弁護士は稼げない職業ですか?

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司法試験

 弁護士という職業を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。高学歴で高収入のエリートという印象だろうと思います。また、最近は弁護士を描いたドラマが多く制作されていることもあり、医師と並んで人気の職業であると思います。

 また、収入も確かに高い印象を受けます。日本弁護士連合会(日弁連)が10年に一度実施している「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査」によると、弁護士収入・所得の平均(全体の総合計金額を有効回答数で割った値)は3264万円になり、一般サラリーマンの平均年収が413万円(14年度)であることを考えると、約8倍にもなるリッチな職業のようです。

 しかし昨今、その様子が明らかに変わってきています。きっかけは、平成18年からスタートした「新司法試験」です。これまでのように誰でも受けられるわけではなくなり、法科大学院(ロースクール)修了が受験の前提条件となりました。そこまでは良かったけれども、問題は、合格者が急増する結果となり、若手弁護士が就職先探しに苦労する事態となっているのです。

 内容が異なるため一概に比較することはできませんが、旧司法試験の合格率は昭和40年代以降、ほぼ1~3%台という難関であったことと比べると、新司法試験の平均合格率は約30%。合格者数でみても、旧試験ではほぼ3ケタだったものが、新試験では毎年のように2000人を超えています。平成26年4月1日時点で弁護士総数は3万5109人。ちなみに、平成12年は、1万7126人だったことからすると倍になっており、急激な勢いで増えている現状があります。

実情

 一方で、彼らの主な仕事である裁判の件数は、平成12年の新受件数(すべての裁判所で新たに受理された訴訟件数)が553万7154件だったものが、平成25年には361万4242件と、なんと200万件も減少しています。仕事が減れば就職も厳しくなり、それは当然収入にも跳ね返ってくることになります。

 イソ弁、ノキ弁、タク弁、さらにはケー弁といった言葉があります。司法試験合格後、弁護士事務所に就職できた新人はイソ弁(居候弁護士)と呼ばれ、給料をもらいながらキャリアを積むことができます。このイソ弁の労働条件は、どの事務所でも悪化しているようです。しかし、まだ固定収入があるだけ恵まれているほうだと言われます。

 更に、固定給はなく、他の弁護士の事務所スペースを借りて開業し、おこぼれ仕事にあずかる弁護士がノキ弁(軒先弁護士)で、軒先を貸してくれる事務所すら見つからない弁護士はやむを得ず自宅で開業することになり、タク弁(自宅弁護士)と呼ばれます。

 更には、その事務所を借りるお金すらない弁護士は、携帯電話だけで仕事をするケー弁(携帯弁護士)となります。親から顧客から事務所から受け継ぐ二世弁護士ならば、こういった苦労がないため、弁護士業界は格差固定社会だと言われています。
 
 実際、弁護士の収入分布は広がりを見せており、平均値が高いのは一部の超高額収入者の存在によって押し上げられていると思われます。
 
 国税庁の平成24年度の調査によると、年収100~150万円の弁護士は585人、150~200万円が594人、200~250万円が651人、250~300万円が708人、300~400万円が1619人存在しており、サラリーマンの平均年収を下回る水準の弁護士も非常に多いことがわかります。

 ただ、活動をしていない弁護士も含まれるため、一概に言えませんが、もうひとつ別な角度からの統計として、所得が1000万円以上だった弁護士が5年前から15%減少し、逆に200~600万円の人が20%ほど増加していることから、稼げなくて年収を減らしている様子がうかがえます。

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