独立、起業を考えている4タイプ解説〜お花畑系〜

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お花畑系のタイプの特徴としては、「思い込みが強い」「数字や具体化が弱い」ということが悪い特徴としてあります。

お花畑系のタイプは、「好きを仕事に」系のキーワードで独立、起業を考えている、独立、起業した女性に多くいます。好きを仕事にすること自体は全く悪いことではありません。むしろ、自分のモチベーションが湧くもので仕事をしませんと、長続きもしませんし、本当に辛いときなどに事業を続けられるかを決めるのが好きかどうかということでもあります。

ただ、世間の「好きを仕事に」文脈というのはかなり危険だと思っています。
それは事業というのがあなただけの問題であればよいのですが、独立、起業というのは、その「好き」でお客さんの問題を解決できないとお金をもらえないということです。

わかりやすくいえば趣味と事業の違いだと思ってください。
趣味というのは、どんなに下手であってもやっている自分自身が楽しければそれでよいわけです。誰かと競い合うようなものではなく、自分のために、自分の楽しみのために行うものです。

それに対して事業というのは、趣味とは決定的に異なり、自分が喜ぶのではなく、その前にお客さんが喜ばないといけないということがあります。お客さんを喜ばし続けることが事業の目的であり、事業をやっている存在として生き残ることができる唯一の方法です。
つまり自己満足ではいけませんし、そこには競合もたくさんいて、しっかりとその中で勝ち残ることができる理由や実力が必要になるわけです。競合よりもあなたはお客さんを喜ばすことができないといけないわけです。
客観的に自分の実力を見極めることや、相対的に他社との違いを見つけることや、つくっていくこと、お客さんが満足するレベルをちゃんと理解することなどが必要となります。

「好きを仕事に」文脈は目線が事業をやる人にしかあたっていません。主役であるお客さんがおざなりになっているケースがほとんどです。
趣味レベルで独立、起業してしまっている人がたくさんいます。好きを仕事にしてやっていけるのならやりたいという人はたくさんいるわけです。往々にして「好きを仕事に」といっているのはどこかの会社が自社商品、サービスを売るためのマーケティングだったりするわけです。

お花畑系が陥るパターンとは?

お花畑系のタイプは、思い込みがとても強い傾向にあります。それも全く根拠がない思い込みです。感覚的な人が多いということです。
そのため、数字や具体化することがとても苦手です。楽しい話やワクワクする話は得意なのですが、「まずどこからはじめますか?」「売上目標はどうですか?」などと聞くと全く考えていなかったりします。数字や具体化の話をすると、一気に冷めてしまったりします。苦手すぎて考えることをしなかったり、そもそも考えることとして知らなかったりします。

比較的、主婦層の人に多く、少しお金もあったり、家庭があり旦那さんの収入も最低限あったりするのと、時間ができてしまったときなどに何かやってみようと、小さくはじめられるからということでスタートされる方が多いです。身近にモデルケースとなりうるような存在もいたりするのもあります。

悪い意味でのあるあるですが、「好きを仕事に」ではじめた女性が、そのはじめた事業ではあまりうまくいかないので、「好きを仕事に」したいと思っている女性向けに独立のための講座や起業塾、コンサルティングのようなことをはじめてしまうというちょっと性質の悪いケースがあります。(講座、塾、コンサルティングを否定しているわけではなく、うまくできなかった人には失敗のノウハウはあるものの、うまくいくノウハウなどはないわけです。)

独立、起業している人としてうまくいっているわけではなく、自分はできなかった、できていない商品づくり、マーケティング、営業などを教えてしまうのです。このようになってくると実態としての事業はうまくいっていないのですが、うまくいっているように「魅せる・見せる」ことが大切になるのでキラキラしたSNS系の投稿が多くなり、それが仕事になっていきます。

