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豊富な経験を社会意識の変革に

会計士として30年のキャリアをお持ちの中で昨年4月に開業されましたが、その経緯や背景を教えて下さい。

会計士の資格をとってから監査法人に入ってやってきましたが、その中で自治体や非営利団体の分野の監査をするようになり、大阪府へ4年ほど出向していた時期がありました。そこでNPO法人やボランティア団体の活動や実態を知ることになって、社会的にこういった方々の活動を会計士の立場からバックアップしたいという思いが出てきました。出向の期間が終わって監査法人に戻るかどうかという時に、個人で開業してやっていくことに決めたのです。

NPOやボランティア団体のどんなことに問題意識を感じられましたか?

社会的に様々な問題意識を感じて活動している方々、団体が資金の面で活動が止まったり、終わってしまうことはよくあることです。地域にそれぞれいろいろな課題がある中で、プロジェクトが終わってしまうと活動そのものが解散になったり、資金繰りの面で活動できなくなってしまう組織も珍しくないということがあります。

これは社会的にみても大きな損失だと思っていますし、専門家の立場でできる限りこういう団体や活動を支え、手伝えることをやっていこうという気持ちが強くなりました。

場合によっては金さんがボランティアのようなかたちになるケースも出てくるのですか?

私も生活していかなければなりませんから、そこは難しいところだと思うのですが、NPOにもさまざまな組織があって、ビジネス的な手法で事業展開しているところもあります。継続的に事業を展開するためには、そういったところでまずは協力していく中で、社会的な意識を変えていきたいと考えています。

事務所を開業されてみていかがですか?

まだまだ自分の事務所のことが認知されていないと感じているので、どんどん情報発信していかなければいけないなと感じています。もっと知ってもらうための仕掛けをしていかなければいけないと感じています。ですから、現場に近いところに出かけていって、つながりを作っていくことがまずは大事かなと考えています。待っていても来ないので、いろんな仕掛けをしていかないと、そう簡単に自分が考えていることができないと思っていますから。

開業前に準備していたことはありますか?

マーケティングや法制度など、いろいろな研修会や異業種の交流会なんかに良く足を運んで、情報を仕入れるようにしていました。

実際に開業されてみて、どんなことを感じていますか?

自分が本当にやらなければならない業務のところまで、スピード面で思ったより届いてないという感じです。もっと困っている人の話を聴いたり、どうしたら解決できるかということをどんどん仕事として進めていきたいと考えています。

ですが、どこに困っている人がいるのか、自分がこういうことをやろうとしているという情報発信と、自分を必要としてくれている人がどこにいるかという情報収集が効果的にできていないという状況です。

社会起業家支援という市場が確立されて先行事例がないので、まずは市場を確保していかなければと思っています。それから対象となる社会起業家は資金が潤沢にあるわけでもないので、そこは悩みながらやっていく形になります。

仕事を進める中で、市場の調査や対象の組織のことを調べながら課題に向かっていかれるという認識でしょうか?

サポートしようとする社会起業家はサービスの質の面でも課題があるので、そこはまた一つの課題です。新規の顧客も獲得していかなければいけないですね。自分がターゲットとしている市場に資金がなければ、そもそもそういった市場で仕事をしていくこと自体が間違いであるかも知れないですよね。

これからが勝負の年というか大事な年になると思っていますので、このまま進めていくのか、軌道修正が必要なのか、これから見極めていかなければいけないと思っています。

独立してみて特によかったことを教えて下さい。

監査法人にいたころは、夜遅くまで仕事しているということが常態化していたので、とてもほかのことに関心を寄せる余裕はありませんでした。今では、忙しいけれども自分のやりたいことにベクトルを向けられるようになってきたことですね。それに、朝定時に家を出なくてもいいとかという、自由さはありますよね。

現在の課題や目標を教えて下さい。

自分ですべて決めてやる、やれるということを自覚し始めているので、情報発信をもっと積極的にやっていきたいと思うし、そのためにブログも始めました。もともと人見知りの性格なので、意識して自分からいろんな人のところに行って交流を深めたり、つながりを広めていきたいですね。

金さんの心の根底にあるものというか、仕事を通して実現したいこと、伝えたいことを教えて下さい。

経験や知識というのは自分一人が持っていても仕方のないものだから、人と人がそれぞれ活かされる場所が必要だし、必要としてもらえれば嬉しいことだと思うのです。そこで協力し合うということは大事だし、そういうつながりを社会で増やしていきたいという思いが非常に強くありますね。

これからの事務所の目標やビジョンを教えて下さい。

まずはやっていることを広く認知してもらうこと。そこで様々な事業に対して自分のスキルや経験・知識を活かしたサービスを提供し、そこで適正な報酬を頂くというところまでまずはできれば、という思いです。そしてやはり一人の力はしれているし、同じような考えを持った人はいると思うので、現場などでいろいろな人との交流の中から同じように活動される方や、専門のスキルを持った方の参加など、同じ活動や横のつながりができてくるとすごくいいな、とは考えています。

でも相手に自分の考え、思いが届かなければまったく意味がないので、まずは届けることです。今年の目標は新規でのお客さんを20件獲得するということです。

独立、開業される方にメッセージを頂けますか。

まだ開業して間もないのですが、年の功という意味でお伝えしたいのは、まず自分の中に軸を持つことが大事だと思います。これを大事にしてもらって、それを追求していくことです。途中で修正するのはいいと思うけれど、中途半端にしてしまうともったいないので、しっかりと追求していってほしいです。



<プロフィール>
金 公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士 金 志煥

県立兵庫高校、関西大学商学部を経て東洋大学大学院経済学研究科 公民連携専攻修了
県立兵庫高校では野球部に所属、1年生の秋の県大会で強豪の報徳学園と対戦し、惜敗の経験がある。
関西大学では、将来の仕事として公認会計士の資格取得の勉強を始め、大学卒業後、公認会計士の試験に合格し、大手監査法人に就職した後、平成元年4月に公認会計士登録。
大手監査法人では、主にパブリック関係(自治体、独立行政法人、学校法人、公益法人、NPO法人等)の監査及びコンサルティング業務を行い、地方自治体にも出向経験あり。その後個人事務所を開設し、独立。

地方自治体出向時代に地域の課題を解決しようと奮闘しているNPO法人を支援をする機会を持つ。この時の業務は概ね半年で完結する期間限定のプロジェクトであり、いったん支援が終了した後の継続的なフォローアップの仕組みはないため、団体が抱える様々な課題解決に継続的に関われないというもやっとした不完全燃焼に陥っている自分に気が付く。 そこから、自分の専門性を活かしてもっと深く団体に関わり、継続的にサポートしたいという気持ちがだんだん大きくなり、それを自分の使命として仕事にしようという強い想いに到った。一方、本当にこれを自分の仕事としてやっていけるのかという不安や葛藤があった。

これに対して、大阪市の地域公共人材バンクや経済産業省の経営革新等支援機関に登録したり、民間非営利組織の資金集めに関わる事業を行う日本ファンドレイジング協会の准認定ファンドレイザーの資格を取り、団体の資金調達を中心とした専門的な知識やノウハウを修得した。 また、NPO法人等の団体との交流を通じて、自らの使命や仕事についての情報発信するなど、NPO法人等の関わりの強化に努めている。こうした行動を踏まえて、自分の持っている経験を少しでも活かし、社会起業家の役に立つ仕事を今後も軸足がぶれることなく進めて行きたいと考えている。

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