収益構造を理解して儲かるフランチャイズを選ぶコツ
- フランチャイザーの三大収益源「加盟金・ロイヤリティー・商材仕入れ」のうち、どれに重点が置かれているかを見る
- 高収益のフランチャイズを選ぶには高単価・高リピート率・低固定費をチェック
フランチャイズを経営するにあたって気になるのは、利益をどのくらい出せるかではないでしょうか。予想利益を見て利益が大きいと感じても、同業他社よりも利益率が低いとその分売上を倍にして働かないといけません。今回は収益構造を理解して、儲かるフランチャイズを選定する方法を考えていきたいと思います。
そもそも、フランチャイズ本部はどのように利益を得ているのでしょうか
〇スポット収入(加盟金等)
フランチャイズ本部が一括で得る方法として、加盟時におけるフランチャイズ手数料(加盟金、研修費等)が挙げられます。研修費は、研修全体でいくらという場合と、従業員数×20万という本部もあります。加盟金だけを儲けるフランチャイズ商法という詐欺もあるため注意してください。
〇月々(ロイヤリティー等)
フランチャイズ本部が継続的にノウハウ提供する代わりに、月々売り上げの一部からロイヤリティを受け取ります。
業種によって、計算方法が何種類か存在します。ロイヤリティーのほかに、加盟店が広告宣伝費や独自のシステムを利用する利用料を支払う場合があります。
〇その他(仕入れ)
仕入れ、材料などを指定される場合があり、そこからフィーを本部が載せている場合があります。また、月にいくら分は最低仕入れるなど契約に取り決めされている場合があり、必要以上に在庫を抱える加盟店もあるため確認が必要です。
フランチャイズ本部を選ぶ際にこの3点のどこに注力を置いているかを比較するといいでしょう。例えば、加盟金はない代わりに月々のフィーが同業他社より多いとか、仕入れの値段がいように高いなどもあります。
このような収益構造のため、自身で経営してうまくいった場合、ノウハウを渡す代わりに利益が入ってくる構造です。加盟店がうまくいかないと利益が上がらないため、本部は加盟店に対して支援が必要です。そのため、フランチャイズ本部を選ぶ際に、どのような支援を本部が行っているのかチェックも必要でしょう。
フランチャイズといえば、コンビニが一番わかりやすい例だと思います。今回はセブンイレブンのフランチャイズ収益モデルを参考までに解説したいと思います。
まずセブンイレブンには、Aタイプ・Cタイプが存在します。Cタイプが土地なし、Aタイプが土地ありの方です。コンビニのフランチャイズではよくあるタイプ別です。
では、収益モデルを比較しましょう。
Aタイプ 土地あり | Cタイプ 土地なし |
加盟金 300万円 研修費 50万円/開業準備手数料 100万円/開業時出資金 150万円 |
加盟金 250万円 研修費 50万円/ 開業準備手数料 50万円/ 開業時出資金 150万円 |
最低保証 オーナー総収入 2,200万円(24時間営業/年間) オーナー利益= オーナー総収入(売上総利益-セブン-イレブン・チャージ)ー営業費 セブン-イレブン・チャージ:売上総利益に43%の率を乗じた金額 |
オーナー総収入 2,000万円 セブン-イレブン・チャージ:売上総利益にスライドチャージを乗じた金額 |
水道光熱費負担 本部:80% 加盟店:20% |
右に同じ |
不良品原価 不良品原価の15%を本部負担 |
右に同じ |
工事費は実費 |
契約期間は15年です。
収入保証を見ると、2000万円を超えており、とても魅力的に見えます。
実際オーナー利益は営業費を引いたものとされるところに注意です。フランチャイズは、オーナーにすべての権限が任されています。他の業種と違い24時間営業のため一人で経営運営はできません。従業員も大抵2名は常にいる形になります。
そのため、家族経営もしくは、アルバイトを雇う場合人件費(給与・保険等)や光熱費・不良品原価の負担、固定資産税や借入金の支払い等こまごまとしたものが発生します。そのため、年収で考えると500万円~600万円が妥当ではないでしょうか。
そもそも収益とは何でしょうか。収益=売上ーコスト(経費)となります。
収益をあげるには、売上を上げるか、コストを下げるかという話になります。売上に関してはフランチャイズ加盟店は本部から看板をもらえるため、ネームバリューによって来店誘致をすることで売上をアップすることができます。
コストはロイヤリティ・加盟金など決まった金額が必要になってきます。大事なのは収益性です。単価が高いものを検討する必要があります。
しかし、ただ単に、単価が高いフランチャイズのモデルが一番収益性があるのでしょうか。
答えはNOです。
単価が低くても、何回もリピートもらえる商品のほうが、既存の顧客から得られる収益が多いからです。
例えば、保険だとどうでしょう。生命保険を500万円分組んでもらっても同じお客様が、もう一つ保険を組んでくれるでしょうか。
この観点から考えると収益性のある業態のポイントは以下になります。
1)単価が高い(リピートできる値段)
2)リピート率が高い(専門性がある・リピートせざる得ない)
3)固定費が低い(店舗が必要でない。もしくは自宅で開業可能。少人数運営が可能)
以上を踏まえると、すべて該当するのが「エステ」「車のメンテナンス」「訪問掃除」など、顧客のこだわりが強いものが該当するでしょう。
いかがでしょうか。フランチャイズの収益構造はとてもシンプルです。理解してフランチャイズの業種を選ぶと効率がいいでしょう。選ぶ際には同業他社を比較して、どの部分で本部が儲けを出しているのか。その儲け方は妥当かどうかを調べることが大切です。フランチャイズ本部と加盟店は対等であるべきです。契約してから「しまった!」ということがないように確認をしましょう。
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