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【熊本県で起業!】地方から世界へ!人口1000人の村で3億円超の売上をあげる秘訣

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熊本県の南部に位置し、四季に合わせてさまざまな美しさをみせる山里・「五木村」清流と名高い川辺川が流れるこの地に本社を構える「有限会社五木屋本舗」では、古くから伝わる伝統保存食「豆腐の味噌漬」の製造・販売を主に事業を行なっている。看板商品である「山うにとうふ」は全国から注文が殺到。
今では海外でも取り扱い店舗を増やし、関連商品を併せると年間の売上は3億円を超えるという。

人口約1000人という小さな村から世界で通用する商品を生み出す秘訣を代表取締役の橋本悦治さんにうかがった。

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まずは、現在の事業について簡単に教えていただけますか?

編集部

橋本

熊本県の五木村で「山うにとうふ」の製造販売を行なっています。 県内はもちろん、インターネットや物産展など、全国でも販売させていただいています。

創業に到るまでの歴史を教えてください。

編集部

橋本

私は五木村で生まれ育ちました。 福岡の大学を卒業後、医薬品の卸売りの仕事で福岡を転々としていました。 その後、将来的には五木村に貢献できる仕事がしたいと思いつつも、条件に会う仕事がなかったため、村の近くにある人吉市でサラリーマンをしていました。
そんな時、「五木村にある古民家を活用した事業」の募集が行われたんです。 当時、結婚して子どももいたので周りには大反対されました。五木村って熊本県の人から見ても秘境と思われている場所で(笑) なんとか妻のご両親を説得して、5年で事業を成功させるという約束で五木村へ移住することを決めました。

事業内容については決めてらっしゃったんですか?

編集部

橋本

「五木村で何かをしたい!」という想いが先にあったので、明確にこれというものはありませんでした。 何をやろうかと考え、食は毎日必要なものだからという理由で飲食店を始めることにしたんです。
最初は五木村にはなかったビアガーデンとして、夜の営業をメインに行なっていました。丸太を切って椅子を作って、焼き鳥などを提供していました。地元の青年団の方がよく飲みに来てくれましたね。
ただ、子どもがいたので将来的には昼の仕事で生計を立てたいと思い、うどんやそばなどを提供して昼の営業もはじめました。そこで販売をはじめたのが「豆腐の味噌漬け」だったんです。

「豆腐の味噌漬け」とはどういったものですか?

編集部

橋本

「豆腐の味噌漬け」は五木村に古くから伝わる保存食で、名前の通り豆腐を味噌で漬けたものです。 その歴史は古く、約800年前、源氏との戦いに敗れた平家の落人が五木村に落ちのび、源氏の目を逃れながらの貧しい生活の中で作られたと言われています。

とても歴史ある食べ物なんですね!

助っ人編集部

橋本

そうなんです! 最初は豆腐の味噌漬けを製造している業者さんから商品を仕入れていたのですが、いつかは自分で作って販売したいと考えるようになりました。 当時、五木村はダム問題(※1)で揺れている時代で、豆腐の味噌漬けの仕入れ先の企業が会社を畳むことになったんです。 こんなにいいものがなくなるのは勿体無いと思い、そこで働いていた従業員をうちに呼んで、自社での豆腐の製造に向けての準備を始めました。

※1…1966年に九州最大級のダムを川辺川に建設する計画が発表された。五木村の住民は猛反対したが、96年にダム本体工事に同意。その後、09年にダム建設は中止となった。

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お客さんの言葉がヒントに!「山うにとうふ」の誕生秘話

「山うにとうふ」はどのように生まれたんですか?

編集部

橋本

従来の豆腐の味噌漬けは、スルメのように硬いもので、噛めば噛むほど味が出てくる商品でした。ただ、そのまま全国に向けて発信するのは厳しいと感じていたんです。
そこで試行錯誤を重ね、”柔らかい”豆腐の味噌漬けを完成させました。従来の”ハードタイプ”に対抗して、”ソフトタイプ”の豆腐の味噌漬として販売したのですが、そもそも豆腐の味噌漬けを知らない方からしたら、「ソフトって何?」と思われたようで(笑)

確かに「豆腐にハードとソフトがあるの?」ってなりますね(笑)

編集部

橋本

そうなんですよね(笑)あまりお客さんには響かなかったようで… そんなある時、「ソフトタイプの豆腐の味噌漬け」を試食をされたお客さまから「これは”うに”に似ている」と言われたんです。
言われてみると確かに”うに”に風味が似ていることに気づきました。食べた風味と食感が名前からも伝わる商品名にした方がお客さんにも伝わりやすいのではないかと、思い切って名前を変えることにしました。
”山”奥で作っている、”うに”のような風味の”とうふ”ということで、「山うにとうふ」として販売することにしたんです。

お客さんの言葉から生まれたネーミングだったんですね!販売を開始されてからはいかがでしたか?

編集部

橋本

「山うにとうふ」を認知してもらうまでが大変でしたね。豆腐の味噌漬けは、地元で作って地元で消費されているもので、地域外の人の認知度がとても低かったんです。地元の人が知っているご当地グルメという感じで、外部の人には全く知れ渡っていなかったんです。
最初の頃は、物産展に参加しては1日100人以上の人にひたすら商品の説明をしていました。 そうこうしているうちに、徐々にですが「山うにとうふ」の名前が浸透していったんです。

現在、「山うにとうふ」は全国からネット注文されているとうかがいましたが、どうやって、全国に広がっていったんですか?

