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日本はドローン産業の世界トップグループに食い込める 〜千葉功太郎ドローン・ファンド代表に聞く、「情報・モノ・ヒトが空にひしめく未来」〜

ポイント
  1. ドローン業界にも新たなスタートアップ企業が参戦している今。
  2. 日本のドローン・ベンチャーは、世界を目指せるのか

目次 [非表示]

浮上するドローン・ベンチャーズ

ドローン(小型無人機)ビジネスが本格的な離陸期に入ってきた。小型で高性能、価格もリーズナブルなドローンの製品化が相次ぎ、空撮を楽しんだり、それを商売にしたりする人も増えてきた。制御技術やハードでは中国に、システムでは米国に先行を許す我が国・日本のドローン産業も、伝統的に強いレンズなど光学技術を使った撮影テクノロジーや機体を安定させる制御技術などで斬新なアイデアを発揮するベンチャーが登場するなど、興味深い動きが活発になっている。空の未来を担うドローン関連スタートアップの動きを追う。

空を飛ぶ無数のドローン

日本国内で勃興しつつあるドローン(小型無人機)のスタートアップ企業を、資金的にも意念的にも引っ張っている人物がいる。個人投資家の千葉功太郎氏(44)だ。「ドローン・ファンド」(正式名称は「千葉道場ドローン部1号投資事業有限責任組合」)を6月1日に立ち上げ、国内外のドローン・ベンチャー企業への出資を開始。さらに7月31日、都内でドローン・ファンドを通して実現したいビジョンを発表する記者会見を開き、社会がドローンを縦横無尽に駆使して生活することが当たり前となる「ドローン前提社会がやってくる」との構想を打ち上げた。どんな未来を見つめているのか、7月中旬に話を聞いた。


ドローンファンド ジェネラルパートナー 千葉功太郎氏

千葉功太郎氏は日本のスタートアップ界隈では、つとに有名な人物だ。ドローンの記者会見をする前の週にあたる7月23日にも、個人の「価値」を株やコインのように売買できるプラットフォーム「VALU」を運営するVALU(東京・渋谷、小川晃平社長)にも個人投資家として4500万円投資したことを明らかにし、話題になった。

「ドローンは、1990年代前半から半ばの『インターネット黎明期』と同じような段階にいるんですよ、今。全体で流れに乗っていかないと、このままではアメリカや中国に全部持っていかれる。やはり日本は、その一角に食い込んでいなければならないし、その実力はあると思っています」

千葉氏は慶應義塾大学環境情報学部(湘南藤沢キャンパス=SFC)を1997年に卒業。在学中に薫陶を受けた村井純助教授(当時、現在は教授)に「インターネット社会がやってくるという話を聞いて驚いて、それがその通りになって感動した」。卒業後はリクルートに入社して電子メディア事業で経験を積み、その後はサイバードやケイ・ラボラトリー(現・KLab)取締役などを歴任。2008年にコロプラを友人と創業して、東証1部上場も果たした。

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16年にコロプラを退社すると、個人投資家として国内外の有望なスタートアップを次々と発掘してきた。「注力している分野はアグリテック(農業関連)、ブロックチェーン、インバウンド、そしてドローン。その中でもドローンは、これから全く新しい世界が出現するということで、別途ファンドを設けるくらいに力を入れています」(千葉氏)

港区芝公園に近いドローン・ファンドのオフィスに入ると、度肝を抜くような「マシン」が置いてあった。上はバイクの形をしているのだが、足元はタイヤの代わりの4枚のプロペラがついている。人が乗れるドローンなのか。


オフィスに入ると目を引く黒い乗り物が?!

