マッチングを制するものが企業の成長を制する

ポイント
  1. マッチャ―が相互のことをよく知っていること
  2. マッチングにおいて一番重要なポイントとは
  3. マッチングにあたっての注意&TIPS

目次 [非表示]

マッチングの考え方

2017年も既に5か月が経過しました。今週のカレンダーをみてみると、ランチ会(お客さん同士をマッチングするためのもの)で火、水、木、金曜が埋まっていました。ランチ会以外にもお茶会、飯会(夜ごはんを食べる会)などを不定期でやっています。

2017年の5か月振り返ってみると、既に、このようなマッチングのための機会設定は50回近くになっていました。各回5名程度の参加が多いので、250名近くの商売人の方をお引き合わせしているということです。これ以外にも、個別のマッチングも多数ありますので、僭越ながら少しマッチャ―(マッチングの起点)になってきています。

そのようなマッチャ―として気を付けていることを書いてみます。
僕の整理のためも。(もちろん失敗するマッチングもあり、お客さんにご迷惑をおかけしてしまうこともあります。本当にすみません。うまくいくマッチングも多々あるのでご参考までにです。)


まず僕のマッチングの考え方ですが、商売は「人」との出会いによって劇的に変わっていくというものがございます。商売に限らず人生と言ってもよいかと思います。

また、

「良い人同士が繋がると良い結果になり、お客さんに価値を生むことができる」
「僕が解決できないこともマッチングで解決できる」
「他業界、全く違う背景の人との接触によって情報、経験などをシェアしていただき本業に生かす」
「一気に数名のお客さんとお会いできる」(個人的な目的)
「ランチは1人で食べるなら、誰かと食べたほうが有効」(個人的な目的)
などいくつかの目的がございます。

さてここからはマッチャ―としての大切にしていることです。

マッチャ―が相互のことをよく知っていること


当たり前のことです。でも、僕がマッチャ―の立場ではなく、紹介をしていただく場合で、マッチャ―の人がよく知らない人を紹介してくれたりということもあります。(何の意図があってのアポなんだろうということがよくあります。)

結局、時間は一番重要な資源ですので、時間を最大限有効にするために、どんな人なのか、アポイントの目的は何か?(悪い意味でなく、時間効率を高めるためです)ということを事前に理解する必要が間違いなくあります。場合によっては事前にFBグループなどつくり、簡易にコミュ二―ションを取り始めていただくなど最近はやっています。

ここの下準備をやらないでマッチングとなると無駄の多い時間の過ごし方になることが多いです。双方が時間をロスする可能性があります。そのため、マッチャ―としてはやはり双方のことを知っているというのは当たり前ですね。(もちろん様々な目的がありうるので、いろいろなことが想定されますよ!ただ若い経営者同士で飯を食べたいとか!そういう目的であれば必要以上の気遣いは不要だと思います。それはそれでよいのです。)

マッチングにおいて一番重要なポイントとは

上記のようなニーズ(目的)レベルでの相性もそうですが、それ以上に大切なのが、マッチャ―自身が紹介する人のことをしっかりと「どんな人」なのか?ということを知っておくことです。逆算的に言えば、基本的にマッチングはうまくいかずに終わることが圧倒的に多いです。これは会社間の提携においても同様です。

「マッチングの成否の一番のポイントは、人や会社の相性だと思っています。」


次に大切なポイントとして事業を本当に補完できる関係か?です。(マッチングする2者だけでなく、エンドユーザーであるお客さんを含めて3者がよい関係になるかです。)

そのため、人を知らずに、事業レベルや、会社レベル、人レベルのニーズ解決型のマッチングはなかなかうまくいかないと思っています。人の相性つまり、論理でない、感覚的な部分が実際は大切なわけです。この相性の見極めというのはとても難易度の高い話です。良く話す人なのか、声の大きい人なのか、出身地、お酒の飲み方、女性の好みや論理的な人なのか、合理的な人なのか、考え方など、いろいろなことを考慮して決めることが多いです。

※マッチャ―としてこの点でおすすめのポイントですが、紹介者同士、何か1つでも共通点をつくっておく、みつけておくことです。(たとえば、出身地が同じ都道府県であるとか、住んでいるエリアが一緒だとか、前の会社が同じ業界でしたとかですね!)

先日のランチマッチングも意図的に、メインの社長が京都出身で親分肌の方なので、1名京都で事業をやっている若手経営者をお連れしました。(絶対同郷で年が若いので可愛がってくださると確信があり)うまくいき、同郷ということでかなり盛り上がりました。

もちろんそんなことを一切気にせずにお繋ぎすることもあります。それは、マッチャ―が双方と本当に強い関係があり責任を取れるケース(変なマッチングになっても許される関係)や、目的が緩いマッチングのケースなどです。(とはいえ、やはり何も考えずにということはオフィシャルなマッチングではないかもですね。やはり明らかに合わない人同士をマッチングはしないですね。)

マッチングの成功は正直が一番

マッチャ―にとって本当に強い関係がある人同士のマッチングの場合には、僕はざっくばらんに、事前に双方の人に、まず伊藤の立ち位置(紹介予定の人との関係、お金のやりとりがあるのかなど)を基本的に包み隠さずシェアします。マッチャ―の信頼がマッチングの精度に大きく影響するからです。そして、今回はどんな形の結果になることを個人的に望んでいるのか?ということを話します。もちろん双方にとってメリットになる関係であることは言うまでもありません。

