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収入アップや稼げる仕事に転職するためには資格取得が近道の一つです。日本国内には取得が難しい国家資格から比較的簡単な民間資格まで数百種類の資格があります。職業・職種が多様化するなか、新しい資格も毎年のように誕生しています。
しかし今どの資格が最も稼げるのか、就職や仕事で役立つのかを把握するのは簡単ではありません。
そこで今回は、最もお金になる資格や比較的取りやすく収入アップが期待できる資格などをランキング形式で紹介します。このほか仕事内容や平均年収、取得のメリット・デメリット、試験内容や取得難易度、取得に必要な勉強時間を解説するのでぜひ参考にしてください。
1 稼げる資格の平均年収ランキング ベスト30
学生、社会人や主夫・主婦などの方も実際の就職・転職の参考になれるように、年収の高さ、就職・転職での有利さや人気などからおすすめの資格を選び、平均年収の上位30位までをランキングにしました。
順位 |
資格名 |
平均年収 |
1位 |
医師 |
1232万円 |
2位 |
公認会計士 |
1042万円 |
3位 |
税理士 |
1042万円 |
4位 |
弁護士 |
1028万円 |
5位 |
不動産鑑定士 |
777万円 |
6位 |
歯科医師 |
757万円 |
7位 |
高等学校教員 |
662万円 |
8位 |
一級建築士 |
642万円 |
9位 |
中小企業診断士 |
600万円 |
10位 |
技術士 |
572万円 |
11位 |
応用情報技術者 |
550万円 |
12位 |
薬剤師 |
543万円 |
13位 |
社会保険労務士 |
526万円 |
14位 |
獣医師 |
525万円 |
15位 |
診療放射線・診療X線技師 |
503万円 |
16位 |
行政書士 |
500万円 |
17位 |
TOEIC(600点) |
500万円 |
18位 |
看護師 |
478万円 |
19位 |
測量技術者 |
476万円 |
20位 |
臨床検査技師 |
468万円 |
21位 |
簿記検定2級~ |
450万円 |
22位 |
宅建士 |
430万円 |
23位 |
歯科技工士 |
406万円 |
24位 |
理学療法士 |
404万円 |
25位 |
FP(ファイナンシャルプランナー) |
400万円 |
26位 |
ケアマネージャー |
377万円 |
27位 |
栄養士 |
345万円 |
28位 |
歯科衛生士 |
342万円 |
29位 |
保育士 |
342万円 |
30位 |
介護職員初任者研修 |
313万円 |
(返金年収は厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」(10人以上の企業規模)を参考。賃金構造基本統計調査にない資格については求人情報や資格該当者の多い企業の平均年収などをもとに算定。どちらも調査対象が限定されているため、平均年収はあくまで目安)
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2 各資格の紹介
稼げる30資格の仕事の内容、収入情報、試験など資格習得に関する情報です。
2-1 医師(国家資格)
①医師資格の概要
・仕事の内容
医師の仕事は、病院や診療所等で患者の治療やリハビリテーションなどを担う臨床医と、大学や研究機関等で基礎医学等の研究などを行う研究医の2つに大きく分かれます。
勤務先は、国公立・民間の病院等、個人開業医院、保健所、保健福祉センター、高齢者健康施設、行政機関、福祉関連施設、研究機関、企業などです。また、大学の教官や法医学者として活躍する方も少なくありません。
メリット |
・人の生命に関わる重要な仕事 ・社会的信用が高い ・独立開業で高額年収が期待できる |
デメリット |
・正規の医師になるまでに長時間を要する ・仕事がハードになるケースも少なくない ・医学系大学の入学が困難な上授業料も高い |
②収入情報
・平均年収
平均年収は1232万円(42.1歳)です。求人では年収1000万円以上の募集が多く見られます。
・最高年収
開業医になれば年収2000万円以上、最高1億円以上と最もお金になる資格となるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
医師免許の取得には、医学を履修できる大学で6年間学習した後医師国家試験に合格することが必要で、その後研修医として2年間の臨床研修を経て正式な医師になれます。
・難易度
医師試験の合格率は90%前後です。
・試験内容
医師試験では、臨床医学や公衆衛生など、医学関連科目の全領域が出題範囲になっています。
問題は臨床、一般、必修(臨床・一般)の3形式に分かれ400問題が出題されます。
・受験資格
医師試験の代表的な受験資格は次の2つです。
A 大学で医学の正規の課程を履修・卒業した者
B 医師国家試験予備試験の合格者で、合格後1年以上の診療および公衆衛生の実地訓練を行った者
・取得にかかる時間
5年生時や6年生前半から始める方が多いです。
2-2 公認会計士(国家資格)
①公認会計士資格の概要
・仕事の内容
公認会計士は、決算書の「監査証明」を主要な業務とする監査・会計の専門家です。監査業務以外では会計、税務や経営に関するコンサルティング等の業務に従事する方も少なくありません。
公認会計士試験の合格者の大部分は監査法人に勤務し、その後独立したり転職したりする方も多いです。一般企業や金融機関等に転職する方は会計・財務部門などを担当して活躍されています。
メリット |
・最も稼げる資格として期待できる ・転職や独立でも成功しやすい ・社会的信用も高い |
デメリット |
・試験対策に長時間の学習が必要 ・試験合格後の実務経験と実務補習が必要 |
②収入情報
・平均年収
平均年収は1042万円(40.7歳)です。ただし、この年収は税理士も含めた数字となります。求人サイトでは一般的に年収700万円~1000万円以上の募集が多く見られます。
・最高年収
大手監査法人等への勤務や監査法人の経営により年収2000~3000万円以上も夢ではありません。
③資格取得に関する情報
・取得方法
公認会計士試験に合格した後、監査法人等で2年以上の実務経験、原則3年間の実務補習およびその修了考査の合格が必要です。
・難易度
公認会計士試験の合格率:10%~11%程度
・試験内容
試験方式:短答式と論文式
短答式の試験科目は、財務会計論、管理会計論、監査論および企業法の4科目、論文式試験は会計学、監査論、租税法、企業法および選択科目(経営学、経済学、民法、統計学から1科目選択)の5科目です。
・受験資格
なし
・取得にかかる時間
3000時間以上
2-3 税理士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
個人や企業の所得税、法人税、消費税等に関する税務署への申告や納税手続の代行を行い、会計帳簿の記帳や決算書の作成、経理業務等の支援などを行っています。
税理士試験合格者は一般的に税理士法人・事務所などに勤務する方が多いですが、独立開業する方も少なくありません。
メリット |
・高収入が期待できる ・独占業務があり独立開業しやすい ・一般企業、役所、商店など活躍の場が広い |
デメリット |
・試験の難易度が高い ・独立の成功には営業努力も必要 |
②収入情報
・平均年収
平均年収は1042万円(40.7歳)で公認会計士と同じです。求人では年収600万円~1000万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
