PDCAが周りに評価される!月報の書き方と運用方法を解説します!

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月報とは

ビジネスシーンでは、まず目標の設定があり、その目標に対して定期的に会社に対して報告を上げることが行われていきます。
会社やチームのリーダーはその報告に従い、また次の目標に対して意思決定をしていきます。

・日報

・週報

・月報など、期間によって様々な種類があり、それぞれ役割が異なります。

この記事では、その中でも月報について目的や書き方、検証の方法などを解説していきます。

週報、日報との違いは?

さて、先ほど期間によって様々な報告の種類がある、とお伝えしました。

それでは、月報と他の二つ、日報や週報はどのような違いがあるのでしょうか?

それぞれの特徴と合わせて確認していきましょう。

 

まず前提として、会社は会社、チーム、個人と目標設定を行なっています。

各個人の業務は、その目標を達成するために必要なものでなければなりません。

目標レベルでいうと、最短の期間は週次、あるいは月次の目標であることが多いです。

その月次目標を達成するために、日々の業務、週単位での業務が行われます。

そのため、それぞれの目的に合わせて日報、週報、月報は記載する内容が異なります。

・日報・・・週次、月次目標のために日々の時間の使い方、行動を詳細に記載し、PDCAを回すためのもの

・週報・・・1週間の目標に対して、どのような行動をしたかを記載し、その成果を書くもの、また、月次の目標に対する進捗を記載するもの

・月報・・・毎月の目標に対しての成果や実績を記載し、目標に対しての行動が適切であったかどうか検証するもの、また、四半期の目標に対しての進捗を確認するもの

上記のように役割が異なってきます。

したがって、月報には、日報のような日々の細かな時間の使い方などを記載する必要はありません。日報の寄せ集めのような月報では、その役割を果たせないのです。

つまり、月次の目標に対する総括、統括的な視点を持って記載をする必要があります。

月報の目的と書き方

月報の目的とは

月報の目的は、月次の目標に対しての総括、統括的な視点で振り返りができること、それによって翌月の目標設定の指標にしたり、行動に対してのPDCAを回す材料にすること、などが挙げられます。

詳しくみていきましょう。

リーダーに月次の進捗や業績の報告をする

チームのリーダーは各メンバーがどのような動き方をした結果、どのような成果が出たのか、というところを把握している必要があります。

目標を達成したかどうか、という評価する役割と、チーム全体の四半期や週次の目標に対しての修正をする必要があるポジションだからです。

チーム全員の月報を見て、リーダーには適切な次の手を考えることが求められています。

したがって、月報はそのリーダーの役割を果たすために重要な資料です。

各メンバーは、リーダーが適切な手を打てるよう、見やすく分かりやすい月報を作成することが重要です。

月次の目標設定と達成のための動き方が事前に決まる

様々な形態の組織がある中で、日々のルーティンに追われるような職場では、目標を意識した働き方をしていない、というところもあるでしょう。

しかし、月報を作成する、というミッションがあれば、そのようは働き方は難しくなります。

なぜなら、月報の役割は目標に対する進捗を測る、という意味合いがあるからです。

もちろんこれは本末転倒と言えるかもしれませんが、もともと目標設定の習慣がない会社においては、月報をきっかけに目標型の組織に変わるチャンスでもあります。

そして、目標を意識した働き方に変わっていくことで、業績や成果によりコミットするようになり、ひいては業績の良化に繋がっていく可能性が高まります。

月報を適切に作成することで、個人の評価にも繋がる可能性があり、マネジメントする側、される側双方にメリットがあります。

1ヶ月の成果を見直すことで、PDCAが回る

社員は従来漠然と行なってきた仕事を、月報を期に見直すことになります。

そこで自身の行動についての見直し、成果の見直しなどの棚卸しが行われ、次月への改善が生まれます。

反省点や改善点を自ら発見し、行動することで、年間12回以上のPDCAが回ります。

継続的に改善を繰り返すことで、業務が効率化されます。

知識や情報、ノウハウをチームで共有する

単に月報を上司に提出しただけでは、上司と自分との関係だけで、その気づきなどは社内で共有されづらいところです。

しかし、チーム内、あるいは全社で月報を見える化すれば、各社員の業務や目標の把握、成功や失敗事例の共有が行われ、改善に役立ちます。

また、成功事例を社内で取り入れることで、採用された社員には肯定感が生まれ、より風通しのよい環境になっていく可能性もあります。

重要なのは、失敗事例も共有する、ということです。

どのようなことをすると失敗するのか、ということは、成功事例と同じような価値があります。

また、挑戦した結果の失敗をポジティブに共有すれば、社内に挑戦の意識が醸成されることになります。

いずれにせよ良い影響を会社に与えることになるので、良し悪し問わず、事例を共有する習慣をつけておく、ということが重要です。

月報を意義あるものにするための書き方のポイント

月報をルールとして定めても、意義のないものであれば時間の無駄です。

そのため、意義のある月報にするために重要な書き方のポイントを紹介していきます。

記載は統括的に

月報の目的は上述のとおり、月単位での振り返りと目標達成の進捗、改善をまとめることです。

日報や週報のように細かい記載は不要で、逆に統括的な視点が求められています。

複数のチームやプロジェクトに関わっている場合は、プロジェクトごとに分けて記載をする方が、より上役にとっても見やすいものになります。

必ず目標の達成状況を記載する

月次の目標に対してどうだったのか、どのぐらいの達成状況だったのかは数字を乗せて比較するなどの記載が必要です。

例えば同じ未達でも、2件/目標10件と9件/目標10件では、全く次月の行動が変わってきます。

そのため、しっかりと数字を出して状況を正確に記載することが重要です。

また、達成や未達など、その結果になったのはなぜなのか、という要因を記載することも必要です。

翌月の目標と達成のための計画を記載する

行動とその結果がわかったことで、次月の目標設定と、その対応策、どのような改善をするべきか、というところを具体的にどのような取り組みをするか、というところに落とし込んで記載しましょう。

