行政書士の専門性
行政書士開業者の人に本当によく聞かれる質問があります。それは、業務選びのことです。専門業務を決めるべきか、専門業務を決めないべきか。何の業務をからはじめるべきか。様々な観点から、業務の選び方についての質問をいただきます。僕の考えが、あなたの業務選びの参考になれば幸いです。
誰を相手にする業務なのか
行政書士の業務をまずは、2つに大きくわけましょう。
・企業向け業務
→許認可、会社設立など
・企業向けじゃない業務
→民事系業務(相続、離婚など)
企業向け業務とそうでない業務は全くと言っていいほど、業務の性質が変わります。理由は、お客さんが企業か個人か変わるからです。企業との取引と、普通の個人との取引が違うのは、想像していただけると思います。まずは、企業相手に業務をしたいのか、個人相手に業務をしたいのか?という切り口で業務を決めることもできます。
業務の内容による決め方
業務の内容によって、やりたい、やりたくないということを決める人が大多数でしょう。
この決め方で、業務を決めることがもちろんいいです。業務の内容というのは、
会社設立業務→もちろん会社を設立する業務
相続業務→相続関係の問題を解決する業務
建設業許可申請業務→建設業の許可取得をする業務
などのことです。しかし、行政書士を開業するにあたって、
なかなか、行政書士業務のイメージを持っている開業者も少ないです。
そのため、どんな業務なのか?ということをイメージしにくい。
そのようなときには、現役の行政書士の興味のある業務をやっているホームページなどを
見てみたり、現役の行政書士に会ってましょう。
専門業務を決めるべきか
専門業務を決めたほうがいいでしょうか?
専門業務を決めないで幅広くやったほうがいいでしょうか?という質問を本当によくいただきます。
結論を最初に言っておくと、どちらでいい。どちらでもいいというのは、少々無責任に聞こえるかもしれません。
しかし、専門を決めてのスタート、専門を決めずしてのスタートいずれでも成功している人を僕は知っています。
だからどちらでもいいと言ったのです。しかし、僕は専門業務を決めたほうがいいと思っています。(僕自身も専門業務を絞ってスタート)理由は簡単です。
効率的だから。効率的というのは、業務の勉強、業務の集客の観点だ。当たり前だが、1つの業務しかやっていない人と、3つの業務をやっている人。
3つの業務をやっている人は、3つの商品がある。ここは1つの業務しかやっていない人に比べると大きなメリットです。
しかし、3つの業務をしっかりと提供できるようにするまでの勉強、その1つずつの業務がしっかりと集客できるようにするための仕組みづくりなどは3倍以上の労力が単純にかかります。
ここがデメリットです。人によるが、ほとんどの行政書士開業者はリソース(お金、時間)に限界があります。
そのため、最初の時点では、専門業務を絞ることで、
効率的に業務ノウハウ、集客を実現することができようになるのです。
業務を増やすタイミング
僕は業務は自分で増やすものではないと思っています。
お客さんが勝手に増やしてくれる。
大切なことは、行政書士の実務、業務ではないのです。
行政書士の実務力を上げる1番簡単な方法を読んでいただきたい。
行政書士の業務ができる人は、当たり前だけど、 たくさんいます。
ほとんどの行政書士が困ることは、集客なのです。
そうすると、行政書士の業務は1つでスタートすることで、
無駄に行政書士の実務、業務へかける勉強時間、不安が減る。
この時間を全て集客の時間に費やす。
そうすると、お客さんがきはじめてくれます。
お客さんというのは、あなたの全てです。
あなたの事務所をつくっているのは、お客さんではない。
そのことが理解していただけると思います。
お客さんとの関係を大切にすると、
お客さんから、
「◯◯に困っている」
「▲▲に困っている」
「■■ができないか?」
など様々なことを聞かれます。
これがチャンスなのだ。
1つの業務しかやっていないと、チャンスに気がつけます。同じ業務なので、お客さんというのは似ています。
そのため、困っていること、質問してくることはとても似ているのです。
そういえば、これは、あのお客さんも言っていたなとか、 このお客さんも言っているなと気がつく。
これを新しい業務にすればいいのです。僕の場合だと、会社設立業務で業務を開始しました。
何件か会社設立のお客さんと仕事をさせていただいた後に気がついたのです。
会社設立された人は、資金に困っていると。そこで、会社設立業務の次にはじめたのが、 創業融資業務です。
さらに、僕が独立して、数ヶ月経てくると、お客さんがまた教えてくれました。
「会社の本社を移転したい」
「増資をした」
「事業目的を追加したい」と。
これが、3つの目の業務である役員変更などの業務をスタートするきっかけに!そうなのです。
業務というのは、あなたの夢の問題もあるが、 お客さんが決めてくれるものでもあるのだ。
だから、それほど心配しなくていい。悩む必要もありません。
というのも、この業務をスタートしたからといって、その他業務をしてはいけないわけではありません。
大切なことは、集客する力があることです。