成果を生み出す1番の方法は成果を出せそうと思われること
- 成果を出すことができる理由をわかりやすく説明しました
- 人が動く理由を理解できれば成果を出すのは簡単
- 信頼はどのようにつくるものなのか
成果を生み出そうと思うと、人がどのようにして物事の意思決定をするのかをはじめ、
人の心理を理解しておくことができると、どのような状態や状況をつくることができれば、成果を生み出すことができるのかが見えてきます。
ここでは成果を生み出す1番の方法をご紹介します。
水戸黄門をご覧になったことはありますか?
水戸黄門は、徳川光圀が隠居して日本各地を漫遊して行なった世直し(勧善懲悪)を描いた創作物語のことです。
序盤は徳川光圀は自身の正体を隠し、ただのおじいちゃんを装います。
そして最後には印籠を見せることで徳川光圀であることを周囲が知ります。
そうすると周囲の態度が一変するわけです。
実はこの印籠を持つことが成果を生み出すためにはとても大切になります。
何故なら、印籠のあるときとないときで徳川光圀の存在は全く真逆になります。
印籠がないときは誰も相手をしないただのおじいちゃんです。
印籠があるときは神様のようになります。
印籠の存在だけで存在が全く変わるわけです。
印籠がないときは誰も話を聞いてくれず、雑多に扱われるわけです。
成果が出ない人というのはこの印籠の存在を知りませんし、
印籠を自分が持とうとは思いません。
徳川光圀が印籠を持たないと誰もその存在は知らずに、雑多に扱われ続けるわけです。
この状況では成果をとても出しにくいですよね。
孫氏の兵法の中で、最上の「戦略」は戦わずして勝つこととあります。
孫氏のニュアンスとは異なるかもしれませんが、印籠の有無はまさに戦わずして勝つことの見本だと思ってください。
成果を出せない営業マンは毎日同じことを繰り返すわけです。
話を聞きたいと思っていない営業先に対して、雑多に扱われながら、少しの時間をもらって、自己紹介をして、商品説明をします。でもほとんど売れないわけです。ひたすらに数を打つしかなく、毎日同じことの繰り返し。自己紹介をして、商品説明をします。
そもそも何故売れないのか?ということも考えないかもしれませんし、営業とはそもそもこういうもの(全然興味のない人に数を大量に当たって、何とかたまに売れるもの)だと思っているかもしれません。ちょっとやる気のある人であれば、もっとうまく自己紹介をしようとか、プレゼンスキルが上がれば売れるかもしれないと思い、勉強をしたり、トレーニングを重ねるかもしれません。見た目の印象が大切だからといって、着るスーツや靴などの見た目に力を入れるかもしれません。もちろんそれで結果として数字は改善されることもあります。
でも、これは戦っている状況なわけです。
戦わない状況がやはり理想なわけです。
どこに時間を使うべきかといえば、貯金になること、時間を使って意味があるところに使わないといけません。
確かに、自己紹介やプレゼンの練習することも意味がありますが、これはそもそも水戸黄門で言えば、ただのおじいちゃんのときに、そのおじいちゃんがうまく自己紹介をするとか、プレゼンをうまくなろうとしているにすぎません。それで改善されることというのは多少だと思います。なぜならそれは相手にとって重要なことではないからです。
もっと早くて効果的なことはやはり印籠を持つことなのです。
では、営業マンにとっての印籠とはなんでしょうか?
色々なことが考えられます。
印籠=お墨付き=信頼といってもいいかもしれません。
戦わないで済むようにすることが印籠の目的です。
また、印籠を考えてみると、自分で自分のことを説明するのではなく、印籠に自分のことを説明させていることがわかります。印籠という客観的な存在によって、見た人はそれの意味がわかり、持っている人がどういう人か理解をするわけです。
まさに信頼の証ということです。
印籠の話と反対で、自分で自分のことをすごいと言っている人がいたらどう思いますか?
