外国人を雇用する際の契約書って?社会保険や条件等も合わせて解説!

ポイント
  1. 外国人を雇用する際の契約書を解説
  2. 日本人と契約文化である海外の契約の違いを知ろう

目次 [非表示]

今の日本における現代社会では、外国人を雇用される企業も増加している事でしょう。

この場合、外国人を雇用する際に作成する雇用契約書は、作る時に注意点等があるのでしょうか?

また、外国人雇用に関する、社会保険や、条件等についても合わせて解説をさせて頂きたいと思います!

外国人を雇用する際の契約書について

まず始めに、外国人を雇用する場合の雇用契約書から見て行きましょう!

重要視して頂きたい点としましては、雇用契約書に記載される内容についてです。基本的には、日本人の社員との間に交わされる雇用契約書の内容でも構わないのですが、注意点として、入国管理局に対し、雇用する外国人と交わされた雇用契約書の写しを提出する必要があります。ですから、日本人との雇用契約書では記載されていない項目があった場合、問題となりますので、いくつかの注意点を確認しておきたいと思います。

1つ目
就業場所に関してですが、雇用した外国人が、実際に就業を果たす場所がどこであるか?と言う記載が必要となります。

2つ目
勤務の期間についてです。

どのくらいの期間、いつからいつまで勤務するのか?と言う内容を掲載する必要があります。

3つ目
職務の内容について記載します。

実際に、雇用した外国人が行う業務の内容について、しっかりと記載する必要があります。

4つ目
給与に関してですが、月にどのくらいの給与か?また、年間でどのくらいの額になるのか?や、賞与から昇給等に至るまで、詳細を記載します。

5つ目
職務をする上での地位に関して記載します。

以上のような5つの項目を記載して作成すれば、基本的には大丈夫です。

尚、上記につきましては、申請をする方の在留資格に関する審査基準をクリアしておく必要がありますのでご注意下さい。

更に、一般的な外国人の雇用契約書に関しては、次のような文言を文章に入れます。

「本契約につきましては、日本政府より入国許可されない場合には、発効しないものとする」

発効と言うのは、効力を発生させないと言う意味となっており、もし雇用契約書を交わしたとしても、日本政府から入国を許可されないと言う場合には、この契約書の効力を発揮させないと言う意味となります。

その他に外国人雇用契約書を交わしておく理由について

上記では基礎的な内容を解説させて頂きましたが、外国人との雇用契約書を交わす理由については、他にも様々な理由がありますのでご紹介しておきます。

外国人社員の信頼や安心の為

日本人にとっては、外国人と比べ、契約と言う意識に関しては低いと考えられます。

一方、外国人の場合は契約に関しての意識が高めな方が多い傾向にあり、雇用契約書を交わす事によって、相手に信頼や安心感を与える事となります。

お互いの信頼関係の為に雇用契約書を交わすと言うのも、1つの手段ですし、こちらからすれば雇用をする方が外国人であったとしても、相手からすれば日本人は外国人です。

ですから、その事を踏まえれば、双方の良好な関係の為にも、雇用契約書を交わすべきだと言う考えも1つです。

リスクを回避する事が出来る

人によって価値観が異なるように、日本人や外国人にとっても、その国の文化の違いによって考え方や価値観は異なってきます。

これらの事につき、何かしらのトラブルや、リスクを起こさない為にも、雇用契約書を交わしておくと言う事は役に立つ場合があります。

例えば、情報を漏えいしないか?や、ハラスメントがないかどうか?また、賃金の未払い等、様々なリスクを回避する為、互いの義務や権利に関する関係について、明確にした上で書面にすると言う事も大切な事です。

外国人との雇用契約書はわかりやすい表現をする

例えば、日本人同士の雇用契約書であっても、何の事を言っているのか分からないような複雑な文章で作られると、雇用される側にとっては、内容の細かな把握が100%出来ない可能性と言うものは生じてしまいます。

これが、外国人が相手となると、日本語の複雑な表現や、専門用語の羅列等をしてしまうと、相手にとっては、仕事をする上で、どのような事をしてはいけないのか?等の労働条件について勘違いが起きてしまう場合があるからです。

外国人の方と雇用契約書を交わされる場合には、相手がしっかりと理解できる内容としての文章作成をしなければなりません。

これも、後々のトラブルやリスク回避に役立つと言えるでしょう。

こちらも合わせてお読みください
契約書の作成に弁護士は必要なのか?契約書の知識をまとめて解説

外国人を雇用した場合の社会保険について

では次に、外国人を雇用した際の社会保険について見て行きましょう!

