第2の人生スタート!起業失敗のその後まとめ

ポイント
  1. 起業したら無い話では無い倒産について
  2. 会社が倒産したら、従業員が再スタートするための土台(各種手続き)と整えることができるかが重要
  3. 「自身の事業に失敗して廃業した場合=何もかも失う」ではない。自身のビジネスに信念を持っていれば、何度でも挑戦できる。

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会社が倒産したら、従業員はどうなる?

はじめに ~ある日突然…会社が破産したら~

朝起きて、いつも通り出勤したら、会社の玄関に「会社の破産」を知らせる張り紙…。ドラマのワンシーンみたいですが、現実的に十分あり得るお話です。
もし起業家のあなたが経営している会社が破産したら、一緒に頑張ってきた従業員たちは、今後どうなってしまうのでしょうか?破産後の従業員への対応について、考えていきたいと思います。

会社が破産したら従業員にどう対応したらいいの?

従業員の立場から見ると、会社が破産することによって、生活の糧である仕事を失うことになり、まさしく「死活」問題となってしまいます。会社が破産した時、経営者のあなたが従業員のためにきちんと各種手続きを行い、従業員が再スタートするための土台と整えることができるかが重要であると言っても過言ではないでしょう。

(1)従業員の解雇
(2)解雇予告手当の支払い
(3)未払い給与・退職金の支払い
(4)未払い給与・退職金の立替払い制度
(5)雇用保険
(6)国民健康保険料(税)
(7)住民税

(1)従業員の解雇
会社が破産したからといって、そのまま解雇になるということでなく、従業員に対して実際に解雇が申し渡されるまでは、雇用関係は継続していると解されています。
つまり会社が破産手続きを取る前に従業員たちに解雇をする手続きを取る必要があります。具体的には、従業員一人ひとりに口頭ではなく、解雇通知書という書面を作成して手渡しします。解雇通知書を受領した証として解雇通知受領証を取っておくと尚良いでしょう。

(2)解雇予告手当の支払い
解雇は30日前までに予告する必要があり、解雇予告から解雇日までの日数に応じた解雇予告手当を支払う義務が生じます。解雇予告手当の金額は、解雇前3か月間の平均賃金(解雇前3か月間に支払われた給与の総額÷解雇前3か月の総日数)に解雇予告から解雇日までの日数を掛けて算出します。

(3)未払い給与・退職金の支払い
従業員を解雇する際には、未払い給与の額を算出する必要があります。また退職金制度がある場合は、退職金規程に従って退職金の額を計算します。

給与や退職金は労働債権といい、一般的な債権よりも支払いの優先順位が高い優先的破産債権の一つに含まれます。優先的破産債権には、労働債権の他に国税、地方税、社会保険料などがあります。
勤務していた会社が破産した場合は、従業員も他の債権者と同じく管財人に対して労働債権の支払いを請求する必要があります。破産手続では、まず抵当権が付いた債権の回収がなされます。それ以外の債権に関しては、会社の資産を清算した上で、そこから管財人の報酬、破産手続開始時点で納期限から1年を経過していない、未払いの国税、地方税、社会保険料と労働債権の中で破産手続が開始される3ヵ月間に発生した未払い給与の総額に相当する金額については、これら未払い国税等と同様に破産手続開始後、破産手続きに拠ることなく破産管財人から支払いを受けることができます。

(4)未払い給与・退職金の立替払い制度
破産手続を行う会社は、経営状態が悪く、資産もあまり保有していない場合が多いため、労働債権を支払うことができないことは少なくありません。このような場合に破産した会社に代わって未払い給与の一部について、支払いがなされる仕組みが、労働者健康安全機構の立替払い制度です。

破産の場合で立替払い制度を受けるためには、

①労災保険の適用事業を1年以上営んできた事業主に雇用されていた者、
②裁判所への破産手続開始の申立日の6か月前の日から2年の間に当該企業を退職した者、
③未払給与額等について、破産管財人等の証明を受けた者、

