新入社員研修虎の巻!〜その②〜
- 新入社員が絶対に通る電話対応!まずは基本の心構えを覚えよう
- 電話を受けるときの手順と会話例と注意点
- 電話をかけるときの手順と会話例と注意点
新入社員が入社した際、どの会社にも共通して教えなければいけないことがあります。それはビジネスにおけるマナーです。
業種によって学ぶべきことは違いますが、ビジネスマナーは共通しています。
今回は、新入社員の仕事として最初に振り当てられることの多い電話対応についてお話していきます。
電話対応はその対応の仕方一つで会社の印象を大きく左右する可能性もある重要な仕事です。
しかし、新入社員の中には電話での対応が慣れていない人も多く、電話自体に苦手意識を持っている人も多くいます。
しかし、基本さえマスターしてしまえば電話対応はそれはど難しいものではありません。
電話の出かた、掛け方からよくある間違いなど、新入社員が電話対応をする時に困らないようにしっかりとマナーを覚えましょう!
電話は3コール目までに出ることがビジネスマナーとされています。なるべくコールがなったら早めに出るようにしましょう。
電話を取る前に必ずメモとペンを手元に用意します。電話を取ってから準備をしては間に合わないので、必ず電話を取る前に準備するようにしましょう。
①名乗る
電話を取ったらまずは社名と自分の名前を名乗ります。
<電話がかかってきたときの言葉の例>
「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇の〇〇でございます。」
→会社によって電話に出るときの文言が決まっている場合があるので電話を取る前に必ず確認しましょう。
「お待たせいたしました。株式会社〇〇の〇〇でございます。」
→長くお待たせしてしまった時などに使いましょう。
②相手の名前を確認する
基本的には電話をかけてきた相手から名乗られることが多いので、相手の名前をメモします。電話でのやりとりは聞き間違いが多く発生します。聞き間違いがないように相手の名前は復唱するようにしましょう。この時に聞き間違いをしていれば相手が修正してくれます。(聞き間違いをした場合は失礼いたしました、申し訳ございませんなどしっかりと謝罪しましょう。)
稀に相手が名乗らない場合があるのでその際は「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」と聞きましょう。
電話を受ける際に一番重要なのが誰から電話がかかってきたかを正確に把握することです。これがわからなければ対応をすることができません。もし聞き逃してしまった場合などは「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」と聞き、メモに残します。
【相手が担当者をわかっている場合】
すでに取引がある場合は、電話相手が担当者を指名してくれるので担当者に取り次ぎます。
<会話例>
相手:「〇〇株式会社の〇〇ですが、経理部の〇〇さんはいらっしゃいますか?」
自分:「〇〇でございますね。おつなぎいたしますので少々お待ちください」
→担当者の名前を復唱し、担当者に電話を取り次ぎます。
注1,自社の社員は上司だとしても敬称はつけません。また自社の社員に対して「お呼びしてきます」などの丁寧な言葉を使うのは間違いです。
【相手が担当者をわからない場合】
相手が担当者を指名しない場合はこちらから聞く必要があります。
<会話例>
自分:「恐れ入りますが、担当者名はわかりますでしょうか?」
→もし、聞いてもわからない場合は、用件を聞くなどして取り次ぎ先を確認します。
自分:「ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
相手:「〇〇プロジェクトについてです」
自分:「承知致しました。確認してまいりますので少々お待ちください。」
→要件がわかれば担当者に電話を取り次ぎます。電話を取り次ぐまでは必ず保留を押しましょう。保留忘れは思わぬトラブルを引き起こすことがあるので注意が必要です。
注1,ここまで聞いてもわからない場合は、上司などに電話相手の情報を共有し担当者を探します。
③担当者に取り次ぐ
【担当者が在席している場合】
先ほどメモした相手の情報を共有します。その他にも相手から伝えるべきことがあれば漏れなく伝えるようにしましょう。
「〇〇株式会社の〇〇様よりお電話です」と口頭で伝えた上で、メモも一緒に渡すと尚良いでしょう。
【担当者が離席している場合】
担当者が離席をしている場合は、相手にその旨を伝えます。
<会話例>
自分:「お待たせしております。申し訳ないのですが、ただいま〇〇は席を外しておりまして、戻り次第こちらから折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか?」
