事業承継の挨拶文どのように書くべき？書き方のポイント・例文も - スモール＆ローカルビジネス社長に知恵を/スモーカルビジネス大学

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事業承継を行うと、会社の代表者や、会社の形態が変わるため、取引先やお世話になっている方にあてて、挨拶状を送付する必要があります。しかし、事業承継は頻繁に行うことではないので、実際に挨拶状を送るときにどのような文面で作成すれば良いのでしょうか？

そこで今回は、事業承継の挨拶文の書き方やポイント、例文などを解説します。

事業承継の挨拶文の書き方とポイント

事業承継で代表者や会社の形態など、何か変更が生じる場合は、挨拶状を送る場合があります。必ず送らなければならないというわけではありませんが、省略するメリットと言えば、総務担当の挨拶状郵送のタスクが省けるくらいです。余程忙しくて挨拶状の郵送に時間が全く割けないという状況以外は、作成し送付することをおすすめします。

節目節目で欠かさず挨拶をすると、相手にしっかりした企業だという好印象を与えることができます。また、挨拶状を送ることにより、変更した点に関する相手方の誤りをふせぎ、以降の取引をスムーズにする役割もあります。

それでは、挨拶状はどのような範囲にまで送るべきかという疑問が浮かぶかもしれません。基本的には、ビジネス上取引のあるところには全て送るのが良いでしょう。わかりやすく、リストなどにまとめると確認しやすいためおすすめです。

なお、送り先のリストを作成したら、必ず社長に確認してもらいましょう。例えば、社長が直接何らかの形で挨拶をするという理由で、特定の送り先への挨拶状を省きたいという場合もあるかもしれません。また、特段ビジネス上の取引はなくとも、社長の意向で挨拶状を送りたいということで、送り先を追加する場合もあります。会社全体に関する挨拶状なので、必ず会社のトップである社長に、意向を確認することを忘れないようにしましょう。

また、営業部門も、外部との取引が多い部署です。総務の方では把握していない取引先が存在する可能性もあります。営業部門の担当者にも送り先リストを確認してもらい、追加などがあれば教えてもらうと良いでしょう。できれば、社内全ての部門の責任者などにリストをチェックしてもらい、送り先に漏れがないよう万全を期すのがおすすめです。

当たり前のことではありますが、誤字・脱字には十分注意が必要です。

書き出しにもさまざまな種類がありますが、季節感のある書き出しにすると文面にやわらかさが出ます。4月であれば「桜花爛漫の候」、10月であれば「仲秋の候」など、時期に合った書き出しがあるので、取り入れるのもおすすめです。

文面は事業承継の内容によりさまざまです。例えば、代表者が変わることを伝えるのであれば、現社長が辞任することと、新社長に誰が就任するか、引き続きご愛顧いただきたいという感謝やお礼の気持ち、そして今後の抱負などを記しましょう。

代表者変更の場合は、挨拶状の形状は縦開き2つ折りの上質な厚紙に、旧代表者の辞任挨拶、新代表者の就任あいさつを並べる書き方がポピュラーです。なお、事業譲渡の場合は、承継先の会社名や住所、電話番号などの情報を記すことも忘れてはいけません。

特に、譲渡される事業に関わる取引先は、承継先の情報が欲しいはずです。もし、発注などを受け付けている場合は、いつまで現在と同様に発注を受けることが可能か、承継先に発注するのはいつからなのか、移行期間はあるのかなどを、挨拶状の終わりに入れると取引先もわかりやすいでしょう。

郵送するタイミングは、社長の交代が、正式に決定してから数日の間、遅くとも1週間以内には送付しましょう。あまり遅れてしまうと、挨拶状を送る意味がなくなってしまいます。送付の時期を逸さないよう、段取りを考えておくことが大事です。

スムーズに挨拶状を送れるよう、送り先の調整や文面の作成などと並行して、印刷の準備もしておくと良いでしょう。自社で印刷するほか、枚数が大量である場合は、印刷所に発注するのも1つの方法です。印刷費はかかりますが、仕上がりがきれいです。また、郵送まで依頼できる場合もあります。

事業承継の挨拶例文：代表者交代（辞任）

謹啓

時下ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り賜り厚く御礼申し上げます。
このたび、○○ ○○代表取締役社長を辞任いたしました。社長在任中は公私ともに格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
後任には○○ ○○が就任いたしました。
なにとぞ私同様格別の御支援を賜りますようお願い申し上げます。まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。

謹白

事業継承の挨拶例文：代表者交代（就任）

謹啓

時下ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別の御高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、私ことこのたび○○ ○○の後任として代表取締役社長に就任いたしました。つきましては、社業の発展に一意専心してまいる所存でございますので、今後とも倍旧の御支援を賜りますようお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御挨拶申し上げます。

謹白

事業承継の挨拶例文：株式譲渡

拝啓

〇〇の候、貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、このたび〇〇株式会社は〇〇株式会社に株式を譲渡いたしましたことをお知らせ申し上げます。また弊社株主総会ならびに取締役会におきまして、左記のとおり役員が選任されそれぞれ就任いたしました。
つきましては今後○○○グループの一員となり新体制のもと社業の発展に一意専心してまいる所存でございますので、なにとぞ倍旧のご支援ご鞭撻を賜りますようおねがい申し上げます。
まずは略儀ながら書面をもちましてご挨拶申し上げます。

敬具

事業承継の挨拶例文：事業譲渡

拝啓

○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、このたび〇〇株式会社は〇〇年〇月〇日をもちまして、〇〇に関する事業を〇〇株式会社に承継することとなりました。長年にわたり賜りましたご愛顧、ご厚情に対しまして、誠にありがたく心より御礼申し上げます。
お取引いただいております皆様にはご迷惑をおかけしないよう最善を尽くし、引き続き今後とも尚一層の努力をしてまいりますので、なにとぞご高承の上倍旧のお引立を賜りますようお願い申し上げます。まずは略儀ながら書面をもちましてご挨拶申し上げます。

敬具