自宅兼事務所のメリット・デメリットのまとめ

ポイント
  1. 事務所はどこでスタートしなければならないか
  2. 自宅兼事務所のメリット・デメリット
  3. お金が外に出ていかないことが最優先

目次 [非表示]

事務所はどこでスタートするべきか

起業するに当たって、誰しもが「どうしよう?」と考えることの一つが、事務所をどこに置くかということではないでしょうか。

自宅兼事務所にするのか、どこかに事務所を借りるのか、自宅に会社の住所を置くことには個人情報の観点から公開することに躊躇がある場合(特に女性の起業家は敏感になるのではないかと思われます)には住所と電話番号のみを借りるバーチャルオフィスを利用することを考えるなど、起業したてで売上の見通しが立てづらい時期には、どの方法を選択するべきか判断に迷うのも無理はありません。自宅かオフィスか、事務所をどこに置くかはいろいろなメリット・デメリットがある話になります。

この記事では、自宅兼事務所のメリット・デメリットを明確にすることで、自宅兼事務所でいくか、事務所を借りるべきかを考える機会にしたいと思います。メリットとデメリットはあくまでも一般的なものですから、あなたが起業するケースとよく照らし合わして、紹介するメリットとデメリットがあなたの会社にどの程度の影響を及ぼすかをよく理解して選択するようにしてください。

自宅兼事務所のメリットについて

自宅を事務所として使うメリットとしては、次のようなことが考えられます。

事務所の家賃や入居時にかかる費用を節約できます

事務所にかかる費用を節約ができます。これがダントツで一番大きなメリットです。起業直後は売上の予想が立てづらく、かつ事業立ち上げに様々な費用がかかってきます。自宅外にオフィスを借りるとなると、毎月の家賃・共益費が必要となる他、保証金(敷金・礼金)、不動産仲介業者の手数料などの費用が入居時に必要となります。入居時の初期費用、月額の家賃などは意外と会社にとって大きな負担になります。月額でかかってくる固定の費用を会社は基本的には持たないようにするということが大切になります。

毎月かかってくる費用は大したことがないと考えていたとしても、年間で計算して決算時に見てみると、こんなに高額な経費が掛かっていたのかと実感することになりますから、毎月の値段の安さに惑わされることなく、年間合計の費用を頭に入れて計算する癖をつけていただきたいと思います。

自宅にある備品(PCなど)を活用することにより、費用を節約することができます

自宅にあるPCや机・椅子、書籍棚などの備品を活用することで、新規に購入する備品を少なくして、余分な出費を抑えられます。

「起業当初はお金を生まないものには、お金をかけない」くらいの覚悟でよいと思います。お金に余裕が出てきてから必要なものを買ったらよいと思います。会社を設立して事業を始めるとなると、どうしても形も整えたくなるという気持ちは非常に理解できるのですが、あなたの事業を発展させるために直接的に絶対に必要なのか?という視点を大切にしましょう。それを用意したことで事業活動で最低でも数倍のお金として取り返せるほどの利益を生むものなのかを真剣に考えて決断してください。

起業に準備するお金が十分にあって全く困らないうらやましい方は、あなたの理想を反映できるように準備をするほうがモチベーションが上がって事業に取り組めると思います。

自宅の家賃や水道光熱費の一部を経費として計上することができます

自宅兼事務所で活動している場合、事務所として使用している面積等を基準に按分(事務所でかかるお金と生活でかかるお金をわけることです)して、家賃や水道光熱費の一部を事業の必要経費として計上することができます。また自宅が持家の場合やマイカーを事業用で使用する場合は、事業専用割合や事業に供していた月数により減価償却費として必要経費として計上することが可能です。

経費計上できるということは、利益が出ている会社にとっては節税という観点で役に立ってくる話です。利益が出ていないのであれば結局はあまり意味のない話になります。ただ利益ができないから意味がないと思うのではなく、青色申告では負債が出ている場合には次の年度に利益が発生した場合に昨年度の赤字を埋めることができますので、利益がでないなら意味がないと選択肢から外してしまうことはもったいないことと言えるでしょう。

