中小企業は独自化で生き残ろう!株式会社 ファナティック 野田大介さん

ポイント
  1. 渋谷のティーヌン・ダイニングのガパオ
  2. 買い物中毒のファッション通販アドバイザー
  3. スニーカーはつまみ

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中小企業が生き残っていくための一つの正解が「独自化」していくことなのではないだろうか。

そんな仮説からスタートした、経営者のインタビュー連載「中小企業は独自化で生き残ろう!」。

第2回目のゲストは株式会社ファナティックの代表取締役、野田大介さんです。第1回はコチラ


 

買い物中毒のファッション通販アドバイザー

−本日はよろしくお願いします。野田さん、もしかしてですが、今日のお昼ごはんはガイ・ガパオでしたかね?

なんでわかったんですか!って、ボク、週3回は渋谷のティーヌン・ダイニングのガパオを食べてますからね。

Twitterにもよくアップしてるし、かなりの確率で当てられますよね(笑)

ここのガパオは世界一美味いです。

ただし、おじさんが作るときとそれ以外の人が作るときは味が違うので、おじさんがいることを確認してから頼んでください。


−なるほど、今度行ってみますね!まずは、野田さんの会社の事業について教えていただけますか。

ボクたちの会社は主に2つの事業をやっています。

1つがアパレルブランドの通信販売( 以下、通販 )の売上をアップさせるためのお手伝い、カッコよくいうとコンサルティングですね。

もう一つは、アパレルブランドが、LINEを使って通販の売上をあげることができる『 WazzUp!』というサービスを提供しています。

−サービス名は、ワザップ?ですか。ヒップホップ的な感じですかね。ちょっと、いきなりわかりづらいです(笑)

「ワズアップ」と読みます。

レアなスニーカーをいつも大量に購入されているので、てっきりスニーカーのお仕事をされているのかと思っていました。

スニーカーは大好きで、よく購入していますが仕事ではないですね。『買い物中毒のファッション通販アドバイザー 』という肩書でやっています。

友達のBARで、スニーカーをつまみにヒューガルデンを飲むのが好きです。


 

ストリートカルチャー

−なるほど、なかなかヤバイですね。看板に偽りなしです(笑)野田さんは編集者がキャリアのスタートなんですよね?

そうですね。月刊誌Ollie magazineの編集者からキャリアをスタートしました。ちょうどその時がストリートカルチャー全盛期で、取材したブランドに半年後に取材に行くと、めちゃくちゃ大きい事務所に移転しているというぐらい勢いがあった時代ですね。

−おー!まさに裏原ブームが一番盛り上がっていた時ですね。あの時にOllieの編集をやっていたんですか!めちゃくちゃ羨ましいです!

メガネかけて真面目そうな顔で通販のコンサルなんていうから堅い人なのかと思ったら、おもいっきりストリートの人じゃないですか!

やっぱり、ヒップホップ的な感じですね!ワッツアップですね。野田さんのこと、ちょっとわかってきました(笑)

「ワズアップ」です。

はい。その後、取材先の一つだったスニーカーブランドに転職して、生産管理や買い付けの仕事をしました。

月の半分以上は日本にいない生活だったので、もう少し自分のペースで仕事をしたいと思ってフリーのライターになり、honeyee.comなどをはじめ、色んな媒体の仕事をしました。

この時WEBの知識がついたこともあり、その後ギャルブランドで通販の仕事をするようになります。10年以上前で、まだギャルブランドの通販は黎明期でした。

このときはギャルブランドの勢いがすごくて、何十億という売上はあったのですが、社内の体制は整っておらず、通販はゼロからの立ち上げでした。

そこから6、7年試行錯誤を重ねながら通販を担当して、最終的にはかなり売上を伸ばすことができました。

その経験を活かして、当時知り合った3人で、5年前にアパレルブランドの通販を支援する会社を立ち上げました。

そこから、もう少し自由に動きたいと思って、2年前にこの会社をつくりました。メンバーはボクを含めて3人です。

通販のコンサルって、わかりやすく言うと通販の売上をあげるためのアドバイスをするっていうことですよね?

月に何回か訪問してアドバイスをする感じでしょうか?