独立開業して成功すれば年収3000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
取得方法は、税理士試験の合格、弁護士や公認会計士の資格の保有、税務署勤務の3つがあります。
税理士試験合格者の場合2年以上の実務経験が必要です。
・難易度
税理士試験の合格率は科目で異なりますが、10~20%程度です。
・試験内容
試験科目は会計学科目(簿記論および財務諸表論)の2科目(必修)と、税法科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法または酒税法、国税徴収法、住民税または事業税、固定資産税)のうち受験者が選択する3科目になります。
科目合格制が採用されており科目単位の受験が可能です。合格科目が会計学の2科目と税法の3科目の計5科目に達した場合に税理士試験の合格者となります。
・受験資格
学識、資格、職歴に関して受験資格があり、その一つの要件を満たせば受験できます。
・取得にかかる時間
1000時間~2000時間以上
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2-4 弁護士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
弁護士は法律の専門家として依頼者からのトラブルに関する法律相談を受けその解決、法的手続やトラブルの予防などを支援しています。法律事務所や企業に所属して経験を積み独立して自分の法律事務所を開く方も多いです。
メリット |
・最も高いクラスの高収入が期待できる ・社会的信用が高い ・独立開業しやすい |
デメリット |
・試験難易度が高い ・取得までに時間とお金が多くかかる |
②収入情報
・平均年収
平均年収は1028万円(39.7歳)です。求人では年収800万円以上の募集が多く見られます。
・最高年収
法律事務所の経営で年収1億円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
司法試験の合格後に司法研修に1年従事しその修了試験に合格して弁護士資格が得られます。
・難易度
平成30年度の司法試験の合格率は、予備試験合格者が77.6%で、法科大学院では0%~59.3%です。
なお、予備試験の合格率は4%前後で推移しています。法科大学院への入学試験の競争倍率は各大学院で異なりますが2倍程度です。
・試験内容
試験方式は短答式と論文式による筆記試験となっています。
短答試験は憲法、民法、刑法の3科目で、論文試験は公法系科目、民事系科目、刑事系科目、選択科目(倒産法、租税法、知的財産法、労働法等から1科目選択)の4科目です。
・受験資格
法科大学院課程の修了あるいは司法試験予備試験の合格のどちらかです。
・取得にかかる時間
司法試験の合格までに必要な時間は8000時間~1万時間以上
2-5 不動産鑑定士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
不動産鑑定士は、地価公示、固定資産税標準宅地、公共用地の評価や会社合併時の資産評価などの不動産鑑定業務(独占業務)、不動産の取引価格水準や不動産担保価値の把握等のための調査・分析業務を行っています。
不動産の専門家として個人や企業などに不動産の有効活用、開発計画の立案などのコンサルティング業務に従事する方も少なくありません。
メリット |
・高収入が期待できる ・希少価値がある ・社会的信用がある |
デメリット |
・難易度が高い |
②収入情報
・平均年収
平均年収は777万円(48.0歳)です。求人では年収600万円~700万円の募集が多く見られます。
・最高年収
独立開業すれば年収1000万円~3000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
不動産鑑定士試験合格後の実務修習(1~2年)を受け、その修了考査に合格すれば不動産鑑定士と認定されます。
・難易度
短答式試験の合格率は30%程度、論文式試験は10~15%程度で、試験全体の合格率は4~5%程度です。
・試験内容
短答式試験では「不動産に関する行政法規」と「不動産鑑定評価に関する理論」について各40問出題されます。
論文式試験は、民法、経済学、会計学の問題と、不動産の鑑定評価の理論に関する論文問題と演習問題です。
・受験資格
短答式試験の受験資格はないですが、論文式試験では短答式試験の合格者および短答式試験免除者が対象者となります。
・取得にかかる時間
2000時間~5000時間以上
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2-6 歯科医師(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
歯科医師は歯に関する治療、保健指導や健康管理など行います。具体的な仕事は、虫歯の処置、入れ歯・詰め物・冠・差し歯などの製作および装着、歯並びの矯正、抜歯やインプラントなどの外科的治療などです。
メリット |
・高収入が期待できる ・社会的信用が高い |
デメリット |
・開業医間の競争が激しくなっている ・歯学部への入学が困難で授業料も高い |
②収入情報
・平均年収
平均年収は757万円(37.9歳)です。求人では年収600万円以上の募集が多く見られます。
・最高年収
勤務医でも年収1000万円以上期待でき、開業医で成功すれば3000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
歯科医師になるには、歯科大学や大学の歯学部での6年間の履修後歯科医師国家試験に合格して歯科医師免許を得る必要があるほか、免許取得後に指定の病院等で1年以上の臨床研修を修了しなければなりません。
・難易度
歯科医師試験の合格率は60~70%程度ですが、大学の歯学部等へ入学する際の競争率の高さが障壁になるでしょう。
・試験内容
歯科医師試験は、「臨床上必要な歯科医学および口腔衛生に関して、歯科医師として具有すべき知識および技能」について問われます。
・受験資格
大学の歯学部で正規の課程を修了した者や、歯科医師国家試験予備試験の合格者で合格後1年以上の診療および口腔衛生の実地修練を終了した者(見込みの者を含む)などになります。
・取得にかかる時間
歯科医師試験の対策については、大学の最終学年の春から対策に取りかかる方が多いです。
2-7 教員免許(高等学校教員等)(公的資格)
①資格の概要
・仕事の内容
中学・高校教師は各教科の授業のほか、ホームルーム、進路、クラブ活動等の指導や行事運営などを担っています。小学校教師は国語・算数などの各教科の学習や生活の指導などを行います。
メリット |
・児童や学生の教育や育成に貢献できる ・安定した収入が得られる ・社会的信用が高い |
デメリット |
・採用試験の競争が厳しい |
②収入情報
・平均年収
高等学校の教員の平均年収は662万円(42.6歳)ですが、小学校・中学校の教員はやや低くなります。なお、公立学校の教員は自治体により年収が異なります。
・最高年収
公立学校の校長になれば、年収1000万円以上も可能です。私立学校では公立以上の年収も期待できるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
教員になるには教員免許状を取得のうえ、自治体や私立学校が行う教員採用選考試験等に合格し採用されることが必要です。
