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お客様と専門家をつなぐ仕事

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ダイニングカフェ&バーオーナーであり公認会計士の松本佑哉先生に、お客様と専門家をつなぐためのマインドについて、お話を伺いました。

プロフィール  松本佑哉

立命館大学経営学部卒、公認会計士、滋賀県出身 大手監査法人に勤務し、広告代理店やエンターテイメント企業を中心に担当。同時にプライベートでマーケティングやマネジメントスキルを現場のトップ集団から学び習得。

その後、みらいコンサルティング㈱に入社し、新規事業開発、事業再生、事業調査、財務調査、事業計画策定と幅広くプロジェクトマネージャーとして活動。

平成28年9月に独立し、フリーランスのコンサルタント公認会計士として監査役や監査業務などを実施。同時に新しい活動を応援するコミュニティ拠点として本格的なダイニングバーであるActiを新宿三丁目に開業し、オーナーシェフとして腕を振るっている。

Dining café & bar [ Acti ] オーナーシェフ

一般財団法人みんなの外国語検定協会 監事

株式会社Mint'z Planning CSO

対談スタート

多くの顔を持つ理由 


ミカタ編集部
こんにちは。本日は、ダイニングカフェ&バーオーナーであり、公認会計士の松本佑哉先生にお越しいただきました。松本先生は公認会計士でありながらダイニングカフェ&バーアクティーという飲食店を独自で経営されており、インフルエンサーマーケティングの広告代理店の役員もされている、多岐に渡ってご活躍されている先生であります。松本先生、本日はよろしくお願いします。まず初めに松本先生のプロフィールをお伺いしたいのですが、公認会計士を目指そうと思ったきっかけ、独立開業に至るまでの簡単な経歴をお話し下さい。
 
【松本】 
高校3年生の時に新規事業開発の専門家になりたいと思いましたが、片田舎の滋賀県におりましたので、起業ブームとは遠い状況でした。そこで、田舎でも学んでいける新規事業開発の領域は何かなと考えると、管理系の仕事でした。管理系の仕事の方が比較的実務に近いところが学べるのではないかと思い、公認会計士を目指し始めました。大学4年生の時に公認会計士試験に受かることができ、当時の新日本監査法人に入社し、3年半ほど在籍しました。いろいろ学ばせていただいた後、未来コンサルティングというコンサルティング会社に3年半ほど在籍させていただきました。 
 
ミカタ編集部
今年から開業されたんですよね。松本さんは見るからにいろいろなことをされていて、アクティーという飲食店を経営されていたり、広告代理店の役員を務めていらっしゃいます。こんなにたくさん活躍されている理由は何でしょうか。なぜこのようにたくさんのことをされているのですか? 
 
【松本】
意外と全て1つの点で結びついています。新しいことを始めるとなったときに、たくさんの専門領域が必要です。それぞれを一つ一つ順番に学んできてできるようになっていけば、いろいろな役割で呼んでいただけるようになって、気づいたらいろいろな顔になってしまったということです。 

ミカタ編集部
そこを深掘りしてお聞きしたいと思っています。どうやって仕事を開拓していったのでしょうか? 
 
【松本】
やはり公認会計士という資格が信頼を与えてくれました。入り口は公認会計士で入っていったものがほとんどです。しかし関与している中で生じる問題は、財務、会計、税務的な話だけではなく、営業や組織人事、法務的な問題もあります。同じ当事者の中で、公認会計士の立場だけから話をしてしまうと、やはりしらけてしまいます。そこにいる人たちはあくまで1つの課題に対してみんなで解決していこう、というマインドでいるので、その場で一緒になって考えていくスタンスで、様々な分野に順番に触っていったら、意外と、実務レベルのところは経験を積むことができました。これを10年やっていると意外といろいろ積み重なってきて、大体の事は対応できるようになります。その道の専門家には及びませんが、専門家に橋渡しをすることは十分できるようになりました。 
 
ミカタ編集部
そうしますと、最初その役割を取りに行ったと言うことでしょうか。やってくださいと言う要望が来てそれを何でもやっていたと言うことでしょうか。 
 
【松本】
もちろんできないことをできると言ってしまうと事故になるので、事前に勉強し、「これはここくらいだったらできるかな」、「これくらいのお手伝いをさせてください」と言うように、程度も伝えた上でいろいろ触るようにしました。 
 
