これで安心。旅館業、浴場業、興行場、風俗営業の申請方法を徹底解説!

ポイント
  1. 旅館業の許可(旅館業法)
  2. 浴場場の許可(公衆浴場法)
  3. 興行場の許可(興行場法)
  4. 風俗営業の許可(風営法)

目次 [非表示]

3. 興行場の許可(興行場法)

3-1興行場法とは

興行場法とは、興業場の営業許可の基準を定めた法律です。興行場を営業するには、興業法を基にした許可を保健所で取得しなければなりません。この許可の取得には、興行場を営業する場所や、施設内の構造や設備、換気等の衛生面が基準に達しているかが必要になります。

この基準等は各都道府県で異なる点があります。厚生労働省では、興行場とは「映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設」と定義されています。具体的に例を挙げると、映画館や劇場、ライブハウスやコンサートホール、野球場やサッカー場等があり、これらの施設には興業法が適用されます。

そして、福利厚生施設として職場等に映画鑑賞室を設けた場合や、集会所等で月に5回以上映画の上映等を行う場合のような、鑑賞することが無料であっても(営利性がなくても)、上映等を続ける意思をもって行われる場合は興業法が適用されることがあります。

3-2. 場所の要件

興行場の営業(設置)場所の要件を、東京都を例に見ていきましょう。
設置する場所の排水の構造が不良であったり、ゴミや廃棄物等の埋め立て地であったりする場合は、衛生面上設置することはできません。

3-3. 設備や構造の要件

次に施設内の設備と建物内の構造の要件です。
こちらも東京都を例に見ていきましょう。
①観覧場(客席)
観覧場とは客席と客席内の通路をふくめた場所であり、その面積や構造によって適当な換気設備を設置しなければなりません。
観覧場が数階に分かれている場合は各階の面積の合計になります。

②照明設備
・観覧場は照度200ルクス以上の設備を有すること(映画や演劇等、上映中は暗くする場合は20ルクス以上を確保)。
・観覧場以外の入場者の使用する場所は照度20ルクス以上。
・興行中の照明設備は照度0.2ルクス以上。
・観覧場や廊下、階段、出入り口には補助照明を設け、電源は必ず照明設備とは別のものを使用しなければならない。

③防湿設備
・入場者の使用する場所の床の高さが、直下の地面から45cm未満の場合は、床面に防湿処置を施すこと(不浸透性の材質を使用する等)。
・興行場の内外には、雨水や雑排水等の排出設備を設けなければならない。

④トイレ
・各階ごとに男子用と女子用で分けて設置しなければならない(観客席が数階に渡っていて、階層の見分けがつかない場合や、その階が観客席のみでしか利用できない場合等はこれを要さない)。
・便器は堅固で衛生的であること。
・換気設備を設けること。
・その他各条例等の基準に達していること。

⑤喫煙所
・観覧場と別で区画された場所で、喫煙所の表示があること。
・喫煙所の外に煙がいかない構造、措置をとっていること。
・喫煙所専用の換気設備を設けること。

⑥飲食物の販売施設
・販売施設は、トイレ付近に設置してはならない。

⑦その他
・ゴミ箱は入場者の使いやすい位置に設置しなければならない。

3-4. 手続きと流れ

興行場営業の許可の手続きと流れを見ていきましょう。
①事前確認・相談(東京都の場合)
保健所の窓口まで、図面等を持参して申請場所や構造・設備について、相談や確認を行います。
この際に、保健所以外の各機関に、消防法や建築等の確認も必要です。

②申請(書類の提出)
保健所の窓口に以下の書類(申請料)を提出し、申請します。
・営業許可の申請書(施設の構造や設備の概要)
・見取図(施設の場所を記した地図。施設の半径300mの道路や住宅等も記載)
・図面等(建物内の設備等の配置図、各階の平面図等)
・電気設備、換気設備、給排水設備等の配置図
・6か月以内に発行された登記事項証明書(法人の場合)
・申請手数料 常設14,000~18,000円、臨時・仮説7,000~11,000円(都道府県、市区町村によって異なる)

③施設検査
保健所の職員が、上記の設備基準に適合しているか等を検査します。

④許可
書類の審査と、施設の検査で要件が達していると判断された場合、
保健所長からの許可がおり、営業を開始することができます。

3-5. 違反

条例で定められた構造や設備、衛生面での基準に反している場合や、無許可で営業した場合、懲役や罰金、営業停止や許可取り消し等になります。

4.風俗営業の許可(風営法)

4-1. 風俗営業法とは

風俗営業法とは、キャバクラやホストクラブ、パチンコやゲームセンター等の風俗営業店の営業許可の基準を定める法律です。風俗営業店はこの風俗営業法に基づく許可を警察署から取得しなければいけません。

