いっきに学ぶ! 税理士資格があればできる2大業務

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税理士とは、ひと言で表現すれば「税務の専門家」です。

 
税理士資格は、中学校で習う国民の三大義務(教育・勤労・納税)の一つである、納税のスペシャリストとして、納税に関する申告書の作成やアドバイスを企業や個人事業主に対して行う者のことであり、財務省・国税局が管轄する国家資格です。
 
税理士法には「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税者の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命にする。」と規定されています。
 
税理士資格をとると、税理士として仕事をすることができます。税務・会計業務のほかにも、贈与税や相続税申告、節税対策などを行ったりしています。
 
税理士として「独立開業」することや「税理士法人」「会計事務所」などで、税理士の独占業務につくことが出来ます。また、税理士試験の勉強によって得た知識を活かし、一般企業や金融機関の管理部門で知識を使って仕事をすることもできます。
 
一般企業では、経理、財務、税務などの管理部などで働くことになります。「月次決算」「年次決算」「財務諸表」「税務申告書の作成」「税務調査対応」などが仕事になります。
 
税理士法人の勤務税理士として働き続けるなら、王道と呼ばれる国税三法(法人税・所得税・相続税)と消費税が重要とされます。国税三法に合格している5科目合格した税理士は高い評価を受けますが、勉強に時間がかかり、合格するまで10年以上かかる人もザラです。税理士試験に合格し早く独立することが目的であれば、自分の目指すお客さんに合わせた科目を取得したほうが良いでしょう。

2大業務その① 税務申告業務

3つの税理士独占業務

 
税理士には税理士法で定められた無償独占業務があり、「税務代理業務」「税務書類の作成業務」「税務相談業務があります。「監査業務」は公認会計士の独占業務になります。無償であっても、資格を持たないものの業務は禁止されています。
 
公認会計士や弁護士も、登録すれば税理士になる権利はありますが、登録しない限りは税理士ではありません。無資格で友人の会社の確定申告を作成しても税理士法違反で逮捕されます。ただし、会計帳簿・試算表・決算書の作成は、税理士以外でも仕事を請け負うことが出来ます。
 
1.税務代理業務
 
税に関する法令に基づき、税務官公署に対して、申告、申請、請求などを納税者に代わって行うことをいいます。また、納税者に税務調査が入った場合、納税者が立ち会いを求めた際には納税者に代わって税務官公署に主張・陳述ができます。
 
2.税務書類の作成業務
 
申告書を作ること。確定申告などで税務官公署に提出する申告書、請求書などを税理士の責任と判断において作成することができます。主な税務署書類として、法人税・所得税・消費税の確定申告書類、相続税・贈与税の申告書類、住民税・事業税の申告書類などがあります。
 
3.税務相談
 
所得金額や税務の計算などの相談に応じることをいいます。税金の計算に関して相談を受けることは、税理士でないと行えません。
 

2大業務その② コンサルティング業務

 

税理士業界の仕事について

 
税理士業界の仕事は、2002年の税理士法の改正により税理士個人にしか認められなかった開業が、複数の税理士による税理士法人の開業ができるようになったことにより、これまで対処しきれなかった規模の仕事も取り扱えるようになりました。
 
日本の99%以上を占める中小企業のサポート業務は税理士の仕事です。独占業務である税務申告業務だけでなく、コンサルティング業務の仕事が増えています。
 
1.経営支援コンサルティング
 
中小企業の経営情報を分析、企業が永続するために役に立つアドバイスをするのが仕事です。直接経営者と会ってアドバイスすることが多くなります。事業計画の立て直しや改善を考え、適切な判断、処理することが求められます。
 
2.会計・税務コンサルティング
税務申告書の作成だけでなく、安心して企業経営を行っていただくための体制強化を図ります。
税務デューディリジェンスや、税務調査立会、会計に関するサポートなどをします。
 
3.事業承継・相続コンサルティング
事業承継の計画・実行、後継者不在問題、経営不振、財産管理など、専門知識を駆使し円満でスムーズな承継を行えるようサポートします。
 
4.企業再生・M&Aコンサルティング
 
企業再編や企業再生に伴う会社分割、M&Aに関するデューディリジェンス、スキーム作成、経営再建計画の作成、実行に関する指導・支援などを行います。
 
5.医業コンサルティング
 
医院・歯科医院などのクリニック開業支援、経営支援を行います。医療法人化、スタッフの募集・育成、特別償却・特別控除対策、損害保険対策なども仕事になります。
 
6.公益法人コンサルティング
 
公益法人認定法の定める財務三基準「公益目的事業比率」「収支相償」「遊休財産規定」をクリアするための、定款変更、申請書類作成、継続的に認定基準を満たす作業などが仕事になります。
 
7.国際税務(移転価格コンサルティング)
国際取引に関する戦略的な仕組みを構築し、グループ企業でない第三者との取引価格(独立企業間価格)を適正な価格に設定できるようにしていく仕事です。
 
8.株式公開支援業務(IPO)
株式公開実現に向けて、事業計画策定から上場申請・審査資料作成、運用支援、総務・経理関係者の育成、監査法人・主幹事証券選定支援、株価算定、予算策定支援、内部監査体制の確立支援など多岐にわたる業務が仕事となります。
 
9.不動産証券化業務
 
不動産ビジネスと金融ビジネスを融合、不動産証券化による利益配当の損金算入や不動産流通税などの軽減とそれに伴うSPC会計業務などを行います。
 

その他に税理士ができること

 
税理士は、業務に付随する範囲において「社会保険労務士」業務の一部を行うことができます。
労働社会保険諸法令に基づく申請書・届出書・報告書・審査請求書・再審査請求書等を作成すること、申請書類の提出に関する手続き代行が出来ます。
 
また税理士資格を有していれば、行政書士登録を受ければ行政書士になることができます。さらに、租税に関する事項であれば、裁判所において補佐人として訴訟代理人(弁護士)と出頭、陳述することもできます。
 
税理士は、税と会計の専門家として、より多くの場面で必要とされています。
 

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