という3つの要件を満たさなければなりません。

立替払いの請求は、裁判所への破産手続開始の申立日から起算して2年以内に行う必要があります。立替払いの金額は、退職日の6か月前から立替払いの請求を行う前日までに支払いの時期が到来している未払い給与・退職金の総額の80%ということになり、退職日時点の年齢によって、立替払いできる金額の上限が異なります。例えば、45歳以上であれば、立替払いの上限金額は、296万円となります。

(5)雇用保険
雇用保険資格喪失届、離職証明書に裁判所が破産手続の申立てを受理したことを証明する書類を添付して、ハローワークへ手続きを行うことになります。
会社が破産したことにより退職した場合は、特定受給資格者となります。特定受給資格者の場合、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば良く、受給資格が得やすく、給付制限もないため、基本手当が受けやすくなっています(通常は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上)。
また、給付日数も自己都合退職の場合は、雇用保険に加入していた期間により給付日数は、90~150日となりますが、特定受給資格者であれば、年齢と雇用保険に加入していた期間に応じて給付日数は、90~330日と多くなります。

(6)国民健康保険料(税)
退職後の健康保険に関しては、社会保険に任意継続するか、国民健康保険に加入する必要があります(家族の被扶養者になることができる場合もあります)。(5)で前述した特定受給資格者については、市町村の窓口にて手続きされることにより、退職日の翌日から翌年度末までの間、前年の給与所得を30%とみなして計算され、国民健康保険料(税)が軽減されます。

(7)住民税
住民税に関しても、市町村の窓口で手続きされることにより、減免制度が適用される場合があります。市町村によっては減免制度がない場合もあります。お住まいの市町村へ相談してみると良いでしょう。
GEM(Global Entrepreneurship Monitor)が行った各国の人々への意識調査によると、企業の機会があっても失敗することに対する恐れがあり、起業を躊躇すると回答する人が40%近くにも上った。
このように「起業したい!」と思っても、「万が一、失敗してしまったらその後の人生はどうなってしまうのか…」と、失敗のリスクを背負うことへの不安で起業できない人は多いのではないでしょうか?今回は起業に失敗した人のその後についてみていきたいと思います。


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起業に失敗した後の人のその後は…

◎二度目の会社経営で大成功
◎再就職
◎病気になってしまったり、自殺してしまう

など、実に様々です。ただ、日本では起業に失敗したときのリスクが高いというのもやはり事実のようです。というのも、日本の企業は新卒採用が根強く残っているからです。そのため、起業に失敗してしまうと職にありつけないといいます。

かといって、事業に失敗して廃業した場合、それは個人破産を意味するものではありません。つまり、何もかも失うというわけではないのです。

起業するような気質を持ってい人は基本的に勤め人にはなれない性格の人が多いので、その人が自身のビジネスに信念を持っていれば、何度でも挑戦します。

再起できないという人はそもそも金銭的な問題を背負ってしまうというよりも、信用を失ってしまったことで資金を集めることができなくなってしまったということが影響しているようです。そういう人は人にも見放されてしまうので、追い込まれますよね。

 

再就職はどうしたらできる?

二度目の起業のために再度奮起する気力のない場合や安定を求めたいという場合、やはり会社に勤めることを考えますよね。アルバイトや派遣ではなく、できれば正社員としてもう一度やり直したい!そう思った場合、どうしたらいいのか。。

◎ベンチャー系企業を中心に就職活動をする
◎人脈を最大限使って雇ってくれる会社を探してみる
◎経験者優遇の求人を中心に応募してみる

という方法があると思います。

従来の新卒に偏った採用を見直す傾向もあり、就業経験が3年以内程度の人を、職業経験よりも潜在能力を評価して採用する第二新卒採用やそれまでの職業経験を評価して採用する気キャリア採用、総合職相当人材を非正社員から登用するケースなども増えてきており、多様性は出てきてはいます。

起業に意欲的ではない傾向を問題視していることもあり、今後さらなる変化が求められていくということが予想されます。今後は、起業で失敗しても今より再起しやすくなるかもしれません。

起業した後に再就職ってできるの?その現実を徹底的に調べてみた!