ミカタ編集部
なるほど。松本先生はマーケティングに詳しかったり、一般的な士業の先生よりも営業に詳しい印象ですが、そのような技術はどこで蓄積したのでしょうか。 
 
【松本】
マーケティングについては、広告代理店のプランナーの方や戦略コンサルの方が作るような戦略は実務レベルでできます。これは、もともとプライベートでレベルの高い人たちと飲み、お話を伺い、宿題をもらって鍛えてもらっていた時期があるからです。実務で触っているものと同じレベル、速度感でキャッチアップをしていた時期があるので、今できるんですね。そういった特別な修行期間は設けています。 
 
ミカタ編集部
いろんな会社に携わることによって会計士としても仕事につながって来ているということですね。 
 
【松本】
会計制度の構築、人事労務の体制づくりなど、新しいものを始めるときはマネジメントの話も出てきますが、マーケティングの人たちではできないので、専門家に頼りたいということで話を持ってきていただけます。いい仕事の循環になっています。 
 
ミカタ編集部
人事まで行くと社労士さんがやっているところまで手を出しているのかなという印象ですが…。 
 
【松本】
もちろん私がやるのは橋渡し的な部分です。法的なところは僕が詰めるのは危険だと思います。ただ、「こういう評価の仕方をしたい」「営業体系がこうなっているからこういう報酬にしたい」「こういうところで人を採用したいから助成金はここで活用すべきだ」などという要望に対し、スケジューリングや課題の洗い出し、方針の希望を整理することは、意外と資格を持っていない人でもできることです。世の中の社長さんはレベルの高い人であれば普通に自分でやっていると思います。私はそういったところまでをやっています。 
 
ミカタ編集部
社長さん方の懐刀のようなポジショニングを取りに行っているんですね。 
 

【松本】
そうですね。まさに番頭さんみたいなイメージです。

プラットフォームづくりのための飲食店経営

ミカタ編集部
そしてなんといっても飲食店を経営されていると言うところも深くお聞きしたいポイントです。なぜ飲食店をしようと思ったんですか? 
 
【松本】
個人的に飲食店を開きたかったという思いはもちろんあるのですが、コンセプトと狙いがあります。コンセプトはアクティビティーからとってアクティーというところです。新しい活動する人の1番の課題は、物理的な場所を設けていくことです。何か活動したいと思って場所を1回1回借りようと思ったり、そこで支援しようと思うと、用意するハードルが出てきます。これをフレキシブルに使ったり融通していくことは、自分自身が事業者にならないと難しいです。かつて私が関与していたジョイントベンチャーの立ち上げでは、交流拠点のようなものを作りました。そういうものがあるとすごく便利なんですね。その時は行政が関わっていたのですが、民間だけで自由にやってみるのも面白いかと思いました。それで民間がやる公共空間のようなものを持ちたいと思い、飲食店をやっております。 
 
ミカタ編集部
実際に飲食店には毎日入ってやっていらっしゃるんですか? 
 
【松本】
週6日はいます。 
 
ミカタ編集部
週6日!ではいつ会計士の仕事をやっていらっしゃるのですか? 
 
【松本】
どれだけ働いているんだという話になりますが、私の24時間をお話しさせていただきます。朝の10時から昼の2時まで、広告代理店で戦略担当役員として働かせていただき、ときには営業に出たりもします。昼の3時くらいからお店に入り、個人的なコンサルの依頼を受けたり、公認会計士の仕事をしたりします。夕方6時から7時位からは飲食店としての仕事に専念し、大体終電くらいで帰宅します。こういった生活を繰り返しています。 
 
ミカタ編集部
飲食店を経営されていて、実際に会計士の仕事に支障が出たりすることはありますか? 
 
【松本】
大規模なものはこれ以上受けることができない状況ですが、時間の読める仕事しか入れないようにしているので、そういった意味では意外とうまく回っているなという感じです。 
 
ミカタ編集部
飲食店では今後多店舗展開を考えていますか? 
 
