再現性ある仕組みは、単純化、標準化、分業化がポイント

ポイント
  1. 仕組み化は再現性を最も大切にする
  2. 単純化、標準化、分業化ができているか?
  3. 仕組みづくりの間違いを理解しておく

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中小企業の成長が止まる最大の原因は属人化、社長ワンマン化にあります。この状況を抜け出すためには、仕組み化をしていかなければいけません。この記事では、仕組みづくりのゴールである再現性を生み出すためのポイントになる、単純化、標準化、分業化についてそれぞれ具体的にご説明してまいります。

仕組みづくりは再現性を徹底的に志向する

中小企業が組織化、仕組み化をしていくためには、社長がやっていることをスーパーマンである社長だからできると思われていることを、単純にして、標準化して、分けていくことを通じて、再現性を生み出すことをしていきます。

仕組みをつくる目的は、誰であっても同じ結果を出せるようにすること=再現性を生み出すということになります。

再現性がなければ、その仕組みは仕組みとは言いません。 必ず仕組みのどこかに問題があるということになります。

再現性を生み出すための単純化、標準化、分業化

再現性を生み出すために、単純化、標準化、分業化という3つのポイントがあります。
社長やごく一部のスゴイ人しかできないことを、単純化、標準化、分業化の3つの切り口で誰でもできる、誰でも再現できるようにすることをするのです。

単純化とは

結果を出すためのやり方、方法として、もっと簡単、シンプルにできないか?ということを考えることです。やり方、方法が複雑だったり、工数が多ければ多いほど、難しくなり、再現性が遠のいてしまいます。そのため、やり方、方法は簡単、シンプルであればあるほど、結果が本当に出るのであればよいのです。そのため、やり方、方法を今よりももっと簡単、シンプルにできないか?を考えます。

標準化とは

あるべき、仕事の手順、やり方、方法を決めることによって、誰であっても同じ結果を出せるようにすることです。仕事が標準化されていないと、個々の社員がそれぞれの仕事の仕方=我流で仕事をすることになります。結果として仕事の成果が人によって変わってしまって、安定しない、仕事の成果が高い人、低い人がいるという状況になり、属人化を生み出す原因となります。 そのため、

  1. 属人化している仕事を標準化すること
  2. 標準化=その仕事のマニュアル(手順、方法など)を作成する
  3. マニュアルに基づいて仕事をするようにする

ということをしていきます。

分業化とは

複雑な仕事を単純化し、仕事自体を切り分けていきます。その切り分けられた仕事を標準化することで、誰でも同じようにできるような手順、方法を志向します。

この状態になったときに、1人の人がたくさんの違う仕事を行うのと、1つの仕事のみに千年していくのではどちらの方が効率的に結果を出すことができるでしょうか?
後者の方がほとんどの人にとっても効率的になるはずです。このように仕事を分けて、専念させることが分業化となります。分業化を進めることによって、各仕事の効率がどんどん上がっていきますし、各仕事の専門性が上がっていき、より一層その仕事自体の改善をしやすくなっていきます。

分業化を進めることによって、仕事自体がシンプルになっていくわけです。
結果として、全く分業化されていない(=どんな仕事があるのかわからない状況で、仕事が人に紐づいてしまっているので、新しく入った人など、外から見ると仕事が全然わからない)と、新人社員などが入った際に、仕事を任せてやってもらうということができないわけです。これが分業化されていると、あまり知識などなくともできる仕事があったりするので(分業化の結果)まずはこの仕事をやってもらおうということが効率的にできるわけです。

中小企業が人を雇うと逆に忙しくなる問題の正体

中小企業が人を雇うとかえって忙しくなってしまうことが起きます。これは完全に仕組み化されていないことが原因です。

何の仕事をやってもらうのかが決まっておらず、いざこの仕事をやってもらおうとなっても、その仕事自体が属人的だったりする=標準化、分業化されていません。

すると属人的になっている仕事を、忙しい人がマニュアルなどなく教えることをしないといけなくなります。教える人に余裕があればいいですが、余裕があることなんてないので、落ち着いて、ゆっくりと教えることもできず、結局、自分がやったほうが早いとなってしまう(=教えることが手間だったり、すぐにできるようになるわけでないので、ミスなどが起きて仕事がより増えたりということをしてしまうのです。)のです。

この状況は完全に負の循環で、中小企業ほど早く抜け出さないといけないのですが、中小企業ほど抜け出せないのです。

ここは経営者が絶対にやりきるんだという覚悟が不可欠になります。

仕組み化というのは短期的に言うと負担が増えることになります。今の属人的なやり方でやったほうが慣れているので楽だからです。ルールをそもそも変えることになったり、仕組みができ、できるようになるまでは様々うまくいかないことや手間が増えるのです。

マニュアル=仕組みづくりは人が使うということがポイント

標準化のためのマニュアルづくり=仕組みづくりのポイントとして、このようにしなければいけないという手順、やり方があるのは当たり前なのですが、合わせて、なぜそのようにしなければいけないのか、なぜそのような手順、やり方にいきついたのか?という理由や背景もあるととても社員は納得感を持つことができ、理解を深めることがしやすくなります。

マニュアルというととても無機質なものに感じられますが、マニュアルという仕組みを主としつつも、その仕組み、マニュアルを実際に使うのは人だということを考えて、マニュアル=仕組みをつくっていくことがとても大切になります。

人の感情に配慮をしなければ、その仕事というのは機械がやればよいとなってしまいます。
人を機械のように考え、扱うということも、割り切り、1つの考えかもしれませんが、機械のように扱われた人というのは自立、自走型の社員として、成長すること、大きな成果を生み出す社員になるでしょうか?仕組みを大切にしつつ、その上に乗っかる人の感情において絶対に外してはいけない部分を押さえるべきです。

社長が抜けることが仕組み化ではない

社長が楽になるために組織化、仕組み化をするわけではありません。
組織化、仕組み化をしていく中で、口酸っぱく言っていることとして、

「社長が現場を離れられるようになることを目指さなくてはいけません。
ただ、社長が現場を離れることが目的ではなく、社長が現場を離れて、社長以外の人であっても、お客さん満足をしっかりと取れなくてはいけません。」

実を言うと社長が現場を抜けるということはさほど難しくありません。
決定的に難しいこととしては、属人化、ワンマン状態にあった際に、社長ができていたお客さん満足を維持、またはより高めることを目指しつつ、社長でなくても現場仕事ができるようにすることが難しく、しかし、ここを目指さないといけないです。

社長が現場仕事から抜けれたものの、お客さん満足が下がってしまったということでは会社としては意味がありません。

目指すべき目標を間違えてはいけません。

仕組み化=単純化、標準化、分業化によって会社は劇的に成長する

社長の仕事は優秀な個人に任せることでなく、優秀な仕組みをつくって、誰であっても仕事ができる状態を作り上げることです。

仕組み化を実現するためには、単純化、標準化、分業化が欠かせません。
仕組み化は一朝一夕ではできませんが、会社が小さいときから進められるととても効率的です。単純化、標準化、分業化の概念をしっかりと理解して、優先順位の高い箇所から仕組み化を進めましょう。

弊社の01組織クラウドをお使いいただけますと、単純化、標準化、分業化をより理解いただけ、仕組み化が加速できます。

まずは、社長がいなくても回る強い組織、仕組みの作り方について無料の動画をご用意していますので、是非合わせてご覧ください。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。