【第16回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜キャリア・カウセリングを使ってコンサルティング受注拡大
- 人材流動化に欠かせないキャリア・カウンセリング
- シニアだからこそできるキャリア・カウンセリング
- 部署間の異動でもキャリア・カウンセリングが必要
「キャリア・カウンセラー」は、カウンセリングとコンサルティングを併用して問題を解決していく専門家です。下図は、典型的な再就職支援時のクライエントとキャリア・カウンセリングの関わり方です。
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。
「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
以上、引用:平成14年7月、厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書
「成長への衝動=自らの力で立ち上がる」をクライアントに気付かせることがカウンセリングの役割です。「シニア起業支援家」は、「キャリア・カウンセリング」を次の通り定義します。
『キャリア・カウンセリングは職業選択(就職・転職・再就職)だけでなく進学も含め、さらに人が職業生活を送っていく上で関連するあらゆる問題を対象とするカウンセリングである。一般に「キャリア・カウンセリング」はもっとも難しいカウンセリングといわれている。それは、カウンセラーは面接技術(カウンセリングスキル)だけでは不十分であり、さまざまな情報、現実界の様子を知る必要があり、さらに多くの場合、問題解決までの期間が決められているからである』。
後半がコンサルティング領域となり、キャリア・カウセリングは、ここまで含みます。まさしくコンサルタント起業者が有する豊富なキャリア経験が役に立ちます。
このように、「キャリア・カウンセラー」の仕事は大きく分けて二つの領域にまたがります。キャリア開発コンサルティングといわれるものです。クライアント個人を対象として、将来キャリア・ビジョンを策定させ、到達目標と現有能力の差を埋めるための自己開発計画を立案させ、実行計画を定期レビューすることです。
集団を対象とすれば、企業研修の「中高齢者対象のキャリア開発研修(1~2日)」となります。なぜ中高齢者を対象とするかといいますと、若年層(おおむね35歳まで)であればキャリアの浅い社内の人事や人材開発担当でも講師として務まるからです。中高年層はおおよそ満45歳以上、とくにこの種の研修受講対象者は管理職(課長以上)です。
この講師は社内の人や若い人にはとても務まるものではありません。社外のプロの「キャリア・カウンセラー」に講師をお願いすることになります。次に、就職・転職・再就職を成功させるためのノウハウ・スキルの伝授及び指導・支援コンサルティングです。プロの「キャリア・カウンセラー」の独壇場の仕事です。
これぞコンサルタント起業者が基本戦略とする「人と同じことをしない」「人と違ったことをする」「どこにもない商品/サービス X どこにもない売り方」の徹底追及の実践です。クライアントを指導し、キャリアの自己分析を徹底的に行わせ、専門分野を整理分類統合します。さらに専門分野ごと習得した知見、業績・実績を数字(Q・C・D)によって実証させます。これらの情報をもってレジメ(履歴書と職務経歴書のこと)を制作します。
キャリア・カウンセラーが指導しクライアントに作成させる職務経歴書は「キャリア式職務経歴書」です。「編年体式(時系列式)」ではありません。「キャリア式職務経歴書」はプロの「キャリア・カウンセラー」の指南がない限りクラアントはつくることができません。見映えよく迫力あるものに仕上げられた職務経歴書は、経営者が見て「こういう人材を待っていた!」といわしめるほどの仕上がりです。それが「キャリア式職務経歴書」です。
長年の組織人生活で経験したキャリアに立脚したノウハウ・スキルの伝授はコンサルタント起業者にしかできないものであり、この強みをしっかりアピールしてクライアント開拓をすることによって契約を獲得します。信頼と信用を得られてはじめて仕事になります。そのためには箔を付けなければなりません。
プロフェッショナルであることを証明するものは「キャリア・カウンセラー資格」です。コンサルタント起業者が誰を対象に何をするか実需を喚起するヒントは5W1Hにあります。コンサルタント起業者が提供する「キャリア・カウンセリング」サービスを、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という6つの要素から売り込み先を絞り込めば攻略先がはっきりします。
少子化高齢化の急速な進行による就業人口の減少によって生起される経済成長の鈍化⇒税収減⇒社会保障費の急増⇒国家財政危機の本格的な招来に対処するために、声高に叫ばれていることがあります。高齢者の就業比率を増大させるための制度と環境を整備すること。女性が労働市場に今まで以上に参入しやすい制度と環境を整備すること。衰退産業から成長産業へ有能な人材の移動促進。これらの施策を並行して推進する結果として生産性向上です。
これらの流れから読み取れることはこれまでの労働慣行であった終身雇用制度が崩壊します。さらに同時に新卒一括採用にもとづく年功序列賃金制度(職能給賃金制度)が崩壊するということです。換言すれば両制度を崩さないことには「衰退産業から成長産業への有能な人材移動」はできないのです。部署間の異動でも同じです。これができなければ日本の将来はきわめて暗いと言わざるを得ません。
人材移動を経営者が行う施策から見ると「ローパフォーマー」の社外転出を図り浮いた人件費枠をもって「ハイパーフォーマー」を社外から招聘し自社の成長部門の運営を任せます。衰退産業や衰退部門にいる労働者のうち「ローパフォーマー」は雇用調整(リストラ)の対象と指名されることを恐れる日々を送り、一方「ハイパーフォーマー」は成長産業へ一日も早く転職したいという欲求にかられます。
そのためには普段から能力開発に努めるための指針づくりについて専門家から助言を受けたいというニーズの発生です。コンサルタント起業者にとっては一大商機到来です!これらの施策全般を円滑に進めていくためには経営者、労働者双方にとって「キャリア・カウセリング」が必要でありプロの「キャリア・カウンセラー」が必要なのです。
キャリア・カウンセリングができるコンサルタントはプロの「キャリア・カウンセラー」有資格者であることを積極的にアピールし契約先開拓の営業活動をすることによって顧問契約(コンサルティング業務委託契約)を増やすことができます。もちろん、環境がいいからと手をこまねいているだけでは契約はとれません。
あなたも一刻も早く打って出ないと、目先の利いたコンサルタントが市場を席巻してしまいます。生涯現役のために、すぐに準備をはじめましょう。
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