・難易度
公立学校教員採用選考試験の競争率は、高校・中学が7.0倍、小学校:3.5倍程度です。
なお、民間企業等勤務経験者の割合は4~5%程度となっています。
・試験内容
公立学校の教員採用選考試験では教養・専門などの筆記試験と、面接、実技、作文・論文、模擬授業等の組み合わせで実施されます。
*特定の資格や経歴等の有資格者に対する特別選考あり
・受験資格
小学校教諭普通免許状、教科の中学校・高等学校教諭普通免許状、年齢等
・取得にかかる時間
大学生の場合、3年生の後半から採用試験対策を始める方が多く、日々の学習時間は3時間以上となります。
2-8 一級建築士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
建築士は建築物の設計や工事の監理を行う仕事で、建築士だけに限られる建築物の設計等の独占業務を有しています。一級建築士はすべての構造・規模・用途の建築物について設計・工事監理が可能です。
メリット |
・仕事のニーズが多い ・独立開業も可能 ・サイドビジネスでの収入も期待できる |
デメリット |
・難易度が高く実務経験も必要 ・デザイン性や安全性など仕事がハード |
②収入情報
・平均年収
平均年収は642万円(50.6歳)です。求人では年収500万円以上の募集が多く見られます。
・最高年収
大手ゼネコンなどでは年収1000万円以上も可能です。設計事務所などを経営して成功すれば2000~3000万円以上の高額収入も期待できるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
一級建築士の免許証は、一級建築士試験に合格後、国土交通大臣が管理する名簿に登録されると交付されます。
・難易度
一級建築士試験の合格率
学科試験:16%~19%程度
設計製図試験:40%前後
総合の合格率:10%~13%程度
・試験内容
試験科目は学科と設計製図の試験に分かれます。学科試験(四肢択一式)は計画、環境・設備、法規、構造、施工の5つで、設計製図の試験は事前に公表された課題の建築物についての設計図書の作成です。
・受験資格
建築に関する学歴または資格等に応じた建築実務の経験年数が定められています。
たとえば、大学で指定の科目を履修した者は2年以上の実務経験が必要です。二級建築士の場合は二級建築士としての実務経験が4年以上となっています。
・取得にかかる時間
資格の学校などでの一級建築士試験対策の学習期間は10カ月~16カ月程度です。学習時間は1000時間~1500時間程度と想定されます。
2-9 中小企業診断士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
中小企業診断士は中小企業等に経営診断・助言を行う経営の専門家です。独立した経営コンサルタントや企業内診断士として公的支援事業や民間企業等への経営支援等に従事しています。
メリット |
・比較的高収入が期待できる ・幅広い業務で役立つ ・独立開業が可能 |
デメリット |
・独占業務がない ・税理士等より知名度が低い |
②収入情報
・平均年収
平均年収は推定で600万円程度です。経営コンサルティング会社などでは400万円~700万円の求人が多く見られます。
・最高年収
独立開業した場合、年収800万円以上~1000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
中小企業診断士1次・2次試験の合格後、実務補修を修了(または診断実務の従事)する、もしくは1次試験合格後登録養成機関等の養成課程を修了する必要があります。
・難易度(合格率)
1次試験:20%~25%程度
2次試験:19%前後
・試験内容
1次試験(択一式):
経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目
2次試験(筆記と口述):
筆記試験は「中小企業の診断および助言に関する実務の事例」が4題、口述試験は筆記試験問題を中心に経営診断等に必要な知識が質問されます。
・受験資格
なし
・取得にかかる時間
1000時間~1500時間程度
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労務コンサルタントとはどのような存在なのか?必要な資格を含めて紹介
2-10 技術士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
技術士は、国内の産業経済や社会生活の科学技術に関する多様な分野で技術コンサルタントとして活躍しています。主な仕事は、高度で専門的な知識等を必要とする科学技術に関する計画、研究、設計、分析、試験、評価などの業務です。
なお、技術士の多くはコンサルタント会社の建設部門に勤務し、その後独立する方もいます。
メリット |
・所属企業の公共工事評価が良くなる ・建設コンサルタント企業で重要視される ・他の資格試験で一部や全部免除が受けられる |
デメリット |
・独占業務がほとんどない ・活用の範囲があまり広くない |
②収入情報
・平均年収
平均年収は642万円(43.1歳)です。求人では年収500万円~1000万円程度の募集が多くみられます。
・最高年収
大手建設コンサルタント会社等では年収800万円~1000万円、独立開業で1000万円以上が期待できるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
技術士1次試験合格者または技術士補となり、技術士2次試験に合格して登録すれば技術士となれます。
・難易度
1次試験と2次試験を合わせた最終合格率は15%前後です。
・試験内容
1次試験(五肢択一):基礎科目、適正科目と専門科目(20技術部門の中から1技術部門を選択)
2次試験は、筆記および口頭の方法で実施され、口頭試験は筆記試験合格者が対象となります。筆記試験は、21技術部門の中から事前に選択した1技術部門に対応する「必須科目」と、各技術部門に設定された「選択科目」の中から事前に選択した「選択科目」で実施されます。
口頭試験の内容は筆記試験の答案や業務経歴などを参考に実施され、技術士としての適格性が重視されます。
・受験資格
1次試験の受験資格はありません。2次試験の受験資格は、1次試験の合格者(技術士補となる資格)およびそれと同等と認められることとなっています。加えて4年または7年超の実務経験も必要です。
・取得にかかる時間
500時間~2000時間以上
2-11 応用情報技術者(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
応用情報技術者は、情報システム開発業務において内部設計書やプログラム設計書の作成、プログラム開発、テストまでの一連のプロセス等の業務に従事しています。
メリット |
・IT系の就職や転職で有利になる ・他の資格の試験科目の一部が免除される ・難易度が比較的低い |
デメリット |
・高収入を得るにはより高度で専門的な資格が必要 |
②収入情報
・平均年収
平均年収550万円はシステムエンジニア全体の数字ですが、応用情報技術者も同程度と考えられます。求人では500万円~600万円程度の募集が多いです。
・最高年収
年収700万円以上も可能ですが、1000万円を目指す場合、さらに高度で専門性の高い資格を取得したほうがよいでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
