部下に責任感を持たせるために必要なオーナーシップとは?

ポイント
  1. 部下も責任感を持つことが会社の成長には必要である
  2. 肩書きに関係なく会社に属する全員が持つべきオーナーシップとは?
  3. 部下にオーナーシップを持たせるためにすべきこと

目次 [非表示]

仕事をする中で、どんなに気をつけて丁寧な対応をしていてもトラブルやネガティブなことは起きてしまうものです。
仕事の中で起こった問題はどんな経緯であれ、その仕事を管理をしている人に全ての責任があります。

しかし、部下に全く責任がないのかと言えばそれは少し違います責任をとるのは上司の仕事ですが、部下も責任をもって仕事に挑まなければ同じようなトラブルや、さらに深刻な問題が起こる原因にもなってしまいます。

部下が担当している仕事について訪ねてみても「知らない」「自分の担当ではない」という回答が返ってきたり、問題が起きた時も我関せずという人がいますが、それは自分がその仕事の当事者という意識が薄いため、仕事に対して責任感が持てないのが原因です。

部下に責任感がないことの理由としてあげられるのは、オーナーシップがないことです。ここでは、部下に責任感を持たせるために必要なオーナーシップについてお話していきます。

会社に属する人全員が持つべきオーナーシップとは?

オーナーシップとは、個人が仕事に向き合う時の姿勢や関係性を表す言葉です。

個人が、目の前に存在している課題やミッションに対して誰かに言われたからやるのではなく、自分自身がやるべきこという当事者意識を持って主体的に取り組む姿勢のことです。

仕事を進める上で、このオーナーシップを持っている人は自発的に動くことができ、会社の経営などに対しても自分にも関係があるという意識を持っているため、会社の一員である自覚が強くなります。
そして、会社が今何を必要としているのか、そのために自分は何をすべきなのかを考えることができます。

どんなに小さな仕事であっても任された以上、自分がオーナーシップを持っているという認識を持つことが重要です。
これは上司・部下、正社員・アルバイトに関係なく、働いている人であれば誰しもが持っていなければならないものです。

 

オーナーシップとリーダーシップとの違いとは?

オーナーシップと類似した言葉にリーダーシップがあります。

よく、この2つの言葉を混同している人がいますが、リーダーシップとは、会社やプロジェクトチームなどの複数のメンバーをまとめ、掲げた目標を達成するために先導していく能力を指します。
 
一方で、オーナーシップは役職など関係なく、個人個人が仕事に対して当事者意識を持って取り組む姿勢を指します。

会社に属する全員がオーナーシップを持つことで、経営者だけでなく、従業員ひとりひとりが会社の課題に対して当事者意識を持ち、積極的に取り込むことができるようになるため、より多くの成果を生み出すことに繋がります。

部下が仕事の責任感を持てない4つの理由

仕事を押し付けられたと感じている


部下が仕事に対して責任感を持つために最も重要なことは、部下自身が仕事に対して当事者意識を持つことです。
しかし、部下が上司から仕事を押し付けられたと感じている場合、部下はやらされている仕事と認識してしまい、その結果「上司から言われたのでやりました」という責任感のない回答が戻ってくるようになります。

 

仕事の全体像を理解していない

仕事を進める上で何をするべきかという目的の共有はとても重要です。
しかし、部下がその仕事をなんのためにしているかをわかっていない状態に陥ってしまうと、仕事に対して責任感を持って臨むことができなくなってしまいます。

 

自分のやるべき仕事をわかっていない

自分のやるべき仕事が何なのかをわかっていないと、部下は仕事に対して責任感を持つことはできません。
これは自分がすべき仕事であるという認識がないために、「誰かがやってくれるだろう」「誰かが担当している仕事なのだろう」という人任せな考えになり、自分には関係がないと思ってしまうのです。

 

責任を取りたくない

失敗した際に自分のせいになってしまうことを恐れるあまり責任感を持てない人がいます。
失敗した時に怒られたくない、人から嫌われたくないなど自分の評価を落としたくないという心理状態になり、責任感のない振る舞いに繋がります。

 

部下のオーナーシップを育てるために重要な5つのこと

部下ひとりひとりがやるべき仕事を明確にする


まず重要なことは、部下の仕事の範囲を明確にすることです。
そのためには『どこまで』が『誰の仕事』で『誰が責任を持ってやるべき』であるのかをはじめにしっかりと伝えることが重要となります。
特に複数人でプロジェクトを行なっている場合などは、誰が何をやるべきかを明確にしておかないと、部下同士でお見合い状態になり、結局誰も何も把握をしていないという状況になることがよくあります。

