ホウレンソウ活用で上司は部下のマネジメントがうまくなる
- そもそも「報・連・相」はなぜ必要なのか。
- 「報・連・相」を部下に徹底させる秘訣は習慣化と話しやすい環境にあり
- 会社独自の「報・連・相」ルールを確立しよう!
部下をマネジメントする際に重要なことの一つに部下の業務の進捗確認があります。
目標を達成するために導き出したスケジュール通りに業務が進んでいるのか、もし進んでいない場合はどこに問題があるのかなどをいち早く知るための方法に「報・連・相」があります。
この「報・連・相」を部下に徹底させることで上司は部下の業務管理がとてもしやすくなります。
では、実際にどのように運用を行えばいいのかについてお話していきます。
一度でも働いた経験がある人であれば必ず耳にしているであろう報告・連絡・相談=「報・連・相」
長く、ビジネスの基本と言われ多くの会社で使われてきました。
時間が無駄だから「報・連・相」は必要ない!という考えも出ている中、部下のマネジメントを行うにあたり、この「報・連・相」はどのような効果があるのでしょうか?
部下のマネジメントにおいて重要なことは、部下の仕事の進捗や部下の状態を把握した上で的確なアドバイスやサポートをすることです。
そのためには「報・連・相」は有効な情報共有手段です。
早い段階で報告をしていれば、何か問題がおきた時にすぐに対応が可能ですし、先に連絡をしておくことでスケジュールなどの把握がしやすくなります。
また、小さなことでも上司に相談をしておくことでやらなくていい仕事を把握することができたり、一人で悩む時間も短縮されることになります。
しかし、この「報・連・相」ですが、徹底できない部下が多くいることに頭を悩ませている上司も多いのではないでしょうか?
特に入社間もない部下や、社会人経験が短い部下に多いのが、そもそも何を報告・連絡・相談すべきかわかっていないということです。
こんな小さなことを報告すべきなのだろうか…、これは相談しても迷惑ではないのだろうか…など、部下が考えすぎてしまい「報・連・相」ができなくなっているケースがあります。
本来仕事が立て込んでいるときこそ「報・連・相」は必要になるのですが、目の前の仕事をこなすことに集中するあまり「報・連・相」を後回しにしてしまうケースがあります。
いくつかのことを同時にできない部下や、キャパシティが小さい部下に多く見られる傾向にあります。
「報・連・相」はある程度習慣化してしまえば忘れることはなくなるものなのですが、この習慣化ががなかなかできない部下がいます。
これは他の業務にも言えることで、ルーティン業務の抜け漏れなどが多く、タスクの管理が苦手な部下に多い傾向があります。
上司との関係がよくない場合、部下は「報・連・相」を疎かにしてしまうことがあります。
以前に相談した時に相談に乗ってくれなかった、報告してるのに反応がなかったなどといったことの積み重ねで部下が「報・連・相」の必要性を感じなくなってしまった結果、報告をすることが億劫になったなどの原因が考えられます。
「報・連・相」は緊急の場合をのぞいて四六時中行う必要はありません。
普段は終業時の日報などで報告を受け、緊急時のみすぐに連絡をするなどルールをつけましょう。
また、どういった時に「報・連・相」が必要になるのか、逆に「報・連・相」が不要な場合はどんな場面なのかなどをルール化し部下に伝えていくことが重要です。
何を報告・連絡・相談すべきか当たり前にわかるだろうと思う方もいるかもしれませんが、これは会社や業界によって当たり前は異なります。
決して自分の持っている答えが当たり前とは思わず部下に接することを心がけましょう。
前述した通り、部下はこれは報告するべきなのか?こんなことを相談してもいいのか?など最初は何を伝えていいのかわからないということがあります。
そこに無駄な時間を使うのはとてももったいないので、最初のうちは小さなことでも「報・連・相」を徹底して行うようにしましょう。
私も入社したての頃は小さなことでも「報・連・相」を徹底していました。
会社や仕事内容によって重要なことは違いますし、伝えないで問題がおこるよりも不要な情報でも伝えた方が良いと考えたからです。
そのうちに上司から、これは自分で判断して問題ない。ここはもっと詳しく報告して欲しいなどの指示をもらうようになりました。
これにより、上司に何を伝えるべきかが明確になり、スムーズに「報・連・相」ができるようになりました。
このように、最初は小さいことでも報告をしてもらい、会社ごとのルールを伝えていくとくのが部下にとっては一番やりやすい方法です。
部下からの「報・連・相」を受ける際に気をつけなければいけないのは、その話をしっかりと聞くということです。
部下の話を聞くことでその部下がどんなことに不安を感じているのか把握することができます。もし、部下が不安に感じる必要がない事柄の場合は、話を聞くことでその不安を取り除くこともできます。
逆に絶対にやってはいけないのが、上司がこんなことは報告しなくていいと突き放してしまうことです。
上司にとっては小さなことでも部下にとっては大きな問題と捉えていることも多くあります。
突き放されてしまった部下は他に何を伝えていいのかわからなくなり、結果として重要なことも伝えられなくなってしまいます。
そんなことでと思う方もいるかもしれませんが、入社してすぐの人や社会人経験が浅い人などは何が正解かわからず、常に不安と向き合って仕事をしています。
上司にとっては小さな否定でも部下にとっては大きなストレスになることもあることを覚えておいて欲しいです。