応用情報技術者試験での合格
・難易度
応用情報技術者試験の合格率は20%前後
・試験内容
試験方式は多肢選択式(四肢択一)と記述式です。
問題は、テクノロジ系(プログラミング、コンピューター構成要素、ソフトウェア等)、マネジメント系(プロジェクトマネジメント等)、ストラテジ系(システム戦略や経営戦略等)に関して出題されます。
記述試験には上記の範囲に加え情報セキュリティが含まれます。
・受験資格
なし
・取得にかかる時間
基本情報技術者レベルの場合は200~300時間程度、初学者等のレベルの場合は500時間以上
2-12 薬剤師(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
薬剤師は薬剤師法によって規定された医薬品に関する専門家で、主に薬局や病院等に勤務し医師が出す処方箋に従って調剤や服薬の説明・指導などを行います。
メリット |
・就職や転職がしやすい ・薬局としての開業も可能 ・家庭と仕事の両立が図りやすい |
デメリット |
・薬系大学に6年通う必要があり学費も高い ・退職後の実務復帰には一定の準備が必要 |
②収入情報
・平均年収
平均年収は543万円(39.9歳)です。ドラッグストアでは500万円~700万円、製薬企業等では700円~1200万円、病院では400万円~800万円、調剤薬局では400万円~700万円程度の年収が想定されます。
・最高年収
年収1000万円以上も可能ですが、治験・開発分野、MR分野などの経験の有無がポイントになるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
薬剤師国家試験の合格と国の薬剤師名簿への登録
・難易度
薬剤師試験の合格率は60%~70%程度です。
なお、薬系大学の入試の競争倍率は約6倍ですが、上位では15倍~19倍にもなります。
・試験内容
薬剤師試験の問題は、必須問題、一般問題、実践問題の3タイプがあり、各問題の科目は物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務からなります。
・受験資格
大学での薬学の正規の6年生課程の履修
・取得にかかる時間
薬剤師試験の4カ月前からの準備、500時間程度の準備が多く見られます。
2-13 社会保険労務士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
社会保険労務士の仕事は、労働社会保険に関する申請書等の作成や給付等の手続、社会保険に関する相談・指導などです。最近では企業等に対する人事・労務問題の改善などのコンサルティング業務を行う社会保険労務士もいます。
メリット |
・社会保険労務士の知識が企業内の業務や暮らしの中で役立つ ・就職や転職で有利になる ・独立開業もしやすい |
デメリット |
・難易度が高い割に高収入につながらないこともある ・独立開業での成功は容易とは言えない |
②収入情報
・平均年収
平均年収は526万円(44.9歳)です。求人では400万円~500万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
独立開業により1000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験の合格後、社会保険労務士連合会の社会保険労務士名簿への登録(実務経験2年以上または事務指定講習の修了が必要)が必要です。
・難易度
社会保険労務士試験の合格率は9%~10%程度です。
・試験内容
試験方式は選択式試験と択一式試験です。
試験科目は、労働基準法・労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法です。
・受験資格
受験資格は、学歴、実務経験、厚生労働大臣の認めた国家試験合格者の3つです。
学歴:大学や短期大学の卒業等
実務経験:一定の法人での3年以上の実務従事等
国家試験:司法試験予備試験合格者等
・取得にかかる時間
800時間~1500時間程度
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2-14 獣医師(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
獣医師はペットなどの小動物の診療、牧場等の家畜や動物園・水族館等の生き物の健康管理、製薬会社の研究開発などに携わっています。獣医師の勤務形態としては、動物病院の経営や勤務医、動物園等の職員、民間企業の社員や自治体の公務員などです。
メリット |
・獣医師が不足傾向にあり就職先の需要が多い ・動物病院の独立開業が可能 |
デメリット |
・大学入試の競争率が高く学費も安くない ・ハードな仕事も多い |
②収入情報
・平均年収
平均年収は525万円(37.9歳)です。求人では年収450万円~600万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
大きな動物病院の勤務医や独立開業で成功すれば年収1000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
大学で獣医学の課程を履修・卒業(6年間)した者等が獣医師国家試験に合格することで獣医師免許が受けられます。
・難易度
獣医師試験の合格率は75%~90%程度です。
なお、大学の獣医学部の入試競争倍率は、国公立で約5倍、私立が6倍~10倍程度と難関です。
・試験内容
獣医師試験は筆記による多肢選択方式で実施されます。
試験内容は必須問題試験、学説試験、実地試験の3つで、獣医療と獣医学の基本的事項、衛生学、獣医学の臨床的事項などが出題されます。
・受験資格
大学(短期大学を除く)で獣医学の正規課程を履修・卒業した者
・取得にかかる時間
獣医師試験の準備時間は600時間~1000時間程度と推察されます。
2-15 診療放射線技師(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
診療放射線技師は医師や歯科医の指示を受けて放射線検査等を担当します。具体的な仕事は、X線検査、CTやMRI等の画像検査のほか、心筋梗塞、脳血管障害等での血管内治療やがんへの放射線治療等です。また、乳がん検診やマンモグラフィ検査なども行っています。
勤務先は病院等の医療機関のほか、医療機器・放射線機器のメーカー、電力会社などの企業です。
メリット |
・医療技術や機器の高度化に伴うニーズの拡大 ・社会的信用もある |
デメリット |
・独立開業は容易でない ・勤務先による処遇や職場の環境に差が生じやすい |
②収入情報
・平均年収
診療放射線技師(診療X線技師を含む)の平均年収は503万円(38.1歳)です。病院等の求人では年収350万円~500万円、医療機器メーカー等では600万円までといった募集が多く見られます。
・最高年収
外資系の医療機器メーカーなどでは年収1000万円以上も期待できるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
養成学校または大学の診療放射線学科での履修・卒業および診療放射線技師国家試験での合格
・難易度
診療放射線技師試験の合格率は75%~85%程度です。
・試験内容
試験科目は、基礎医学、放射線生物学、放射線物理学、放射化学、医用工学、診療画像機器学、X線撮影技術学、診療画像検査学などの14科目です。
試験方式は、五肢択一あるいは五肢択二です。
・受験資格
