクルと言われおり、そのことにすごく違和感を感じていました。ヨーロッパでは100年を超える家がたくさんあるなかで、日本はスクラップアンドビルドの連続です。

ある時期では、それが経済を支えてきたのかもしれませんが、もっと物を大事にしたいと思っていました。古いものはもともと好きだったんですが、そんなところから、自分は直す側に回りたいなと思いました。

―山梨は空家率日本一と言われる課題先進県ですよね。そうしたなかで、リノベーションの数が増えてたりはするんでしょうか?このビルにはDIYセンターもありますよね?

今若い人たちの間で、古いものに対して考え方が変わって来ていると思います。それに若い人たちの低所得化もあります。年収が300万円を切るような給料の中で、建築屋に頼むより、自分でやっちゃうという人もいます。

あとは定年退職した65歳くらいの方たちもバイタリティがあって、DIYしたいという人が多いですね。女性でもやりたいって人はいますし、幅広いです。

また、年配の方々ですとこのビルに思い出があって、どうなったのか見に来てくれる人もいます。現オーナーさんがレコード好きなので、5階でレコードイベントをやってくれることもあるんですが、その時は地元の60〜70歳くらいの方々もかなり集まってくれます。

老若男女で盛り上げてくれているのが嬉しいです。

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―アメリカヤをリノベーションして、どういったことが変わりましたか?

ここ一年は、本当に激動でした。

設計事務所ベースで言うと、必ずお家を建てる時には、みなさん何社か迷うんですよね。家づくりに対する思いをおっしゃるんですが、やはり最後は金額で決まってしまいます。

ですが、ここをリノベーションしてからは、うちに決めてきてくれる方が多くなりました。

―この建物がある意味ショールーム的に機能してるんですね

そうだと思います。思いがあってこういうリノベーションをしているので、それに共感して来てくれる方もすごく多くなりました。

あとは、町全体が応援してくれるようになりました。田舎だからこその、OBからのバックアップはすごいと思います。

「後輩が頑張ってるぞ」ということで、みんなが応援してくれてるので、そこはすごくやりやすいですよね。地方あるあるなのかもしれません。

―それは地方ならではかもしれませんね。では逆に、地方で感じる難しさはありますか?

強いて言うならば、保守的なことです。高齢者が多いというのも関係しているのかもしれませんが、今のままで満足していることが多いです。

一階がお店、二階が住まいという建物がたくさんあるんですが、一階のお店は使わず二階に住んでおり、売ったり貸したり出来る建物が地方は少ないですね。

うちにも、こういう地域で商売をしたいという相談は来てくれるんですが、なかなか貸せるところ、売ってるところがありません。

都会だともっと流通に出ますよね。ですが、地方だと、土地や建物を手放すことが近所からの目を気にしてか少ないです。なのでまちに波及するのが難しいです。

そのことは今、韮崎市にもお話をしており、地域おこし協力隊など若い人たちが不動産価値を掘り起こしたり、オーナーに不動産流通のメリット・デメリットを教える講座を開くなど、理解してもらえるようには、進めてもらっています。

―なるほど。その点、アマリカヤのテナントはどれもレベルがすごく高いですが、どのように募集・選定したのでしょうか?

一般告知はせずに、入ってほしい人に声がけしていったんです。人が集まる面白い仕事をしている人たちに入ってほしかったので、一人ずつ埋めていきました。

もう形も雰囲気を全部作った状態で、そこに入ってもらいました。

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―その雰囲気に自分たちが合うという確信をもってテナントさんは入ってるわけですね。そうすると、価値観とかも近しい人たちが集まっているんでしょうか?

そうですね。古いものに対して好意的に感じられる人たちが入ってます。

新築の普通のビルだったら埋まらなかったでしょうし、こういうビルだからこそ、今のテナントさんが入ってくれたと思います。

去年メディアでも話題になって、みなさんお洒落だと言ってくれました。でも、ただお洒落なだけではなく、自分が一番嬉しかったのは、山梨建築文化奨励賞と、リノベーション・オブ・ザイヤーを受賞したことです。建築の公的な賞というと、こういった古いビルでは難しいのかなと思っていただけに、そういった根拠のある文化的な賞を取れたのはすごく嬉しかったです。

だからこそ、山梨県内の古い建築に可能性が広められたかと思います。

―将来的に韮崎をどういう風にしたいっていう展望はありますか?

近い将来では、今隣の空き地を工事しているんです。そこは、アメリカヤスクエアという広場を作ってるんですよ。ただ駐車場では面白くないので、お祭りとかマーケットが出来るような広場にしています。

その次の構想としては、すぐそこに全部閉まってしまった居酒屋の通りがあるんですが、そこを全部借りてアメリカヤ横丁、通称アメ横という通りを作りたいと思っています。今は夜6時にはお店も閉まってしまって、夜があまり賑わらないんです。ですが、そうした連続的なリノベーションによって、昼夜で賑わってくれるといいなと思います。

一回シャッターが閉まっているので、それを開けていくという流れは逆にチャンスだと思うんです。この近隣も、売りに出ている物件はすごく少ないんですが、意外と飛び込みで「貸してください」というと、貸してくれたりもします。貸し手が借り手を探していくんじゃなくて、借り手の方が発信して「ここを借りたい!」という方が、使い手にとっては逆に魅力がある建物だと思うんです。そうした逆の発想の社会が出来ていったらすごい面白いと思います。

そうした取り組みを、このアメリカヤを中心に盛り上げて、それが少しずつ波及していくことで、「リノベーションのまち・韮崎市」と謳っていきたい。町全体をリノベーションするかのような構想をしてます。

―最後に、経営をしていく中で、千葉さんが大切にしている考えを教えてください。

いつでも、お客様の期待を超える仕事を意識しています。喜んでもらえることが、私の次の仕事の活力にもなっているんです。

それは、アメリカヤやまちづくりも同じです。関わってくれる全ての人が幸せと感じられる環境をつくることを、いつも意識しています。

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執筆者:北嶋 孝祐twitter
協力 ローカルクリエイターラボ

農山漁村地域の起業に、チカラを「INACOME」

農山漁村が活力を取り戻し、持続可能な発展を実現するためには、何よりもまず、雇用と所得を生み出すことが重要です。農山漁村には魅力的な資源が豊富にあり、これを活用した多様な事業を起こすチャンスに溢れています。農林水産省では、豊富な資源とやる気溢れる人材、そして必要な資金を組み合わせ、農山漁村地域に新たなビジネスを生み出すことを目的として、Webプラットホーム『INACOME』を設置しました。

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