社労士に相談する前に!?これだけは知っておきたい就業規則の作成ポイント3つ
- 資格取得奨励制度
- 定額残業代
- 手当
起業家のみなさん、会社を作ったらいろいろとやらなきゃいけないことがありますよね。
などなどです。
でも意外と忘れ去られているのが就業規則の作成ではないでしょうか。
なぜ忘れ去られるんでしょう?
それは、別に作らなくてもいいからなんです。
法律では「常時10人以上の労働者を使用する」場合に就業規則の作成を義務付けています。だから起業直後は別に作らなくてもいいケースが多いんです。
要は後回しにされがちなんですね。
でも、最近は長時間労働や残業代未払いなどが社会問題化しているので、法律云々を抜きにして作成しなければって考えている起業家も多いと思います。
そしたら、いざ作るってなった時にはどうしますか??
今だったら、ネット上にサンプルが溢れてますから、ダウンロードして簡単に作れちゃいますよね。
もちろん、それもアリだと思います。
ただ、サンプルには載っていない案外重要なポイントもあるんですよ。これがあると無いとでは大違いってポイントです。
そのポイントについて、3つだけ書かせていただきます。
自己啓発、あるいは生産性の向上などを目的にして、従業員に対して資格取得をバックアップしている会社が増えています。
資格取得者がたくさん在籍していることが対外的なアピールになる業界もありますよね。
そのために、見事!!資格を取得した従業員には金一封なんて制度を設けている会社も多いはずです。
資格の難易度によっては取得に掛かった費用など、かなりの報奨金を支給するケースもあるようです。
しかし、一方でこのような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
資格を取得したら、すぐに退職してしまった・・・
会社としての戦力ダウンはもちろん、資格取得に掛かった費用が水の泡となってしまい、最大級のショックです。
ただ、引き留めることもできないので、せめて報奨金だけでも返してもらおうと考える方もいるでしょう。
引き抜かれた人が義理人情に厚いなら、返してくれるでしょう。
しかし、返金を拒んだらどうしますか?
強制的に返金してもらうことはできるんでしょうか?
そのような規定を就業規則に記載してもいいんでしょうか?
答えはノーです。残念ながらできません。
その理由は、労働基準法に次のような規定があるためです。
「使用者は、労働契約の不履行について、違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない」
だとすれば、会社はこのようなリスクを抱えながらも、従業員のため、ひいては会社のために資格取得を奨励しなければならないのでしょうか。
対策はあります。それは貸付金という制度にするんです。
そして、退職時までに返金するという規定を作るとともに、合格後一定期間を経過した者には返金を全額免除するという規定も併せて作っておくんです。
そうすれば、リスクはかなり低くなると思いますよ。
これは固定残業代、あるいはみなし残業代などとも呼ばれていますね。
残業代は労働時間とも関連した、トラブルになりやすい項目ですよね。
この定額残業代は、1ヶ月の残業時間をあらかじめ見込んでおいて、「〇〇手当」といった名称で支払うものです。
極端な場合、残業が全く無かったとしても必ず支払わないといけないので、会社側からすると経費増になる制度です。
一方で、残業時間の管理からは解放されるので、人手が少ない起業間もない会社にとってはありがたい制度でもありますよね。
ただし、この制度を導入する場合には注意点があります。
賃金に関する規定は就業規則に必ず記載しないといけないんです。だから、定額残業代を支払っているとしても、この規定は絶対に外せません。
とは言っても、この規定はサンプルにも必ず載っているので、まあ大丈夫でしょう。
もう少し具体的に言うと、〇〇手当が時間外勤務××時間に相当する時間外勤務手当であることを必ず記載しておくということです。具体的な時間を記載しておくという点がポイントなんです。
「〇〇手当は定額残業代として支払う」といった曖昧な規定ではダメなんです。
当たり前のことなんですけど、勘違いされている方も散見されます。
定額残業代を払っているんだから、残業させ放題なんて考えている人が稀にいるんですよね。
ここでのポイントは当たり前のことでも就業規則上、そのことを明確に書いておくということです。つまり、残業時間が定額残業代で規定している時間を超えた場合は、超えた時間だけの残業代を払いますよっていうことを明記しておかなければならないんです。
手当と言うと、通勤手当に家族手当、住宅手当などが一般的ですよね。一見するとあまり問題視されるような感じもないんですが、ここにも注意すべきポイントがあるんです。
ポイントは残業代、すなわち時間外勤務手当との関連です。
法律では時間外勤務手当の計算上、基本給以外に各種手当を含めた金額をベースにして時間外手当を支払わないといけないことになっています。
ただし、通勤手当、家族手当、住宅手当などの一部手当は、そのベース金額に含めなくてもよいとされているんです。
ここまではご存知の方も多いと思うんですが、このベース金額に含めなくてもよいとされるには条件があるのって知ってましたか??
その条件とは、それぞれ一律に支払っていないということなんです。
例えば、下記のような就業規則だったら、ベース金額に含めないといけません。
一方、下記のような就業規則であれば、ベース金額に含めなくてもいいんです。
この条件を知らずに残業代を少なく支払っていて、後々トラブルになるケースがありますので、注意が必要ですね。
せっかく作った就業規則なのに、それが元でトラブルになったのでは、会社も従業員も不幸ですよね。
ぜひ参考にしていただいて、良い会社にしていってくださいね。
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