最も効果的な節税対策と、その理由とは?

ポイント
  1. きちんと相談に乗ってくれる税理士に任せる
  2. 小規模企業共済と青色申告の、本当のメリットを知らない人が多い

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― 具体的にどんなメリットがありますか?

菅原 例えば、所得が400万の人が毎月3万円を退職金として国に積み立てします。毎月3万円積み立てすれば年間36万積み立てておくことになる。その積立額が、将来自分がリタイアした時に少し多くなって返ってくる。でも本当のメリットはそこではなくて、毎年36万円積み立てたら、所得税と住民税が10万ちょっと節税できるということです。そうすると、積み立てた額の30%くらいの税金が節税されることになる。

例えば36万円を銀行に定期預金したとして、1年間の利息がいくらかっていったら数円ですよね。でもそれを、この制度で積み立てるだけで、10万以上の利息が付くのと同じような効果があります。

― 経営者の方が直接、退職金のようななかたちで積み立てられる制度なんですね。

菅原 MAXが月額7万円なので、余裕のある人は7万円やったほうが良いと思います。

― 1回決めたら変えられないのですか?

菅原 途中で変更できます。「資金繰りが苦しくなったので、ちょっと減額してください」と言えばすぐに減額してもらえる。素晴らしい制度です。

― わかりました。青色申告についてはいかがでしょうか?

菅原 これも知らない方がいますね。大体1年目って赤字になるじゃないですか。赤字で欠損金が出た場合、青色申告だったら繰り越せます。

例えば1年目に300万の赤字が出て、2年目に200万の黒字が出ても、それに対して2年目も税金を払わなくて良い。けど、青色申告を出してないと、2年目の200万に税金が掛かってくる。
1年目に欠損金が出るのを有効に使えないのは非常にもったいないですよね。だから、欠損金を翌年に繰り越すために、青色申告にしておくべきなのです。

― 節税対策における3つのポイント、「青色申告の届け出」「小規模企業共済」「経理は専門家に任せる」。よく分かりました。

③若手経営者のスタートアップが中心

― ところで菅原さんは、中小企業をターゲットにしていらっしゃいますが、その理由は何ですか?

菅原 中小企業の中でもスタートアップがほとんどですね。30代、40代、50代の経営者がほとんどです。

理由は、自然とそうなっちゃったんです。私が41歳なので、どうしても年齢層の近い経営者に会うことが多いもので。税理士業界は、平均年齢が割りと高額なんですね。ですので、若手の経営者からすると話が合いません。
そもそも電子メールを使っていない税理士もいたります。今はメール自体、あまり使わなくなってきているのに……。便利なチャットツールなどが主流ですよね。

― それは困りますね。

菅原 そのような税理士さんの年齢層と、若手スタートアップの年齢層とでは、もう話が噛み合わない。そのような事情があるため、私のところに相談に来る方が必然的に多くなりました。

― 最近の起業家の方は、どういった方が多い印象ですか?

菅原 情熱的な人が多いです。向上心がかなり高い方ですね。一方で、資本金の規制が撤廃されたこともあり、簡単に起業できてしまうため、失敗する人も多いと感じています。

その点、私たちは、お客さまの業績向上に対し、徹底的にこだわっています。黒字にすることこそ、私たちの責任です。まさにコンサルティングなんですね。事実、お客さまの8割は黒字です。

― それで、ワンストップのサポートをご提供されているのですね。

菅原 もはや、税務にこだわっている場合じゃないなと思いました。お客さまの業績が良くすることがもっとも大切です。そのために、税理士だけでなく、社労士や司法書士ともチームを組んでサービスを提供しています。

事務所同士で連携しようとすると、それぞれの主張が合わないこともあります。ですので、私たちは同じメンバーとして、意思疎通を重視しています。

ビジネスで大事なのは、誰とつきあうか

― ありがとうございます。最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
菅原 起業において、誰と付き合うかは非常に大切です。経営者仲間もそうですし、税理士などのビジネスパートナーなどもそうです。できれば、脱税手法を教えてくれるような人ではなく、健全な発想をもっている人と付き合ってください。

誰とビジネスをするかというのは、成長スピードを変えることにつながります。最初のうちは、自分より少しステージが高い方とお付き合いされるのが良いですね。自然と引っ張られるので。また、人脈も広がりやすいと思います。

― 本日はありがとうございました。

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著者プロフィール

菅原由一

菅原由一

2005年税理士登録。資金繰りのスペシャリストとしてだけでなく、人材育成やマーケティングなど経営に関することは自ら実践し、メソッドを確立している。 そのメソッドを伝える為、毎月「成功する為の経営者塾」を開催。 延べ参加者は2,000名を超える。ブログ「菅原由一の経営のヒント」は全国の税理士ブログランキングで第1位を獲得。 また、優良企業への企業視察会や、著名人を招いての講演会など、幅広い活動にも従事。