部下に仕事を振り分けることも上司の仕事の一つです。
仕事を部下にお願いする時に「この仕事はあなたに任せるので責任をもって行なってください」と一言添えるのも効果的かもしれません。

部下の意見を取り入れる

部下のオーナーシップを育てるためには、仕事に対して当事者意識を持つことがもっとも重要になります。
そのためには、上司が全てを決定してしまうのではなく、部下の意見を聞き入れ採用していくことも重要です。

目標設定の記事でもお話しましたが、部下のマネジメント成功の鍵はこの当事者意識をどのように持たせるかということにあります。

部下自身が会社やプロジェクトの一員であり、自分が会社にとって、必要な存在であると感じることができる環境を作っていくことも必要になります。

 

すぐに助け舟を出さない

仕事を任せた部下に対して、すぐに助け船を出さないとということもオーナーシップを育てるためには重要です。
部下がすぐに上司に頼ってしまうというのは、オーナーシップの放棄でもあります。これではオーナーシップも育ちませんし、部下の成長のためにもなりません。

もちろん、部下が助けを求めた時に的確なアドバイスをすることは大切ですが、まずは部下自身で考えさせ、対応をしてもらうことも重要なのです。

そういった、自分で考えて対処をしていくことで部下の成長にもつながりますし、部下自身が、自分のミッションに対してより当事者意識を持てるようになります。

しかし、全く部下を助けないというのも非生産的な状況に陥いってしまうので、上司はこのバランスを取ることが重要になります。

 

部下に仕事を任せる

部下のオーナーシップを育てる最も有効な方法は、部下にある程度の権限を与え、仕事を任せてしまうことです。
部下が自分で様々なことを選択し決定できる環境を作ることで仕事に対する責任感や使命感が生まれ、結果としてオーナーシップを持てるようになれます。
部下のスキルによって、与えることができる権限は変わってはきますが、まずは小さなことからでいいので権限を与えていくことが重要になります。

例えば、飲み会の幹事を任せる、社員旅行の計画を任せるなど直接的に仕事に関わりがないことから任せていくのも方法の一つです。
ある程度の信頼関係ができたら、部下の成長を見極めた上で、予算の決定権や運営方針の決定など、より重要な権限をあたえ、任せていくようにしましょう。

部下に権限を与えることで、部下は仕事に対してより当事者意識を持つことができるようになり、ハイスピードで部下のオーナーシップが育ちます。

 

成果に対して評価をする

部下が責任感をもって目標を達成できた時に、正当な評価を受けることで、部下は自分のやってきたことに自信を持つことができるようになります。
仕事に自信が持てるようになれば、自ずと仕事が楽しくなり当事者意識をもって積極的に仕事に取り組むことができるようになります。
この当事者意識を育てることで、部下の責任感は高まり、大きな仕事でも臆することなくオーナーシップを持って挑むことができるようになります。

 

まとめ

ここでは部下に責任感を持たせるにはどうすれば良いのかについてお話してきました。
重要なのは、部下に当事者意識を持たせ、自分が会社の一員であり、会社にとって自分が必要な存在であると思わせることにあります。

それには、部下にオーナーシップを持たせることが不可欠です。
オーナーシップを持つことで、部下はより仕事に対して当事者意識を持つことができ、自分のミッションにコミットすることができるようになります。

また、部下が目標を達成した時などはしっかりと評価をしていくことも大切です。
部下がしっかりと責任感をもって目標を達成したとしても、その頑張りに対して正当な評価がなされなければ部下はやる気を無くし、結果として責任感の欠如に繋がります。

部下は、自分の頑張りが評価に繋がるという体験を重ねること事で、よりポジティブに責任をもって仕事に挑むことができるようになるのです。
 

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著者プロフィール

桃井美里

桃井美里

 こども写真館「スタジオマリオ」のカメラマン・店長を経てウェイビーへジョイン。ウェイビーでは広報・PRを担当。得意なイラストや写真を用いて、難しく考えられがちな『起業』身近に感じることのできるコンテンツの発信に取り組む。 フリーでナレーター・MC・イラストレーターとしても活動中。