→相手に伝えるポイントは、お待たせしたことへの謝罪・担当者が不在なこと・折り返し電話をかけることの3つを伝えることです。
相手:「わかりました。お願いします。」
自分:「それではお電話番号をお伺いできますか?」
→折り返しをする場合は必ず相手の電話番号を聞きましょう。電話番号に間違いがあれば折り返しの連絡ができないので、復唱するなどして間違いのない電話番号をメモしましょう。
また、担当者が不在の際に聞かれることが多いのが、いつになれば担当者が戻ってくるのかということです。
もし、戻り時間がわかるのであればその時間を伝えましょう。わかりませんという回答はあまり望ましくないので、近くにいる人に確認するなどしてできるだけ情報を得ましょう。
注.1担当者が会社に戻ってこないなどでその日のうちに折り返しができない場合は、いつまでに折り返しができるかを伝えるようにしましょう。
例)「大変申し訳ないのですが、〇〇は終日外出をしておりまして、折り返しのお電話が明日になってしますがよろしいでしょうか?」
など、しっかりと事情を説明するようにしましょう。もし、急ぎの場合は他の担当者に取り次ぐなどの対応が必要になります。
また緊急の場合は、担当者が外出中でも電話やメールを入れるなどして、情報の共有をするようにしましょう。
相手から折り返しの必要がないと言われる場合もあります。
例1)
相手:「再度こちらから掛け直します」
自分:「お手数をお掛けします。それでは〇〇様よりお電話をいただいたことを〇〇に伝えさせていただきます。」
例2)
相手:「メールを送るので折り返しは不要です。」
自分:「承知致しました。〇〇に伝えさせていただきます。」
例3)
相手:「折り返しはいいので〇〇と伝えてもらえますか?」
自分:「承知致しました。」
など、折り返しが不要な場合は適宜対応しましょう。
④電話を切る
相手が電話を切ったことを確認した後に電話を切るのがマナーです。
(基本的には電話をかけた相手が電話を後に切るルールがありますが、お客様などの場合は受信発信関係なく、自分が後に切るようにします)
⑤メモを残す(担当者不在の場合)
担当者が不在の場合は担当者の机に不在メモを残すようにしましょう。
<メモに記載すべきこと>
・担当者の名前(メモを落とした時などに誰宛のものかわかるようにするため)
・日時
・電話相手の会社名
・お名前
・折り返し先電話番号
・備考(書くべきことがあれば)
・自分の名前
<電話メモ例>
〇〇さん
●月●日●時頃
下記のお電話がありました。
会社名:〇〇株式会社
お名前:〇〇様
電話番号:〇〇−〇〇〇−〇〇〇
備考:本日18時までにご連絡いただきたいとのことです。
折り返しのご連絡をお願いします。
〇〇(自分の名前)
メモはフォーマットにして用意していくと聞かなければいけない情報の聞き忘れ防止にもなります。(メモでなくてもメールやチャットなどでも上記の情報が記載されていれば問題ないです。)
<電話メモフォーマット>
さん
月 日 時 頃
下記のお電話がありました。
会社名:
お名前:
電話番号:
備考:
□ 折り返しご連絡をお願いします。
□ 折り返しは不要です。
担当:
新入社員が自分から電話をかける機会は最初のうちはあまりないかも知れませんが、いつでも自分から電話をかけれるように準備をするようにしておきましょう!
電話を受ける時と同じ言葉を使っている部分もあるので、まずは受信で電話になれ、徐々に自分から発信ができるようになりましょう。
・連絡先の情報を確かめる
電話をかける相手の会社名、部署名、担当者名に誤りがないか確認してから電話をかけるようにしましょう。この情報を間違ってしまうと相手にとても悪い印象を与えることになるので注意が必要です。
また、名前の読み方についても名刺などを見て頭に入れておきましょう。基本的に呼び出しの際は名字を伝えれば問題ありませんが、稀に同じ部署に同じ姓の人がいる場合もあるので、下の名前まで頭に入れておくほうが良いでしょう。
・要件をあらかじめまとめておくこと
特に話すのが苦手な人は、あらかじめ話すことをまとめておきましょう。電話をかける際は相手の貴重な時間をいただいているという自覚を持って電話をすることを心がけましょう。
また、必要な資料などがある場合は、あらかじめ準備をしておきましょう。
・電話をかける時間帯に気をつける
よほど急ぎの電話でない限りは朝一番のタイミングや就業間近のタイミングで電話をかけるは避けましょう。さらに、昼休憩に出ている可能性が高い12時〜13時もできれば避けたほうが良いでしょう。
どうしてもその時間帯に電話をかけなければいけない時は、
