起業家なら知っておくべき!!銀行が行う格付のカラクリとは!?
- 銀行の格付には金融庁からの根拠がある
- 自己資本比率を理解して、格付に有利な経営状況を作ろう
- 財務分析のスコアの付け方を理解することが大切
最近は至るところに格付があふれてますよね!
ご飯を食べるとき、ホテルに泊まるとき、ネットでモノを買うとき・・・
ケータイでクチコミや☆の数、見てませんか?
これって、れっきとした格付ですね!
☆の数が多いから美味しいはず、快適に過ごせるはず、良いものが買えるはずって思うんですよね。
人間って意外に自分の意見・考えに自信が持てないそうです。他の人はどう考えているんだろう?、アノ人が美味しいって言ってるんだから間違いないよね!って。
私もその一人です・・・
つまり、
これがよりはっきりとしているのが現代社会です。
しかもインターネットの普及で、いつ、どこでも格付情報にアクセスできる。サービス提供サイドからするとたまったもんじゃない世界なんです。
お店を開業した起業家のみなさんのご苦労が目に浮かびます。
一方、格付をしているのはお客様だけではありませんよね。
経営上、避けて通れない銀行も格付を行っています。銀行の場合は債務者格付って言うこともあります。
銀行はなぜ格付をするんでしょう?
もちろんビジネスだから、お金を貸す、貸さないを決めるため、貸すにしても利率を決めないといけないからなんですけど、もう一つ大きな理由としては、金融庁から「ちゃんと格付しろ!」って言われているからです。
銀行はバブルの時に無茶苦茶な貸出をしていたので、ルールが厳格化されました。このルールを守らないと、最悪営業停止になるんです。
この銀行が行っている格付のカラクリを知ることは、起業家にとってとても大切です。
その理由は・・・
ということです。
それでは、銀行が行う格付のカラクリについて具体的にお話しましょう。
銀行が行う格付を知る上で、今の銀行がどのようなルールで仕事をしているのかを見ていきましょう。これ、結構重要です!
先程も言いましたけど、銀行はバブル期に無茶苦茶な貸付をしていたので、バブル崩壊後はたくさんの回収不能が発生し、結果として税金が投入され、九死に一生を得ました。
その教訓から、銀行の健全な経営を確保するために、早期是正措置という制度が導入されました。簡単に言うと、身の丈に合った経営をしているかどうかを金融庁が定期的にチェックするんです。
身の丈に合っていない度合いに応じて、イエローカードやレッドカード(営業停止)が出されます。
そうなんです。銀行もある意味で格付されてるんです!!
では、何を根拠に格付されているかというと・・・
自己資本比率です。
ただ、この自己資本比率、一般の会社とは少し計算方法が違います。
銀行の自己資本比率=自己資本÷貸付金 → 分母が貸付金になります。
つまり、「貸付金というリスクのあるモノに対して、自分のお金はどの程度あるんですか?」っていう概念に基づいて計算されるんです。
ここで言うリスクを表す尺度が銀行が行う格付なんです。
銀行って自分が格付すると同時に、自分自身も格付される存在なんですね!
ちなみに、この格付(自己資本比率)が4%未満になると、銀行は営業停止になります。さらに、海外に支店を持っている銀行(メガバンクなど)はこの値が8%にハードルが上がるんです。
先程のとおり、銀行には2つの格付が存在します。
この2つの格付は密接に絡み合っているんです。
銀行はお金を貸してナンボです。
利息=利益です。
だから貸付金は基本的には増やしたいんです。でも思い出してください。貸付金は自己資本比率の計算上、分母でしたね。無節操に増やしていけば、自己資本比率、すなわち銀行自身の格付が下がっちゃいます。これはこれで大問題です。
一般的には、次のような関係ですね!
う~ん、実に悩ましいですね~。
銀行って正解がない問題に常に直面しているんです。
でも、何だかんだ言ったって起業家のみなさんが気になるのは、これですよね!
銀行はどうやって俺の会社を格付してるの??
基本は、みなさんが提出した決算書の財務分析です。
この財務分析は銀行ごとにスコアリングモデルがあり、ほぼ機械的に行われるんです。
財務分析についてはまた別の機会にお話したいと思うのですが、今回は財務分析以外で起業家なら絶対知っておいてほしい内容について3つお話します。
例えば、A社はB/Sの自己資本が1000万円あるとします。
これまでは利益もきっちり出しているとすれば、財務分析上、格付は高くなります。ただ、高値で買った土地に含み損、すなわち購入価格と現在価値に差があり、その価格が2000万円だとしたら、一気に1000万円の債務超過と判断されるんです。
他にも回収不能になっている売掛金や減価償却不足なども含み損として銀行が判断する可能性があります。
機械的に行う財務分析は格付に最も影響を与えるんですが、このような修正も銀行は必ず行います。
決算書は定量情報の宝庫です。
ただ、会社には決算書に表れない価値もありますよね。例えば、商品力や技術力、社長の人脈などです。知的資産と言ったりもしますが、これが定性情報なんです。
この定性情報を用いた格付は金融庁も積極的に指導していて、銀行では融資担当者のいわゆる目利きを高めるべく、取り組んでいるようです。
自社にはどのような定性情報(知的資産)があるのか、事前にまとめておくと必ず役に立つと思いますよ。
起業家のみならず、経営者なら税金はできることなら安くしたいと思うのが当然でしょう。ただ、節税は利益を抑えて課税所得を小さくすることになるので、当然ながら決算書が悪くなり、格付が下がる可能性を含んでいるんです。
節税によるメリット<格付悪化によるデメリット
とならないように注意が必要です。特に起業間もない会社は資本金も少なく、節税対策の結果が債務超過だと目も当てられません。格付は急降下です。
起業後しばらくは、多少税金は払い、資本を厚くすることを優先すべきだと思います。
いかがでしょうか?
銀行が行っている格付って、銀行自身が生き延びていくためには避けて通れないものなんですね。(少しオーバーかもしれませんが)
だったら起業家のみなさんも、ぜひそのカラクリを理解して、自分たちも生き延びましょう!!
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