始めに基礎的な部分から解説をしておきますが、日本で働くと言う場合には、どのような雇用形態であったとしても、社会保険に加入する事は義務となっております。

この社会保険加入の義務は、日本人だけではなく、外国人の方にも該当します。

まずはこの事を把握して頂いた上で、細かな説明に入っていきましょう。

社会保険~加入義務があり・免除なしの違い~

社会保険と言っても種類があり、それぞれによって加入する義務があるものと、加入には免除があるものがありますので、そちらを確認していきましょう。

◆雇用保険について
雇用保険は加入義務となっております。

ただし、労災保険を適用している場合、全ての働く人が雇用保険に加入できるのではなく、雇用期間や就労時間によって適用されるか、除外されるかに違いがあります。

◆労災保険について
労災保険の場合も加入義務がありますが。上記とは違い、どのような就労ビザであっても適用される事になっています。

ですから、就労ビザに関係なく、所持している外国人以外の妻や夫(配偶者)等の家族ビザであったり、学生ビザであったとしても、適応される事になるのです。

◆健康保険について
次に健康保険についてですが、加入については免除があります。

実は、20127月より、外国籍の方であっても、住民基本台帳制度に関しては対象とされる事になった為、3か月以上日本に滞在する場合には国民健康保険に加入する必要があるのです。

また、法人に勤務している場合は加入義務があります。

◆厚生年金について
厚生年金については、加入に免除があります。

こちらも上記の健康保険と同じで、法人として採用した方は、加入させる義務があるのです。

また、法人ではなく、個人事業主の方の場合には、5名以上雇用していれば強制的に加入の対象となります。

外国人の社会保険加入に関する手続き

次に、社会保険の手続きについて見て行きましょう。

ここまでの解説でもお分かりの通り、外国人であったとしても、ある一定条件を満たす事によって、社会保険に加入させる事は義務となっております。その加入について、不正がないようにする為、雇い入れる側の事業主については、採用する者の氏名・生年月日・住所・性別・基礎番号を確認し、届出をします。もしも外国人で基礎年金番号を持っていない場合は、住民票に記載されている住所を確認し記入する事となります。

更に、アルバイトや、パートであったとしても、社員の労働時間や日数が4分の3以上となる場合には被保険者とみなされる事となりますので、ご注意下さい。

また、ここまでの解説以外に被保険者として認められる条件がありますので、確認しておきましょう。

  • 学生ではない
  • 雇用する期間が1年以上の見込み
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額の賃金が88000円以上
  • 常に501名以上の企業

以上の5つの条件の内、いずれかが満たされるのであれば、被保険者として認められる対象となるのです。

雇用していた外国人が帰国した場合の厚生年金について

一定の条件を満たせば外国人でも社会保険に加入する事は、すでにご説明させて頂きましたが、加入されていた外国人が帰国してしまった場合には、加入して支払っていた厚生年金はどうなってしまうのでしょうか?

まず、厚生年金に加入していた期間が関係してきます。6ヶ月以上加入していた場合には、その期間に合わせて脱退一時金と言うものを請求する事が可能となっております。ただし、それを受給するには期間があり、日本に住所を有さなくなった日から2年以内となっております。この期間内に、日本年金機構に書類を請求して受け取る事となります。

ただし、注意して頂きたいのが、老齢年金を受け取れる資格者や、障害手当金を受け取った事がある方は、脱退一時金の請求ができませんので、覚えておきましょう!

こちらも合わせてお読みください
初めて人を雇う時のルール~社会保険編~

外国人の雇用に関する条件について

次に、外国人を雇用したり、採用する際の条件を確認しておきましょう。

条件につきましては、日本人と同じように、外国人が日本国内で就労する場合は、労働基準法・最低賃金法、労働安全衛生法・労働者災害補償保険法等の法律が適用される事になっております。

ですから、例えば、外国人だからと言って、低い賃金にする等は認められておらず、これは労働基準法第3によって、差別を禁止している為、絶対にこのような事をしてはいけません。

更に、外国人の方の中には、日本語に不慣れな方もいますし、環境にもすぐ慣れない方もいらっしゃる事でしょう。これは、私たち日本人が海外に行った時と同様に、日本人が当たり前に思っている事が、外国人にとっては、わからないと言う事は沢山あると考えられます。これらの事を踏まえた上でも、雇用をする際には、相手の立場に立ち、外国人労働者の雇用や、労働条件に関する指針をしっかりと守って、対応する必要があると言う事なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、外国人を雇用する際の雇用契約書や、採用・雇用に関する外国人の社会保険、そして条件等をまとめて解説させて頂きました。

近年では、外国人の就労が増えている傾向にありますから、企業側も、外国人を雇う場合について、様々な知識を入れておくべき時代となっています。

これらの事を踏まえて、雇い入れる側も、雇われる側も、互いにメリットがあり、労働環境を良くするように、心がけなければなりません。

是非、これらの事を参考にし、雇用契約書の作成や、社会保険の加入等の手続きについて、対象となるのか等も踏まえて対応できるようにしておきましょう!

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