「朝早くに申し訳ありません」や「休憩中に申し訳ありません」など一言添えるようにしましょう。
①名乗る
相手の会社の人が電話に出たら、挨拶をして自分の名前を名乗ります。その次に担当者名を伝えます。
<電話をかける時の会話例>
相手:「〇〇株式会社の〇〇でございます。」
自分:「お世話になっております。〇△株式会社の〇〇です。〇〇部の〇〇さんはいらっしゃいますでしょうか?」
最初の挨拶は大体の場合は「お世話になっております」で問題ありません。たまに自分の名前を名乗ることを忘れてしまう人がいますが、名乗りは基本中の基本なので絶対に忘れないようにしましょう。
担当者以外の人が電話に出た場合、稀に要件を聞かれることがあります。その際は「〇〇の件でご連絡いたしました」と要件を手短に伝えます。
例)「○月○日の会議の件でご連絡いたしました。」
「〇〇プロジェクトの出席確認のご連絡です。」
など
②担当者を呼び出してもらい、要件伝える
【担当者に繋いでもらった場合】
⒈再度自分の名前を名乗る
⒉再度相手の名前を確認する
(相手が先に名乗らなかった場合は念のため相手の名前を確認するようにしましょう)
⒊日頃の感謝を伝える
例)以前打ち合わせをした場合→「先日お打ち合わせでは大変お世話になりました」
自社のイベントに参加してもらった場合→「先日は弊社のイベントにお越しいただきあ りがとうございました」など
⒋こちらの要件を伝える
まずはなぜ電話をかけたのかを端的に説明し、本題に入るようにしましょう。
⒌会話が終わったら内容を復唱する
念のため、会話の内容をまとめ復唱します。特に数字などを電話で決める場合は間違い などがないように確認したほうが良いでしょう。
⒍お礼を伝え、電話を切る
基本的に電話はかけたほうが後に切るルールがあります。相手が切った後に音を立てず に電話を切ります。
⒎電話の内容をまとめる
話した内容はなるべくすぐにまとめるようにしましょう。報告が必要な場合は上司に報 告をします。電話はメールと違い、話した内容が文章として残らないので情報が漏れて しまうことが多くあります。また、後から話した内容が違うと言われてしまうこともあ ります。
可能であれば電話で話した内容をまとめ、念のため文章としてメールで相手に送るとよ り良いでしょう。
<担当者に電話を繋いでもらった時の会話例>
相手:「お電話変わりました。〇〇です。」
→ここで名乗ってくれた場合はお名前の確認は不要です。
自分:「お世話になっております。〇△株式会社の〇〇です。先日は弊社にお越しいただきありがとうございました。」
相手:「こちらこそありがとうございました。」
自分:「本日は、〇〇イベントのご参加者の数を確認したくご連絡させていただきました。以前、〇名様のご参加とお伺いしていたのですが、変更などはございますか?」
相手:「すみません。〇〇人に変更してほしいんですが問題ないですか?」
〜中略〜
自分:「それでは〇〇イベントのご参加者は〇〇人で受けたまりました。お時間いただきありがとうございました。」
相手:「こちらこそありがとうございました。」
自分:「ありがとうござます。それでは失礼いたします。」
【担当者不在の場合】
⒈こちらから再度掛け直すことを伝える
基本的に自分からかけた電話に対しては自分から掛け直すほうが良いので、まずは自分から掛け直すことを伝えるようにしましょう。
⒉相手の戻り時間を確認する
相手の戻り時間を確認することで次の電話が繋がりやすくなります。相手の戻り時間に再度発信をすることが可能であれば「それでは〇時に再度ご連絡させていただきます」と伝えましょう。逆に相手の戻り時間に発信ができない場合は、「承知致しました。それでは明日再度お電話させていただきます」など、電話が可能な時間を伝えるようにしましょう。
電話をすると相手に伝えた以上、リマインドをするなどして忘れずに連絡をしましょう。
<担当者不在時の会話例>
相手:「申し訳ございません。〇〇はただいま席を外しております。」
自分:「承知致しました。では、こちらから改めてご連絡させていただきます。お戻りは何時頃になりますでしょうか?」
相手:「本日16時頃に戻る予定です。」
自分:「それでは、本日16時頃に再度ご連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。」
電話は顔が見えない分、声の印象を良くする必要があります。
声の印象を良くするためには普段より少し明るめの声で話すのが良いと言われています。
また、滑舌が悪く声がこもっていたりボソボソと話してしまうと相手が聞き取れずになんども聞き返されてしますので、普段よりハキハキした発声をすることを心がけましょう。
電話をとる時には必ずメモとペンを用意するようにしましょう。