ちょっと残念ですよね。
まさに、成果の出ない人の典型です。
(もちろんそう言っても話がついてくる人であればよいかもですが)
印籠がないから成果が出ないと思ってください。
つまりどんなタイミングであっても印籠を必ず持たないといけません。
印籠は時間や経験がないと手に入らないという性質ではなく、今この瞬間、瞬間で成果を出すために必ず印籠がいります。
・どんなタイミングでも(新人でも)絶対に何か信頼がないといけない
・信頼は主観的でなく客観的なものでなくてはいけない
・その信頼に値する客観的なものをみたらあなたのことをスゴイなと思ったり、興味を持つものでないといけいない
・一番だと言えるものでないといけない
・信頼はどんどん経験や時間とともに脱皮、強くしていかなければいけない
たとえば、数少ないものの気に入ってもらっている社長がいたとします。
その社長がこの営業マンはいい奴だとお墨付きをくれたとします。
これも信頼になります。もちろんこの信頼の効果を発揮できる範囲はとても狭い範囲になってしまいますが。ただ、この狭い範囲で、この社長のことを知っている人で社長に好意的な人にはこの信頼はとても効果的なものになります。これを皮切りにどんどん信頼をつくっていく、信頼の効果を強くしていくことをしていくのです。
全く売れなかった営業マンが、信頼をつくりはじめて売れるようになってきて、社内でトップセールスになったとします。そうするとこの信頼のエピソードを用いて自分の会社の営業マン向けの研修をやってほしいという依頼が来るようになります。
営業マン向けの研修で面白いものができると、それがまた新しい信頼となって、色々会社から今までとは反対で(今までは自らが嫌がる相手に訪問していた)、是非来てくださいと呼ばれるようになるかもしれません。
ここでは実際に何もないところからどのようにして、成果を生み出すためのお墨付き、信頼をつくったのか?ということを実際事例を通じてご紹介いたします。
僕は2010年8月に病気をきっかけに創業をしました。
その後、会社設立のサポートを事業としてやることにしました。この会社設立のサポート事業に対しての印籠=信頼として必要なこととして3つ用意しようと思いました。
また、この信頼というのは、自分の弱みをも補うものになります。当時の僕でいえば弱みというのはたくさんあるわけですが、お客さんからみたときの僕の一番の弱みは、「若いことによって、本当にこいつが会社なんてつくれるのか?」ということでした。この弱みはかなり決定的にまずい弱みで、この弱みに対して何も対処せずに事業をやっていたら絶対にうまくいかなかったことでしょう。
僕が会社設立のサポート事業に対して用意した信頼は、
1つ目は、会社設立に関して日本で一番のページ数を誇るブログを持つこと
2つ目は、会社設立サポートの対応スピードが1番はやいこと
3つ目は、会社設立サポートの「お客さんの声の数を一番」持つこと
でした。
1つ目は、会社設立に関するルールやノウハウ、周辺領域(会社設立後の手続きや資金調達など)について日本一のページ数を持つことです。日本一のページ数を持っていることが実現できると、お客さん(これから会社設立をする人)からすると、会社設立にとても詳しそうな人だということを絶対的に瞬時に思ってもらえます。このことによって会社設立という仕事を獲ろうと思ったときにダイレクトに目的に繋がります。また、当時の僕の決定的な弱みである若いことによって本当に会社設立をすることができるのか?ということも、会社設立に関してのブログで日本一のページ数を持つことができるとかなり解消されます。ただ、たくさんのページを書いているというだけではたくさんいますし、具体性や客観性、相対的な比較などできずに、印象に残りませんが、「日本一」「地域一」などと言えると、すぐに覚えてもらえますし、自己紹介でもとても言いやすいわけです。
※実際、会社設立に一番詳しいわけではありませんが(誰がそもそも一番詳しいかなんてわかりませんが、少なくとも当たり前ですが僕ではありませんでした。なぜなら、1件も実務としてお客さんの案件を触ったことがなかったわけなので、机上でのやり方を知っているにすぎませんでした。)、何とかしてそのように=会社設立に詳しいということ、それによって、会社設立自体のサポートができる人なんだと思われるように、信頼を考えたわけです。
「若いことによって、本当にこいつが会社なんてつくれるのか?」をクリアしないといけないわけでした。実際には会社設立のサポートができたとしてもお客さんにすぐにそう思ってもらえないとダメなわけです。1時間、2時間会って、説明してようやく理解してもらうというわけにもいきません。なぜなら、そもそもその1,2時間の時間をもらえないですし(お客さんは僕にその時間を取る必要がありません。他に確実な専門家はたくさんいるからです。)、もらえたとしても、最初はそのような対応でよいですが、事業として考えたときに、時間対効果がとても悪く成り立たない構図になってしまいます。
「若いことによって、本当にこいつが会社なんてつくれるのか?」をクリアする
一番良い方法は、たくさんの会社設立の経験があることを印籠で伝えることです。
