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小さい会社や個人事業主など起業家の0から1を創る支援で、日本トップクラスの実績を誇る株式会社ウェイビー。
のべ8,000人以上の起業家支援から得た経験を、詰め込んでつくったクラウド型顧問サービス「01顧問」という、起業家の01支援のための顧問サービスを展開しています。
なぜいま、多くの市町村から支援依頼が殺到しているのか、その背景について代表の伊藤氏に伺いました。
地方創生に関わるようになった理由
そもそも地方創生の仕事をやり始めたきっかけは?
助っ人編集部
伊藤 健太
弊社の社外役員がきっかけです。アクティブにいろんな地域で仕事をしている方で、会うたびに地方の良さをとうとうと語られました。 47都道府県すべてに行ってみたいという気持もあり、 機会があれば行ってみたいと思っていました。最初に誘われて行ったのは熊本の人吉市です。
3年くらい前なので、起業がひとつの日本におけるキーワードになり始めていた時期で、この町で起業する人を増やしたいという相談をいただき、一緒に何かできないかというミーティングからスタートしました。
ただ、その直後、熊本に震災があり、復旧が最優先になったのでいったんペンディングになりました。
確かに、大変な次期でしたね
助っ人編集部
伊藤 健太
はい、その後、徳島の美馬市や石川県などから、いわゆるIターン、Uターン、Jターンのイベントを手伝ってほしいといった依頼がぽつぽつ来るようになりました。
最初はそこまで積極的に事業としてやろうと考えていなかったのですが、ぜひウェイビーと一緒にやりたいというお声がけをいただく中で、当事者意識を持つようになっていきました。
そういった中で徳島の美馬市から大きな仕事をいただき、本格的に事業として地方創生を行うようになりました。
起業家を理解している人がいない
地方創生の取り組みとしてはどのようなことをやるんですか?
助っ人編集部
伊藤 健太
ちょっと話が飛びますが、まず、野球をやろうと思ったときに必要なものってなんだと思いますか?
グーローブやバットなどの道具でしょうか。
助っ人編集部
伊藤 健太
それももちろん必要ですが、それ以前に、「野球とはなにかや、野球のルールを説明する人」が必要ですよね。
各地域で「起業家を増やしたい」ってみんな言うんですが、そもそも「起業とはなにかということや、起業のやり方」をわかっている人がいないんです。
僕たち東京の感覚で言うと、みんなそれなりに知っているし、周りに知っている人もたくさんいるのでわかるかなと思うんですが、田舎に行けば行くほど、起業するための寄りどころというか、立脚するポイントがないんです。
それは具体的な起業のイメージがないということですか?
助っ人編集部
伊藤 健太
はい、この地域を良くするために起業家を増やすぞと言って、誰かが狼煙(のろし)をあげなきゃいけないんだけど、誰も上げ方がわからない。
自治体の担当者は他地域の事例とかを見て、なんとなく起業家を増やさないといけないと思っているんだけど、何をどうしたらいいかがまったくわからない。
まず、これが一番の問題であるということに気づくのに1年ぐらいかかりました。
自治体は競争意識がない
起業家を増やす以前に、関係者が起業について理解を深める必要があるということですね。
助っ人編集部
伊藤 健太
はい、ただ起業家を増やしたいというだけで、具体的にどんな起業家を増やしたいのか、「起業家の定義」が地域にまったくない。 「若い人にカフェとかをやってもらえたらうれしい」と言うんだけど、本当は違っていて、雇用を生んでほしいと思っている。
田舎のカフェはワンオペで店主が回さない限り利益は出ないので、雇用なんか生まない。でも自治体はそういう起業を想定しています。
雇用がないからみんな外に出てしまう、だから起業というソリューションで解決しましょうというのはもっともな話で、だから雇用を生めるだけの起業家を作らないといけないんだけど、それは事業モデルの話。そのあたりから、まったくわかっていません。
そのため、いま各自治体がやろうとしている起業家応援の政策とか、実際にうまくいったとしても、全然問題は解決しない。どこにいっても最初は全部、この話をするところからのスタートです。
なるほど、それはなかなか根深い問題ですね。
助っ人編集部
伊藤 健太
もう一つ大きな問題は、自治体の人たちは競争している意識がないんですね。1800の市区町村があって、各地域がみんな起業家が増えたらいいと思っています。
中には北海道や京都、沖縄など地の利がある場所もありますが、ほとんどの市町村はまったく地の利がない。そういう中で起業家を奪い合いしているんですが、奪い合いをしている感覚がないので、違いがなくて横並び。
よくあるのは、家賃補助や人件費の補助とか、差がない。そんな支援策はいらないのに、お客さんである起業家が見えていないから、何を求められているかわかっていません。
コンサルだけで地方創生はできない
広告代理店などが地方創生のコンサルに入ったりしていますよね?それはなぜうまくいってないんですか?