いや、月に何回か顔だけ出して、こうやってねって指示を出すだけでは絶対に売上が上がらないので、もっとガッツリ中に入って泥臭くやっています。

例えばこんどの秋物の特集はこうしましょうとか、この文言だと伝わらないのでこう変えましょう、この位置に購入ボタンがあるとわかりづらいので見やすくしましょうなどとお客さんと一緒になって改善を繰り返しています。

−お金のもらい方はどのように決めているんですか?

2パターンあります。月にどれくらい稼働するので月額固定でいくらというパターンと、売上パーセンテージに応じて何パーセントくださいというパターンです。

ボクたちとしては売上の何パーセントという形の方が嬉しいですが、どちらがいいかお客さんと相談しながら決めています。

ただこのやり方だと、労働集約的なので、一人の人間が担当できるクライアント数に限界があるんですね。

ですからもう一つの事業の、LINEを使って通販の売上をあげることができる『 WazzUp!』のサービスを、もっと伸ばしていきたいと思っています。

LINE自動化ツール 

−ワズアップですね。LINEを使って通販の売上をあげるサービスってうまくイメージできないんですがどういうサービスなんでしょうか?

どこかアパレルブランドのLINEアカウントを友達追加していますでしょうか?

−しています!自分が好きでよく買うブランドのLINEアカウントを友達追加しています。

そこからときどき新作の情報が送られてきませんか?

−はい、定期的に送られてきます!

ふつうだとその新作の案内は運用担当者が、新作が出るたびに手動で投稿しなきゃいけないんですね。

でも、運用担当者は一人で何役も仕事をこなしているのが当たり前なので、LINEアカウントの運用は大変なんですよ。

『  WazzUp!』は、それを自動でやってくれるサービスです。

−すごいじゃないですか?それAIですかね?

チャットボットっていう技術を使っています。

最近だとヤマト運輸のLINEアカウントを友達追加すると、LINE上でかんたんに再配達の申し込みができるようになっているんですが、それと同じ技術ですね。

説明だけだとイメージしづらいと思うので、実際に試してみてください。

(筆者がiPhoneを受け取り『 WazzUp!』を試す。)

−おおー!LINEのトーク画面がショッピングサイトみたいな見え方になってるじゃないですか!

ラインのトークの画面でこんなことできるんですか。

※画像の展開イメージ

そうなんですよ。通常のライン画面だとトークぐらいしか表示できないのですが、この仕組を入れると吹き出しが表示できたり、コーディネイトが表示できたりします。

自分たちが通販をやっていた時に、忙しくて新商品の告知文言を作成するのも大変なのが、身をもってわかっているので、それを自動でやっちゃおうと思ってつくったのが

『 WazzUp!』なんです。

−これ、凄いですね!でも、各社ごとに通販サイトのデザインが異なりますよね。どうやって新商品の更新情報を自動で引っ張っているんですか?

すいません。そこは一応、企業秘密ということにさせてください。お客さんは通販サイトに簡単なタグを追加していただくだけで利用可能です。

このチャットボットと、自動で商品の情報を引っ張ってくる組み合わせの妙と、それを低価格で提供できていることが、お客さんに使っていただけているポイントだと思います。

現在20社に利用していただいていて、年内には40社ぐらいまで増やしていきたいです。

−他社で近いサービスを提供している企業はありますか?

部分的に提供しているサービスはありますが、新商品の情報を自動で引っ張ってきて送るというサービスはないですね。

ボクたちがサービスを開始してから一年以上たちますが、どこも入ってこないですね。

導入した企業では、LINEからの流入でWazzUp!経由が一番多くなったり、何もしないで月に数百万円の売上増加になっているブランドが複数あります。

−このサービス、説明したら使いたい企業はたくさんあるんじゃないんですか?

そうなんですよ。実際にお会いして説明すると絶対にいいね!って言ってもらえるんですが、ネットだけではサービスを説明するのが難しいので、良さをちゃんと伝えきれてないんです。それが課題ですね。だから頼母木さんが分かりやすく記事にしてくれる事を期待しています!(笑)


−アパレルのLINE周りのサービスだとビジネスチャンスも大きいので、そこそこの開発会社などが競合になりそうなイメージがあるんですが、なぜ少人数の会社で勝負できると思ったんですか?

