「健康経営」が中小企業の潜在ニーズを生みだす可能性

ポイント
  1. 労務管理や健康診断、ストレスチェックなど従来の健康管理支援
  2. 健診のデータを活用して健康づくりを促進する予防的アプローチ
  3. 生産性向上で働きがいのある職場環境づくりで働きやすさをサポート

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健康経営」という言葉が連日、ニュースや新聞に重要キーワードとして登場している。どういう意味か。「企業が従業員の健康維持・促進に積極的にかかわることで、生産性や企業イメージの向上、医療費の抑制、優秀な人材獲得につながる、という考え方」(2018年3月5日付「日本経済新聞」朝刊27ページから引用)のことだ。

国レベルでは遅々として進まない健康対策を、民間の企業が中心となって推進していく考えで、「働き方改革」の一つの流れといえよう。
主に、3つの柱から成り立っているといわれる。

労務管理や健康診断、ストレスチェックなど従来の健康管理支援
健診のデータを活用して健康づくりを促進する予防的アプローチ
生産性向上で働きがいのある職場環境づくりで働きやすさをサポート

3つの柱により、経営と一体となった健康増進を押しすすめ、今まで光が当たりづらかった「非財務情報から企業価値を向上させる」ことができる、というものだ。
健康経営に積極的な企業を選び、その企業の株式投資を促進し、優遇金利を用意するといった支援の動きも広がり始めていると聞く。

厚生労働省が発表している医療費は2015年には41兆5千万円。過去最高を記録し、その後も増加をたどっている。現状の国民皆保険による医療での保障システムを維持することは不可能であり、医療から予防への転換は国家レベルで必須だ。

今後、労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口層である「生産年齢人口」が減少していく日本では、健康な人材が長期的に働けるシステムを各企業レベルで取り組んでいく、というのは自然な流れであり、今後も加速していくだろう。

「健康経営」の関連事業は市場規模が拡大傾向にある。帝人や日立製作所は社員の睡眠改善をサポートするアプリサービスを今年4月からスタートし、スピード感を持って社内環境を整備しているとアピールしている。調査会社のシード・プランニングによると、健康経営関連の市場は16年に1兆3600億円だったが、20年には約1兆6700億円に達する見込みだという。

中小ベンチャー企業にとっては、健康経営への流れは負担感が増し、頭が痛いところかもしれない。大企業に比べて社員の労務環境や条件を整えるのが難しいからだ。しかし、健康経営へのシフトにより、国内においてより多くの潜在的ニーズが生まれる部分もあるはずだ。

レンタル仮眠オフィスや社内トレーナー制度、細切れ時間を合算してのフレックスシステムなどなど……。大企業にはできない大胆な取り組みを社内で実験的に取り入れてみてはどうだろう。そんな試みの中から次のビジネスの種が生まれるかもしれない。

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著者プロフィール

弘田雄士

弘田雄士

コンディショニング・コーチ、鍼灸師。アスリート・スポーツの世界でフィジカル強化・コンディショニング指導を専門としたトレーナーとして15年以上活動。MLBマイナーリーグでのインターンを経て、日本のプロ野球「千葉ロッテマリーンズ」のコンディショニング部門などを歴任。現在はラグビートップリーグ「近鉄ライナーズ」にてヘッド・コンディショニング・コーチを務める。著書に「姿勢チェックから始めるコンディショニング改善エクササイズ」(ブックハウスHD、2013年)。全国でのセミナーなども積極的に展開し、「コンディショニング」の重要性を伝えていく活動を展開している。