もちろん次月の目標も数字などのより具体的な内容であることが重要です。

視認性をあげて、上役が見やすく

月報は自分視点では上司に提出するだけのものですが、リーダーはチーム全員の月報に目を通さなければなりません。

そのため、マネージャーが適切な意思決定をするためにも、月報は視認性の高いものが必要とされています。

もちろん、日々の仕事を犠牲にしてまで過剰に装飾された月報は不要ですが、シンプルかつ図などを使って見やすくするなど、工夫は必要でしょう。

月報の記載項目はチームで統一のものを使用する

月報の提出をルールにしていても、各個人がバラバラな書き方の月報を持ってきたのでは、全て確認するリーダーの負担が増えてしまいます。

そのため、月報はチーム内で統一されたフォーマットを使用して記載しましょう

これにより、リーダーの確認がスムーズに行え、振り返りと次月の設定、立案が進みます。

具体的にはどのような内容を記載すべきでしょうか。

下記に例を掲載しますので、参考にしてみてください。

月報の書き方

月報の項目については、下記の項目が代表的なものです。

所属・名前・作成日時

まず月報の一番上に、誰がいつ書いたものかを記載しましょう。

今月の目標と達成状況、それを達成するためにした業務内容

今月の目標を記載して、その達成状況を記載します。

また、目標達成のためにどのような業務を行なったのかを記載します。

所要時間と進捗の経過

各業務に対して、どれぐらいの時間がかかったのか、時間と進捗の経過を記載しましょう。

成果・実績

今月の成果や実績を記載します。

なるべく具体的に、数字を入れて記載しましょう。

所感

達成、未達なども含め、どのようなことがこの結果に対しての要因か、というところを分析し、それに対しての所感を記載しましょう。

疑問や質問なども一人で抱えずにここに書いて、業務についての言語化を進めましょう。

来月の目標と計画

今月の結果を受けて、来月の目標設定と、達成のための計画を記載しましょう。

この目標を元にリーダーと面談し、具体的に行う業務を明確化していきましょう。

承認欄・コメント欄

上長の承認、コメントの箇所を設けます。

目標と結果を重点的に検証する

さて、月報の目的は、月次の目標に対する検証と、年次の目標に対する進捗でした。

月次の目標に対する検証は特に重要で、現在の行動を改善していく作業になります。

これをどう設定するかで、メンバー含めチームの行動が変化し、PDCAを回すことで目標達成に近づく、またはさらに超えていくということを実現していきます。

目標には定量的なものを設定する

目標の設定が曖昧な表現であったり、精神論で設定された目標であれば、達成か未達かの判断も評価者の主観に委ねられることになってしまいます。

例えば「顧客リードを増やす」だけでは、どのぐらい増えれば良いのかというところが曖昧です。

これでは正当な評価やPDCAに繋がりません。

「顧客リードを10件獲得」というように、常に客観的な、定量的なものである必要があります。

ストレッチな目標を設定する(少し頑張れば届く目標)

高すぎる目標は、時にやる気がなくなってしまい、またはやる気以前にどのように達成すれば良いのか、というところが分からずに、全く動けなくなったりしてしまいます。

目標は今の自分が少し頑張れば届く目標に設定するのが適切です。

それがどこなのか、ということについては、常に上司、リーダーなどと相談をし、客観的に決めていきましょう。

目標は少しずつ高くする

目標を達成したら、次の目標は同じものではなく、少し高くしたものに設定しましょう。

繰り返すことで効率が上がり、同じ目標でも時間が短縮できたり、単価が上がったりなど、様々な工夫が可能なはずです。

結果分析では理由と対策をセットで

目標が達成できなかった場合、

  • 目標とどのくらい離れているのか
  • その要因は何か
  • 改善するためには何が必要か
  • 目標の設定自体は適切だったか

など、必ず分析と、プロセスや理由についての検証が必要です。

そして、どう改善すれば次の目標を達成できるのか、ということについてリーダーと面談して考えていきましょう。

まとめ

月報の目的と書き方について解説しました。

適切な目標設定をして、結果について毎月分析をして改善することで、結果として四半期、年次の目標達成を実現する、というところを目指して、月報を活用していきましょう。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

2009年慶應義塾大学法学部を卒業後に、2010年株式会社ウェイビーを創業。
創業以来、一貫して、中小企業、個人事業主のインキュベーション(成長支援)に従事。
その数1,200社超。「世界を豊かにする経済成長のビジネスインフラを創る」というウェイビーの理念が大好き。
世界経済フォーラムが選ぶ若手リーダー選抜、徳島大学客員教授、スモールビジネス向け書籍7冊出版。