さらに、その上で、今回は「僕が良かれと思って」マッチングをさせていただきたい人がいますと、僕が提案したという体を取って、マッチング依頼を出します。(本当はどちらかの社長にお願いされたとしても)ここで僕が提案というのも大事です。なぜならば、どちらかの社長がお願いしたということになると、その時点で公平な関係(お願いされた社長のほうが優位になってしまう)ではなくなってしまうためです。

※目的はマッチングをうまくいかせ、新しい価値をつくることにあるからです。

対等なマッチングであればよいのですが、どちらかがどちらかにお願いをするようなマッチングの場合には(実際は僕が間に入っているので、僕の提案となっていることが多いですが)、双方の事前の期待値や、事前の紹介の仕方、当日現場での説明の仕方などこれはマッチャ―の力量がモロに問われる見せ場中の見せ場ですね。


双方の期待値をしっかりと調整しておくことも大切です。今日の会にはどんな人がどんな目的でくるのか?ということをしっかりと事前にシェアしておきます。2人のマッチングなら簡単ですが、4,5人以上になってくると、その中でどのような位置付でまずはこの機会をセットしたのか?という目的をシェアし、個々人それぞれに事前にこの人とはこのような関係がつくれるかもしれませんので、このような話をされてくださいとかなり細部まで事前に話をしているケースもあります。(このような話はしないでくださいとか、場合によっては盛り上げ役をお願いします的な感じでいじりやすい社長をお誘いしたりということもありますw)

この丁寧かつ繊細な下準備をすることができると、圧倒的なマッチング率を生み出すことができるわけです。

マッチングにあたっての注意&TIPS

・弱い人(リソースのないとか、GIVEできない人)同士をマッチングしても何の意味もありません。どちらもGIVEの気持ちを有した人同士のマッチングでないといけません。

・TAKE思考の人をリストから排除
一般的な交流会などの生産性が極めて低い理由として、ここまでのポイントがほとんど守られていないことが原因としてありますが、それ以上に、参加者のマインドがTAKE(自分が得をしよう)思想の人ばかりだからです。自分の話ばかりしたり、すぐに何かを売ろうとしたり。げんなりです。このような人をお繋ぎしてはいけませんというか、付き合ったらいけません。

・自分の「紹介した人=自分」と同じだということ
紹介した人が紹介された人に失礼なことをした場合、当たり前ですがこれは紹介した僕の責任です。このことを理解して紹介をしなくてはいけません。僕も年に数回程度、紹介者間で問題が起きてしまい、本当に申し訳なさを感じることがあります。即、決定的に改善をしていかねばなりません。(ご迷惑をおかけしたことのある方、本当にすみません。。。)

・このマッチングはいけると思った場合
マッチング初日に明らかにこのマッチングはいけると思った場合、僕を除いた2者間で話は進んでいきそうでしたら問題ないのですが、もうちょっと後押しや円滑さを生み出すために介在しようと思った場合には、そのマッチングの最中に次に食事に皆で行きましょうなどの形で僕が音頭を取って、次回お会いする機会をつくってしまうことも多々あります。また絶対にうまくいくと思っているマッチングで進みの悪いマッチングなどは、事後的に再度MTGの機会を僕が自然な形でセットさせていただくこともあります。

マッチャ―冥利に尽きるとき


先日まさにマッチャ―冥利に尽きることがありました。
最初に書いた通り、僕はマッチングを通じて複数の目的を達成しています。

「良い人同士が繋がると良い結果になり、お客さんに価値を生むことができる」
「僕が解決できないこともマッチングで解決できる」
「他業界、全く違う背景の人との接触によって情報、経験などをシェアしていただき本業に生かす」
「一気に数名のお客さんとお会いできる」(個人的な目的)
「ランチは1人で食べるなら、誰かと食べたほうが有効」(個人的な目的)
などいくつかの目的があり会によって目的は1つであったり、複数であったりします。

マッチングはマッチング相手のことを考えること(=徹底的に相手のことを考えること)に成功のポイントがあります。ただ、その中にマッチャ―は、自分の利害もうまく組み入れる必要があります。この点のポイントとして、やはり商売の基本は、御用聞きなんだということと、信頼の結果、仕事に繋がるんだということを理解しておくことです。

僕の場合には、サブスクリプション型の商売人のコミュニティーを運営しており、そこでメンバーよりマネタイズをしているので、そのコミュニティーの機能として積極的にマッチングをしていることがまずあります。

一方でお金をもらっていない人でも、もちろん関係なく仲良い人であればマッチング提案をします。また、相談を受けることも多々あります。とても嬉しいご相談です。
「○○に困っています」「△△に強い人知りませんか?」などです。
この場合には、お役に立てたらの一心でよいマッチングを探ります。とにかくよい結果を出すことだけを考えます。

半年近く(いろいろな会社の社長に会いたい、提携を探りたいなどのニーズがあるとある会社の社長から人を紹介してほしいと言われ、金銭のやりとりはない形で、マッチング時のランチ会などをご馳走になる)お付き合いいただいていた社長から、ランチ会の後に、ちょっと相談があると言われ、話を聞いていると、僕の会社の得意な領域で困っているので、業務依頼したいということでした。(早速翌日ご訪問させていただき正式にご依頼をいただきました!)

これが商売の基本なのでは?と思っています。

いつマネタイズするか?というのはとても大切な観点ですが、それは意図せずいつか絶対にできるものだと思っていますし、マネタイズをお金のやり取りだけと捉えずに、人を紹介してくださるとか、人として可愛がってくださるということでもよいのだと思っています。

1件1件のマッチングの精度を高めていくこと、そのためには、結局自分自体の信頼を高めなくてはいけません。最後は結局自分がどれだけよい人なのか?にいきつきます。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。