成長したい士業事務所の代表が一刻も早くしなくてはいけないこと

開業~50年くらいの士業事務所(売上0円~10億円近くまで)のコンサルティングに今でも、月間数十事務所関わっております。その中で全然変わらないな(最近本気でコンサル先には言い始めています!)、不思議だなと思うことを書きます。
士業事務所の代表が一番どこに時間を使うべきか?わかりますか?
士業事務所が良くなる全てのきっかけは、「人」にあります。
これは士業事務所に限りません。世界的な企業、成長企業の特徴は全て人への投資にコミットしていることです。
士業事務所の文脈でとらえたときの「人」の意味には、2つあります。
2、 今は士業事務所に来るべくして来た人でチームが構成されている
→価値観を変えて、採用する人を変える=士業事務所にいない人を採用する
ここの2つの人に関しての要素を大きく変える必要があります。
1、代表自身が老害、ボトルネックになっているケース
よくある話ですが、代表1人が先人を切って、体育会&精神論的に頑張るパターンです。事務所に人が入っては、人が辞めてを繰り返し続けます。
この問題は、どこにあるのか?
といえば、全ては代表の「価値観→思考様式→行動様式」の一連に問題があります。
代表はどんどん代表としてのポジションにより、対外的にも優秀な人と出会っていき、自己投資をし、素晴らしいマインドが形成されていくことが多いです。(または、全くの反対で、代表として、経営者として全く足りない価値観の士業も多数います。)
どんどん外に出ていくわけですね。でも社内のメンバーはそうではありません。代表が、社内メンバーの役割を、ルーティン業務をやってもらう人、雑務をやってもらう人と捉えていたらどうでしょうか?
この2人の間には恐ろしい開きが生じていきますよね。持っている情報量、経験、責任&裁量、リターン、価値観などすべてが違います。
また代表は忙しすぎて、社内のメンバーとの時間共有、社内メンバーの成長に全然コミットをしない、できない状態が慢性的になっています。代表がすべきことの圧倒的な最優先にもかかわらずその意識がほぼありません。(ユニクロの柳井さんは自分の時間の3割を社内メンバーの成長に使われています。あなたはどうでしょうか?)
そのため、社内との温度差が100度くらいあります。代表は温度センサーが壊れているので、気づきませんwこれも厄介なことです。
他責な代表も多くいます。
人を雇ったものの生産性が悪い、仕事ができないなどとメンバーの悪口を言います。
これではいけません。全ての原因は代表であるあなたにあります。
立場によって、会う人、経験はどんどん変わっていきます。
立場の違う、代表と、社内メンバーは、全く理解のできない&理解されない差になってしまうのです。そのことに気が付いていない代表が多すぎます。そのため分断された代表が出来上がります。
代表のパワーが強すぎる弊害ですね。
そのため、代表の生産性が維持できる年齢以降は、このような事務所は売上が徐々に下がっていきます。当たり前ですよね。代表の生産性=事務所の生産性なので。自走している事務所ではなく、代表が事務所を引っ張り続けている事務所です。生産性の低下とともに、事務所をけん引するパワーも、気持ちも薄れていってしまうのです。
自責的に、また、持続性のある強い事務所づくりという問題を避けてきた結果です。
このような事務所が悪いわけでは別にありません。自分がそれでよいと思っていればよいのです。でも、自分はよくないと思っている方がいた場合に、是非、まず何をしてほしいか?を言います。
※あるべき理想の姿を顕在化、超具体化してください。最終的には視覚化、数字化します。
そのあるべき姿と今の姿を付け合せしてください。そのGAPを埋めるための課題を全て出し、解消するのがあなたの仕事なのです。
今の事務所や、あなたの働き方、役割をみて、どう思いますか?
あなたの理想通りの形でしょうか?そんなことは全然ないのではないでしょうか?