助っ人編集部
伊藤 健太
申し訳ないですが、サラリーマンが行っても起業家を増やすのは無理。地方自治体をひとつのお客さんとしか見ていなくて、自治体からやりたいと言われたことの中で、予算を消化するプログラムを組むぐらいしかできていない。
そもそも自治体の人たちがどうしたらいいのかわかっていないので、それでは絶対に変えることができません。 僕たちは起業家を支援することに命をかけているので、覚悟が違う。
やりたいと言われたことをそのままやれば、効率的にお金を貰えるかもしれませんが、僕たちはそんなことをやっても意味がないとはっきり言います。普通だったら言いませんが、これは会社としてのポリシーの問題です。お客さんのためにならないことはやりたくない。
本気で変える気持ちがあるかどうかが重要なんですね。
助っ人編集部
伊藤 健太
はい、地方の仕事で驚くのが、今回のこの予算でどれくらいの成果を出す必要があるか、を聞くと返答が返ってこない。先方は数字を設定したくないんです。
なぜなら数字を設定してしまうと、それが達成できなかった時に発注した自分の責任になる。だから設定したくない。すべてがファジー。自分のお金じゃないから、費用対効果の概念がないんです。でも、これ税金ですからね。
僕はうるさいので、これ意味ありますかとしつこく聞きます。 たまに僕の話に感化されて、これは気合入れてやらないとダメですね、ガンガンいきましょうという担当者の方も出てきて、そういう地域はどんどん前に進んでいます。
起業のインフラチームを作る
具体的にはどんな取り組みをしているんですか?
助っ人編集部
伊藤 健太
各地域で、起業家の受け皿になるようなインフラチーム作りを行います。3ヶ月ぐらいのプログラムを作って、そこに自治体の職員、これから起業を考えている人、地元の有力なプレーヤー、銀行、税理士などにも参加してもらい、そこに都内や大阪などの経営者を10人ぐらい連れていき、交流させます。
そうやって起業家と直接交流する中で、いろんなプロジェクトや事業が生まれていく。例えば徳島の美馬市の場合、僕たちがプログラムを実施したことで、3社がオフィスを出して、1社が本社移転をして、将来地元で起業したいという大学生がうちでインターンシップをすることになりました。
それはすごく成果が出てますね!
助っ人編集部
伊藤 健太
こういった取り組みは地元の人たちだけではできない。僕たちだけでもできない。地域に根ざして頑張っているひとたちと、地域外から来た地域になかったリソースが組み合わさることで、新しいものが生まれる。そういった横串をさすのが僕たちの仕事です。
人が人を呼ぶので、いったんそういういい流れができると、これに新しい人たちが呼び寄せられる。交流人口を増やすことが大事と言われているが僕は「起業家交流人口を増やすべき」と言っている。
熊本県人吉市での学生を対象にしたプログラムにて
銚子視察ツアーでの集合写真
伊藤 健太
地域と地域外の起業家間の交流人口を増やすことで、新しいアイデアとかイノベーション、事業、プロジェクトが起こる。ここに新しく第二世代、第三世代が紐付いてくる。
すごくいろんな組み合わせを想定して、このような手を打っています。
起業に興味を持っている地域の若者っているんですか?
助っ人編集部
伊藤 健太
はい、います!熊本で高校生向けに3ヶ月で起業とはなんぞやというプログラムを実施したんですが、ものすごく優秀で意識の高い子たちが参加してきて、職員の人たちがビックリしていました。うちの地元にこんな子たちがいたんだ!って。
人吉市での高校生を対象とした講義の様子
素晴らしい取り組みだと思いますが、それだと継続した支援にはならないですよね?
助っ人編集部
伊藤 健太
はい、これはあくまでキックオフなのでこれから継続的なプログラムを実施していきます。毎回都内から起業家や講師をつれていく方法だと予算もかかり効率が悪いので、どんな地域にいても最新の情報が得られるように、オンラインで学べる仕組みを提供しています。
クラウド上に、起業家むけに売上をつくる方法やマーケティングのやり方など、日本で一番充実した起業家向けの動画や音声を400時間以上作っていて、日々アップデートしています。
起業1年〜3年めぐらいまでで、売上1億円を作るために必要なコンテンツが揃っています。
これを導入すれば起業に関する情報格差はなくすことができますね
助っ人編集部
伊藤 健太
導入してもらった自治体は、日本で一番、起業支援のコンテンツを保有している自治体になれます。24時間365日アクセス可能なので、主婦の人で本当は起業したいけど、子供がいてプログラムに参加できないとか、将来起業したと思っている学生とかにも役立ちます。
スマホからもアクセスできるので、PCが扱えなくても大丈夫です。 さきほど申し上げたようなリアルなプログラムとあわせて、ネットの仕組みも導入してもらえると、より効果的に地域の起業支援ができます。
最後に自治体の担当者の方にメッセージをお願いします
助っ人編集部
伊藤 健太
いま地域に必要なのは、守りの起業支援ではなく、攻めの起業支援です。会社の作り方や、税金の話や手続きの話は、ググればすぐわかるので必要ないです。
必要なのは、「稼ぐ」ということにフォーカスすること。売上を上げるために必要なことをサポートするようにしましょう。
本気で地域を変えたいと考えている人は、ぜひ僕たちに連絡をください。一緒に起業家を増やしていきましょう!