養成学校で3年あるいは大学の診療放射線学科で4年(短期大学は3年)の履修・卒業等
・取得にかかる時間
学校等の最終学年の少し前か、直後から受験対策を始める方が多く見られます。
2-16 行政書士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
行政書士は行政手続の専門家として、官公署等への許認可等の申請書類の作成・提出手続の代理、遺言書等の権利義務関係、内容証明や契約書の作成、行政不服申立手続等の代理などの業務に従事しています。
メリット |
・法律系資格では比較的取得しやすい ・就職や転職で有利になる ・独立開業もしやすい |
デメリット |
・ライバルが多い(同業者および弁護士等) ・専門性が低く独占業務が他の資格でも可能 |
②収入情報
・平均年収
平均年収は推定で500万円程度です。求人では年収400万円~600万円などの募集が多くみられます。
・最高年収
独立で成功すれば年収1000万円、2000万円以上も夢ではありません。
③資格取得に関する情報
・取得方法
行政書士試験での合格、もしくは弁護士や税理士等の資格の保有
・難易度
平成29年以前の直近の合格率は8%~16%程度です。
・試験内容
試験科目は、憲法、民法、行政法、商法(会社法)、基礎法学および政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解です。
試験方式は、多肢選択式と記述式からなります。
・受験資格
なし
・取得にかかる時間
500時間~800時間程度
2-17 TOEIC(600点)
①資格の概要
・仕事の内容
TOEICは英語のコミュニケーション能力を計る世界共通のテストです。点数が求人での採用条件になることがあります。
TOEICの点数が求められる業種・職種等は、海外展開している企業、その海外・国際部、営業部、海外赴任者・技術者のほか、外国人客の多い宿泊・飲食業、旅行業、空港関連事業、英語教育サービス業や教材制作業などです。
メリット |
・就職や転職で有利になる ・点数が高くなるほど収入アップが期待できる ・海外旅行で役立つ |
デメリット |
・L&Rの点数が高くても英会話ができるとは限らない ・政治、経済、文化等の分野の英語力は判定されにくい |
②収入情報
・平均年収
TOEICの600点程度の場合、年収は500万円程度となります。
・最高年収
TOEIC800点以上では年収1000万円も不可能ではありません。
③資格取得に関する情報
・取得方法
テストを受けてスコアを出すだけになります。
TOEICのテストにはL&RとS&Wがあり、前者はリスニングとリーディング、後者はスピーキングとライティングのテストです。受験者は前者が約250万人で後者が約3.8万人です。
・難易度
TOEIC600点の場合、英検の2級程度と評価されるケースがあります。
・試験内容
L&Rの試験方法はマークシートによる多肢選択式で、リスニングが約45分間・100問、リーディングが75分間・100問となっています。
・受験資格
なし
・取得にかかる時間
TOEIC300点レベルの者が800点以上を狙う場合は約1200時間、400点レベルの場合は約950時間必要とされています。
2-18 看護師(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
看護師は医療・看護に関する知識や技術を得て患者の診療やケアの介助を行います。勤務先は病院・診療所のほか、保健所、介護福祉施設、市町村保健センターなどです。
大病院の場合、勤務場所が外来、病棟、手術室などに分かれ、担当業務も異なります。外科や内科などは人の生死に直面することも多いですが、耳鼻咽喉科や美容外科等は少ないでしょう。
メリット |
・人手不足の傾向にありニーズは多い ・残業や夜勤などにより収入が多くなる |
デメリット |
・休日出勤、夜勤、残業が多くなると疲労の蓄積も大きい ・勤務形態により家事や子育ての両立が難しくなる |
②収入情報
・平均年収
平均年収は478万円(39.3歳)です。求人では年収350万円~500万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
病院の副院長になったり、訪問看護ステーションを開業したりすれば年収1000万円以上も可能でしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
看護学校や看護系学科の大学の卒業および看護師国家試験での合格
・難易度
看護師試験の合格率は90%前後です。
・試験内容
試験科目は、人体の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学などです。
・受験資格
大学や3年制短大の看護系学科、病院・大学の医学部に付属する3年制看護学校などで履修・卒業すれば受験資格が得られます。
・取得にかかる時間
学校の授業と並行した受験対策で、平日3時間、休日5~6時間程度学習する方が多いです。
2-19 測量士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
測量士(測量技術者)の主な仕事は、公共等の建設や土木の工事が実施される土地に対して位置・距離・面積を測量することです。測量業者には測量士の資格保有者の配置が義務付けられており、建設・土木関連業界では不可欠な存在になっています。
メリット |
・測量士試験を受けなくても資格取得が可能 ・測量士試験合格者は短期間で資格取得が可能 ・独占業務(公共事業)があり、独立開業も可能 |
デメリット |
・屋外作業で正確さが要求されるというハードさがある |
②収入情報
・平均年収
平均年収は476万円(44.1歳)です。求人では300万円~600万円といった募集が多く見られます。
・最高年収
独立して成功すれば年収1000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
測量が学べる学校の卒業および一定の実務経験を有する、もしくは国土地理院の測量士試験に合格することで資格が得られます(国土地理院への登録が必要)。
・難易度
測量士試験の合格率は10~11%程度ですが、年度により5~9%と厳しくなることもあります。
・試験内容
試験科目は、測量法規・その国際条約、多角測量、汎地球測位システム測量、水準測量、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量、地理情報システムです。
試験方式は筆記試験で、択一式と記述式になります。
・受験資格
なし
・取得にかかる時間
100時間~200時間程度
2-20 臨床検査技師
①資格の概要
・仕事の内容
臨床検査技師は医師の指示に基づき患者の血液、尿、便、脳波などの検査を行います。血液・尿等から病気の原因を探し出すなどの検体検査と、脳波検査、心電図検査、心音図検査などの生体検査が主な臨床検査技師の仕事です。
臨床検査技師の勤務先は病院や診療所等のほか、検査センター、警察の科学捜査部門、自治体等の衛生研究所、医療関連企業の研究室等になります。
メリット |
・専門性が高く業務も広いためやりがいがある ・一般的に残業が少ない |
デメリット |
・報酬が高いとはいえない ・病院内での立場は強くない |
②収入情報
・平均年収
平均年収は468万円(39.0歳)です。求人では年収350万円~500万円が多く、外資系企業などであ500万円~700万円の募集も見られます。
・最高年収