【松本】
今やっているアクティーの多店舗展開については考えていません。日本酒バーやラーメン屋さんという形では検討しています。 
 
ミカタ編集部
飲食店を経営されている先生はなかなかいらっしゃらないと思いますが、そういう意味では独自のブランディングになっているのではないでしょうか。 
 
【松本】
個人のブランディングのためにやっているわけではありません。また、都内では公認会計士の先生で飲食店のオーナーとしてやっていらっしゃるところはあと3店舗ございます。ご自身で料理もされている方も1人いると伺っています。いろんな人たちがチャレンジするためのプラットフォームをオフラインの世界で持っていくというのが、これからの自分のビジネスの武器になると思いますので、そういった狙いは持って飲食店を経営しています。 
 
ミカタ編集部
ではそこにたくさんの経営者や事業家が集まって、マッチングのようなこともしているということですか? 
 
【松本】
そうですね。かなりたくさんの経営者が立ち上がったり、アーティストの方が活動したり、いろんなことが起きてきています。いろいろな化学反応が起き、成長してくる方もいて面白いなと思いながら見守っています。 
 
ミカタ編集部
その中からお客さんに繋がったりということもあるのでしょうか。 
 
【松本】
あります。ありがたいことに、事業計画を作るお話や広告代理店としてそちらのネタをいただいたり、発注先になる方も出てきたりといった、良い循環はあると思います。 
 
ミカタ編集部
では結果的に会計士のお仕事につながってきているということですね。 
 
【松本】
そうですね。
 
ミカタ編集部
でももともとはプラットフォームとして飲食店を運営されているということですね。 
 
【松本】
もともとシェアオフィスやシェアハウスも考えたのですが、やはりゆるくつながって深く付き合っていくには、インスタントな関係でいられると言う要素が重要だと思っています。となると、飲み屋で出会ったという体が1番大切だと思ったんです。深くなろうと思ったら、そこでまた仲良くなることもできるので、僕は飲み屋をやっています。 
 
ミカタ編集部
確かに飲みながらだと相手の懐に入っていける、心を開いていきやすいです。 
 
【松本】
あと、今の時代大事なことは、嫌な人とは付き合いたくないという思いをちゃんと形にしてあげることです。飲み屋だったら、1回限りの付き合いで済ませることもできますし、極端な話出禁にすることもできます。その辺がプラットフォームとしての強みかなと思います。 
 
ミカタ編集部
実際に飲食店を経営されていて、売り上げはちゃんと上がっているのでしょうか。 
 
【松本】
毎月ちょっとずつ売り上げは上がってきています。どの飲食店でも同じだと思いますが、飲食店はお客様のストックビジネスでございますので、リピーターさんがついてくれば毎月売り上げが上がっていきます。幸い最近は1日1団体予約をいただいていて、その他に特別なお客様がいらっしゃって交流していくという循環が出来上がっています。 
 
ミカタ編集部
どうしたらそういう発想になれるのでしょうか。 
 
【松本】
先ほど申し上げたように、ジョイントベンチャーのマネージャーをやったときの経験が大きいです。とある地域の地域おこしの中で、健康活動拠点を作るというものがありました。そこで情報発信をしたり新しい動きを始めることで、その地域がブランディングされて、交流が活発化していく、というハブになるところをやらせていただきました。後は、「家を守る」と書いて家守という制度があるのですが、そういったことを立ち上げてきたプロデューサーの方にお話をいただく機会が何度かありまして、その時に、活動していくには物理的な株になるところが必要だということに気づくことができたんですね。これが大きいです。
 

飲みの場でいい循環が生まれる


ミカタ編集部
すごく士業らしくない活躍だなと思っています。ハブの機能としても経営者さんが集まっていろんな交流が生まれ、そこからお店の売り上げも上がって、自分の会計のほうの売り上げもあがってと。すごいスパイラルだなと思っているのですが、今後新しく開業される先生はどのようにしたら士業界で残っていけると思いますか? 
 