このことは、代表自身が自分の不出来な部分を肯定できるか?というところから出発します。そのため、多くの士業が目を背けている部分です。でも目を背けていても解決しません。まずはあなたの価値観を全く反対に変える必要があります。行動を変えることもそうなのですが、行動は、あなたの価値観→思考様式から生み出されるため、まずは、どんな事務所を本気でつくりたいのか?という価値観をしっかりと考え、自分の中で納得すべきです。一度出来上がった価値観を変えることは大変ですが、ずっとあるべき価値観の刷り込みを行うことで、OSがインストールしなおされていきます。継続的に、あるべき価値観の刷り込みを行うべきです。価値観がない中で、何かアクション、行動だけしても、続きませんし、すぐにやめてしまいます。
価値観を変えて、採用する人を変える=士業事務所にいない人を採用する
これも士業あるあるで、僕はずっとここ6年言い続けていますが、何故、士業事務所のほとんどが他の事務所と比べて全然変わらないのか?=サービスはほとんど一緒でやっている人が違うだけというと、事務所の中にいる人が同じだからです。価値観にしても、思考にしても同じような人を集めているので、士業は均質化していくのです。士業は士業でつるむことも多くありますし、士業という看板で求人を出してくる人も、やはり士業的な人がきます。このように似たような、同じような人が集積しても、出てくるアウトプットは同じになっていきます。この負のスパイラルにあって、事務所の劇的な成長、価値観の変化、差別化、事務所の持続性は全く生まれません。今すぐに事務所の「人」「価値観」を変えていく必要があります。
でも最初にやるべきは、代表の価値観の変更でしたよねw
そこが全てです。多くの士業事務所をみており、一番のブレークスル―のきっかけは代表の素直さ、柔軟さで、価値観を変えることができるか?です。1-2億円くらいの士業の中では成功している事務所のお客さんも多数いますが、1-2億円の事務所が次のステージにいけるか?というのは、間違いなく、今までの代表の体育会的な動きの中では難しく、チーム編成が全てのキーになります。売上1千万円を超えて、人を雇い始めた士業事務所も同様です。
代表(代表の価値観)が変わらなければ、事務所は変わりません。
少しずつ価値観が変わってきた大手(遅すぎますが)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10139350Q6A131C1TI1000/
価値観→思考様式→行動様式が決まっています。結局は、全てどのような価値観に立つかで、思考、行動が決まってくるのです。
これはメンバーのいる事務所に限った話をしているわけではありません。個人でやっている1人事務所の代表であっても全く同じことが言えます。あなたの価値観が事業主として、起業家としてのあるべき価値観を有していないと、思考、行動ともに間違えたものになっていきます。
問題を顕在化させたり、新しいアイデアがどのようにして生まれるのか?ご存知でしょうか?
自分の知らないことの中にアイデアの源泉はあります。多様な中(相対的な比較)に新しい気づきがあります。
ウェイビーが開業初年から2年程度で、会社設立、創業融資、各種許認可などで爆発的な結果を出すことができた最大の理由も、「士業事務所をやらないであろうメンバーが士業事務所をした」ことだと思っています。僕を含め、士業事務所をやろうなんて思っていなかった、事務所創業メンバー(どのメンバーもどこの超大企業・ベンチャーに入っても超一流の評価を得ていたと思います。)
つまり、いかに士業っぽくない人や価値観になれるのか?(自分自身が)
というのと、
そのような人、価値観を有している人が、事務所にきてくれるのか?が圧倒的に事務所の価値や成長力を決める全ての要因といってもよいと思います。
どうやったら、士業っぽくない人に来てもらうのか?ここの答えを出し始める事務所が、2年程度で出てくると思います。僕のお客さんから出てくるようにしなければですが!
伊藤個人の関心事は、段違い的な成長(売上だけでなく)を士業事務所にもたらすことです。
是非話を聞きたいと、本当に将来の爆発的な飛躍や、抜本的に士業事務所をよくしたいという方はメールください。または、まずはメンバー採用まではたどり着かないので、自分の価値観を起業家としてのあるべき価値観にOSを切り替えたいという方も是非!OSの更新、リニューアルをしなければ、全てのアクションは意味をなしえないこともあります。
ito@wavy4.com
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