大病院の技師長などの役職に就けば年収1000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
大学や専門学校などの養成機関おける臨床検査に関する課程の履修・卒業および臨床検査技師国家試験での合格
・難易度
臨床検査技師試験の合格率は80%前後です。
・試験内容
試験科目は、医用工学概論、公衆衛生学、臨床検査医学総論、臨床検査総論、病理組織細胞学、臨床生理学、臨床化学、臨床血液学、臨床微生物学および臨床免疫学になります。
試験方式は、五肢択一あるいは五肢択二です。
・受験資格
受験資格は大学や短大の臨床検査学科、臨床検査を学ぶ専門学校の養成課程、養成所での履修・卒業が必要です(獣医学系・薬学系学部で必要な科目を履修・卒業した場合なども可能)。
・取得にかかる時間
試験対策は学校等での最終学年の夏休み頃から始める方が多いです。
2-21 簿記検定2級~(公的資格)
①資格の概要
・仕事の内容
簿記は企業会計の基本ルールであるため簿記の知識は企業の経理・会計業務では必須であり、簿記資格の保有は経理職だけでなく経営者や営業職などビジネスに携わる者すべてに役立ちます。
一般的に簿記検定2級以上の資格を有する方などは経理部門に配属され日々の経理処理から決算業務まで幅広く担当しています。
メリット |
・就職や転職、業務で役立つ ・他の資格取得に役立つ ・独立の際に経営面で役立つ |
デメリット |
・特にない |
②収入情報
・平均年収
日商簿記検定2級以上の場合、年収は450万円程度可能と推察されます。簿記2級以上を要求する経理職等での求人では350万円~500万円程度の募集が多く見られます。簿記3級の場合は2級よりも低くなるケースが多いです。
・最高年収
簿記1級なら大企業等で年収1000万円以上も夢ではありません。
③資格取得に関する情報
・取得方法
簿記検定には日商簿記(主催は日本商工会議所)、全経簿記(全国経理教育協会)、全商簿記(全国商業高等学校協会)などの種類があります。各々1級、2級、3級などの等級があり、数が少ない等級ほど上級です。
各等級の取得(認定)は簿記検定試験に合格することで得られます。
・難易度
日商簿記の合格率:
1級;大体8%~11%。時折5%台や14%台といったバラツキが見られます。
2級;10%台~40%台とバラツキが大きいです。
3級;30%台~40%台です。
・試験内容
各等級で内容が異なります。日商簿記検定の場合は下記の通りです。
1級:高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算
2級:商業簿記・工業簿記(原価計算含む)
3級:商業簿記
・受験資格
日商簿記の場合、等級にかかわらず受験資格はありません。また、複数の級の併願受験も可能です。
・取得にかかる時間
簿記の初学者の場合、日商簿記2級なら150~200時間程度必要と見られています。
2-22 宅地建物取引士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
宅地建物取引士(通称「宅建士」)は建物や土地に関する専門知識を活用して、不動産を取得する人に重要事項の説明を行うなど宅地建物取引業に関わる様々な業務をこなします。
勤務先は、不動産関連企業(住宅メーカー、建築、管理等)、金融機関、駐車場関連企業、その他一般企業などです。
メリット |
・就職や転職で有利になる ・不動産屋としての独立も可能 ・個人の生活で役立つ |
デメリット |
・実務経験がないと宅建実務研修が必要となり費用がかかる |
②収入情報
・平均年収
宅建士の平均年収(推定)は430万円程度です。不動産関連の求人では350万円~500万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
外資系金融企業などの場合、年収1000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
宅建士になるには宅建士試験に合格し、試験を実施した都道府県知事から宅建士の登録を受け宅地建物取引士証の交付を受けねばなりません。なお、登録を受けるためには実務経験2年以上もしくは宅建実務研修の受講修了が必要です。
・難易度
宅建士試験の合格率は15%程度です。
・試験内容
試験の出題内容は次の通りです。
土地の形質、地積、地目および種別、建物の形質、構造および種別
土地および建物に関する権利等、法令等
宅地および建物に関する税法、需給(法令)、実務、価格の評価
宅地建物取引業法等
試験方式は50問・四肢択一式による筆記試験になります。
・受験資格
なし
・取得にかかる時間
100時間~300時間程度(宅建実務研修を除く)
2-23 歯科技工士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
歯科技工士は、歯科医療の技術専門職として歯科医師の指示書に基づき、入れ歯、歯の被せ物・詰め物、矯正装置などの制作・加工・修理を行います。
勤務先は歯科技工所、歯科医院、病院、歯科器材・材料関連企業、歯科技工士教育機関などで、海外で活躍する歯科技工士もいます。
メリット |
・人の健康に貢献できる ・独立開業も可能 ・高齢化の進展でニーズが増える |
デメリット |
・就業環境が良くない勤務先もある ・開業コストが多くかかる |
②収入情報
・平均年収
平均年収は406万円(40.1歳)です。求人では350万円~500万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
独立開業して成功すれば年収2000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
歯科技工士国家試験の合格および指定登録機関での登録
・難易度
歯科技工士試験の合格率は90%台後半です。
・試験内容
試験の内容は学説試験と実地試験の2種類です。
学説試験:歯科理工学、歯の解剖学、顎口腔機能学、有床義歯技工学、歯冠修復技工学、矯正歯科技工学、小児歯科技工学および関係法規
実地試験:歯科技工実技
・受験資格
指定の大学や専門学校等の歯科技工士教育機関での履修・卒業等
・取得にかかる時間
各教育機関での受験対策等を着実にこなすだけの時間が必要です。
2-24 理学療法士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
理学療法士は病気、ケガ、高齢、障害などで運動機能が低下した患者に、運動機能の維持・改善のために運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を通じて治療します。
勤務先は、病院、介護・福祉施設、教育・研究機関、スポーツ・フィットネス関連企業、健康器具関連企業などです。
メリット |
・介護分野などでの需要増が期待できる ・人の健康に役立つ ・退職後のパートやアルバイトの求人も多い |
デメリット |
・治療効果を上げる技術の向上が求められる ・患者等との人間関係の構築・維持が難しいケースもある |
②収入情報
・平均年収
作業療法士を含む平均年収は404万円(32.7歳)です。求人では年収300万円~500万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
大病院や医療機器企業等の管理職、養成学校の教員なら年収700万円以上、大学等の教授クラスになれば年収1000万円以上も期待できるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