なんとなくちょっとネットワーク系の商売みたいな構図に近くなっていきます。数字や具体化がとても苦手なのでどうしてもずっとフワっとしている人が多く、ビジネス的な経験もあまりないので〇〇万円結果として騙されましたとか、意味のないところにお金を払ってしまったということもしばしばあります。特に数字や具体化が苦手なので簡単に誰でも売上が上がるという講座やコンサルや営業を代わりにやってくれるということに騙されることが多いです。

お花畑系のタイプの良いところ

・悪いところともちろん表裏一体なのですが「思い込む力」が強いことはとても良いところです。好きだと思ったことに対しての行動力などはとても強いものがあります。事業は当たり前ですが、やってみないとわからないということで、まずやってみるということが何よりも大切です。(思い込むことが強いということは当たり前ですが、逆に主観的になりがちで、全然実力がなくともあると思ってしまい、相対性や、常識的な判断=その実力では売れるわけがないということがしにくいということがあります。)
また、好きなことなので、結構コツコツと努力できる方も多くいるので、細く長く続けていて、結構なキャリアやご経験、技術を実際に持っている方もおられます。

・純粋な人が多いので吸収や飲みこみが早い
ビジネスの経験がものすごいあるような人は少なく、あまりない人のほうが多いです。
そのため良い意味でとても純粋なため、言われたことの吸収や飲みこみがとても早く、また、基本的にコツコツ努力できる人も多いので、着実に前進していく方も多くいます。
(純粋が故に騙されたり、間違えた人に師事してしまうことがあります。特に多いのは全然稼ぐことができていない女性起業家に引っかかってしまうことです。またあまりにもビジネス経験がなさすぎて最低限のスキルもなくとても困る人も多くいます。)

お花畑系のタイプに必要なもの「ちゃんと修行すること」「信頼できるビジネスマン」

・ちゃんと修行することというのは趣味的な人が多くいるので、今の実力やレベルでは商品・サービスとして成立していないということが多々あります。「好きを仕事に」の前提でもちろんよいのですが、それは努力しないということや成長をしないということでは当たり前にありません。お花畑系のタイプには一定程度まで実力を養うような修行が必要だと思われるとよいと思います。またその実力やレベルを客観的に評価してくれる、ちゃんとわかっている人にみてもらうということも必要だと思います。当たり前ですが実力というのは全ての独立、起業する人に必要なことですし、十分に実力を持っている方もおられます。

・信頼できるビジネスマンにみてもらうということが良いと思います。
ビジネスマンいうのは、サラリーマンのことをいっているわけではなく、「ビジネス」ということがわかっている人のことです。

「ビジネス」がわかっているというのは、
1、    事業をつくっていくこと
2、    ビジネスの基本・一般的なスキル

の2つを意味しています。

事業をつくっていくことにおいては、やはり売上をどう上げていくか、商品やサービスをどのようにつくるのかというお花畑系のタイプが一番苦手な部分を得意としている人を身近に置いておくということです。苦手なので考えませんとかやりませんとなっては事業として成立しないので、自分でも当たり前にできるようになっていきつつも、得意な人に力を借りるかをしたほうがいいです。

ビジネスの基本・一般的なスキルというのは、ビジネスマナーは当たり前ですが、ビジネス一般で必要になることを何となくでもわかっている人というくらいでよいと思います。お花畑系のタイプはビジネスということがはじめてくらいの人もいたりするので、ビジネスにおける一般的なことを知らなかったりして、自分としてその劣等感より動きにくくなってしまっていたり、もっと良い方法があるにもかかわらず遠回りをしてしまっているケースが結構あります。ある意味もったいないところで時間やお金を使ってしまうことが多いので、問題解決のための検索能力が高かったり、ビジネス経験のある人が近くにいると安心です。
 

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

2009年慶應義塾大学法学部を卒業後に、2010年株式会社ウェイビーを創業。
創業以来、一貫して、中小企業、個人事業主のインキュベーション(成長支援)に従事。
その数1,200社超。「世界を豊かにする経済成長のビジネスインフラを創る」というウェイビーの理念が大好き。
世界経済フォーラムが選ぶ若手リーダー選抜、徳島大学客員教授、スモールビジネス向け書籍7冊出版。