いままで自分がブランド側で運用を担当していた時に、色んなサービスの提案を受けてきたんですが、そもそも値段が高すぎでしょうとか、言ってることはわかるけど、それは現実的に運用できないでしょって、心の中で思いながら説明を聞いてたことが何度もあるんですよ(笑)

だから、そこが全部クリアできるものでなければ、作らなかったと思います。エンジニアからこんなもの作れますよって始めに提案を受けた時に、自分が担当者なら入れたいものができることがわかったので、これはイケると思ってそこでアクセルを踏んだ感じですね。

あと、2、3人でつくり始めたので意思決定が早くて、半年ぐらいで製品化できたのも小さい会社ならではのスピード感があったからだと思います。

個人のパーソナリティを出す

−会社の売上はどれくらいでしょうか?

昨年度が6000万ほどで、今年度は8000万ぐらい、次は頑張って1億円以上を目指したいです。

−これは失敗だったなと思うことがあれば教えてください

カッコつけない、ということですね。

これは最大の失敗だったと思うんですけど、独立直後はコンサルなので頭を良く見せなきゃいけないって思っていて、SEOがどうとか、知識をひけらかすような発信をしていたんですよ。

ブログでもそういう面がありましたし、自分自身もそいう人がイケてると思ってフォローもしていました。でも、それじゃあダメなんだなっていうことがわかりました。

−なんでカッコつけているとダメなんですかね?頭が良さそうな発信の方が仕事に繋がりそうな感じがするんですが。

とにかく人気がないんですよ。イイネ数とかひどかったですからね(笑)

個人のパーソナリティが出てないので発信が面白くないんです。

当時は、こうすれば売上があがりますよっていう記事をバンバン書いてたんですよ。

そこから仕事が来ることも多かったんですけど、その記事を書いてても楽しくないし、ふだんの自分の感じじゃない、どこか違和感があったんですね。

それで試しに、自分は買い物が大好きで、スニーカーが好きでみたいな投稿をし始めたら、めちゃくちゃ反応が良かったんです。

そうしたら、自分の人となりを理解した上で、服好きのこの人にお願いしたい、スニーカー好きのこの人にという感じで、仕事を依頼してくれる人の質が変わった感じがありました。

そうなると、あんまり他のコンサルと競合するということもないのかなと思っています。

−とはいえ、専門家としての真面目な発信もしますよね。どうやってたらカッコつけずに発信できますか?

発言する内容が大きく変わるというよりも、ふだん自分のことを「私」と言わないのに、ブログを書く時は「私」って発信したり「である」とか、使っちゃったりすると、かまえた感じになりますよね。

まだ見たことがない、頭の中の新規のお客さんに向けて書くと、敬語になって堅くなりがちなんですよ。

そうじゃなくて友達とか、すでに知っている人たちに向けて、こうするといいよっていう感じでかけば、私なんて使わないし、普段のノリで書くので、伝わりやすくなると思います。

それは個人だけじゃなくてブランドにも同じことが言えて、メルマガとか店頭のPOPも構えずに等身大の言葉で伝えた方が良くなることも多いです。

アパレルって、なんか言っているようでなんにも言ってない文章が多いじゃないですか。

ボクもライター時代に文字数をあわせるためにそういう文章を書いてたんでわかるんです(笑)

でも、その人の言葉で、本当に伝えようと思ったら、そうはならないですよね。

起業したての自分にアドバイスするとしたら?

やっぱりカッコつけるな、ですね(笑)多分にあったと思うので。

経営者として参考にしている人は?

ガンダムに出てくるジョニー・ライデンっていう人ですね。ジオン公国軍突撃機動軍所属のエースパイロットです。

アムロやシャアはニュータイプなんですが、この人はオールドタイプの人。

表に出て目立つのはシャアとかなんですけど、目立たず裏方で大活躍する感じがかっこいいんですよ。

すいません。まったくわからないです(笑)

今日はありがとうございました!

「中小企業は独自化で生き残ろう!」第一弾インタビューはコチラ

中小企業は独自化で生き残ろう!大阪製罐株式会社 清水雄一郎さん

 

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