よくないことほど先に報告するのはビジネスの鉄則ですが、クレームなどのトラブルがおきた場合、すぐに報告をすることを嫌がる部下たまにがいます。
特に自分に原因があった場合、怒られると考え、自分でなんとかしようとしてしまいます。
しかし、すでにクレームになっている以上部下の力では抑え込むことができず、さらに大きなクレームになってしまうということがあります。
もちろんすぐに報告しない部下に大きな問題がありますが、もしかしたら報告がしにくい環境になっていることも考えられます。
こちらの記事(部下が話しやすい環境をつくることでマネジメントしやすくなる)でもお話していますが、部下の話にくい環境というのは、こういったトラブルが発生した場合でとても不利に働きます。
特に過去に激しく感情的に怒られた経験がある部下は同様に自分のミスを隠したがります。
部下のミスへの対処は上司の真価が問われる重大な局面です。決して感情的にならず、冷静に対処することが重要です。
部下がミスをしても安心して上司に報告できるような環境を作る努力が必要なのです。
前の項で通常時は「報・連・相」を常に行う必要はないと述べましたが、いつ、どのタイミングで報告すべきかをルール化してしまうと上司・部下ともに余計なストレスが軽減されることとなります。
おすすめなのは終業時に日報の形で提出してもらうことです。
日々日報を作成することで部下自身が仕事の進捗を整理することにも役立ちますし、上司としても部下からの報告を聞くことができるので、一石二鳥ですし、終業時に提出するというルールを設定しまえば習慣化することも難しくありません。
部下からの報告ははあらかじめフォーマットを決めておき、その中で何をどのように報告すべきかを明確にわかるようにしましょう。
下記は私の日報の例です。
【日報】
・〇〇様サイト修正対応→本日完了 100%
・お客様への連絡
└〇〇様→リマインド済み(返信待ち)
└〇〇様→リマインド済み(返信あり、明日対応)
・〇〇様サイト調整→納品 100%済
・記事登録 →60%済
<来週の作業予定>
■コンテンツ関連
・動画データ引き継ぎ
◼️経営支援クラウド周り
・記事登録→残40%(〇日までに完了予定)
・システム登録不具合、改善案出 →残40%(〇日までに完了予定)
◼️その他
・〇〇さん業務進捗確認MTG
<困っていること>
特になし
<諸連絡>
明日は15時からMTGがあるのでMTGルームを使用します。
ポイントは、
・文章ではなく箇条書きで簡潔にわかるようにする
・現状の仕事の進捗やいつまでに完了するのかをわかりやすく数値で記入すること(残り〇%など)
・現在その仕事の状況がどうなっているのかを明記する
・その日になんの作業をして、他にはどんな作業が残っているのかを明記する
・困っていることを書き込めるようにする
です。
これはあくまで例ですので会社ごとに報告すべきことなどは違うと思います。
しかし、このようなフォーマットを作っておくと部下が報告をする時に無駄に考える時間をとることが無くなります。
そして、提出された日報には必ず目を通し、できればコメントを返すようにしましょう。
それにより部下は自分の報告を上司がしっかり目を通してくれていると認識し、「報・連・相」がしやすくなります。
「報・連・相」で一番怖いのが部下が勝手に「報・連・相」の必要がないと判断してしまうことです。
このような事態を防ぐために、あらかじめ絶対に報告をして欲しいことを部下に共有しておくことが重要です。
この絶対に報告して欲しいものというのはプロジェクトごとにも変わっていくものです。
前回は必要なかった報告が今回は必要ということもあります。
これも部下が勝手に判断を行う原因になりますので、毎回プロジェクトが始まる前に今回はどんなことに対しての報告が必要なのかを伝えるようにします。
また、なぜその報告が必要なのかを部下に伝えることで、部下の理解が深まり部下がしっかり報告してくれるようになります。
少し時間はかかるかもしれませんが、新しい仕事が始まる時などはしっかりとすり合わせを行うことで「報・連・相」の漏れを減らすことが可能になります。
部下の「報・連・相」を徹底する方法についてお話してきましたが、上司は部下の報告があるまでじっと待っている必要はありません。
たまに何かしらの問題があった時に部下からの報告がなかったから放置していたという上司がいますが、自分から報告を促すことをしないのは怠慢だと思います。
もしかしたら部下は相談したいのに出来ない状態にあるかもしれない。
何か悩みを抱えているかもしれない。
部下からの報告を待つだけではなく、上司からも進捗確認のための「報・連・相」を促すことも時には必要です。
上司からの声がけがきっかけで話すことができる部下も多くいると思います。
しかし、ここで1つ注意しなければならないのは上司からの声がけは適度に行うことです。
部下から定期的に報告が上がっているにも関わらず上司がさらなる報告を促してしまえば、部下からすれば、信用されていないと思う原因となります。
さらに、あまりに部下の業務に干渉してしまうのは部下の成長にとってもよくない影響を与えます。
ほどよく見守りながらも、情報を引き出すことが必要です。
ここではマネジメントに重要な「報・連・相」についてお話させていただきました。
部下の目線から見ると、相談したくてもしづらい、怒られるのが怖くて報告出来ないなどといった理由で「報・連・相」がおろそかになっている場合もあります。
そんな時は上司からの程よい声がけで「報・連・相」がしやすい環境を作ることも必要になります。
また、ともに業務をしていく中で社内での最適な「報・連・相」の形を共に形成していくことが重要になります。