年末調整をしていても必要?副業をしている人のための確定申告ガイド

ポイント
  1. サラリーマンでも副業する人はどんどん増えており、25人に1人が副業をしている
  2. 副業の給与が20万円超か、給与以外でも「儲け」が20万円超であれば確定申告が必要
  3. メインの会社に完璧にバレないようにするのは難しいが、バレにくくすることは可能

目次 [非表示]

今はちょうど確定申告の提出時期。
通常、サラリーマンの方には、あまり関心がない確定申告ですが、サラリーマンであっても、副業をされている方は「確定申告が必要なのかどうか」は気になるテーマだと思います。
副業を容認する会社も増えており、副業する人が年々増えています。副業の種類によって異なる確定申告の注意点について、まとめました。

第一章 副業収入のもらい方と種類

(1)サラリーマンにも増えている副業

副業をする方はどのくらいいるのでしょうか?

みずほ総研での調査では、2017年における副業人口は、270万人だそうです。就業者数全体に占める割合は4%とのこと、何らかの仕事についている人のうち、25人に1人が副業をしていることになります。また、さまざまな目的から副業を希望する方は2,200万人と、これからも副業する人は増えていくことが見込まれます。また、政府でも、人生100年時代においてはキャリアを自ら切り開くマインドが必要との認識が共有されており、副業をOKとする企業もこれから増えてくると思われます。

副業を希望する理由で一番多いのは「収入を増やしたいから」と、8割の方がそう答えています。次に多いのは、「活躍できる場を増やしたいから」「様々な分野における人脈を構築したいから」だそうです。

さて、副業をしていたら、必ず気になる「税金」のこと。

なんとなく確定申告をしなければならないのはわかるけれど、しなければいけない基準はどこなのかしたらどうなるのか会社にバレないことは可能なのかもし確定申告をしなかったらどうなるのか?心配事はつきません。

副業をしている、したいけれど、確定申告が気になる方のそんな疑問にお応えしたいと思います。

(2)副業収入の稼ぎ方・もらい方にはどのようなものがあるか

副業収入の稼ぎ方・もらい方には、いくつか種類があります。稼ぎ方・もらい方によって、確定申告が必要かどうかの基準が変わります。代表的な稼ぎ方・もらい方をご紹介します。

・給料として稼ぐ系

メインの会社とは別の会社と雇用契約を結び、労働による収入を得るパターンが多いでしょう。いわゆるダブルワーカーです。

・外注費としてもらう系

ライターやWebデザイン料などの発注を受けて、制作作業をし、納品するパターンなどが考えられます。事業者から受注する場合もあるでしょうし、最近ではクラウドソーシングによる受注を受けて納品する人も増えていると思います。その他外注費として手間賃をもらうような仕事などがあります。

・自分で仕入れて販売する系

せどりなどの転売ビジネスから、購入した物品を輸出するビジネスなどが考えられます。Amazonなどのモールを通して販売する場合もあれば、BASEなど独自のオンラインショップを設けて販売する方も増えています。

・FXや仮想通貨などの投資系

値動きのあるものについて、売り買いのタイミングでの差益を儲けとするビジネスです。他にも副業はたくさんの種類があります。

詳しくはこちらをご覧ください。今オススメの副業についてまとめています。
副業で稼ぎたい人にオススメの副業45選!【2018年度版】〜メリット・デメリットを掲載〜

さまざまな稼ぎ方・もらい方がありますが、給与収入とそれ以外は明確に区分しておく必要があります。なぜなら、確定申告での取り扱い・住民税における注意点が異なるからです。
給与収入と外注の収入は、どちらも労働または役務の提供に対して、他者から直接お金を支払ってもらうものであるため、見分けが付きにくいです。どうやって見分けるのかを次に解説致します。

(3)副業収入のもらい方の見分け方

会社などから収入をもらう、給与や外注費は、一見同じように感じるため、見分け方が難しいです。一番簡単な見分け方は、その収入を証明する書類をどんなものでもらっているか、です。

「給与でもらっている」給与所得者ならば、「源泉徴収票」をもらいます。
「外注費でもらっている」ならば、「支払調書」をもらいます。
※支払調書ではなく、毎月の請求書や領収書のみの場合もあります。

給与なのか外注費なのかがわからない場合は、もらった書類を見返してみてください。給与なのか外注費なのかで、所得税のかかり方が異なります。

給与収入であれば、給与所得として申告し、「給与所得控除」を受けることが可能ですが、経費は差し引くことができません

外注費であれば、雑所得又は事業所得として申告しますが、その収入を得るために必要になった経費があれば、収入から差し引いて申告することができます

また、住民税での取り扱いも異なります。この点については、第二章・第三章で解説します。

関連記事

著者プロフィール

神佐 真由美

神佐 真由美

京都大学経済学部在学中から「プロフェッショナルになるために手に職を」と税理士を志す。卒業後は、税理士を顧客とする株式会社TKCに入社し、税理士事務所を顧客にシステムコンサルティング営業に4年間従事。本当に中小企業経営者にとって、役に立てるプロフェッショナルはどうあるべきかを問い続け、研究する。税理士試験5科目合格後、税理士業界へ転身。
自ら道を切り拓く経営者に尊敬の念を抱き、経営者にとって「一番身近なパートナー」になるべく、起業支援や資金調達支援、経営改善や組織再編、最近では事業承継支援など多くの経験を積む。経営計画を一緒につくり、業績管理のしくみづくりを通して、未来を見通せ、自ら課題を見つけ、安心して挑戦できる経営環境づくりが得意。大阪産業創造館のあきない・経営サポーターも務め、セミナー実績も多数。「経営者のための資金繰り基礎講座」「本当に自社にとって必要?事業承継税制セミナー」など。

<関連サイト>
角谷会計事務所
未来を魅せる税理士 神佐真由美のブログ