助っ人編集部

橋本

全国の百貨店で「九州物産展」が開催されているので、そこに出店して全国での知名度をあげて行きました。 知名度が上がってくると百貨店の方から声をかけられて参加できるようになるのですが、始めのうちは熊本県の物産振興協会の会員になって、百貨店を紹介してもらい、何件もの物産展で試食販売を行いました。

しばらくして、百貨店から直接依頼をいただけるようになり、現在も多くの物産展に出店させていただいています。 そのうちに、テレビでも取り上げられるようになり、より多くの方に知っていただくことができました。やはりテレビの効果は絶大で、放映後には通常の10倍の注文が来たこともありましたよ。

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地域に貢献できる会社であり続けたい!

五木村で事業をされていて良かったことを教えてください。

編集部

橋本

地域へ貢献ができるというところが一番ですね。 雇用を生むことができる会社として地方に貢献できているというのはとても嬉しいことですね。
若い人がいない地方は次の世代へのバトンタッチができず、存続していくことはできません。
私は息子が4人いるのですが、そのうち1人が村に戻って来てくれてうちの会社で働いているんです。こちらから戻ってくれと頼んだわけではないんですけどね(笑)
地方に若い人を呼ぶためには”夢をもてるような企業”が必要不可欠だと思うんですよ。 これからも五木村に貢献できるように頑張りたいと考えています!

若い人がいるだけで地方は元気になりますもんね!地方起業ならではの大変なことはありますか?

編集部

橋本

物流に関しては不便さを感じることがありますね。 荷物を送る際、集荷の最終時間が14時半くらいなんですよ… その時間までに商品の発送を終わらせるために逆算して業務を行わなければならないんです。
お歳暮などがある繁忙期は本当に大変です… でも、他の部分は住んでいれば慣れてくるものなのであまり不便さは感じていないですね。

五木村から世界へ!その土地にあったキャッチコピーで心を掴む

「山うにとうふ」は海外にも広がりを見せていますが、こちらはどのようにして海外進出に成功されたんですか?

編集部

橋本

熊本県の国際課の方と知り合ったことをきっかけに、最初はシンガポールのイベントで試食販売を行いました。近年の日本食ブームもあり、海外の方も豆腐や味噌を知っているので、スムーズに販売を行うことができ、手応えを感じたんです。
日本の百貨店で販売していた際、お客さんから「日本酒はもちろんだけど、ワインにも合いそうだ」と言われていたこともあり、次はヨーロッパへの進出も決めました。
ヨーロッパでは”うに”が分かりにくいかと思い、「植物性のフォワグラ」というキャッチコピーで販売しました。

たしかに、どことなくフォアグラ感もありますよね!

編集部

橋本

そうなんです。フォアグラはフランスの食べ物ということもあり、ヨーロッパの人には馴染み深いんですよね。その土地にあった分かり安い商品説明をすることで一気に広まっていきました。

あとは、海外では浸透している「ビーガン」の人にもご好評いただいています。
ビーガン用のフォアグラはフランスにもあるらしいんですが、うちの商品の方が美味しいと言ってもらえたので、そういった方向けにアレンジを加えて販売することも考えています。

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五木村から世界へ〜新たな挑戦!

今後の五木村に望むことはどんなことですか?

編集部

橋本

私は、同業の方が増えてくれたらいいなと思っているんです。 豆腐の味噌漬けを作る業者が増えることで、もっと商品が盛り上がりますし、数あるお店の中から商品を選べた方がお客さまも楽しいと思うんですよ。
村全体で豆腐の味噌漬けを盛り上げていけたらいいなと思っています。
あとは、2〜3年後には外国人の観光客も増えてくるかなと感じています。今度、商談したスペインの人が五木村にいらっしゃるんですよ。
東京と大阪に用があるそうなんですが、せっかく日本にいくからうちの工場も視察したいと言ってくれて。今後ヨーロッパとの取引が増えて、「なんで五木村にフランス人が!?」なんてことになると面白いなと思っています(笑)

それは楽しみですね!橋本社長の今後の目標を教えてください。

編集部

橋本

ヨーロッパの次はアメリカにも進出しようと考えています。「山うにとうふ」を世界中の人に食べてもらいたいですね! 五木村に豆腐の味噌漬けがあって本当に良かったと思っているんです。
これがなければ私は今でも食堂をしていたかもしれません(笑) 私の人生は「豆腐の味噌漬け」に捧げているので、もっともっと盛り上げて行きたいです!

最後に今後、地域で起業を考えている人にメッセージをお願いします。

編集部

橋本

新しいことに挑戦する人が増えてくれることが地方を活性させるんだと思うんです。
地方ではよく出る杭は打たれるという話を耳にしますが、そんなことをしていては地方に未来はありません。
昔から事業をしているひともこれから事業を始める人も、お互いのいいところを認めながら、高め合えるような環境を作っていくことが大切だと考えています。
起業自体は難しいことではありません。私でもできているので、誰でもできると思うんです(笑) 何かをしようときめたら諦めず、本気でやることが何よりも大切だと思います。

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インタビュイー・対談参加者

桃井美里

桃井美里

2018年から、日本最大の起業・開業・独立者向けポータルサイト「助っ人」(www.suke10.com)の編集チームで、コラムを担当。 こども写真館「スタジオマリオ」の店長を経て「助っ人」編集部へ。 イラストや写真を用いて、難しく考えられがちな『起業』をもっと身近に感じることのできるコンテンツの発信に取り組む。 フリーでナレーター・MC・イラストレーターとしても活動中。
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