また、自宅を教室として使われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな方はこちらをお読みください。

自分が仕事がしたい時に仕事ができます

早朝・深夜の時間に関わらず、仕事をしたいと思った時に仕事に取り掛かることができます。
これはメリットでもありデメリットかもしれません。常にオフィスにいるようなものなので、仕事とプライベートのメリハリがつきにくいということにもなりえますので。

家事や育児との両立ができます

特に女性の場合には、家事の合間や小さなお子さんの近くで仕事をすることができるので、家事・育児との両立を図ることが可能となります。これももちろん一定の限界がありますが。ただオフィスに子供を連れて行く手間、必要となるアイテムを用意しなくてよくなることがメリットですよね。

こちらもあわせてお読みください。
就業時間の設定について考えよう①フレックスタイム制度のメリット・デメリット

自宅兼事務所のデメリットについて

メリハリの写真

仕事とプライベートのメリハリがつかない

「いつでも仕事ができる」反面、仕事とプライベートの区別がつかなくなり、いわゆる「メリハリのない」状態になりがちです。パジャマを着たまま机に向かって仕事、でも集中できずにダラダラする…、なんてこともあり得ます。こちらはメリットにもなりうる部分に書きました。気分を完全に切り替えないとストレスが溜まると感じる場合には、自宅兼事務所はデメリットでしかないので、あなたがどう感じるかを冷静に見極めてください。

プライバシー上で生じうる問題

自宅で開業する場合、お客様や仕事仲間に自宅へ来てもらうことになり、家族以外を自宅というプライベートの空間へ招き入れることになります。また、名刺やホームページに自宅の所在地を記載することは、結果として自宅の場所を不特定多数の人に公表していることになると言っても過言ではありません。大きな問題が生じることは考えにくいですが、自宅にいろいろな人がくることになるのでそれが嫌でというので、オフィスを構える人は多いです。

対外的な信用の問題

自宅兼事務所よりも自宅外に事務所を構えていたほうが相手企業の信用を得やすくなる傾向があります。企業によっては、新規の取引を始めるにあたり、様子を見るために事務所を訪問する場合もあります。事務所を見ることで、仕事への姿勢や考え方なども分かると考えられるからです。これは業種や取引先がどのような企業が多いかによるところもあります。個人間の取引で、ECなどを使用して販売するようば場合には生じない問題です。
上記のプライバシーの問題も、来社の少ない業種等であれば比較的問題は起きにくいです。

自宅が事務所として使用できない場合

自宅が賃貸物件の場合は、居住用という目的で賃貸しているため、事業用事務所とする場合は、事前に貸主や管理会社へ確認をすることが必要になります。無断で事業用の事務所として使用し、発覚してしまうと契約違反となり、最悪の場合には退去を迫られることにもなりかねませんので、十分に注意が必要です。通常事務所利用に契約書の目的を切り替えるとなりますと、追加で費用が発生してしまいます。

黙ってやる人も多いのが実態ですが、リスクがあることは承知しておいてください。法律を守って起業をするのですから、物件のオーナーに申告しないで事業を行うことは倫理的にも問題があるとは理解できるのではないでしょうか。

自宅兼事務所のまとめ

僕の場合には、最初は自宅でスタートしました。理由は簡単で一番の大切にしたことはお金が出ないようにすることだったので。自宅が駅から遠かったこともあり、基本打ち合わせはすべて訪問にしました。これで自宅に人がくることもなくなります。対外的な見栄えを考えて、住所だけバーチャルオフィスにしている人もいます。実態の作業は自宅やカフェでという人もいます。そもそもコワーキングなどを安く借りてしまう人もいますね。

事業が伸びてきて、人を採用するタイミングか、移動などが多くなって交通費や時間を節約するとき、オフィスを構える大きなタイミングである気がします。個人的には「お金が外に出ていかないこと」が最優先かなと思っています。

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