ただでさえ電話に慣れていない新入社員が電話の最中にメモを準備するのはハードルが高すぎます。
電話対応にはメモが必須です。すぐに取り出せる場所にメモとペンを用意し、電話対応をするのが良いでしょう。
新入社員が電話をとる時、わからないことがあるのは当然のことです。わからないことは適当に答えたり、わからないとは言わずに、「確認致しますので少々お待ちください」と伝え保留にし、上司に質問しましょう。
ただ、あまりに保留を使いすぎると相手が不快感を感じることがあるので、なるべく質問は一度にまとめて聞くことがいいでしょう。
<相手に不快感を与える保留使用のパターンの例>
相手:「〇〇について聞きたいのですが。」
自分:「少々お待ちください」
ー保留ー
自分:「お待たせ致しました。〇〇については〇〇が可能です。」
相手:「〇〇の部分はですか?」
自分:「…少々お待ちください。」
ー保留ー
<相手に不快感を与えない保留の使い方の例>
相手:「〇〇について聞きたいのですが」
自分:「承知致しました。具体的にどのようなことについてのご質問かお伺いできますか?」
相手:「〇〇の〇〇の部分について〇〇ができるかどうかが知りたいです。」
自分:「承知致しました。確認致しますので少々お待ちください」
ー保留ー
自分:「〇〇の〇〇の部分について〇〇が可能です。」
相手:「ありがとうございます」
2つの例の場合の違いは、より具体的に質問を聞いた上で保留を使い、回答をしている点です。このように情報を一度に得ることができれば保留の回数を減らすことができます。
また、いかに保留の回数を減らしても保留の時間が長くなって相手をお待たせするのは良くありません。
新人が電話対応をする上で、どうすれば保留の回数と時間を減らせるのかを考えることはとても重要なことです。
何度か電話対応をするうちに質問のパターンが見えてくると思うので、対応メモなどを作成し、答えられるようにしておくのも良いでしょう。
会社に電話をかけてくる人の会社の印象は、一番最初に電話に出た人の対応で決まります。
対応した人が新入社員であろうとベテラン社員であろうと関係なく、会社の代表として電話に出ているという時間をもって対応することが必要です。
電話をとる際に、正しい言葉使いを意識すぎて言葉が出てこなくなってしまうのはよくありませんが、一歩上のビジネスマンを目指すには正しい日本語を身につけることも重要です。
意識しすぎると余計におかしな言葉使いになってしまうこともありますが、正しい日本語を言葉を頭に入れておき、余裕が出てきたら使うようにしましょう。
折り返しはいただいた電話に対して使う言葉なので、自分から発信している時に使うのは不適切な言葉です。
自分から電話をかけるときは「折り返しご連絡いたします」ではなく、「再度ご連絡いたします」が正しいです。
ただ、こちらから電話をかけ、相手から折り返しの電話をしてもらう時には「折り返しご連絡をいただいてもよろしいでしょうか?」と使うことはできるので、間違えないようにしましょう。
一見、丁寧な言葉に聞こえますが、休みは自社からもらうものなので、社外の人に対して「休みをいただく」は間違いです。正しくは「〇〇は休みをとっております。」になります。
少し揚げ足をとるように聞こえるかも知れませんが、「お名前」は頂戴できるものではないので、「お名前を頂戴できますか」は日本語として間違っています。
電話のように口頭で聞く場合は、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」訪問時に何かに記入してもらう場合などは「お名前をご記入いただけますか?」が正しいです。
同様に「電話番号を頂けますか?頂戴できますか?」も間違いなので気を付けましょう。
一時期話題になりましたが、正しくは「よろしいですか?」です。なぜなら「よろしかった」は過去の出来事ではないのに、過去形で尋ねており日本語としては間違いなのです。
現在は多くのテレビなどでも日常的に使われているので間違って覚えやすい日本語の一つです。
こちらも綺麗な言葉に聞こえるかも知れないですが、「とんでもないです。」が正しい使い方です。そもそも「とんでもない」というのが一つの形容詞なので、「ない」の部分だけを切り離して「ありません」に変えてしまうのは日本語としておかしいのです。
電話対応の仕方についてお話してきましたが、ここでもっとも大切なことは、
・電話に出るときは会社の代表として対応していること忘れないこと
・相手の貴重な時間をいただいている自覚を持って対応すること
の二つです。
この二つを意識し基本をマスターすれば、電話対応はそれほど難しいものではありません。
さらに、電話の対応の仕方や正しい言葉は様々な業務でも役にたちます。
まずは基本をしっかりとマスターし、苦手意識を克服しましょう!