以下の5点のうち、いずれかに該当する場合はこの風俗営業法が適用されます。
①客を接待(歓楽的雰囲気を醸し出す方法)により客をもてなすことし、飲食や遊興をさせる営業。
②客に飲食をさせる営業で、照度10ルクス以下として営むもの。
③客に飲食をさせる営業で、客席が5㎡以下で他から見通すことが困難なもの。
④麻雀やパチンコの設備を設け、射幸心(幸運を得たいという感情)をそそる遊戯をさせるもの。
⑤スロットマシンやゲーム機等を本来の用途以外で使用し、射幸心をそそる遊戯を客にさせるもの(旅館業等やこれに随伴する法令で定めたものは除く)。
上記の①~③までが接待飲食等営業(酒類を提供しつつ異性による接客サービスを提供する店)、④~⑤は遊技場経営と定義されています。

4-2. 構造設備の要件(平成28年6月23日に風俗営業法が改正になりました)

では上記の接待飲食店営業と遊技場経営を詳しく見ていきましょう。
接待飲食店営業は1~3号、遊戯場経営は4~5号営業で分けることができます。
①接待飲食店営業
1号営業 キャバレー、社交飲食店(接待、飲食、ダンス、遊興)
キャバレー(接待、飲食、ダンス)
・面積は66㎡以上で、ダンスをさせる部分が客室面積の5分の1以上。
キャバクラ、ホストクラブ等の社交飲食店(接待、飲食、遊興)
・客室一つの面積は16.5㎡以上(和室の場合は9.5㎡以上)
・ダンス等の構造や設備は用いてはならない。
・照度は5ルクス以上。
2号営業 低照度飲食店 (照度が10ルクス以下で営業)
・喫茶店・バーその他設備を設ける。
・客席一つの面積が5㎡以上。
・ダンス等の構造や設備を用いてはならない。
3号営業 区画席飲食店 (飲食)
例としてネットカフェがあげられる。
・客席一つの面積が5㎡以下であり見通しの悪い席での飲食。
・異性を同伴し休憩をする用な設備はおかない。
・客室の出入り口に施錠の設備は設けてはならない。
以上の要件に加え、1~3号の共通の要件として
・客室の内部が営業店の外部から容易に見通すことができないもの。
・客室内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
・店内の風俗環境を害する広告や写真等の設備は設けないこと。
・騒音・振動の数値が条例で定められた値に満たないような構造・設備を設ける。
・飲食店営業に伴う許可、設備等。

②遊技場経営
4号営業 麻雀・パチンコ
・パチンコ店の場合はパチンコ営業用の遊技機以外の遊技機は設けてはいけない。
・商品提供設備は、営業所内の見やすい、わかりやすい場所に設けなければならない。
5号営業 ゲームセンター等
・遊戯料金として紙幣を挿入する構造の遊技台を設けないこと。
・客に現金、有価証券を提供する構造の遊技台を設けないこと。
以上の要件に加え、4~5号の共通の要件として、
・照明は10ルクス以上。
・客室内部の見通しを妨げる構造・設備を設けないこと。
・店内の風俗環境を害する広告や写真等の設備は設けないこと。
・騒音・振動の数値が条例で定められた値に満たないような構造・設備を設ける。
以上が構造・設備の要件になります。

4-3. 「場所」の要件

各都道府県によって異なりますが、風俗営業のできない地域というものがあります。まず、多くの都道府県では「住民専用地域」と「住居地域」では営業することが出来ません。そして、学校や病院等の「保護対象施設」が営業所から一定の距離内にある場合も営業できません。また将来的に保護対象施設が設置される地域でも営業することが出来ません。

4-4. 「人」の要件

次にひとつでも該当する人は風俗営業許可の申請をすることが出来ません。
・破産後、復権していない者。
・1年以上の懲役・禁固刑、風営法違反等で、執行を終えてから5年以上経過していない者。
・成年被後見人、被保佐人として登録されている者。

4-5. 申請の手続きと流れ

風俗営業の許可申請の手続きと流れを見ていきましょう。
各都道府県によって異なる部分もあります。
①事前確認・相談
申請は営業店のある地域を管轄する警察署で手続きを行います。
申請をする前に、要件や必要書類について事前の確認が必要です。

②申請(書類の提出)
警察署に以下の書類(申請手数料)を提出します。
・許可の申請書
・営業方法を記載した書類
・住民票、身分証明証、顔写真等の身分関係の書類
・登記されていないことの証明書
・人的に問題ないこと等の記した誓約書
・法人であれば登記事項証明書等
・営業所近辺の見取図(営業所の場所や、その近辺に用途地域や保護対象施設がないかを確認できるもの)
・営業所の図面(平面図、配置図等)
・遊技機等に関する書類
・その他(接待飲食店営業であれば飲食店営業許可証等)
・申請手数料 パチンコ店以外 24,000円、パチンコ店 25,000円に加え遊技台1台につき40円(東京都の場合)

③施設検査
営業所内の構造・設備等が要件を満たしているか検査します。

④許可
書類の審査、施設検査で要件が達していると判断された場合、
警察署から許可の通知、または許可証が交付され、営業を開始することが出来ます。

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