部下が話しやすい環境をつくることでマネジメントしやすくなる
- 部下の話を聞く体制を整えよう
- 否定だけで終わらせない。理由をしっかりと伝える
- 日頃のコミュニケーション強化でより話しやすい環境へ
マネジメントを行う上で上司は部下のことをしっかりと理解する必要があります。
・将来的にどうなりたいと望んでいるのか
・何が得意で何が苦手なのか
・どんなことにストレスを感じるのか
など、仕事を円滑に進めていく上でこのような情報はとても重要になります。
部下の情報を得るためには、部下の話を聞くことが必要になりますが、部下にとって話しにくい環境になってしまっていると部下の本音を聞き出すことは難しいものです。
ここでは、部下が話しやすい環境作りのコツについてお話ししていきます。
部下が話しやすい環境とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
他の記事でもお話していますが、まずは部下の話を聞く姿勢がとても重要です。
特に一番始めの面談などでは、まずは部下の話に口を挟まず聞くようにしましょう。
部下は上司が自分の話を本当に聞いてくれているかを探りながら話し始めます。
私が上司と話をしている時によくみるのは相槌のタイミングです。
早すぎる相槌は話を急かされている気がして途中で話すことが嫌になります。
また、感情がない相槌も同様で、自分の話に興味がないのだと感じてしまいます。
また話を急かすような態度や、上司の考える結論へ無理やり誘導させようとするなども部下が心を閉ざす原因の一つになります。
時に部下の話は支離滅裂で論点がずれていることも多いかもしれません。
ですが、その部下とじっくり向き合うためには焦らずに話を聞くことがとても重要です。
また、どうしても部下の目には上司はとても忙しく見えるので部下から声をかけるのは勇気がいることです。
勇気を出して声をかけた時に「忙しいから無理」と言われてしまえば部下がどのタイミングで声をかけていいのかわからず話しかけることが怖くなってしますことがあります。
私が学生時代にバイトをしていた時のことなのですが、店長に質問がしたいことがあり、話すタイミングを伺っていました。しかし、店長はいつも忙しそうで、なかなか声がかけれませんでした。
それでも質問をしなければ仕事が進まなかったので意を決して声をかけると、その店長は自分の仕事を一旦止めて私の質問に丁寧に答えてくれたのです。
このとき、私はとても感動したのを今でも覚えています。
もちろん状況的にすぐに対応できないこともあるかもしれませんが、こういった小さなことで部下の上司への話しやすさや信頼は作られていきます。
この上司は自分の話をしっかりと聞いてくれると思える環境を作ることが、話しやすい環境づくりの第1歩です。
部下が上司に話しをして嫌だと感じるのが自分の意見をすぐに否定されることです。
間違っている意見や会社の上司の方針と違う意見もあるかもしれませんが、頭ごなしに否定することは決してしてはいけません。
ただ、否定はしないにしても間違いを正すことは必要です。
そんな時は、なぜその意見が間違っているのかを部下に伝わるように話すことが重要です。
また、上司にとっては小さな問題と感じることも部下にとっては大きな問題と感じていることもあります。
意を決して上司に相談をした時に、「そんな大したことないことを問題にするな」と言われてしまっては、どんな内容なら相談してもいいのかわからなくなってしまいます。
上司にとっては簡単なことでも部下にとってはそうではないこともあるということを頭に入れておいてください。
いかに自分の話を真剣に聞いてくれていたとしてもそれが実行に移されなければ部下は言っても無駄と思い、上司に話をすることをやめてしまいます。
特に部下が業務に対して何らかの改善を求めた時、口では改善すると言っていても、実際に何も変わらなければ部下は上司を信用することができなくなってしまいます。
改善しようと社長に掛け合ったが却下されてしまった、会社の状況が変わったなど上司にも事情はあると思います。
しかし、裏でどんなに頑張って上司が動いていたとしても部下に伝わっていなければ意味はありません。
もし、要望をのむという約束をしたにも関わらず、その要望を叶えられなくなった時は、なぜ出来なくなってしまったのか、しっかりと部下に伝えることが重要です。
これははじめから要望を聞き入れられない時も同様です。
なぜ、その要望を受け入れることができないのか、部下が納得する理由を話す必要があります。
裏事情を隠す経営者や上司はとても多いですが、何事も包み隠さずに伝えてもらった方が部下にとってはプラスに働くことが実際には多いと思います。
もちろん部下に話せない内容もあるとは思いますが、変に誤魔化すことで部下がおかしな方向に勘ぐり、最悪の場合は会社を離れてしまうというケースもあるので、話せる内容の線引きを明確にした上で、話せる範囲の情報は伝えた方が円滑に会社は回っていきます。
面談などの時にしっかりと話を聞くことはとても重要ですが、日頃から部下とのコミュニケーションが取れていなければ、改まった場で部下が緊張してしまい何も話せないということがおこります。
このような事態を防ぐためには日頃からのコミュニケーショが必要不可欠です。
仕事中に雑談をすることを悪とする会社も多くあると思いますが、雑談によってコミュニケーションが生まれ、時に素晴らしいアイディアが生まれることがあります。
私は仕事中の雑談はある程度必要なものだと考えています。
もちろん雑談ばかりで仕事が全く進まないというのは問題だと思いますが、適度な雑談は部下との信頼関係を作るのにとても役立ちます。
日頃から話しやすい環境作りができていれば、部下は様々なことを自ら話してくれるようになります。
しかし、友達のような関係を作ることが仕事において良いことだとは限りません。
あくまでも上司と部下という関係は崩れないように注意する必要があります。
社内で仲良くなることは自由ですし、良いこともある反面、オンオフの線引きができない部下もいるので、そこには注意が必要です。
せっかく部下が自分の意見を話しても、それをただ否定してしまえば部下の心の扉は永遠に閉ざされることになってしまいかねません。
また、「言っても無駄」と部下に思わせてしまうのも部下が発言したくなくなる理由の一つになります。
まずは上司が部下の話を聞く準備をしっかりとすること。
そしてもし、部下の意見を受け入れられない場合は、否定するのではなく、部下が納得できる理由をしっかりと話すことができれば、部下にとって話しやすい環境が作られていきます。