「独立して頑張るぞ!」と思い立ち、起業してみたのはいいけれど、思うように売り上げが上がらず・・・、結局廃業することになりました。このようなケースは少なくはありません。今回は、起業後に再就職できるのかどうかについて、徹底的に書いてみようと思います。

廃業後の現実

少し古い統計ですが、2011年度版の中小企業白書によりますと、起業した後、10年後には約3割の企業が、20年後には約5割の企業が廃業をしており、一念発起して起業しても廃業に至ることは数多くあるということを物語っています。

では廃業された方は、廃業後どうされているのでしょうか。古いデータですが、2002年(社)中小企業研究所によりますと、以前は事業をしていたが現在は休廃業している者の内、55.1%が現在就職している(雇用形態を問わず)もしくは就職目指して活動をしているとなっています。一方、休廃業後もう一度起業して経営者となっている人の割合は、16.6%に過留まっています。休廃業を経た後は、過半数の人がもう一度起業することなく、サラリーマンになっているという現実が垣間見ることができたと思います。

再就職活動を支援する立場から見た起業後再就職の現実

前章では、廃業を経て再就職している人の割合が過半数を超えていることが分かりました。この章では、実際に再就職活動を支援している人材紹介会社を経営されている方に起業後再就職活動の現実について、Q&Aの形式でご回答いただきました。

Q1:起業後再就職活動をされている方に対して、企業の採用担当者はどんなイメージを持たれていますか?

A1:企業ごとに組織文化や風土でかなり異なってきますので、一概には言えません。決められた枠の中で仕事をしてもらうことを考えている経営者の場合は、使いにくいというイメージを持つと思いますし、枠を超えて仕事をしてもらうことを望んでいる経営者からは、求めている以上のレベルの仕事をこなしてくれるので、好意的に捉えてもらえると思います。
また、採用を担当される方が経営者ご本人なのか、人事担当者なのかによっても違ってくると思います。決裁権のある経営者ですと、求めている以上の仕事をしてくれることに対して良いイメージを持つことも多いようですが、一採用担当に過ぎない人事担当者ですと、どうしても無難な人材に良いイメージを持つ傾向があるようです。


Q2:起業後再就職成功した方はおられますか?

A2:はい、おられます。ベンチャー企業のように、枠に囚われずに自分から仕事を切り開いていくタイプの企業さんですと、企業風土が合って活躍しておられることが多いです。


Q3:人材紹介会社として、起業後再就職される方に対する支援策は特に何か実施しておられますか?

A3:M&Aを仲介する会社の例ですが、現経営者の後継者として起業後再就職された方に入ってもらいました。起業後再就職された方の中には、再度起業したいという気持ちを少なからず持っておられる場合が多いですので、再度後継者として経営者に就くルートは残しておきたいと考えています。

 

起業後再就職された方の現実

この章では、実際に起業後再就職された方にお話をお伺いし、起業後再就職の現実に迫りたいと思います。

Iさん:(プロフィール)高等専門学校卒業後、金属部品メーカーに就職。29歳の時に独立して自営業を始める。6年後に廃業、取引先の金属部品の卸売業を営む会社へ転職、現在は勤続5年を迎えたところ。

Q1:なぜ廃業して、再就職しようと思われたのですか?

A1:自営業を続けていて、家族もいるので、この先も自分一人で続けても将来的に不安を感じたので、思い切って廃業して再就職しました。


Q2:再就職先は、どのように見つけましたか?

A2:再就職先は、自営業をしていた時の取引先です。取引先の常務取締役から声を掛けられて、他で探すぐらいなら、わが社へ来ないかと誘われて、再就職先として入社することを決めました。


Q3:再就職して良かったですか?

A3:はい、自営業をしていた頃は、資金調達や販売先への営業、製品製造、事務に至るまで、自分一人で行っていたので、日々時間とお金に追われているような感じでした。再就職してからは、仕事の面では、技術や品質管理といった自分が携わりたい仕事に専念できており満足しております。経済的な面でも毎月決まった額が入ってくること。あとは、土日休めるので、家族と過ごす時間も増えました。


Q4:もう一度、起業したいですか?

A4:今すぐ起業する予定はありませんが、いずれまた起業してみたいという気持ちがないというと嘘になりますね。

まとめ

実際に起業後再就職された方にお話をお聞きして、廃業して再就職をするにしても、日頃から仕事で関わっている人のご縁を大切にすることが、シンプルですが最も大事だということを強く感じました。

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