成功する経営者ほど社員への知識・ノウハウ共有に多大な時間をかけている

ポイント
  1. スーパーマンを求めている経営者の失敗
  2. 仕組みづくり徹底的にする
  3. 仕組みがあるので人がより活きる

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成功する経営者ほど、失敗する経営者と比べて、明らかに、経営者が持っている知識、ノウハウを社員に共有することに時間を圧倒的に使っています。失敗する経営者はほとんどしていない、全くしていないと言ってもいいかもしれません。

この経営者の差というのは、経営者の前提が全く異なるのです。

それが、人材志向か仕組み志向かの違いです。

スーパーマンを求める「人材志向」が生み出す大失敗

「会社の売上が上がらない」
「社員の定着が悪い」
「問題が多く生じている」

などの状況があると、多くの経営者は社員にもっと頑張ってもらおうと思ってしまいます。ただ、社員の働ける物理的な時間、仕事のパフォーマンスにはもちろん限界があるわけです。

状況がよくないと、経営者は焦ってしまって、社員への目標をとにかく高くして、社員に多くの成果を求めてしまいます。

結果として、多くのことを求めたり、無理な目標となったりして、過酷な条件や労働環境を生んでしまうことに繋がったり、その結果、一層の離職、トラブルなどへの発展、業績の低迷という結果を生むという負の循環に入ってしまうことが多くあります。 この負の循環の完全な原因は、経営者の前提にあります。


それは「人材」に依存した前提となっていることなわけです。 社員=人が問題であって、人で問題を解決しようと思っているわけです。 経営者が、経営者自身のような、スーパーマン的な人材を人材に期待してしまっているのです。

経営者のような人材は絶対にいないと思ったほうがいいです。 もちろん優秀な人の採用を目指すのですが、ここに頼り切り、任せきりになってはいけません。そもそも優秀な人というのはとても少ないということ、誰であっても成果を生み出せる仕組みをつくることを考えるべきです。

人材志向を前提としてとってしまうと、ワンマン、属人状態を抜け出すことはできず、一層状況を悪化させることになります。

「仕組み志向」を前提にする

経営者は、人というのは必ずいなくなるという前提で考えなくてはいけません。
ずっと社員がい続けてくれたらもちろん嬉しいわけなのですが、社員も人ですので
何が起こるかなんてわかりません。またい続けてくれたとしても、人に依存をしないで
誰でもできる仕組みをつくることは会社成長のためには1番重要になるわけです。

そのため、人材志向ではなく、仕組み志向の考え方を持つべきです。

「誰が」という人に依存するのかでなく、「仕組み」に依存をする状況をつくるべきです。

もし何かうまくいかないことがあった場合には、

「誰」のせいかではなく、
「仕組みのどこがよくなかったのか?」

という問いを持つべきです。 日々、よい人材を探すのではなく、誰でもできる、誰でも成果を出せる仕組みをつくること、もっとよい仕組みに変えていくことを大切にします。

人材にも投資をしつつも、仕組みに何よりも投資をします。

人はいつかいなくなってしまいますが、仕組みというのは客観的なものであって会社に残り続けます。

仕組みを生み出し、仕組みに投資をし、仕組みをどんどん改善していく。その仕組みの上に人がいる。このように考えることが仕組みを前提とした経営です。

仕組みが、できない人を結果として成長させる

経営者は仕組み志向を徹底的に持つべきです。人よりもまず前提は仕組みづくりです。
しかし、この仕組み志向というのは、人材志向を捨ててくださいという話ではありません。仕組みがあることによって、人材もより活きるということです。

これは僕自身が最も感じていることです。
社内に一切の仕組みがないとき=僕の頭の中にしかやり方、正解がないときに、
社員に成果をずっと期待している時期が長くありました。このときは本当に仕組みなどなく、かつ、仕組みがないにも関わらず社員に丁寧に業務(マーケティング、セールス、サービス提供など)を教えるということすらしていなかったわけです。このような状況=社員の目線でいえば何もわからない中で、結果だけ出せと言われているわけです。

今考えるととても理不尽だなとつくづく思います。しかし、当時はそれが理不尽だなんて思ってもいなかったですし、むしろ社員自ら頑張ってできるようになるし、そうあるべきだと徹底的な人材志向(スーパーマン志向)だったわけです。

このような状況の中で、もちろん成果を出せる社員などほとんどいるわけもなく、社員の成果が芳しくないので、この社員は仕事ができないという見切りをして、ポジションを次々に変えたり、辞めてもらってを繰り返していました。

しかし僕にも転機がいよいよ訪れ、このままではいけないと、仕組み志向に変わりはじめました。

社長が商品で社長だけしか売れないという個人戦をやめる方法も合わせてお読みください。

最初にやったことは、重要視している基本的な仕事の仕方を全て言語化、ルール化、徹底的に教えて、できるようになるまでサポートするということをしはじめました。

そうすると、今までであれば、社員ができないことがあると、都度注意してというレベルで本気でできるようにしようとは思っていなかったわけで、社員はいつまでもできるようにならず、ストレスをとても感じていました。

ただ、明らかに言語化、ルール化、社員に徹底的に教えて、できるようになっているかを確認をするようになってからは、社員が本当にできるようになっていくわけです。

この光景にとてもとても感動をしました。 その後、基本的な仕事の仕方からスタートしたものを、「営業」「マーケティング」、、、と1つ1つの仕事を(僕がどのように考えていて、行程を分けて、行程ごとのポイント、成功、失敗ケースなど)同じように言語化、ルール化、徹底的に教え、できるようになっているかチェックをするを繰り返しています。

結果として、前にいた営業マンが1年かけても出せなかった成果を、社会人歴2年目、営業経験0、入社4か月目の社員が達成をしてしまったわけです。この社員に限らず、他の社員も同じような前にいた社員の生産性(生み出している価値/コスト)で5-10倍の成果を出すようになっているのです。

人材志向のときに社員が全く成果を出さなかったので、

「これは自分以外誰にもできないのではないか」
「自分にしかできないと、売上は限界があるな」

と、とても暗くなることもありました。そのように思い込んで、諦めそうになっていた僕が、仕組み志向に考え方を変えてからの成果に1番驚いています。

仕組みがあることで社員は成長する

仕組みがあることによって社員は成長するのです。仕組みがないと社員はなかなか成長できません。もちろんごく稀にスーパーマンみたいな個人はいるかもしれませんが、その偶然に賭けてはいけないのです。仕組みがあることで、あまりできないような社員でも確実にできるようになっていくのです。むしろ、その状況、できない社員でもできるようになるということを実現するために仕組みがあるという考え方です。仕組みがあるので、どんどん社員も仕事ができるようになっていき、仕組み自体の見直し、改善、やめる、新しくつくるなどというPDCAサイクルが回っていき、どんどん強い仕組みになっていきます。

社長がいなくても回る強い仕組みを作る

経営者の仕事は仕組みをつくることでした。

徹底的な仕組み志向になることによって、社長がいなくても、誰か特定の人がいなくても回る会社をつくることができます。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。