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NPO法人の税務申告の流れ

ポイント
  1. NPO法人の税務申告の流れを知ろう
  2. NPO法人で収益事業を行っている場合は法人税の確定申告が必要
  3. 実際の申告書の作成方法を知ろう

目次 [非表示]

NPO法人を設立して社会貢献事業を行う場合、法人税は支払わなくてもよいと思っている方は以外と多いですが、NPO法人も収益事業を行っていれば税務申告する必要があります。
今回は、NPO法人の税務申告の内容とその流れ、そして一般法人の申告方法との違いをご紹介していきます。NPO法人の設立を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

1 そもそもNPO法人は確定申告する必要がある?

NPO法人とは特定非営利活動法人のことですが、NPO法人が法人税法上の収益事業を行っている場合は法人税の確定申告が必要です。

一方、収益事業を行っていない場合は、法人税の確定申告の義務は生じませんが、各事業年度終了の日の翌日から4カ月以内に所轄の税務署へ損益計算書もしくは収支計画書を提出しなければなりません(ただし、年間の収入が8000万円以下の場合は除く)。

 1-1 NPO法人の事業区分

NPO法人の事業は、NPO法上では「特定非営利活動に係る事業」と「その他の事業」に、また法人税法上では「収益事業」と「非収益事業」に分けられます。

各々の法律に基づき、各事業に関する経理は区分されることが求められており、NPO法人はその事業内容により最大4つの区分経理が必要です。

 

NPO法上の事業

法人税上の事業

法人税の扱い

特定非営利活動に係る事業

収益事業

課税

非収益事業

非課税

その他の事業

収益事業

課税

非収益事業

非課税

なお、実務上4つの区分で厳密に経理を行うと会計業務が複雑になり、ミスも生じやすくなるため、区分が困難な経費は共通経費項目として決算(決算修正)時に一定の基準で按分するという方法が用いられます。また、通期の経理処理では1つの帳簿で行い、決算時に区分するという方法も可能です。

 1-2 収益事業にかかる税金の種類

NPO法人が収益事業を行う場合、その所得には法人税がかけられ申告および納税の義務が生じ、赤字の場合でも申告しなければなりません。

また、「事業税」「地方法人特別税」「都道府県民税」「市町村民税」も法人税と同じように収益事業課税が適用されます。なお、都道府県民税、市町村民税は「法人税割」と「均等割」との合計によるものですが、収益事業課税は「法人税割」にだけ適用されます。

そのため、事業税、地方法人特別税、都道府県民税の法人税割、市町村民税の法人税割は課税所得が生じない場合、税金は発生しません。

しかし、都道府県民税および市町村民税の均等割は、「資本金等の額」と「従業員数」で規定される税金であるため、「課税所得がない」「赤字である」などの場合でも原則的に課税されます(ただし減免規定有り)。

法人税の税務申告は収益事業をしているかどうかで決まるため、収益事業の認識がポイントとなります。

なお法人税法上の収益事業とは、販売業、製造業その他政令で定める34種類の事業で、継続して事業が実施されること、事業場を設けて実施されるものと定められています。

 1-3 法人税法上の区分経理

法人税法上の収益や費用のほか、資産および負債についての区分経理が実施されるべきですが、収益事業と非収益事業で共有する資産は区分しなくても問題ありません。

なお、収益事業と非収益事業で共通した費用または損失が発生する場合、合理的な基準に基づく按分処理で継続的に区分経理されます。「法人税法基本通達15-2-5」によれば以下のA~Eが按分基準として示されており、参考にするとよいでしょう。

A 資産の使用割合

B 従業員の従事割合

C 資産の帳簿価額の比

D 収入金額の比

E その他当該費用または損失の性質に応ずる合理的な基準

1-4 税務申告で必要な書類

NPO法人会計基準では、「活動計算書(損益計算書に該当)」、「貸借対照表」と「財務諸表の注記」が財務諸表として位置づけられ、作成義務のある「財産目録」は財務諸表とは別の財務報告書として扱われています。

収益事業により法人税の税務申告をする場合、NPO法人は「活動計算書」とともに、収益事業については収益、費用、配賦共通費が集計される「収益事業損益計算書」を作成しなければなりません

収益事業損益計算書の作成では、個々の科目の仕訳時からNPO法と法人税法の各々の事業区分に分けた損益管理が求められます。つまり、最大4つの区分経理が必要となるのです。

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2 申告書類(財務報告書)の作成の仕方

申告に必要な活動計算書等の財務報告書を作成する方法を簡単に説明しましょう。

まず、NPO法人における会計処理では、NPO法人会計基準など適切な会計基準に沿って行う必要があります。作業の前提条件は複式簿記による記録、発生主義による収益・費用の認識であり、これらに基づく仕訳・記帳が求められています。

また、会計処理の手順は一般の企業会計と類似していて、1年間の会計業務は

「日々の会計処理」⇒「決算修正」⇒「財務報告書の作成」

という流れになります。

・日々の会計処理

日常発生する収益・費用の計上並びに資産・負債の計上等が行われます。つまり、毎日発生する収益・費用、資産・負債に関わる会計取引を仕訳処理もしくは記帳するといった作業が行われます(会計ソフトを利用した入力も含む)。

・決算修正

共通経費の配分、減価償却の計上、売上原価の確定、前払・未払費用等の計上などの決算整理事項が実施されます。

・財務報告書の作成

「活動計算書」「貸借対照表」「財務諸表の注記」「財産目録」が作成されます。

法人税の税務申告は活動計算書を基に進めることになります。

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