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士業のサービス~お客様の立場で考えること~

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 士業のサービスを考える上でどのような事を考えていかなくてはいけないのでしょうか?
 以前、「売る力」(文春新書)を読みました。セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEOの鈴木敏文氏の著書です。
 弊社は小売業ではなく、また私自身小売業に関心もないのですが、鈴木氏の著書は大好きで、出版されるたびに拝読しています。
 本書は、鈴木氏が他の著書で書いていることも多く含まれていますが、非常に面白い内容なので、ぜひ読んでいただくことをオススメします。
 鈴木氏の書かれている本に、ヒントがあるように思います。
 さて、本書の中で繰り返し鈴木氏が主張していることに、「お客様のため」ではなく、「お客様の立場で」ビジネスを考えなければならないことがあります。
 「お客様のため」とは、言葉の響きが良いのですが、実際のところ「お客様のため」といって考えることは、値引きであったり、本当は会社にとって都合のいいことばかりになりがち。
 一方、「お客様の立場で」考えれば、会社の都合など関係なく、本当にお客様が求めていることを考える。この差は大きいということです。
 本書はぜひ読んでいただきたいので、本からの引用はできるだけ避けて、弊社のケースでこの違いを考えてみたいと思います。

 弊社ではDVDなどを販売する場合、期間限定の割引をすることがあります。これは、在庫が余っているから割引セールをするものではなく、発売直後の1週間などに限定して割引きするものです。
 ここで、割引期間の最終日が金曜だとしましょう。しかし、割引の告知メールを土曜日に見た人は、申込みが期限後になってしまいますし、実際にそういう方が多いことも理解しています。
 弊社では土曜日以降に申込みされた方には、(割引料金ではない)正規料金を請求しています。もちろんここで、「割引料金ではないならキャンセルします」と言ってくる方もいますが、そういう方には「はい、ではキャンセルとさせていただきます」と回答しています。
 当然、割引料金でも買っていただいた方が売上・利益はあがります。また、「お客様のために」と考えれば、割引を適用して買っていただいた方が、その時点での満足度は上がるでしょう。しかし、そうはしません。
 これは、「お客様の立場で」考えるとわかります。期限がふされていて、それに遅れても割引料金で買えるのであれば、他のお客様は不満に感じるでしょう。1人のお客様の無理な要望を受け入れたために、他のお客様の満足度が下がるのであれば、むしろ逆効果だと考えます。
 もちろん、弊社では在庫一掃等の目的から、その後の割引セールはしません。これをやってしまうと、先に正規の値段で買った人が損をすることになります。
 服などは年に2回バーゲンをしていますが、あれと同じ論理で、冬服を12月に買うと損した気分になります。1月初旬にはセールの対象になることがわかっているのですから、買い控えをするのが普通の行動です。これも、「お客様の立場で」考えると、すぐにわかることですが、「お客様のために」と考えてしまうと、勘違いしやすいことです。

 
 また、弊社で失敗した事例として、「プライシング」があります。
 弊社が今年新たに始めた新サービスなのですが、正式な値付けをする前に、懇意にしているお客様数名に、「いくらならこのサービスを利用しますか?」と聞いたところ、「1万円」という声が多かったのです。そこで実際に1万円の値付けをベースに販売を始めたところ、まったく売れませんでした。「1万円」と言った人ほど、誰もこのサービスに申し込まなかったのです。
 これは、「お客様のため」と「お客様の立場で」を間違った典型例でしょう。「お客様のため」と思えば、できるだけお客様の要望に応えたくなります。そうすると、値段を下げるなどの要望すら聞くことに価値を感じてしまうわけです。
 しかし、「お客様の立場で」考えるとまったく逆の答えが出てきます。つまり、そのサービスを本当に欲している人は、それに見合う対価を支払っていただけるのです。逆に、低価格にすればするほど、お客様は怪しんで買わないことを選択するのかもしれません。

 鈴木氏も前掲の書で「お客様の声を聞かない」と書いていますが、マクドナルドの原田社長も同じことを常々言っています。「お客様の声を聞けば聞くほど、そしてその声に応えれば応えるほど、ビジネスはうまくいかない」これは事実でしょう。
 マクドナルドでお客様にアンケートをとれば、「健康志向の商品を出してほしい」などの意見が間違いなくあがってくるそうですが、実際にこれを実行すればマクドナルドらしさが失われてしまいます。
 また、お客様は本当に自分が欲しいものを認識などしていません。私がよく使う例えですが、ガラケー(スマホではない携帯)を使っている人に「どんな携帯が欲しいですか?」と聞けば、「こんな機能がついた携帯が欲しい」と言うでしょう。それを実行したらどうなるか?機能が多すぎて使いにくい携帯が出来上がるのです。スマホはお客様に聞いてできた商品などではなく、「お客様の立場に」立って作られた携帯なのです。

 自らの仕事を考えれば考えるほど、提供者の視点だけで考えてしまいがちです。常に「お客様の立場」から考えることが大事なのです。

 

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