【松本】
そういった相談があるときに必ず言っているのは、いろんな人と飲みに行ってくださいということです。極端な話、家に飲みに来てくださいと言います。お客さんもいるし連携できる人もいるし。つながっていくときに杓子定規にドアノックしていくやり方で士業の先生が回っても、胡散臭いとしか思えませんよね。しかし、飲みの場で知り合った先生というのは、こんなに心強くて心を開ける先はありませんので、まずは横の連携や友人作りから入っていくことが重要じゃないかなと思っています。 
 
ミカタ編集部
実際にお会いした際に、一緒に飲むじゃないですか。その中で松本先生が相手の方に気に入られるために意識していることはなんですか。 
 
【松本】
「これはできない」と言わないことです。何でもできると言う事は危険なのでそれはすべきではありませんが、一緒になって考えるスタンスを持ち続けることがすごく重要だと思います。 
 
ミカタ編集部
では、飲みの席ではお仕事の話も出ると思いますが、一緒に考えるという姿勢を取り続けているということですね。 
 
【松本】
私の場合はいろいろ経験もあるので、その場で答えを出してしまいますし、あそことつなぎましょうかというところまで全部やってしまいますが、そうでない人たちも、うちの店で意識してやってくださっているのは、「あなたの課題はこういうことですよね。じゃああの先生なら近い先生がいるかも。あの事業者さんだったらあなたの課題を解決してくれるかも。また今度一緒に飲みましょう。」と言うことです。これが良い循環が生まれるきっかけかなと思います。 
 
ミカタ編集部
そうすると、これからどうしようという方はまずアクティーに来て、いろんな経営者さんや他の先生方と交流を持つことが大切ということですね。やはり会計士や税理士の先生方は、今後AIの発達で最も仕事を奪われると言われていますが、松本先生は今後の業界をどのように見据えていらっしゃいますか。 
 
【松本】
マンパワー的なところが機械にとられていくのは士業としては脅威だと私も感じています。しかし士業としてそこを脅威に感じること自体がナンセンスかなと思うところはあります。人でないと判断できないことや、同じアウトプットでも信頼関係の中で出せるアウトプットというものがありますので、そこを築けるように相手の気持ちや状況に寄り添って、課題解決についてノウハウ提供していけるようなスタンスを持つことが士業の生きる道だと思っています。 
 
ミカタ編集部
なかなか知識が不足していたり、開業したてで右も左もわからないという方だと、まず何をしたらいいかわからない方もいらっしゃいます。松本先生は最初どのようなことをされていましたか。 
 

【松本】
僕は飲みに行きました。どういうことかというと、とある調査業界で言うとコールドコールと言ったりします。例えば、工業のネジの世界で、「ビスの強度、鉄の硬さがこれくらいだからうちはNASAで使ってもらえるからこれくらい売れる」ということは、素人には理解できません。なので、いきなりそこのクライアントさんと付き合うとなった時、やるべきことはその業界の本を読むことではなく、その業界の人と飲みに行って、現場を知る事がいいと思います。これが1番リアルな声を聞けるし、押さえるべきポイントを聞けるので、これを2、3人やれば大体その業界のことを理解できます。その上で本を読んだりして知識をつける、というステップを踏むことが大事ではないかと思います。その動き方はいまだに僕は注意してやっています。 
 
ミカタ編集部
今お話を伺って、根底にあるのはコミュニケーションだと思いました。AIは決められた行動はできますが、人の心を思うところまではまだ行っていません。飲みの席は人と人とのコミュニケーションです。その中でお話を伺ってどういったところでお役に立てるのか、どういった人をつなげていけるのかということを考えるのが大切なのかなと思いました。松本先生の今後の目標があったら教えていただきたいです。 
 
【松本】
すごくざっくばらんで恐縮ですが、面白い日本になっていったらいいなと思っています。面白いとは何かと言うと、新しいものが立ち上がっていて、立ち上がりがスムーズになる応援を僕がして行けたらいいと思っています。例えば新しいものが立ち上がるとき、営業も必要ですし、マーケティング、生産、会計、IT、法律、人事労務等いろいろな領域が必要です。その全部が必要な時にパッと集まって、個人の信頼関係も一気に結びついて立ち上がっていくというドラマチックな状況ができればいいと思っています。 
 
ミカタ編集部
素敵な目標ですね。最後にこの記事をご覧になっている読者の方に向けて、学びや成長につながるメッセージをお願いします。 
 
【松本】
僭越ながら、自分の専門領域だけではなく、相手の領域について、本や聞きかじったものではなく、人に話を聞く、学ぶことをした上で相手と関わっていく。相手の人がその先何をしたいのかというところまで予測できるように関わっていくことが重要だと思います。 
 
ミカタ編集部
本日は、ダイニングカフェ&バーオーナーであり、公認会計士の松本佑哉先生にお越しいただきました。ありがとうございました。
 

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