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起業家が見出すべきハラルの恩恵(あすへのヒント)

ポイント
  1. ハラルラーメンの提供によって

目次 [非表示]

変化のスピードが激しい時代、起業家は、経営者は、何をみつめてビジネスの種を探せばいいのか。「助っ人」編集部員らが普段の仕事や暮らしから探し出した起業家へのワン・テーマを、コラム「あすへのヒント」としてお届けします。

新宿の繁華街から少し外れた花園公園。近くの「新宿御苑らーめん桜花」には連日、中東や東南アジアからやって来た観光客が列をなす。同店は日本でまだ珍しい、イスラム教の戒律「ハラル」に沿って作ったラーメンを提供している。世界的なラーメンブームを受けて、イスラム教徒でもラーメンを食べたい人が広がっている。そこに勝機を見た。

出汁はタイ(鯛)から取り、ムスリムには禁忌である豚肉を具材に一切使わない。同じく禁忌のアルコール類は一切提供しない。さらに使う醤油も、おしぼりやテーブルを拭く除菌剤もアルコールフリーにするなどの徹底ぶりだ。同店は「できるだけ多くの客に、公平に食を楽しんでもらうためユニバーサルデザイン(宗教、言語、文化、車椅子、子供づれ)の店を目指しています」とウェブサイトでうたっている。決してハラル食品が一般的でない東京で、こんな店があればイスラム諸国からの観光客も安心だろう。

だが、その東京も日本全体で見ればトップを走る。旅行などのムスリム対応を評価する調査会社、クレセントレーティング(シンガポール)と米マスターカード、日本のハラル情報発信を手掛けるハラールメディアジャパン(東京・渋谷)が共同で調査し、今年11月に発表した「ジャパン・ムスリム・トラベル・インデックス」(JMTI)。都道府県別の「ムスリムフレンドリー」ランキングをまとめたものだ。「アクセス」「コミュニケーション」「環境」「サービス」の4項目で評価したところ、先頭を走るのは東京都で、ムスリムが満足する「リーダー」の位置にいる。だが、次に続く「アダプター」(ムスリム対応を始めたばかり)は大阪府、京都府、北海道など12府県のみ。残りは「フォロワー」で「まだ十分な対策が講じられていない」との評価だ。

2020年の東京五輪を前に、この状況に安堵できるか、お寒いと感じるか。ユニバーサルデザインはすなわちダイバーシティー(多様性)の強化につながる。女性の活躍やLGBT対応だけがダイバーシティーではない。幅広く複雑な文化背景を持つ外国人への対応力もまた、多様性を強化する一歩となる。ハラルに沿って禁忌のアルコールや豚肉などを使わずに、全国各地の食材を使って料理を提供する余地は、まだまだあるだろう。日本の様々なサービスも考案できる。世界のムスリム需要を見越せば、まだまだ日本にも勝機はあるだろう。

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著者プロフィール

三河主門

三河主門

2017年5月に日本経済新聞社を退社して独立。各種新聞・雑誌・ウェブメディアに記事を執筆しながら、フリーランスの編集者、メディア・リレーションのコンサルティングとしても活動している。17年11月に「Mikawa&Co.合同会社」を設立、中小企業・スタートアップベンチャーのためのPR(広報)コンサルティング、セミナーなどを手掛けるほか、教育関連コンテンツの製作も開始した。 日経記者時代は主に企業取材を担当。産業部(現・企業報道部)記者として長い経験がある。2007~10年にバンコク支局長として駐在した経験と人脈を生かし、タイのビジネス・社会・文化を研究・紹介する活動に長く携わる。