ただ、1件もやっていないときにはつくれないわけです。
そこで、どうやったら瞬時に近い印象を与えることができるのかを考えました。
結果として、会社設立に関して日本で一番のページ数を誇るブログを持つことにしたわけです。
会社設立に関して日本で一番のページ数を誇るブログを持っていたら、
やはり会社設立についてめちゃめちゃ詳しそうにみえるわけです。まさに印籠です。
実際にどのような感じだったかと言うと、会社設立の依頼を獲るためのサイトを立てたのですが、サイト開設後(サイト内にブログを埋め込み)、そのサイトに1か月で4,000ページ程度、会社設立に関するルールやノウハウ、周辺領域(会社設立後の手続きや資金調達など)のことをひたすらに書きました。創業メンバー4名いたので1人1,000ページ程度を書くということ感じです。(パターン化してページをたくさん作れるように工夫などもちろんしました。)毎日朝9時~夜の23時くらいまでひたすらにブログを書いていたことが懐かしいです。
途方もない作業に思われるかもしれませんが、信頼の持つ費用対効果を冷静に考えればこれが必要なことであることがわかります。信頼がなければ、そもそも誰も気にしてもくれませんので仕事にはほぼなりません。毎回「お前は若いのに本当に会社設立のサポートなんてできるのか?」を説明し続けないといけないわけです。水戸黄門の世界観を常にイメージしてください。
2つ目は、会社設立サポートのスピードが1番はやいということで信頼をつくろうと思いました。1つ目と2つ目は同時並行でつくっています。
1つ目の印籠ができたとすると、多くのお客さんは会社設立の専門性がこの若者にあるのかという不安は消えます。ただこれでは当たり前ですが、他の専門家とようやく同じスタートラインに立ったにすぎません。次に他の専門家と同じスタートラインに立ったとして、他の専門家との客観的な違いを瞬時に理解してもらう必要があります。
そこで僕は「会社設立サポートのスピードが1番はやい」という印籠をつくったわけです。
このスピードがはやいということは、2つのよいことがありました。
1つは、そもそもビジネスにおいてスピードより重要なことはなかなかないこと、つまりスピードで1番をとることができるととてもビジネス的に優位な状況が生まれます。
もう1つは、若いということとスピード感ということの相性がとてもよいということでした。
スピードが1番はやいということで信頼をつくるにあたっては、会社設立のサポートをしている他社を全部みて(ネット検索して)、サイト上〇日でできるとい書いてある最速の日数よりもさらに早くで日数を設定して、表記をするようにしました。
実際に徹底的にスピードにはこだわっていました。このスピードというのは、お客さんからお問い合わせをいただいてからのレスポンスのスピード、メールなどのやりとりのスピード、最終的に書類作成から完了までのスピードです。このスピードに圧倒的にこだわっていたため、お客さんから推薦の声をいただくと必ずスピードが感動的だったとか、驚いたというコメントをいただけていました。それが一層スピードという意味での信頼を強いものにしてくれていました。
3つ目は、会社設立サポートの「お客さんの推薦の声の数を一番持つこと」です。
この3つ目は、実際に会社設立サポートをはじめた後でないとできないわけですが、他社サイトをしらみつぶしにみて、サイト上にお客さんの推薦の声を一番持っているサイトのお客さんの声の数を数えて、そこを上回ることを最速最優先目標にして1年かからずして達成をしました。
お客さんの推薦の声というのはまさに信頼として誰もが持つべき絶対のものの1つだと思います。このときに重要なのは、信頼の性質としてやはり1番と言えるということがあります。そのため、何でも構いませんのでお客さんの声という括りの中で1番を考えるわけです。僕でいえばそもそもの事業という意味で日本で1番会社設立をやるんだと挑んでいたときでしたので、お客さんの推薦の声の数として1番持っていることを目指しました。
お客さんの推薦の声というのは本当にパワーを持った信頼になります。
集めるとなったときには、お客さんの任意で集めるということにしてしまうと書いてくれる人とそうでない人が当たり前に出てしまいます。そのため推薦の声を書いたほうが色々な意味で得をするという仕組みにして、推薦の声をとにかく集めることを最速でしました。
何度も言いますが、信頼の有無によって、僕達の戦い方や戦いやすさは格段に変わります。
信頼がないことで毎回同じ説明をしたり、確度の低い営業をしないといけなかったりします。このそもそも論を脱却するためのものが信頼でした。そのため信頼というのはいつかできたらいいなという性質のものでなく、今すぐ必要ですし、今ある信頼をもっと質的に強いもの=印籠をみせたときの効果が大きいものは何かを考えて脱皮させていく必要があります。
1,2,3の印籠=信頼が揃うと、客観的にはどのような状況かと言うと、
会社設立について日本一の情報量を持ち(ブログ)、一番早く会社ができて、一番お客さんから推薦されているという状況になるということです。この印籠を見せたときにお客さんがどのように思うかということですね。