理学療法士の養成学校(大学・短大・専門学校・特別支援学校)での3年以上の履修・卒業後、理学療法士国家試験に合格すれば理学療法士免許が取得できます。
・難易度
理学療法士試験の合格率は大体80%以上です。
・試験内容
試験内容は、一般問題と実地問題(重度の視力障がい者は口述試験および実技試験)になります。
一般問題:解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学等
実地問題:運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学等
試験方式は、五肢択一あるいは五肢択二です。
・受験資格
指定の学校または理学療法士養成施設での3年以上の履修および卒業(卒業見込み含む)など
・取得にかかる時間
学校等での受験対策に着実に取り組めば合格は可能です。
2-25 ファイナンシャルプランナー(FP)(国家資格と民間資格)
①資格の概要
・仕事の内容
FPは個人の生活に関連したお金に関する知識を身に着け、家計の改善、マイホームの資金、住宅ローン、老後の生活設計、保険の選定、教育資金、相続・節税対策、などの助言や相談などを行います。
勤務先は、銀行や証券会社などの金融機関や保険会社などのほか、独立開業という道もあります。
メリット |
・就職や転職で有利になる ・独立開業が可能 ・個人の暮らしに役立つ |
デメリット |
・継続した知識の維持や向上が必要 ・独占業務がない |
②収入情報
・平均年収
平均年収は400万円(推定)程度です。求人では300万円~600万円といった募集が多く、FP技能検定2級(2級FP技能士)以上で高額年収が狙えるでしょう。
・最高年収
外資系金融機関での勤務や独立開業して成功すれば年収1000万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
FP資格には、国家資格のFP技能士と民間資格(日本ファイナンシャルプランナーズ協会)のAFP・CFPがあり、各々の認定試験で合格すれば資格が取得できます。
・難易度
FP技能士の合格率は下記の通りです。
|
学科試験 |
実技試験 |
3級 |
60~80% |
約90% |
2級 |
30%~50% |
30%~50% |
1級 |
10%~15% |
80%台 |
・試験内容
FP技能検定は1級、2級、3級に分かれており、各等級とも学科試験と実技試験があります。
試験科目はライフプランニング、リスク管理、金融資産運用などの6分野です。
・受験資格
FP技能検定の場合は各等級により要件が異なり、たとえば2級の場合は次のようになります。
3級技能検定の合格者
FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
AFP認定研修を修了した者
・取得にかかる時間
FP2級は150~300時間程度、FP3級は50~150時間程度です。
2-26 ケアマネージャー(公的資格)
①資格の概要
・仕事の内容
ケアマネージャーの正式名称は「介護支援専門員」で、介護を要する人や家族の相談に応じて要介護認定の審査手続、介護計画の作成、サービスの評価・見直し・調整(介護施設・業者等との調整)などを行います。
勤務先は、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、特別養護老人ホーム、介護療養医療施設、介護老人保健施設などです。
メリット |
・介護が必要な方の役に立つ ・デスクワークが多く肉体的な疲労は少なくい ・介護支援職員より報酬が高い |
デメリット |
・受験までに5年以上の実務経験が必要 ・特定の分野に従事しないと取得が困難 |
②収入情報
・平均年収
平均年収は377万円(48.0歳)です。求人では年収300万円~450万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
主任ケアマネージャーになる、他の資格を保有する、報酬のよい有料老人ホーム等に転職するなどにより年収500万円~600万円程度が期待できるでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
「介護支援専門員実務研修受講試験」での合格と実務研修の修了
・難易度
介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は大体15~25%です。
・試験内容
上記試験の内容は、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野の2つです。
前者の出題分野は、介護保険制度、要介護認定等、居宅・施設サービス計画の基礎知識になります。
後者は、保健医療サービスの知識等の基礎と総合、福祉サービスの知識等です。
・受験資格
介護支援専門員実務研修受講試験の資格要件は2種類あります。1つは医療・福祉系国家資格保有者でその実務経験が5年以上の者(900日以上の実務日数)、2つ目は生活相談員等でその相談援助業務の実務を5年以上有する者(900日以上の実務日数)です。
・取得にかかる時間
100時間程度
2-27 (管理)栄養士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
栄養士は給食会社や学校などで主に健康な人を対象にした栄養指導や給食運営に従事します。管理栄養士は病院などで患者に適した給食管理や給食施設への栄養改善指導などを行います。
管理栄養士の勤務先は大学病院、総合病院や福祉施設のほか、学校などの教育機関、食品関連企業、医療・スポーツ関連企業や給食関連企業などになり栄養士以上に広範囲です。
メリット |
・パートやアルバイトの求人が多い ・人の健康に貢献できる ・独立開業も可能 |
デメリット |
・年収が高いとはいえない |
②収入情報
・平均年収
栄養士の平均年収は345万円(35.0歳)です。求人では250万円~400万円程度の募集が多く見られます。管理栄養士の平均年収は栄養士よりも高額の350万円~500万円程度期待できるでしょう。
・最高年収
栄養士の場合は勤務先によっては年収500万円程度が可能ですが、それ以上を目指す場合は管理栄養士になる方が可能性は高くなります。
③資格取得に関する情報
・取得方法
栄養士免許は栄養士養成施設での履修・卒業により公的試験なしで都道府県知事から与えられます。
管理栄養士になるには栄養士免許を取得後、管理栄養士国家試験に合格しなければなりません。
・難易度
管理栄養士試験の合格率は40~55%程度です。なお、管理栄養士養成施設の新卒者の合格率は80~90%台となっています。
・試験内容
管理栄養士試験の試験方法は多肢選択式で、試験科目は次のとおりです。
社会・環境と健康
人体の構造と機能および疾病の成り立ち
食べ物と健康
基礎栄養学
応用栄養学
栄養教育論
臨床栄養学
公衆栄養学
給食経営管理論
・受験資格(管理栄養士試験)
A 一定の修業年限の栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後、栄養指導に一定期間従事することが必要です。
修業年限が2年の場合、実務経験3年以上
修業年限が3年の場合、実務経験2年以上
修業年限が4年の場合、実務経験1年以上
B 4年の修業年限の管理栄養士養成施設の場合は卒業して栄養士の免許を受ける必要があります(卒業見込みを含む)
・取得にかかる時間
300時間~700時間程度