「さすがに飛び回ることはないですが、ホバークラフトのように移動するマシンですね」

今回組成した第1号のドローン・ファンドは「3ケタ億円規模で世界一となります」と千葉氏は説明する。その資金を10社強に出資する。

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日本のドローン・ベンチャーは、世界を目指せるのか

「まずはハードウェアです。もう一度、『ものづくり・日本』の地位を挽回できる位置にいると思います。ドローンは、何か新しい技術を作り出さなければできないものではないんですよ。すべて既存の技術を使って作れる。そこに日本企業の可能性があると思います」
 「今回、ファンドが出資したスタートアップは、そうしたドローン産業への入り口、『入場券』となる可能性がある。ぜひ、大手の企業の方々にも参画していただき、その入場券でドローン産業を一緒に盛り上げていってほしいと思っています」


中央:千葉功太郎、中央右:ドローンファンドアドバイザリーボードメンバーの西脇資哲氏、真ん中左:「美空かなた」役、諸江雪乃さん


ドローンを活用する夢のような構想が、あとから次々と出てきて尽きない。「ドローンって、ネットでいう『パケット』なんですよ。情報のほか、モノもヒトも小さな単位で運べる。インターネットの情報を小分けにして運ぶパケットと同じなんです。2022年には空を見上げると、そこいら中でドローンが飛んでモノやヒトを運んでいる世界になると思っています」

停留所のような場所で待っていると、無人運転のドローンタクシーがやってきて、目的地まで空から運んでいく未来を思い描いている。かと思えば、日本全国どこに住んでも東京まで1時間で来られるような有人ドローン駐機場付きの別荘を建てる計画も進めているという。

「ぼくらが子供のころ、2020年ごろになればみんなが空を飛んで学校や職場に通っていた未来のシーンを、マンガやアニメで見ていたと思うんです。インターネットがそれを実現して、さまざまなAI(人工知能)が出てきて、だいぶその未来のシーンに近づいた。でも、なぜか空だけはまだ飛べていないですよね。『なんだよ、早くしないと、そのシーンを現実に見る前に死んじゃうよ!』と思っていて、それがドローン産業を育成したいモチベーションになっています(笑)」


デザイナーのyamakitakumi氏によって手掛けられた「2023年六本木ヒルズから見たドローン前提社会」

ハードのほかにもソフトウェアやドローンの航空管制、操縦できる人材の育成など、まだまだ成し遂げねばならない技術分野は、たくさんある。千葉氏を中心に、日本のドローンは飛躍期を迎えるのかもしれない。

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著者プロフィール

三河主門

三河主門

2017年5月に日本経済新聞社を退社して独立。各種新聞・雑誌・ウェブメディアに記事を執筆しながら、フリーランスの編集者、メディア・リレーションのコンサルティングとしても活動している。17年11月に「Mikawa&Co.合同会社」を設立、中小企業・スタートアップベンチャーのためのPR(広報)コンサルティング、セミナーなどを手掛けるほか、教育関連コンテンツの製作も開始した。 日経記者時代は主に企業取材を担当。産業部(現・企業報道部)記者として長い経験がある。2007~10年にバンコク支局長として駐在した経験と人脈を生かし、タイのビジネス・社会・文化を研究・紹介する活動に長く携わる。

桃井美里

桃井美里

 こども写真館「スタジオマリオ」のカメラマン・店長を経てウェイビーへジョイン。ウェイビーでは広報・PRを担当。得意なイラストや写真を用いて、難しく考えられがちな『起業』身近に感じることのできるコンテンツの発信に取り組む。 フリーでナレーター・MC・イラストレーターとしても活動中。
ツイッターもやっているので、ぜひ気軽にフォローを!→ スクリーンショット 2019-09-03 16.32.30

林聖人

林聖人

フリーランスライター。 大学卒業後、商社で輸入品の流通事業に8年間携わる。 月100時間を超える残業や、生産性の低い働き方を続けることに疑問を抱き、2018年に「働き方」専門のライター・ジャーナリストとして独立。 また独立前に8つの副業を経験し、自身でも「副業」を専門テーマに実態調査や、情報発信をおこなう。 2017年から、日本最大の起業・開業・独立者向けポータルサイト「助っ人」(www.suke10.com)の編集チームで「働き方・副業」に関する記事を担当している。