2-28 歯科衛生士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
歯科衛生士は、歯・口腔の疾患の予防処置および保健指導、歯科医の診療の補助などを行います。
勤務先は歯科医院や病院のほか、幼稚園・学校などの教育機関、介護老人保健施設、企業、保健所や保健センターなどです。
メリット |
・就職先が多く離職しても再就職しやすい ・活動の範囲が広い ・高齢者での口腔ケアニーズが期待できる |
デメリット |
・人間関係の構築・維持が難しいこともある ・資格取得には養成機関での履修が必要 |
②収入情報
・平均年収
平均年収は342万円(35.1歳)です。求人では年収300万円~450万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
勤務先によっては年収500万円以上が可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
歯科衛生士養成機関での履修・卒業後、歯科衛生士国家試験に合格し登録することで歯科衛生士免許証が得られます。
・難易度
歯科衛生士試験の合格率は大体90%台です。
・試験内容
試験内容は、人体の構造と機能、歯・口腔の構造と機能、疾病の成り立ちおよび回復過程の促進、歯科衛生士概論、臨床歯科医学などです。
試験方式は筆記試験で多肢選択式・マークシートになります。
・受験資格
専門学校、短期大学、大学の歯科衛生士養成機関での履修および卒業
・取得にかかる時間
養成機関の最終学年の夏頃から本格的に受験対策する方が多いです。
2-29 保育士(国家資格)
①資格の概要
・仕事の内容
保育士は乳児から小学校就学までの幼児の保育を担い、生活全般の世話とともに食事、睡眠、排せつ、衣類の着替えなど生活に必要な行為・方法等も指導します。
勤務先は保育所のほか、知的障害児通園施設、盲ろう児施設、母子生活支援施設、児童養護施設、児童家庭支援センターなどと広範囲です。ほかにも認可外保育施設や民間企業での勤務も少なくありません。
メリット |
・再就職や副業で役立つ ・就職先が広範囲である |
デメリット |
・給料は高いとは言えない ・モンスターペアレントと接することもある |
②収入情報
・平均年収
平均年収は342万円程度です。求人では250万円~400万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
勤務先によっては年収500万円以上も可能です。
③資格取得に関する情報
・取得方法
取得方法は2つあり、1つは指定の保育士養成学校等で履修・卒業すること、2つ目は保育士試験に合格することです。
・難易度
保育士試験の合格率は大体20%前後です。
・試験内容
保育士試験では筆記試験と実技試験が実施され、実技試験は筆記試験の合格した者に対して行われます。
筆記試験科目は9科目で、保育原理、教育原理、社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論です。
実技試験は保育実習実技になります。
・受験資格
受験資格は以下のようになっています。
大学・短期大学・修業2年以上の専門学校の卒業者
平成8年3月31日以前の高校の保育科の卒業者
高校卒業者で一定期間以上の児童福祉施設等での勤務経験を有する者
・取得にかかる時間
保育士試験の合格に必要な時間は100時間~500時間程度です。
2-30 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
①資格の概要
・仕事の内容
介護職員初任者研修資格は、介護保険法に基づく訪問介護等(施設でも可能)を担う専門職で、資格保有者は社会福祉法人、医療法人、NPO、民間企業等で運営される事業所に勤務しています。
具体的な仕事は、介護が必要な方の家や施設での身体介護(食事・入浴・排泄等の支援)、移動介助(外出支援等)や生活援助(調理、洗濯、買い物等の援助・代行)などです。
メリット |
・就職先が幅広くニーズも多い ・家族の介護に役立つ ・資格取得が容易 |
デメリット |
・給料が高いとはいえない ・仕事がハードで労働環境が悪いケースもある |
②収入情報
・平均年収
平均年収は313万円(46.9歳)です。求人では年収300万円程度の募集が多く見られます。
・最高年収
年収500万円程度が上限とみられ、より高収入を求める場合は上級の「実務研修」や「介護福祉士」(国家資格)の資格取得を目指すとよいでしょう。
③資格取得に関する情報
・取得方法
研修機関等での「介護職員初任者研修課程」の受講およびその修了試験での合格
・難易度
修了試験の難易度は、研修に出席し適切に学習していれば合格が難しくないレベルです。
・研修内容
研修の受講科目は、人間の尊厳と自立、社会の理解、介護の基本、生活支援技術や認知症の理解等の9科目で、研修時間は130時間となっています。
修了試験は筆記試験(選択式・記述式)で行われ、問題数は32問以上、試験時間は約1時間です。
・受験資格
在宅や施設に関わらず介護業務に従事しようとする者が対象です。
・取得にかかる時間
研修は1.5カ月~4カ月程度です。
3 資格取得での注意すべき重要ポイント
稼げる資格も取得してそれを利用することで初めて資格の価値が高まりますが、資格取得に関する注意点を解説します。
3-1 資格試験の学習方法とは
①合格できる学習方法の実施
資格試験には各々特徴があるため、その点を踏まえた対策が合格する上で欠かせません。
試験範囲のテーマ・領域をまんべんなく出題する試験もあれば、一定の領域に偏って出題する試験もあります。また、過去の問題に類似した問題を頻出したり、一定のパターンで出題したりするケースも少なくないです。
このように各資格試験には特徴があることが多く、それに合わせた受験対策をしないと合格点に届かない非効率な学習になりかねません。
特に試験範囲が広く多大な学習量を求められる難関資格については、合格できるポイントを押さえた対策が不可欠です。そのため受験者が合格のための勉強方法を研究する、対策が万全な資格の学校などの受験対策講座等を利用することなどが求められます。
②適切な学習計画と実施
資格の合格にはそれに必要な一定の学習量が求められるため、計画的な学習と実施が欠かせません。
いかに合格のポイントを抑えた学習方法を行うにしてもスタートする時期が遅かったり、学習を怠けたりしては合格が難しくなります。合格の実現には効率的に学習することともに適切な時期からコツコツ取り組む努力が重要です。
自分で計画的な受験対策を行いにくい方は対策講座の受講を利用するのもよいでしょう。対策講座のスケジュールに合わせて学習量を確保できれば、効率的な受験対策も実行しやすくなるはずです。
3-2 資格を活用することが「お金になる」
稼げる資格も利用して初めて価値を生み出すため、仕事や生活で大いに活用しましょう。
資格取得そのものが社会的な信用に結び付き、住宅ローンやクレジットカードの審査で有利になるといったメリットも得られることもありますが、利用しないとお金や仕事には結び付けません。
資格取得後はそれを利用した就職・転職を試みる、勤務先では資格に関連する業務への異動を申し出る、資産形成・介護など暮らしに役立てる、といったことに挑戦してみましょう。
資格を上手く活用すれば今よりももっと収入が増え、生活がより豊かになる可能性が高まるはずです。
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